JPS6133819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、組立家屋における金属窓枠の取付
構造に関するものである。

従来組立家屋においては、アルミ等による金属
窓枠を、ビス止めにより取付けていた。しかしこ
の場合、周辺の壁パネルは、軽量体にする目的
で、外側には薄い金属板を、また内側には合成木
板等をそれぞれ張設して、内部は中空体に形成さ
れていた。従つて螺挿が容易な内側の合成木板に
窓枠をビス止めすると、強度的に弱くて不安定な
取付けになつた。また外側から内側の縁部に至る
金属板に窓枠をビス止めすると、板厚が薄いの
で、ネジ山が充分に確保されないことから、上記
金属板の内側にナツト座を付設する必要が生じ
て、取付けに困難が伴い、施工の能率向上が計れ
なかつた。さらに金属窓枠と壁パネル間に支柱や
横材等を介在させて取付けると、構造が複雑にな
つてコストが高くつくうえ、家屋の内側に上記部
材が露出して、室内の美観を損うという各問題点
があつた。

この考案は、上記の各問題点を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、
簡単な構造で、壁パネルの金属板部分と窓枠と
を、充分な強度により、安定的に、しかも低コス
トのもとで緊結させることができる金属窓枠の取
付構造を提供することにある。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図および第２図に示すように、組立家屋Ｈ
の周壁に窓を設けるために、その窓となる位置の
両側部には、外側面から内側の合成木板の周縁に
かけて金属板を張設し、かつその窓部となる側の
縁部はコ字状に屈曲して、内部を中空状に形成し
た窓側面壁パネル２が、左右対称状により立設さ
れている。またこの間の窓となる位置の上位部に
は、第３図に示すように断面がほぼ上記パネル２
に類似する状態により、幾分コ字状縁部を長目に
形成した窓上壁パネル３が張設されている。さら
に窓となる位置の下位部には、第４図に示すよう
に、断面が第２図の壁パネル２とほぼ類似するよ
うに形成した窓下壁パネル４が立設されている。

次に１は、アルミ材により成型された金属窓枠
である。上記窓枠１は、第２図から第４図までに
示すように、上部側のほぼ中央位置には、前記し
た窓上壁パネル３の金属板縁部内側面に接合する
ための上枠取付片１ａが、長手方向に平行するよ
うに立設され、同窓枠１の室内側となる四周位置
には、内側支持片１ｂが、また各壁パネル２，
３，４の室外側縁部と接する四周位置には、外側
支持片１ｃが、それぞれ垂直面の状態により突設
されている。なお四周中で、上部位置以外の外側
支持片１ｃの先端部は、断面がＬ字形の空域とな
る凹所１ｄが設けてある。そして前記した内側支
持片１ｂとほぼ直角状に連接している上面部の天
井面と、下面部の底面には、左右両側の外部に連
通するネジ孔１ｅ，１ｆが水平方向に螺設されて
いる。さらに下面部底面のネジ孔１ｆの隣接位置
には、下向きの溝部１ｇが長手方向に平行するよ
うに設けてある。

前記による金属窓枠１の両側と下側にかけて
は、金属板により断面を直角状に形成した窓枠補
強板５が、上記窓枠１の上部側以外の三方枠外面
に一連状に嵌着されている。そして下側枠の位置
では、第４図に示すように上記補強板５の内側縦
面の上端が溝部１ｇ内に嵌挿され、その反対側の
平面先端は凹所１ｄ内に収嵌されている。また両
側枠の位置では、第２図に示すように上記補強板
５の内側縦面の一端がさらに延長されて、この枠
面に接するように直角状に屈曲されている。そし
てその屈曲先端は、両側枠面の位置に、上下の各
ネジ孔１ｅ，１ｆに対するビス１２の螺挿により
固着されている。さらに反対側の他端は、外側支
持片１ｃの凹所１ｄ内に収嵌されている。

この場合、第３図に示す金属窓枠１の上枠取付
片１ａの面部には、後記する連結金具７の両爪片
７ｃの嵌挿により、金属窓枠１の上部側枠を窓上
壁パネル３に固定するために、あらかじめ第８図
に示すように、二の字形の平行態で、その各一方
端部は除々に幅狭くなるような形状の長孔ｄ，ｅ
が、長手方向に間隔的に設けられている。そして
上記上枠取付片１ａと接する窓上壁パネル３のコ
字状金属板内側縦面にも、前記した長孔ｄ，ｅと
同形の長孔ｆ，ｇが、長手方向の同じ位置毎に設
けられている。

同様に、第４図に示す窓枠補強板５の下枠側縦
面には、第８図のように窓上壁パネル３に設けた
一方の長孔ｆを、またこの縦面と同一垂直面とな
る窓下壁パネル４のコ字状金属板内側縦面には、
他方の長孔ｇを、それぞれ第８図と同様に二の字
形の平行態をもつて長手方向に前述と同じ間隔に
より設けられている。さらに第２図に示す窓側面
壁パネル２のコ字状金属板内側縦面と、この面に
隣接する窓枠補強板５の内側縦面には、第８図の
長孔ｆ，ｇと同形による長孔ｆ，ｇを、縦位にし
て、双方面に配分する状態により、長手方向に間
隔的に設けられている。この反対の窓側面壁パネ
ル２と、窓枠補強板５の同じ位置にも、同形の長
孔ｆ，ｇが同様に設けられている。

次に、この考案構造の要部の１つとなる連結金
具７は、第５図および第７図に示すように形成さ
れている。すなわち、金属板をＵ字形に屈曲し
て、その平行側面の上端部７ａと下端部７ｂは、
同一垂線上に配置されている。そしてこの両側面
のほぼ中間位置には、両側面からの延長により後
方に突出した面部を、直角方向の下向きに変更し
て、その各先端には、内側方向にかけて除々に幅
を広げて矢形状となる爪片７ｃを突設し、この爪
片７ｃの内側縁面と下端部７ｂ間の面部は、上記
爪片７ｃの内側縁と所定幅により平行するように
削除して、締込み切欠き７ｄが形出されている。
さらに上記爪片７ｃに隣接する正面部にはネジ孔
７ｅが設けられている。

また、第４図に示す下枠取付板９は、前述した
窓枠補強板５の下側の長さと同じ長さによる金属
板をチヤンネル状に屈曲して、その広域面部に
は、第８図に示す上枠取付片１ａに設けた長孔
ｄ，ｅと同形の長孔ｄ，ｅを同様状に設けたもの
である。

さらに、第２図に示す横枠取付板６は、前述し
た窓枠補強板５の両側面と縦方向の長さが同じに
よる金属板を、いつたんチヤンネル状に屈曲し、
その広域面の中央には、断面が半円状となるリブ
を縦方向に設けている。そして両側面の先端近く
には内側向けの突部を形出したのち、この両側面
は延長して左右外方に対称状に屈曲され、かつ広
域面のリブを中間にしたその左右面部には、第８
図に示す上枠取付片１ａに設けた長孔ｄ，ｅと同
形の長孔ｄ，ｅが、縦位の配置により、垂直方向
に間隔的に設けられている。

なお、第２図に示す蓋板８は、上記横枠取付板
６の幅と同じ幅に形成された帯状板の内側左右部
に弾片をそれぞれ突設して、この弾片により、上
記横枠取付板６の正面側に被着するものである。
また第３図に示す上額縁１０は、前述した窓枠補
強板５と水平方向の長さが同じに形成された金属
板を、断面が長方形のＣ形に成型され、その正面
部には、前述した長孔ｄ，ｅと同じ間隔位置毎
に、第７図に示す形状のビス孔１０ａを設けたも
のである。さらに第４図に示す下額縁１１は、上
記上額縁１０と同形同長に形成され、そして同じ
位置毎に同様のビス孔を設けたものである。

前記の構成により、組立家屋Ｈの窓位置に、窓
枠補強板５付の金属窓枠１を取付ける場合は、上
記窓枠１を、第２図から第４図までに示すよう
に、上部においては、上枠取付片１ａとこの側の
外側支持片１ｃを、窓上壁パネル３のコ字状金属
板縁部内側面と外側内面に当接するようにして、
また両側部においては、窓枠補強板５の左右外方
縦面を、窓側面壁パネル２のコ字状金属板縁部窓
側縦面に嵌合するようにして、さらに下部におい
ては、窓枠補強板５の水平面を、窓下壁パネル４
のコ字状金属板縁部窓側上面に載置するようにし
て、密接状に収嵌する。

このようにして、窓位置に、窓枠補強板５付の
金属窓枠１を収嵌したのち、上側枠の位置では、
第３図および第７図に示すように、上枠取付片１
ａと窓上壁パネル３の双方に設けられて合致して
いる長孔ｄ，ｅ，ｆ，ｇ内に、連結金具７の両爪
片７ｃを嵌挿して、幅広い孔側から幅狭い孔側に
移動させる。そして上端部７ａに隣接する頭部を
移動方向に強力に叩くと、両爪片７ｃが、上記長
孔ｄ，ｅ，ｆ，ｇに隣接する進行方向の面部に喰
い込むため、喰い込まれた面部は、締込み切欠き
７ｄの位置で、上記爪片７ｃと下端部７ｂとによ
り、変形状に挾着されることになる。これによ
り、金属窓枠１の上部側を、窓上壁パネル３の金
属板に、緊結状態をもつて容易迅速に取付けるこ
とができる。

また下側枠の位置では、第４図に示すように、
窓枠補強板の垂直面と窓下壁パネル４のコ字状金
属板内側縦面とが上下配置により同一縦面となつ
ている接合面部位置に、前記した下枠取付板９
を、広域面の当接により横位に配置して、合致し
た双方の長孔ｄ，ｅ，ｆ，ｇ内に、前述と同様
に、連結金具７の爪片７ｃを嵌挿し、同じように
その頭部を叩いて締付けることにより、窓枠補強
板５を介して金属窓枠１の下部側を、窓下壁パネ
ル４の金属板に、緊結状態をもつて容易迅速に取
付けることができる。

さらに両側枠の位置では、第２図に示すように
窓枠補強板５の内側縦面と窓側面壁パネル２のコ
字状金属板内側縦面と左右配置により同一面状と
なつている合接面部位置に、前記した横枠取付板
６を、広域面の当接により縦位に配置して、合致
した双方の長孔ｄ，ｅ，ｆ，ｇ内に対する連結金
具７の嵌挿と、同様手段の締付けにより、窓枠補
強板５を介して金属窓枠１の両側を、左右の窓側
面壁パネル２の各金属板に、緊結状態をもつて容
易迅速に取付けることができる。

なお前記による金属窓枠１の取付け位置で、上
位の内側支持片１ｂと窓上壁パネル３間には、前
記した上額縁１０を、第３図のように横位の配置
をもつて当接し、ビス孔１０ａから連結金具７の
ネジ孔７ｅに対するビス１３の螺挿により被着す
ることで、長孔ｄ，ｅ，ｆ，ｇと連結金具７によ
る上側の取付構造部を完全に遮蔽できる。また下
位の内側支持片１ｂと窓下壁パネル４間には、前
記した下額縁１１を、第４図のように横位の配置
により当接して、同様に、ビス１３の螺挿をもつ
て被着することにより、下側の取付構造部を完全
に遮蔽できる。さらに両側の横枠取付板６の正面
開口部位置には、前記した蓋板８を、内側突部に
対する弾片の係合により、着脱自在に被着するこ
とで、左右側の取付構造部を完全に遮蔽できる。

以上に説明したようにこの考案は、周辺壁パネ
ルの強靭な金属板窓側縁部に、窓枠補強板付の金
属窓枠を、直接または下枠取付板あるいは横枠取
付板の介在をもつて、双方面に設けた長孔に対す
る連結金具の嵌挿と締付けにより、緊結状の取付
けができるため、取付けの安定化が得られ、強度
も充分に発揮できる。また容易迅速に窓枠の取付
けができるので、施工能率の大幅な向上が計れる
うえ、取付構造も簡単であることから、コストの
低減が得られる。さらに各取付構造部は、上下額
縁および蓋板等により遮蔽されるため、室内の美
観を維持できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による金属窓枠の取付構造を
もつて窓が設けられている組立家屋を示す側面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線における金属窓枠
の取付構造を示す横断平面図、第３図は第１図の
Ｂ−Ｂ線における金属窓枠の取付構造を示す縦断
側面図、第４図は第１図のＣ−Ｃ線における金属
窓枠の取付構造を示す縦断側面図、第５図はこの
考案構造の１要部となる連結金具を示す斜視図、
第６図は同連結金具の長孔における爪片の締付位
置を示す一部縦断背面図、第７図は第３図におけ
る締付金具と上額縁の配置態様を示す横断平面
図、第８図は第３図における窓枠上位置と窓上壁
パネルの双方に設けた長孔を示す斜視図である。 符号の説明、１……金属窓枠、１ａ……上枠取
付片、１ｂ……内側支持片、１ｃ……外側支持
片、１ｄ……凹所、１ｅ，１ｆ，７ｅ……ネジ
孔、１ｇ……溝部、２……窓側面壁パネル、３…
…窓上壁パネル、４……窓下壁パネル、５……窓
枠補強板、６……横枠取付板、７……連結金具、
７ａ……上端部、７ｂ……下端部、７ｃ……爪
片、７ｄ……締込み切欠き、８……蓋板、９……
下枠取付板、１０……上額縁、１０ａ，１２，１
３……ビス、１１……下額縁、ｄ，ｅ，ｆ，ｇ…
…長孔、Ｈ……組立家屋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属窓枠１の上枠取付片１ａに穿設した平行す
   る二の字形の長孔ｄ，ｅと、該窓枠１に合着する
   窓上壁パネル３の合着位置の表面に、同形の長孔
   ｆ，ｇを穿設し、上記各長孔ｄ，ｅとｆ，ｇに、
   連結金具７の前面に突設した平行二の字形の爪片
   ７ｃを嵌挿した上、該連結金具７の中央部に設け
   たネジ７ｅに対し、上額縁１０の適所に設けたビ
   ス孔１０ａを合わせ、両孔７ｅ，１０ａをビス１
   ３の螺装で止着した枠組みとしたことを特徴とす
   る金属窓枠の取付構造。