JPS6238525Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、温室用カーテン開閉装置の駆動軸の
たわみ防止に用いる補助軸受装置に関する。

本考案に係わるカーテン開閉装置は、第１図に
示すように、巻取り巻戻しドラム１に夫々逆回転
方向に走行ロープ２を巻付け、例えば駆動軸４を
矢標Ａの如く回転させると走行ロープ２にクリツ
プ５で固定したカーテン３が、走行ロープ２とと
もに矢標Ｂのように閉じ、また駆動軸４を反矢標
Ａ方向に回転すると開放するように構成してあ
る。温室の規模がある程度大きくなるとカーテン
の幅も広くなり、円滑な開閉をするためには長い
駆動軸を設け途中に複数個の巻取り巻戻しドラム
を設ける必要があつた。しかし、カーテンにはか
なりの重さがあるため各巻取り巻戻しドラムに荷
重がかかり、両端を支持しただけの従来の駆動軸
ではたわんでしまう欠点があつた。たわんだ駆動
軸４は、ただ単にたわんだ状態のまま回転するの
ではなく、本来あるべき軸心を中心に旋回運動を
することとなるから、たわみ部分に取付けた巻取
り巻戻しドラム１は旋回しながら大振りの回転を
することとなり、走行ロープ２を強く引いたり緩
くたるませてひいたりして波打たせるのみなら
ず、巻取り巻戻しドラム１から走行ロープ２を外
して駆動軸１に直接巻きつけたり、駆動軸１が軸
方向に移動して軸受内輪部を軸受外枠から外して
しまつたりして、到底円滑なカーテンの開閉がで
きなくなる問題があつた。従来装置としては、駆
動軸の両端に設けた巻取り巻戻しドラムを同期し
て回転するため長軸状に連結した駆動軸の中間部
を温室の骨組材に直接取付けた軸受で支持するも
のが実公昭49−40404号公報に開示されている
が、この軸受は温室の骨組材に設けたものであつ
て、カーテン巻取り巻戻しドラムの設置位置とは
全く関係なく設けてあり、例えば、夏期の網状の
遮光カーテンは軽量であるのに対み冬期の保温カ
ーテンは厚手で重い場合、駆動軸の中間部の巻取
り巻戻しドラムの数を増減してカーテンの開閉を
円滑化するようなことは多々行われるが、この場
合、巻取り巻戻しドラムの設置位置と数が温室の
骨組材に対応するようなことは殆どないから、結
局、駆動軸の中間部に設けた軸受（即ち、骨組
材）が巻取り巻戻しドラムの近傍に来ることは期
待できず、軸受から離れた巻取り巻戻しドラムの
部分で駆動軸は走行ロープに引つ張られてたわむ
こととなり、また、駆動軸がたわんで軸方向に移
動を繰り返すと、駆動軸の軸方向の移動に伴つて
軸受枠から軸受内輪部が少しずつ移動して抜け落
ちる虞があり、根本的な問題の解決にはならない
欠点があつた。

そこで本考案は、現在使用している駆動軸の中
間部に位置する巻取り巻戻しドラムの近傍に支持
枠体を介して位置決め調節自在に軸受部材を取付
け、駆動軸のたわみを防ぐ補助軸受装置を提供し
ようとするものである。

以下、第２ａ図乃至第５図に示す実施例に基づ
いて本考案を詳細に説明すると、本考案に係る補
助軸受部材は本体６と支持枠体７から成る。本体
６は第２ａ図乃至第２ｃ図で示す通り、軸受部８
と取付部材１０とから成り、軸受部８には駆動軸
４を通す角孔１１が設けてある。軸受部８は、内
側に向かつて断面凸字形状をなすリング状の軸受
枠と、該軸受枠に軸方向に移動を阻止されて回転
自在に玉軸受式に支持された軸受内輪部とからな
り、外側の軸受枠にはＶ字状に開脚する支持脚９
ａ，９ｂが一体に設けてある。取付部材１０はア
ングル材を用いており、その水平辺１０ａには軸
受部８を固定する長孔１２ａ，１２ｂが設けてあ
り、軸受部８の脚９ａ，９ｂをボルト・ナツト１
３，１４で左右調節可能に固定してある。また、
他方の垂直辺１０ｂには本体６を前記支持枠体７
に固定するためのフツク１５ａ，１５ｂが設けて
あり、ナツト１６ａ，１６ｂを締めることにより
支持枠体７に固定することができるように構成し
てある。支持枠体７は、第４図及び第５図に示す
ように、水平部材１７と垂直部材１８ａ，１８ｂ
とから成る。実施例では水平部材１７は中空の角
棒を用いており、アングル材を用いた垂直部材１
８ａ，１８ｂを水平部材１７に対して垂直に、フ
ツク１５ａ，１５ｂの間隔で溶接してあり、フツ
ク１５ａ，１５ｂを夫々垂直部材１８ａ，１８ｂ
に沿つて上下方向に位置決めして所定の高さにナ
ツト１６ａ，１６ｂで締付け固定し得るように構
成してある。

以上のような構成をもつ本考案装置の実施例に
よりその実施態様を、第３図乃至第５図に基づい
て説明すると、２０は温室の外壁、２１，２２は
走行ロープ（第１図参照）に平行な鉄骨、２３，
２４は鉄骨２１，２２に垂直な梁である。従来の
開閉装置では駆動軸４の両端のみを鉄骨２１，２
２にクランプ２５で固定した軸受２６で軸支し、
モータ２７で回転駆動する構成となつており、直
接荷重のかかる走行ロープの巻取り巻戻しドラム
付近には荷重を支えるものはなかつた。そこで、
まず巻取り巻戻しドラム１付近に本考案の支持枠
体７の水平部材１７を梁２３，２４に直角に固定
し、次に垂直部材１８ａ，１８ｂに沿つて本体６
を上下動させ軸受部８を駆動軸４の高さに合わせ
て位置決めし、フツク１５ａ，１５ｂを垂直部材
１８ａ，１８ｂにひつかけナツト１６ａ，１６ｂ
を締めて固定し、最後に左右の位置決めをしてか
らボルト・ナツト１３，１４を締めて軸受部８を
固定する。駆動軸４は通常１ｍぐらいの中空角材
を継ぎ合せたものだから、両端についている止め
金２８をはずせば途中で抜くことができるため、
補助軸受部材の本体６は第３図に示すように巻取
り巻戻しドラム１のすぐ近くに容易に取付けるこ
とができる。

以上の通り本考案に係る温室用カーテン駆動軸
の補助軸受装置によれば、駆動軸４の上方に平行
して梁２３，２４等からなる温室骨組体を設け、
該温室骨組体に駆動軸４を間にして上方に跨る位
置に垂直部材１８ａ，１８ｂを具備する支持枠体
７を設けた構成を有するから、支持枠体７を駆動
軸４に沿つた自由な位置に設けることができるの
で、巻取り巻戻しドラム１をカーテンの円滑な開
閉に必要な任意の位置に配置することを可能に
し、且つ、支持枠体７を任意の位置の巻取り巻戻
しドラム１の近傍に設けることが可能になり、更
に、この支持枠体７の垂直部材１８ａ，１８ｂに
対して取付部材１０を高さ調整自在に取付け、且
つ取付部材１０に対して水平方向に位置決め自在
に軸受部８を設けた構成であるから、駆動軸４の
任意の位置に合わせて補助軸受部材の位置を容易
に決めて簡単に取付けることができ、また、駆動
軸４が僅かにたわんで軸方向に移動したとして
も、軸受部８は置決め固定された軸受枠に軸方向
の移動を阻止された玉軸受式の構成であるから、
軸の移動に伴つて軸受内輪部が抜け落ちるような
事故も未然に防止できる効果があり、走行ロープ
２を介してカーテンの荷重のかかる駆動軸中間の
巻取り巻戻しドラム１を設置した箇所を、個々に
補助軸受部材で支持して駆動軸のたわみを防止
し、カーテンの軽重や高さや敷設面積の大小に常
に対応して円滑にカーテンを開閉することができ
る優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わるカーテン開閉装置の概
略作動説明図、第２ａ図は本考案装置に係る補助
軸受部材の一実施例を示す正面図、第２ｂ図はそ
の側面図、第２ｃ図はその平面図、第３図は本考
案装置の実施態様を示す概略側面図、第４図は第
３図の−線方向から見た本考案装置の実施態
様図、第５図は第３図の−線方向から見た本
考案装置の実施態様図である。 ６：補助軸受部材の本体、７：補助軸受部材の
支持枠体、８：軸受部、１０：取付部、１７：水
平部材、１８ａ，１８ｂ：垂直部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動軸４の中間部に位置して設けた巻取り巻戻
   しドラム１によつて正逆走行移動する走行ロープ
   ２によりカーテン３を開閉するカーテン開閉装置
   において、駆動軸４の上方に平行して梁２３，２
   ４等からなる温室骨組体を設け、該温室骨組体に
   駆動軸４を間にして上方に跨る位置に垂直部材１
   ８ａ，１８ｂを具備する支持枠体７を設ける一
   方、前記垂直部材１８ａ，１８ｂ間に高さ調整自
   在に駆動軸４に直交する略水平方向に取付けた取
   付部材１０と、該取付部材１０の長手方向に沿つ
   て位置決め自在に設けた軸受枠及び該軸受枠に軸
   方向の移動を阻止された玉軸受式の軸受部８とか
   らなる補助軸受部材の本体６を、前記駆動軸４の
   中間部に位置して設けた巻取り巻戻しドラム１の
   近傍に、位置決め調節自在に設けたことを特徴と
   する温室用カーテン開閉装置における駆動軸の補
   助軸受装置。