JPS6133057B2 - - Google Patents
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- JPS6133057B2 JPS6133057B2 JP56163918A JP16391881A JPS6133057B2 JP S6133057 B2 JPS6133057 B2 JP S6133057B2 JP 56163918 A JP56163918 A JP 56163918A JP 16391881 A JP16391881 A JP 16391881A JP S6133057 B2 JPS6133057 B2 JP S6133057B2
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- Japan
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- precipitates
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Landscapes
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
Description
本発明は高導電性耐熱アルミ合金の製造方法に
関するものである。 最近の電力需要増加のため、送電容量の増加が
要請されている。また、送電線の距離も長くなつ
ているため、できるだけ送電ロスの少ない送電線
が必要となつている。 送電ロスを少なくし、送電容量を増加するに
は、耐熱性がすぐれなおかつ導電率の高いアルミ
合金を導体として使用すればよいが、従来この目
的のためには、Zrを0.1%程度含んだAl−Zr合金
が使用されていた。しかし、この合金ではせいぜ
い短時間許容温度230℃、導電率57%が限度であ
つた。 これらの合金はZrの固溶により耐熱性を向上さ
せるものであり、耐熱性の向上と導電率の上昇は
相反するものであつた。またZrの固溶による耐熱
性の向上は300℃以下の温度では顕著であるが、
高温になると低下する傾向があつた。 したがつて、耐熱性と導電率を同時に向上させ
るためには、Al−Zr化合物を微細に析出させた
Al合金を使用する必要がある。しかしこの場
合、ZrはAl中での拡散速度が非常に遅いため析
出速度が遅く、微細な析出物を析出させて高い耐
熱性と導電率を得るためには長時間の熱処理を行
なう必要があり、工業的に不便なものであつた。
また、熱処理時間を短縮するには、高温で熱処理
を行なえばよいが、この場合には粗大な析出物の
析出により耐熱性が低下するとともに、伸線加工
後の引張強さが不足するという欠点を有してい
る。 本発明の目的は前記した従来技術の欠点を解消
し、短時間の熱処理により耐熱性と導電率の大巾
な向上と所定の引張強さの保持を可能とする製造
法を提供することにある。 すなわち本発明の要旨は、(1)熱処理方法とし
て、2段階の熱処理を採用したことにある。(2)高
い耐熱性を得るために従来よりも高いZrを添加、
(3)析出速度を速めるためにFe、Siを添加、 以上の特徴の中でもとくに、熱処理方法として
2段階の熱処理方法を採用したことがこの発明の
大きな要点である。 この2段の時効についてもう少し詳細に説明す
る。低温で熱処理を行なつた場合には、微細な析
出物が析出し、引張強さ、耐熱性は向上するが、
析出量が少ないため導電率が低く、高温で熱処理
を行なつた場合には、拡散が容易になり析出量は
多くなるが析出物が粗大化し、導電率は高いが引
張強さ耐熱性は低い。また高温で熱処理を行なつ
た場合には、荒引線内に存在した転位の消滅が、
析出よりも速く終了するために、引張強さの低下
が大きい。 本発明の2段時効は上記のようなAl−Zr系合
金についての析出現象を詳細に検討した結果、生
み出されたものであり、その機構は次のとおりで
ある。すなわち、まず低温で熱処理を行うことに
より、微細な析出物を析出させる。このときに
は、析出の方が再結晶(転移の消滅)よりも速く
進行するため、この微細な析出物は転位をピン止
めし、再結晶を阻止し、転位密度の高いまま、析
出が進行する この後、高温で熱処理を行なうことにより、低
温で熱処理した際に析出した微細な析出物を核と
して析出が進行する。したがつて析出物の分布
は、低温で熱処理を行なわないで高温で熱処理し
た場合よりも、非常に微細である。さらに、転位
も析出物によつてピン止めされているために、転
位密度も高く、転位によつての拡散も寄与して、
析出速度は速くなる。 このように、2段時効によつて、微細な析出状
態が短時間のうちに得られ、導電率、耐熱性、引
張強さのすぐれた荒引線が得られる。 つぎに本発明が限定条件を設けている理由につ
いて説明すれば、つぎの通りである。 (1) Zr0.2〜1.5% 0.2以下では250℃以上という許容温度を満足
する耐熱性は得られず、1.5%以上では、58%
以上の導電率を得ることが困難となり、鋳造
性、伸線加工性も悪くなる。 (2) SiおよびFe;0.04〜0.5% 0.04%以下ではZrの析出を速める効果および
引張強さが低く、0.5%以上では伸線加工が困
難となり、脆化、導電率の低下が著しい。 (3) 5℃/sec以上の冷却速度 5℃/sec以下の冷却速度では鋳造および加工
の際にZr、FあるいはSiの添加元素の晶出相お
よび析出晶が形成され、充分固溶されず晶出お
よび析出されてしまい、これらの晶出物、析出
物は粗大であり、耐熱性に悪影響を与える。 (4) 仕上り温度が200℃以下となる間に80%以上
の減面率となる加工 200℃以上では加工中にZr、FeあるいはSiの
析出が起きる。これらの析出物は粗大であり、
耐熱性に悪影響を与える。80%以下の加工では
析出に有効な転位密度が不足する。 (5) 250〜400℃で0.5〜30hの第1次熱処理 250℃、あるいは0.5h以下では十分な析出が
起こらず、析出物の数が少なく、析出物の大き
さも小さすぎるため、第2次の熱処理のための
有効な核とならない。400℃、あるいは30h以
上では、析出物が粗大化し、再結晶が進行し転
位密度が減少し、第2次の熱処理のための有効
な核となりえない。 (6) 第1次の熱処理よりも高温で第2次の熱処理
を300〜500℃で1〜100h行なう拡散速度の速
い高温で第2次の熱処理を実施しなければ熱処
理時間の短縮とならない。300℃あるいは1h以
下では、導電率の上昇をもたらすほど充分な析
出が得られない。500℃あるいは100h以上で
は、析出物の粗大化が起き、耐熱性、引張強さ
が低下する。 実施例 1 表1に示す合金を溶解し、15℃/secの冷却速度
で鋳造し、さらに95%の加工度を加えて仕上り温
度125℃で9.5φの荒引線とした。この荒引線を
350℃×2hで第1次熱処理、つづいて450℃×20h
で第2次熱処理を行なつた後、冷間伸線により
4.8φの線とした。その性質を表1に示す。耐熱
性の尺度として、300℃×1h加熱後の引張強さの
残存率を求めた。表1から判るように、比較合金
8に示すようにZrが0.2%以下では、引張強さが
低く耐熱性が低い。比較合金13に示すようにZrが
1.5%以上では引張強さ、耐熱性は充分である
が、導電率が低く、鋳造が困難であり、工業的規
模の生産に不向きである。比較合金9に示すよう
に、Fe、Si量が0.04%以下では引張強さが低下す
る。 比較合金10、11、12に示すようにFe、Si量が
0.5%以上では導電率あるいは耐熱性が低く、伸
線が困難である。 実施例 2 表1に示すNo.3合金を表2に示す冷却速度で
鋳造した。冷却速度は水冷シヤワ−量で調節し
た。この鋳塊を再加熱することなく520℃から圧
延を開始し、125℃で圧延を終了して9.50荒引線
を製造後、荒引線を第1次熱処理を350℃×2hで
行なつた後、第2次熱処理450℃×20hを実施
し、冷間伸線して4.80とした。表2にその結果を
示す。冷却速度が5℃/sec以下では、とくに耐熱
性が低い。 実施例 3 表1に示すNo.3合金を冷却速度15℃/secで鋳
造し、この鋳塊を再加熱することなく、520℃で
圧延を開始し、圧延終了温度を表3に示すように
変えて9.50荒引線を製造した。圧延終了温度は圧
延機のクーラント量を変えることによつて調節し
た。この荒引線について第1次熱処理を350℃×
2hで行なつた後、第2次熱処理を450℃×20hで
行ない、冷間伸線して4.80とした。表3にその性
質を示す。圧延終了温度が200℃以上では耐熱性
が低い。 実施例 4 表1に示すNo.3合金を冷却速度15℃/secで鋳
造し、この鋳塊を再加熱することなく、520℃で
圧延を開始し、表4に示すような減面率の加工を
与えて125℃で圧延を終了し、9.50の荒引線を製
造した。圧延の減面率は鋳塊のサイズを変えるこ
とによつて調節した。この荒引線を350℃で2hの
第1次熱処理を行なつた後、第2次熱処理を450
℃×20hで行ない、冷間伸線して4.80とした。表
4にその性能を示す。減面率が80%以下では、引
張強さが低いことが判る。 実施例 5 表1に示すNo.3合金を冷却速度15℃/secで鋳
造し、この鋳塊を再加熱することなく、520℃で
圧延を開始し、125℃で圧延を終了して9.50の荒
引線を製造した。この荒引線を表5に示すような
種々の条件で熱処理を行なつた。 第1次熱処理および第2次熱処理条件が本発明
の方法の場合には、引張強さ、導電率、耐熱性と
もに良好な性能を示す。しかし、No.10および
No.12に示すように第1次熱処理が低温あるいは
短時間の場合には、第1次熱処理で形成される析
出物の大きさが小さすぎるため、第2次熱処理の
際に再固溶してしまい、析出核の役目を果さず、
引張強さ、耐熱性は低い。No.11のような第2次
熱処理温度が低い場合には、拡散が遅いため析出
の進行が遅く、導電率が低い。 またNo.13のように、第1次熱処理温度が高温
の場合には、第1次熱処理で形成される析出物が
粗大化しており、析出の核としての役割りを果た
さず、引張強さ、耐熱性、が低い。No.14のよう
に第1次および第2次熱処理条件が本発明の範囲
であつても第2次熱処理温度の方が低温である場
合にも、第2次熱処理中の析出が遅く導電率が低
い。No.15のように、第2次熱処理条件が本発明
の規定よりも高温の場合には、第1次熱処理中に
形成された析出物が適正な大きさであつても、再
固溶あるいは粗大化してしまうため、引張強さが
低下する。 また、No.4と合計熱処理時間が同じである。
400℃×25hの熱処理を行なつたものは、引張強
さ16.0Kg/mm2、導電率57.9%、残存率83%であ
り、本発明方法が非常にすぐれていることが判
る。なお、本発明による2段の熱処理は、第1次
熱処理と第2次熱処理を分けて行なつても、連続
して第1次熱処理後、温度を低下することなく、
第2次熱処理を行なつてもよい。 以上の通り本発明による高い導電率と耐熱性を
もつたアルミ合金を使用することにより、送電ロ
スを少なくして送電容量を大巾に増加させること
が可能となるものであり、その意義はけだし大き
い。
関するものである。 最近の電力需要増加のため、送電容量の増加が
要請されている。また、送電線の距離も長くなつ
ているため、できるだけ送電ロスの少ない送電線
が必要となつている。 送電ロスを少なくし、送電容量を増加するに
は、耐熱性がすぐれなおかつ導電率の高いアルミ
合金を導体として使用すればよいが、従来この目
的のためには、Zrを0.1%程度含んだAl−Zr合金
が使用されていた。しかし、この合金ではせいぜ
い短時間許容温度230℃、導電率57%が限度であ
つた。 これらの合金はZrの固溶により耐熱性を向上さ
せるものであり、耐熱性の向上と導電率の上昇は
相反するものであつた。またZrの固溶による耐熱
性の向上は300℃以下の温度では顕著であるが、
高温になると低下する傾向があつた。 したがつて、耐熱性と導電率を同時に向上させ
るためには、Al−Zr化合物を微細に析出させた
Al合金を使用する必要がある。しかしこの場
合、ZrはAl中での拡散速度が非常に遅いため析
出速度が遅く、微細な析出物を析出させて高い耐
熱性と導電率を得るためには長時間の熱処理を行
なう必要があり、工業的に不便なものであつた。
また、熱処理時間を短縮するには、高温で熱処理
を行なえばよいが、この場合には粗大な析出物の
析出により耐熱性が低下するとともに、伸線加工
後の引張強さが不足するという欠点を有してい
る。 本発明の目的は前記した従来技術の欠点を解消
し、短時間の熱処理により耐熱性と導電率の大巾
な向上と所定の引張強さの保持を可能とする製造
法を提供することにある。 すなわち本発明の要旨は、(1)熱処理方法とし
て、2段階の熱処理を採用したことにある。(2)高
い耐熱性を得るために従来よりも高いZrを添加、
(3)析出速度を速めるためにFe、Siを添加、 以上の特徴の中でもとくに、熱処理方法として
2段階の熱処理方法を採用したことがこの発明の
大きな要点である。 この2段の時効についてもう少し詳細に説明す
る。低温で熱処理を行なつた場合には、微細な析
出物が析出し、引張強さ、耐熱性は向上するが、
析出量が少ないため導電率が低く、高温で熱処理
を行なつた場合には、拡散が容易になり析出量は
多くなるが析出物が粗大化し、導電率は高いが引
張強さ耐熱性は低い。また高温で熱処理を行なつ
た場合には、荒引線内に存在した転位の消滅が、
析出よりも速く終了するために、引張強さの低下
が大きい。 本発明の2段時効は上記のようなAl−Zr系合
金についての析出現象を詳細に検討した結果、生
み出されたものであり、その機構は次のとおりで
ある。すなわち、まず低温で熱処理を行うことに
より、微細な析出物を析出させる。このときに
は、析出の方が再結晶(転移の消滅)よりも速く
進行するため、この微細な析出物は転位をピン止
めし、再結晶を阻止し、転位密度の高いまま、析
出が進行する この後、高温で熱処理を行なうことにより、低
温で熱処理した際に析出した微細な析出物を核と
して析出が進行する。したがつて析出物の分布
は、低温で熱処理を行なわないで高温で熱処理し
た場合よりも、非常に微細である。さらに、転位
も析出物によつてピン止めされているために、転
位密度も高く、転位によつての拡散も寄与して、
析出速度は速くなる。 このように、2段時効によつて、微細な析出状
態が短時間のうちに得られ、導電率、耐熱性、引
張強さのすぐれた荒引線が得られる。 つぎに本発明が限定条件を設けている理由につ
いて説明すれば、つぎの通りである。 (1) Zr0.2〜1.5% 0.2以下では250℃以上という許容温度を満足
する耐熱性は得られず、1.5%以上では、58%
以上の導電率を得ることが困難となり、鋳造
性、伸線加工性も悪くなる。 (2) SiおよびFe;0.04〜0.5% 0.04%以下ではZrの析出を速める効果および
引張強さが低く、0.5%以上では伸線加工が困
難となり、脆化、導電率の低下が著しい。 (3) 5℃/sec以上の冷却速度 5℃/sec以下の冷却速度では鋳造および加工
の際にZr、FあるいはSiの添加元素の晶出相お
よび析出晶が形成され、充分固溶されず晶出お
よび析出されてしまい、これらの晶出物、析出
物は粗大であり、耐熱性に悪影響を与える。 (4) 仕上り温度が200℃以下となる間に80%以上
の減面率となる加工 200℃以上では加工中にZr、FeあるいはSiの
析出が起きる。これらの析出物は粗大であり、
耐熱性に悪影響を与える。80%以下の加工では
析出に有効な転位密度が不足する。 (5) 250〜400℃で0.5〜30hの第1次熱処理 250℃、あるいは0.5h以下では十分な析出が
起こらず、析出物の数が少なく、析出物の大き
さも小さすぎるため、第2次の熱処理のための
有効な核とならない。400℃、あるいは30h以
上では、析出物が粗大化し、再結晶が進行し転
位密度が減少し、第2次の熱処理のための有効
な核となりえない。 (6) 第1次の熱処理よりも高温で第2次の熱処理
を300〜500℃で1〜100h行なう拡散速度の速
い高温で第2次の熱処理を実施しなければ熱処
理時間の短縮とならない。300℃あるいは1h以
下では、導電率の上昇をもたらすほど充分な析
出が得られない。500℃あるいは100h以上で
は、析出物の粗大化が起き、耐熱性、引張強さ
が低下する。 実施例 1 表1に示す合金を溶解し、15℃/secの冷却速度
で鋳造し、さらに95%の加工度を加えて仕上り温
度125℃で9.5φの荒引線とした。この荒引線を
350℃×2hで第1次熱処理、つづいて450℃×20h
で第2次熱処理を行なつた後、冷間伸線により
4.8φの線とした。その性質を表1に示す。耐熱
性の尺度として、300℃×1h加熱後の引張強さの
残存率を求めた。表1から判るように、比較合金
8に示すようにZrが0.2%以下では、引張強さが
低く耐熱性が低い。比較合金13に示すようにZrが
1.5%以上では引張強さ、耐熱性は充分である
が、導電率が低く、鋳造が困難であり、工業的規
模の生産に不向きである。比較合金9に示すよう
に、Fe、Si量が0.04%以下では引張強さが低下す
る。 比較合金10、11、12に示すようにFe、Si量が
0.5%以上では導電率あるいは耐熱性が低く、伸
線が困難である。 実施例 2 表1に示すNo.3合金を表2に示す冷却速度で
鋳造した。冷却速度は水冷シヤワ−量で調節し
た。この鋳塊を再加熱することなく520℃から圧
延を開始し、125℃で圧延を終了して9.50荒引線
を製造後、荒引線を第1次熱処理を350℃×2hで
行なつた後、第2次熱処理450℃×20hを実施
し、冷間伸線して4.80とした。表2にその結果を
示す。冷却速度が5℃/sec以下では、とくに耐熱
性が低い。 実施例 3 表1に示すNo.3合金を冷却速度15℃/secで鋳
造し、この鋳塊を再加熱することなく、520℃で
圧延を開始し、圧延終了温度を表3に示すように
変えて9.50荒引線を製造した。圧延終了温度は圧
延機のクーラント量を変えることによつて調節し
た。この荒引線について第1次熱処理を350℃×
2hで行なつた後、第2次熱処理を450℃×20hで
行ない、冷間伸線して4.80とした。表3にその性
質を示す。圧延終了温度が200℃以上では耐熱性
が低い。 実施例 4 表1に示すNo.3合金を冷却速度15℃/secで鋳
造し、この鋳塊を再加熱することなく、520℃で
圧延を開始し、表4に示すような減面率の加工を
与えて125℃で圧延を終了し、9.50の荒引線を製
造した。圧延の減面率は鋳塊のサイズを変えるこ
とによつて調節した。この荒引線を350℃で2hの
第1次熱処理を行なつた後、第2次熱処理を450
℃×20hで行ない、冷間伸線して4.80とした。表
4にその性能を示す。減面率が80%以下では、引
張強さが低いことが判る。 実施例 5 表1に示すNo.3合金を冷却速度15℃/secで鋳
造し、この鋳塊を再加熱することなく、520℃で
圧延を開始し、125℃で圧延を終了して9.50の荒
引線を製造した。この荒引線を表5に示すような
種々の条件で熱処理を行なつた。 第1次熱処理および第2次熱処理条件が本発明
の方法の場合には、引張強さ、導電率、耐熱性と
もに良好な性能を示す。しかし、No.10および
No.12に示すように第1次熱処理が低温あるいは
短時間の場合には、第1次熱処理で形成される析
出物の大きさが小さすぎるため、第2次熱処理の
際に再固溶してしまい、析出核の役目を果さず、
引張強さ、耐熱性は低い。No.11のような第2次
熱処理温度が低い場合には、拡散が遅いため析出
の進行が遅く、導電率が低い。 またNo.13のように、第1次熱処理温度が高温
の場合には、第1次熱処理で形成される析出物が
粗大化しており、析出の核としての役割りを果た
さず、引張強さ、耐熱性、が低い。No.14のよう
に第1次および第2次熱処理条件が本発明の範囲
であつても第2次熱処理温度の方が低温である場
合にも、第2次熱処理中の析出が遅く導電率が低
い。No.15のように、第2次熱処理条件が本発明
の規定よりも高温の場合には、第1次熱処理中に
形成された析出物が適正な大きさであつても、再
固溶あるいは粗大化してしまうため、引張強さが
低下する。 また、No.4と合計熱処理時間が同じである。
400℃×25hの熱処理を行なつたものは、引張強
さ16.0Kg/mm2、導電率57.9%、残存率83%であ
り、本発明方法が非常にすぐれていることが判
る。なお、本発明による2段の熱処理は、第1次
熱処理と第2次熱処理を分けて行なつても、連続
して第1次熱処理後、温度を低下することなく、
第2次熱処理を行なつてもよい。 以上の通り本発明による高い導電率と耐熱性を
もつたアルミ合金を使用することにより、送電ロ
スを少なくして送電容量を大巾に増加させること
が可能となるものであり、その意義はけだし大き
い。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
Claims (1)
- 1 Zr0.2〜1.5%、SiおよびFeを単独あるいは合
計で0.04〜0.5%、残部Alおよび不可避なる不純
物よりなる合金を溶解後5℃/sec以上で冷却しつ
つ鋳造し、その鋳塊を再加熱することなく同じく
5℃/sec以上の冷却速度で冷却しつつ加工を加
え、仕上り温度が200℃以下となるまでの間に80
%以上の減面率となる加工を行ない、その後250
〜400℃で0.5〜30時間の第1次の熱処理を行な
い、その後第1次の熱処理よりも高い温度となる
ような条件でさらに300〜500℃で1〜50時間の第
2次の熱処理を行ない、その後冷間加工を行なう
高導電性耐熱アルミ合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16391881A JPS5864363A (ja) | 1981-10-14 | 1981-10-14 | 高導電性耐熱アルミ合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16391881A JPS5864363A (ja) | 1981-10-14 | 1981-10-14 | 高導電性耐熱アルミ合金の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5864363A JPS5864363A (ja) | 1983-04-16 |
JPS6133057B2 true JPS6133057B2 (ja) | 1986-07-31 |
Family
ID=15783293
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16391881A Granted JPS5864363A (ja) | 1981-10-14 | 1981-10-14 | 高導電性耐熱アルミ合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5864363A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4080013B2 (ja) * | 1996-09-09 | 2008-04-23 | 住友電気工業株式会社 | 高強度高靱性アルミニウム合金およびその製造方法 |
CN104561669B (zh) * | 2014-12-27 | 2017-04-12 | 北京工业大学 | 一种Al‑Er‑Zr‑Si合金的形变热处理工艺 |
RU2729281C1 (ru) * | 2020-01-20 | 2020-08-05 | Общество с ограниченной ответственностью "Объединенная Компания РУСАЛ Инженерно-технологический центр" | Алюминиевый сплав электротехнического назначения |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5565352A (en) * | 1978-11-10 | 1980-05-16 | Kansai Electric Power Co Inc:The | Manufacture of electrically conductive, highly heat resistant aluminum alloy |
JPS562149A (en) * | 1979-06-19 | 1981-01-10 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | Continuous manufacture of aqueous dispersion of olefin resin |
-
1981
- 1981-10-14 JP JP16391881A patent/JPS5864363A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5565352A (en) * | 1978-11-10 | 1980-05-16 | Kansai Electric Power Co Inc:The | Manufacture of electrically conductive, highly heat resistant aluminum alloy |
JPS562149A (en) * | 1979-06-19 | 1981-01-10 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | Continuous manufacture of aqueous dispersion of olefin resin |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5864363A (ja) | 1983-04-16 |
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