JPS6133967Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は送電線の鉄塔とか他の高層物を組み立
てあるいは解体する時に高所作業者が墜落防止に
使用する装置の繰り出しロープをガイドする為の
ものである。

従来、これら高所作業者は墜落防止の為に安全
ベルトとかロープを使用していたが、それらはロ
ープお有効長さが短かいために行動範囲が狭ま
く、移動時はロープを構造物から外した状態、又
は複数のロープを交互に掛け外しし乍ら移動をせ
ねばならず、作業性が悪く、且つ常に墜落の危険
が伴なつていた。それらの欠点を解消するため
に、高所にロープの繰り出し及び巻き取りを行な
う装置を取付けて、それより繰り出したロープの
先端を作業者の安全ベルトに結合して作業時及び
移動時における作業者の墜落を防止する装置が開
発された。その装置は百数10mのロープを繰り出
し巻き取りを行なう為にロープの中間部を支えて
ガイドする必要がある。

本考案は斯様な現状に鑑み、高所作業者の移動
に伴なつてロープを円滑にガイドできる器具を提
供することをその目的とするものである。

本考案の態様を添付図面に示す一実施例につい
て詳記する。

本実施例は図示する如く、一側にチエイン受具
１と他側にチエイン２を備えたチエイン締付装置
３とを設けた取付台４を２個上下に配し、該両取
付台４，４を単数又は複数の支柱５で結合して取
付体６を形成し、近似コの字形の枠体１３の各辺
に沿つて単数又は複数のローラー８を設け、枠体
１３の開口部に設けたローラー８の軸１４の基端
部を枠体１３の片方に回動自在に枢着し、先端部
に螺着したナツト１５を枠体１３の他方に掛け外
し自在にして該ローラー８を開閉自在としたロー
プ保持部材９をアーム７の先端部に設け、該アー
ム７の基端部は上下の取付体６，６間を連結した
支柱５の上端に水平方向へ回動自在に結合し、又
前記アーム７のロープ保持部材９取付部近辺の下
面より支柱５下部に向つて斜めに支脚１０を補強
し、支柱５との取付けはアーム７と同様パイプ材
よりなる支柱５に更に大径のパイプを外嵌し、支
脚１０材端面と固着して、アーム７の水平回動と
一体的に回動するものとし、上部の取付台４に支
柱５を中心とする扇形状に複数の孔１６を設け、
該孔１６に対応する孔１７をアーム７に設け、対
応した両孔１６，１７に掛止ピン１８を嵌入して
アーム体１１の回動を止め得る回動固定部材１２
を設けた構造を有するものである。

尚、取付体６に単数の支柱５を設けた場合はア
ーム体１１も単数設け、支柱５が複数の場合はア
ーム体１１を複数とする。

本考案を使用するには、第４図に示すように例
えば送電線の鉄塔２０を組み立てる場合、通常タ
ーワークレーン２１によつて構造部材を吊り上げ
ながら組み上げて行くと共にタワークレーン２１
自体も順次せり上げて作業を行なうのであるが、
この鉄塔を組み立てる場合は、作業者２２の上部
に構造物がない為に、タワークレーン２１の基台
２３に墜落防止装置２４を取付け、該墜落防止装
置２４からワイヤー又は、繊維製のロープ２５を
繰り出してその先端部を作業者２２が着用した安
全ベルトに結合して高所作業を行なうのである
が、鉄塔部材の先端部で作業を行なう場合は、本
考案のロープガイド装置を必要とせず、ロープ２
５は墜落防止装置２４から直接作業者２２に結合
する。また鉄塔部材２０の中間部で作業を行なう
場合は、ロープ２５が鉄塔部材２０の上端部に接
触して不都合が生じる為に鉄塔部材２０の上部に
本考案のロープガイド装置を取付けて使用する。
この場合取付体６の上下両取付台４，４を鉄塔部
材２０の所定部に当て、チエイン２を鉄塔部材２
０に巻いた後、チエイン受具１に掛止し締付装置
３によつてチエインを締着し固定する。しかる後
アーム体１１を作業に必要な方向に回動させ、回
動固定部材１２の対応した両孔１６，１７に掛止
ピン１８を嵌合してアーム体１１を固定する。
尚、この掛止ピン１８を引き抜いた状態にしてお
くとアーム体１１は作業者の移動方向へ自在に回
動する。次にロープ保持部材９のナツト１５を弛
るめてその軸１４に取付けているローラー８を一
方へ回動させ開口し、そこへロープ２５を嵌合し
て開口したローラー８を元の状態に戻してナツト
１５を締着すると周囲の各ローラー８によつてロ
ープ２５を囲繞保持する。この状態で作業者２２
は高所作業を行なうのであるが、作業者の移動に
従つてロープ２５は墜落防止装置２４から繰り出
され、また引き込まれ、該ロープ２５は常にロー
プ保持部材９によつてガイドされてロープの伸縮
を円滑にできる。また作業中、移動中に作業者が
万一にも墜落した場合は墜落防止装置２４がロー
プ２５の繰り出しを止めるが、あるいは繰り出し
を止めて作業者を一旦引き止めた後、遠心ブレー
キ等によつて緩るやかに作業者を地上又は適当な
位置まで降下させて安全を守るものである。

本考案は叙上の如く構成したもので、ロープ保
持部材９はそれに挿通したロープ２５を各ローラ
ー８で囲繞しているので、作業中に外れることな
く各ローラー８によつて円滑に伸縮移動すること
ができる。また本考案は、アーム７によつてロー
プ２５を鉄塔部材２０より突き出した状態に保持
するから作業中とか移動中にロープ２５が鉄塔部
材２０等にからみ合うことがないから作業者の移
動及び作業が円滑にできる。また本考案のアーム
体１１は回動固定部材１２によつて突き出し方向
を調節すること。又は回動固定部材１２を外すと
自在に回動することができるので、作業に適した
方向へロープ２５をガイドすることができる等々
の顕著な効果がある。

第３図は取付体６の締着部材２６の他の実施例
を示すもので、取付台４の両端部に各々バンド２
７，２７を取付け、該両バンド２７，２７の一端
部を押えバンド２８の両端部とをボルト・ナツト
２９によつて結合締着するように構成した点にお
いて前記第１実施例と異なるがその他及び作用効
果は均等である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本装置の平面図、第２図はその正面
図、第３図は取付体の締着部材の他の実施例を示
す平面図、第４図は使用状態図。 付号１はチエイン受具、２はチエイン、３はチ
エイン締付装置、４は取付台、５は支柱、６は取
付体、７はアーム、８はローラー、９はロープ保
持部材、１０は支脚、１１はアーム体、１２は回
動固定部材、１３は枠体、１４は軸、１５はナツ
ト、１６，１７は孔、１８は掛止ピン、２０は鉄
塔部材、２１はクレーン、２２は作業者、２３は
基台、２４は墜落防止装置、２５はロープ、２６
は締着部材、２７はバンド、２８は押えバンド、
２９はボルト・ナツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 鉄塔等の構造物に締着固定する締着部材２６
   を備えた取付台４を上下に２個用いて、両取付
   台４，４を単数又は複数の支柱５で結合して取
   付体６を形成し、アーム７の先端部に複数のロ
   ーラー８で囲繞しその一部を開閉自在にしたロ
   ープ保持部材９を設け、該アーム７の先端部付
   近の下面に支柱５の下部に当接する方向に伸び
   る支脚１０を設けてアーム体１１を形成し、該
   アーム体１１のアーム７と支脚１０との各々基
   端部を上記取付体６の支柱５に水平方向へ回動
   自在に結合し、上部の取付台４にアーム体１１
   の回動固定部材１２を設けて成る構造を特徴と
   するロープガイド装置。 ２ 締着部材２６は取付台４の一側にチエイン受
   具１と他側にチエイン２を備えたチエイン締付
   装置３とを設けた構造を特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載のロープガイド装
   置。 ３ 締着部材２６は取付台４の両側に各々バンド
   ２７，２７を設け、該両バンド２７，２７と押
   えバンド２８の両端とをボルトナツト２９によ
   つて結合締着する構造を特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載のロープガイド装
   置。 ４ アーム体１１のロープ保持部材９は、一部を
   開口した近似コ字形の枠体１３の各辺に沿つて
   単数又は複数のローラー８を設け、前記枠体１
   ３の開口部に設けたローラー８の軸１４の基端
   部を枠体１３の片方に回動自在に枢着し、先端
   部に螺着したナツト１５を枠体１３の他方に掛
   け外し自在にして該ローラー８を開閉自在にし
   た構造を特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項・第２項又は第３項に記載のロープガイド
   装置。 ５ アーム体１１の回動固定部材１２は、上部の
   取付台４に支柱５を中心とする扇形状に複数の
   孔１６を設け、該孔１６に対応する孔１７をア
   ーム７に設け、対応した両孔１６，１７に掛止
   ピン１８を嵌入してアーム体１１の回動を止め
   る構造を特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項・第２項・第３項又は第４項に記載のロー
   プガイド装置。