JPS5810465B2 - 導電用高耐熱性アルミニウム合金の製造方法 - Google Patents

導電用高耐熱性アルミニウム合金の製造方法

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JPS5810465B2
JPS5810465B2 JP53151269A JP15126978A JPS5810465B2 JP S5810465 B2 JPS5810465 B2 JP S5810465B2 JP 53151269 A JP53151269 A JP 53151269A JP 15126978 A JP15126978 A JP 15126978A JP S5810465 B2 JPS5810465 B2 JP S5810465B2
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heat resistance
tensile strength
temperature
aluminum alloy
cold working
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阪部貞夫
桜田晴住
三宅保彦
米本隆治
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Kansai Electric Power Co Inc
Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
Kansai Denryoku KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、十分な導電率と引張強度を保持し、しかも高
い耐熱性能を発揮し得る導電用高耐熱性アルミニウム合
金の製造方法に関する。
近年、電力需要は年々増大している。
このため、例えば架空送電線に対する通電容量の増加が
要請され、従来もいわゆる耐熱%C3R(鋼心アルミ撚
線)としてZrを0.1%程度含んだAl−Zr系合金
が広く採用されている。
しかしこの場合、通常は導電性60%1AC3短時間使
用許用温度180℃と規定し、もつと高い耐熱性を要求
する場合でも導電率58%1AC3短時間使用許容温度
230Cと規定するものであった。
しかし、最近は電力需要の増加はますます大きくなり、
既設鉄塔を用いてさらに大容量送電をすることの必要が
高まりつつある。
このような場合、通電時の温度上昇が著しく導体の短時
間許容温度300℃以上が要求される。
しかもそのために導電率や引張強さが低下してしまった
のでは実用にならず、導電率についても58%1AC3
以上引張強さについても16kg/mm2以上を確保す
るというきびしい条件を充足することが要請されている
単に耐熱性を向上せしめるというだけであれば、添加元
素の選択にあまり苦労はないかそれによって高い導電率
をも確保することは至難である。
Zrは耐熱性の向上と導電率の保持を可能とする数すく
ない元素の一つであるが、従来の耐熱性向上のメカニズ
ムはZrの固溶に依存するものであり、高い耐熱性が要
求される場合、必然的にZrの量を増加させねばならず
、その結果として固溶元素の増加に基づく導電率の低下
はさけられない。
このため、従来合金においては先に述べたように0.1
%Zr程度の添加が限度となり、耐熱性の向上にも限度
が生じていたのである。
発明者等はこのような従来の問題点を解決するためによ
り高い精度のZrを添加し、これを微細析出せしめるこ
とにより耐熱性を向上せしめるとともに、導電率をも保
持することに着目した。
しかし、これを従来の固溶体化処理後、焼なましという
工程によって微細析出せしめることは至難であり、焼な
まし温度が高いと、粗大析出となって所期の耐熱性能が
得られず、温度を低くすると析出に長時間を要し、到底
工業的生産は不可能となるものである。
発明者等は、種々なる実験の結果、比較的高い濃度のZ
r添加をしても、第3元素の添加とある限られた加工条
件を与えることにより、工業的に容易にZrの微細析出
を行わしめ、それによって大巾な耐熱性の向上を可能と
し、しかも所期の導電率の保持および引張強さの保持の
できることを見出し、一挙に解決点に到達できることを
見出した。
以下に、順次詳細に説明する。
本発明に係る合金においては、耐熱性を増加させるため
に、前記従来例に比較して非常に高い濃度、すなわち、
0.2〜1.5%Zrが添加される。
0.2%以下では短時間使用許容温度300℃以上とい
う条件を満足する耐熱性を得ることができず除外される
15%Zr以上になると58%1AC3以上の導電性を
得ることがきわめて困難となる上、伸線後の脆化が著し
くなり、これも除外される。
しかして、もつとも望ましきZrの範囲は0.3〜0.
5%である。
また、本発明に係る合金には、第3元素としてFeが添
加される。
Feを添加する主なる目的はFeがZrの微細析出を助
長するとともに強度を保持する作用を有することが判明
したからである。
そのような析出助長効果が有効にみとめられるのはFe
添加量において0.1〜1.0範囲である。
すなわち、0.1%以下の添加ではZrの析出が非常に
遅くなり、熱処理時間が長くなって期待する効果が得ら
れないのである。
Feは、前記Zrの析出促進作用のほかに、合金自体の
引張強さを増加させる効果があるが、1.0%以上添加
しては伸線後、脆化が生ずるし、導電率や耐食性の低下
が生じ実用されない。
本発明に係る製造方法においては、上記組成物回内のア
ルミニウム合金を溶解し、それぞれつぎに示す工程を経
て、例えば鋼心アルミ撚線の素線として供される。
(1)まず溶解された上記組成範囲におけるアルミニウ
ム合金は鋳造され、鋳造後当該鋳塊は5℃/sec以上
の冷却速度で冷却されつつ加工が加えられ、素材温度が
200C以下となるまでの間に80%以上の減面率の加
工を行い、荒引線とする。
この工程においては、Zrの過飽和固溶体を得ることと
、マトリックスに転位を導入することが主たる目的とな
る。
従って、5℃/sec以上で冷却しないと、Al−Zr
化合物が生じてZrが十分に固溶されないのである。
望ましきは15℃/sec以上の冷却速度で冷却するの
がよい。
素材温度が200C以下となるまでに、前記冷却と加工
を加えるのは、200℃以上で仕上りとなるような加工
では温度が高すぎ、粗大なZrの化合物が析出して固溶
が十分でない上、高温域のみで加工となって接続する。
300〜450×5〜200hrの熱処理において有効
となる転位の導入が不足する。
同様に加工度が80%以下ではやはり転位の導入か不足
し、後続する熱処理において有効にはたらかない。
(2)上記冷却中での加工につづいて、素材は60%以
上冷間加工される。
これは上記(1)において未だ不足な転位密度をこの冷
間加工によりさらに十分導入するためである。
従って、冷間加工60%以下では転位密度が不足し、後
続する熱処理において硬化能をともなう微細な析出がお
こらず、また、熱処理後の引張強さも不足する。
(3)ついで素材は300〜450℃混度において5〜
20hr熱処理される。
これはいうまでもなくZrの微細析出を生じさせるため
のもので、300℃以下ではZrの析出が非常に遅いた
めに導電率の上昇が少く、450℃以上では粗大化した
Zrの化合物が析出し、耐熱性の向上に寄与せず、また
素材の引張強さが低下し、伸線加工後の引張強さが不足
する。
5hr以下ではZrの充分な析出が得られず、200h
r以上では析出物の粗大化が起き、耐熱性の向上に有効
でない。
なお、この熱処理は300〜450℃の範囲での合計の
熱処理時間が5〜200hrとなればよく、段階をふん
だ熱処理であっても効果には差異はない。
(4)ついで前記熱処理後10%以上30%以下の軽度
の冷間加工を施す。
この冷間加工は導電率に影響を与えず、しかも、所定の
引張強さを確保することを目的とするものである。
10%以下ではあまりに軽度にすぎ所期の引張強さが得
られない。
また、30%以下では加工度が犬となり導電率に悪影響
を与える上に加熱された場合の軟化が顕著となり、許容
使用温度にさらされたのち引張強さの残存率が低下して
耐熱性能を悪くするのである。
しかしながら、上記各工程を経て製造された本発明に係
るアルミニウム合金は、以下の実施例によって明らかに
される如く、導電用として使用しすぐれた耐熱性能を有
するものであってひとり架空送電線のみならずその応用
範囲は広い。
〔実施例(1)〕 第1表に示すように組成のAl−Fe−Zr系合金を溶
解し、冷却速度15℃/secで鋳造し、その鋳塊再加
熱することなく97%の加工度まで圧延加工して仕上り
温度120℃で荒引線(以下WRという)とする。
このWRに対してそのまま78%の冷間加工を加えたも
の(処理■)72%の冷間加工後、400℃X60hr
の熱処理を行い、さらに20%の冷間加工を加えたもの
(処理■)について、引張強さ、導電率、耐熱性を測定
した。
耐熱性は1hr加熱の等時軟化試験を行い引張強さが1
0%減少する温度により評価した。
(以下同様)0 第1表から明らかなように、Zrが0.2〜1.5%F
eが0.1〜1.0%のものは中間熱処理およびその後
の小さな冷間加工により、著しく耐熱性が向上している
上記範囲外の組成の合金では中間熱処理及び小さな冷間
加工によっても耐熱性は向上しないが、引張強さ、導電
率が規格を満足しない。
〔実施例(2)〕 第1表に示すNo、4の水冷シャワー量で調節した。
この鋳塊を520Cより圧延を開始し、120℃で圧延
を終了しWRを製造後、そのWRを72%冷間加工し、
400℃X60hr熱処理し、さらに20%の冷間加工
を加えて実施例(1)と同様に耐熱性を調査した。
その結果を第2表に示す。第2表から明らかなように、
5℃/sec以下の冷却速では耐熱性の向上はみられな
い。
〔実施例(3)〕 実施例(2)中の冷却速度15℃/secのものについ
て、圧延仕上り温度を第3表に示すように変えてWRを
製造し、そのWRを72%冷間加工し、400℃X60
hr熱処理し、さらに20%の冷間加工を加えて実施例
(1)と同様に耐熱性を調査した。
その結果、第3表に示す。仕上り温度が200℃以上で
は耐熱性が改善されないことが判る。
〔実施例(4)〕 第1表に示すNo、4の組成の合金について、実施例(
1)と同様の条件でWRを製造し、72%の冷間加工を
加えた後、第4表に示す条件で熱処理し、20%の冷間
加工を加えて耐熱性を調査した。
その結果第4表に示す。
中間熱処理は、300〜450CX5〜200hrの条
件でなければ耐熱性の向上に効果のないことが判る。
〔実施例(5)〕 第1表に示すNo、4の組成の合金について、実施例(
1)と同様の条件でWRを製造し第5表に示すような加
工度を加えた後、400℃X60hrの中間熱処理を行
い、さらに20%の冷間加工を加えたものについて、そ
の引張強さを調査した。
冷間加工が60%以下では、引張強さが低く、電線材料
として使用不可能であることが判る。
〔実施例(6)〕 実施例(4)中の中間熱処理条件400℃X60hrの
ものについて、熱処理後の冷間加工度を第6表に示すよ
うに変えて耐熱性及び引張強さの調査を行った。
その結果を第6表に示す。
10%以下の加工度では引張強さが不足し、30%以上
の加工度では耐熱性が低下することが判る。
〔実施例(7)〕 (1)実際の操業材を用いて第7表に示す組成のAl−
Zr−Fe系合金を生産し、従来の耐熱A4合金(CT
−Al、UT−Al)とその性能を比較した。
このときの製造条件は次のとおりである。
その結果を第7表に示す。
鋳造速度175mm/sec、圧延温度520〜120
C,WR寸法9,5φ、第1番目の冷間加工度72%、
中間熱処理350℃X96hr、第2番目の冷間加工度
20%、第7表から判るように、本発明によるA1合金
線は、従来の耐熱A1合金線にくらべて、同等の引張強
さ、導電率を有し、耐熱性が非常にすぐれていることが
判る。
(2)第8表に示す合金について、(1)と同様な条件
で製造したAl線について、加熱時間1hrの等時軟化
試験を行い、試験後の引張強さを測定し、引張強さの残
存率を求めた。
その結果を第1および2図に示す。
比較のために、伸縮加工のみの場合も示した。
この結果から、本発明組成の合金の耐熱性のすぐれてい
ることがよく判る。
以上の実施例によって、本発明に係るアルミニウム合金
の高い導電性と引張強度の保持ならびに格段にすぐれた
耐熱性能について明らかにできた。
発明者等は上に示した実施例にとどまらず、各方面の実
験を行い、本発明の有するすぐれた効果については十分
に調査した。
しかして、本発明に係る製造条件は通常の連続鋳造法に
より達成することができるから、工業的にみてもきわめ
て経済的かつ大量生産が可能である。
しかも、本発明に係る合金は異常に高い濃度のZrが添
加しているにかかわらず、熱間加工、温間加工の条件に
特別の考慮をはらい、冷間加工の条件をも考慮すること
により犬なる転位を導入することに着目し、加えである
量のFeがZr析出促進効果を有していることを見出す
ことにより、短時間できわめて効率的にZrの微細析出
を現出できることを見出し、これによって58%1AC
3以上の導電率、16にν/mm2の引張強さを保持し
つつ、短時間使用湯度300度以上というきびしい条件
を十分に満足するアルミニウム合金を提供できたもので
ある。
従って先に説明した大容量送電用の導体としてのみなら
ず、耐熱性を要求される導電分野において広い応用が約
束されたものであり、産業上に及ぼす効果ははかり知れ
ない。
【図面の簡単な説明】
第1および第2図は等時軟化試験結果を示す線図である

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 Zr0.2〜1.5%、Fe0.1〜1.0%残部
    Alおよび不可避なる不純物よりなる合金を溶解鋳造し
    これを5℃/sec以上の冷却速度で冷却しつつ加工を
    加え、仕切り温度が200℃以下となる間に80%以上
    の減面率となる加工をし、その後60%以上の冷間加工
    を行ったら、300〜450℃の温度で5〜200時間
    の熱処理をし、その後に10%以上30%以下の冷間加
    工を加えることを特徴とする導電用高耐熱性アルミニウ
    ム合金の製造方法。
JP53151269A 1978-12-06 1978-12-06 導電用高耐熱性アルミニウム合金の製造方法 Expired JPS5810465B2 (ja)

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JPS6024357A (ja) * 1983-07-19 1985-02-07 Furukawa Electric Co Ltd:The 耐熱アルミニウム合金導体の製造法
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JPS492709A (ja) * 1972-04-27 1974-01-11

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