JPS6144148B2 - - Google Patents
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- JPS6144148B2 JPS6144148B2 JP57028389A JP2838982A JPS6144148B2 JP S6144148 B2 JPS6144148 B2 JP S6144148B2 JP 57028389 A JP57028389 A JP 57028389A JP 2838982 A JP2838982 A JP 2838982A JP S6144148 B2 JPS6144148 B2 JP S6144148B2
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Landscapes
- Conductive Materials (AREA)
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
Description
本発明は、すぐれた導電性を有し、耐熱性能に
もすぐれ、しかも機械的強度の高い改良されたア
ルミ合金の製造方法。 近年、電力需要はとみに増加し、送電容量のア
ツプが強く要請されるようになつた。このような
要望に応えるものとして、電気用アルミにZrを微
量添加した耐熱アルミ合金が、早くから実用化さ
れ通電容量の増大における温度上昇に対処されて
きた。しかし、この耐熱アルミ合金は、成程耐熱
性能はある程度有しているが、引張強さにおいて
は電気用硬アルミと同程度であるという難点があ
つた。 このため、これを改良し、耐熱アルミ合金と同
程度の耐熱性をもつ反面、引張強さを22〜26Kg/
mm2にまで上昇させた高力耐熱アルミ合金が開発せ
られ、架空地線や長径間送電線などに使用される
ようになつた。しかし、この高力耐熱アルミ合金
は、残念ながら導電率は55%IACSと低く、これ
を長径間送電線に使用した場合、その送電ロスが
大きくなることは避けられなかつた。 この欠点を改善するためにAlに高濃度のZrを
添加し、時効硬化と析出とにより導電率と耐熱性
を向上せしめる方法が試みられている。しかし、
このAl−Zr合金は析出処理を行なうと時効硬化
はするものの、伸線加工による加工硬化が非常に
少なく、引張強さを22〜26Kg/mm2とすることが非
常に困難であつた。 その点の強化のために強化用の元素を添加する
試みもなされてはいるが、導電用アルミ合金の強
化のために多く利用されているFeは熱処理によ
り大部分が析出し、加工硬化能を増加する働きを
示さなくなる。 本発明は上記の如き従来技術の欠点を解消し、
高い導電率を維持しつつ、機械的強度と耐熱性を
併せ有する改良されたアルミ合金を製造する方法
を提供しようとするものである。 すなわち本発明の要旨は高濃度のAl−Zr系合
金に強度上昇元素であるNiを添加し、鋳造、圧
延時の冷却条件をきびしく制限することにより強
制過飽和固溶体を形成し、その後熱処理すること
により導電率、耐熱性および強度を同時に上昇さ
せることにある。 本発明においては、要望される所期目的を達成
するために下記の合金組成をもつている。すなわ
ち、Zr0.29〜1.5%、Si0.04〜0.3、Ni0.03〜0.3
%、残部Alおよび不可避なる不純物よりなるも
のである。 ここにZrは強度と耐熱性能とくに耐熱性を向上
せしめるものであり、0.29%以下では本発明が構
成要件としている熱処理を行なつた場合に、十分
な耐熱性および強度を確保する析出物が得られ
ず、1.5%以上になると、溶湯の温度が非常に高
いものとなり、溶解、鋳造を工業的に行なうこと
が難かしくなる一方、脆くもなり、加工自体も難
かしくなる上、導電率も低下するので除外され
る。ここに本発明に係る合金がZrの下限を0.29%
としたということにはもう一つの意味がある。そ
れはAl−Zr系合金における最大固溶限度である
0.28%以上としたということである。すなわち多
量のZrを含有せしめて後述する工程により、強制
固溶そして微細析出せしめるということに眼目を
おくものである。 また、SiはZrの析出を促進せしめる元素として
添加される。しかして、0.04%以上ではZrの析出
の核となる働きをするSiの量が少くZrの析出は速
められない。0.3%以上では脆化がおこり、加工
が困難となるとともに導電率の低下が著しく除外
される。 さらに、Niは強度を向上せしめる意味で添加
する。Alに添加し、強度を上昇せしめる元素は
種々あるが、本発明に係る合金のように、高温で
熱処理を行なつた後にも大きな加工硬化能をもつ
ものは、種々検討した結果、Niがもつとも有効
なことがわかつた。これは、NiがAl中で析出状
態にある場合にも大きな加工硬化能をもつためで
はないかと推測される。そしてNiが0.03%以下で
は強度上昇に効果がなく、Ni0.3%以上では鋳造
時に粗大な晶出物が出現して加工が非常に困難と
なる。 つぎに、上記の組成をもつてなるアルミ合金は
溶解後5℃/sec以上の冷却速度で冷却しつつ鋳
造し、当該鋳塊を再加熱することなく600〜450℃
の温度から同じく5℃/sec以上の冷却速度で冷
却しつつ加工を加え、仕上り温度が200℃以下と
なるまでに80%以上の減面率となる加工を行な
う。これは、Zrの強制固溶体を生成せしめようと
するものである。 このためには、鋳造時の冷却速度は5℃/sec
以上と急速に冷却する必要がある。しかして、鋳
塊は途中において再加熱させられることはない。
再加熱によつてZrの析出が生じてしまうからであ
る。つぎに同じ5℃/sec以上で冷却しつつ、600
〜450℃の温度から加工を開始し、200℃以下とな
るまでに80%以上の減面加工を行なう。 加工開始温度が低すぎあるいは200℃以上で加
工を終了してしまつてはZrの強制固溶体の形成が
十分ではなく、80%以下の減面加工では、得られ
た荒引線の強度が十分でなく、つづいての熱処
理、そして伸線加工後の強度が不足する。 上記加工の後、300〜500℃の温度で5〜200h
熱処理される。この熱処理は微細なZrの析出相を
析出させるものである。300℃以下、あるいは5h
以下では導電率、耐熱性あるいは強度が上昇する
だけのZrの析出が起こらず、500℃あるいは200h
以上では粗大なZrの析出物が析出して来て、強
度、耐熱性が低下する。 上記熱処理のあと、65%以上の冷間加工を加え
る。この冷間加工は強度を上昇せしめるものであ
り、65%以上では必要とする十分な強度が得られ
ない。 本発明に係るアルミ合金は、上記冷間加工材と
して使用してもよいが、必要に応じ250〜400℃で
1〜100hの熱処理をする。これは、この熱処理
により導電率を一層向上させようとするにある。
250℃あるいは1h以下では導電率の向上は少く、
400℃あるいは100h以上であつては強度の低下が
著しくなるので除外される。なお、本発明に係る
製造方法としては、その特許請求の範囲に規定す
る範囲において連続鋳造法あるいはワイヤバー圧
延方式いずれによつてもよいことはいうまでもな
い。 実施例 1 表1に示す合金を溶解し、15℃/secの冷却速
度で鋳造し、鋳塊の温度が550℃となつたときか
ら同一の冷却速度で圧延を行ない95%の加工度を
加えて、仕上り温度150℃で9.5φの荒引線とし
た。この荒引線を380℃×24hで熱処理を行なつ
た後冷間伸線により4.2φの線とした。 その性能を表1に示す。耐熱性の尺度として、
250℃×1h加熱後の引張強さの残存率を求めた。 比較合金11に示すように、Zrが0.28%以下では
析出量が少なく、強度、耐熱性が低い。比較合金
17に示すように1.5%以上では引張強さ、耐熱性
は十分であるが、導電率が低く鋳造が困難であ
る。 比較合金12のようにSiが0.04%以下では、Zrの
析出が少なく強度および導電率が低い。比較合金
14のようにSiが0.3%以上では耐熱性が低下し、
また鋳造が困難となる。比較合金13に示すよう
に、Niが0.03%以下では強度が不足し、比較合金
15および16に示すようにNiが0.3%以上では導電
率、耐熱性が低下し、さらに鋳造伸線加工が困難
となる。 実施例 2 表1に示すNo.5合金を表2に示す冷却速度で鋳
造、圧延した。この際の冷却速度は鋳造機の水冷
シヤワー量および圧延機のクーラント量で調節し
た。圧延終了温度は150℃であり、9.5φの荒引線
を製造した。この荒引線を380℃24hで熱処理を
行なつた後冷間伸線により4.2φの線とした。表
2にその性能を示す。冷却速度が5℃/sec以下
では、Zrの固溶量が少なく、強度、耐熱性が低
い。 実施例 3 表1に示すNo.5合金を冷却速度15℃/secで鋳
造、圧延し圧延終了温度を表3のように変化させ
て9.5φ荒引線を製造した。圧延終了温度は圧延
機のクーラント量を変えることによつて調節し
た。この荒引線を380℃×24hで熱処理を行なつ
た後冷間伸線により4.2φの線とした。表3にそ
の性能を示す。圧延終了温度が200℃以上ではZr
の固溶量が少なく、強度、耐熱性が低い。 実施例 4 表1に示すNo.5合金を冷却速度15℃/secで鋳
造圧延し、圧延終了温度を150℃として9.5φの荒
引線を製造した。この圧延の断面減面率を表4の
ように変えた。この操作は鋳塊のサイズを変える
ことによつて行つた。 この荒引線を380℃×24hで熱処理後、冷間伸
線により4.2φの線とした。 表4にその性能を示す。断面減面率80%以下で
は、強度、導電率、耐熱性のいづれもが低い。こ
れは、圧延加工に導入された転位の存在が、荒引
線の熱処理の際のZrの析出に有効な働きを示すた
めと考えられ、断面減面率が80%以下では転位量
が十分でないためと考えられる。 実施例 5 表1に示すNo.5合金を冷却速度15℃/secで鋳
造、圧延し、圧延終了温度を150℃として9.5φの
荒引線を製造した。 この荒引線を表5に示すような条件で熱処理を
行ない、その後冷間伸線により4.2φの線とし
た。表5にその性能を示す。熱処理温度が300℃
以下あるいは熱処理時間が5h以下ではZrの十分
な析出が得られないために、引張強さ、導電率、
耐熱性は低い。熱処理温度が300〜500℃の間でも
熱処理時間が5hより短い場合には、Zrの十分な
析出が得られず、逆に200hより長い場合には、
粗大な析出物が形成され、引張強さ、耐熱性が低
下する。また熱処理温度が500℃以上の場合に
は、析出物の粗大化あるいは再固溶が起きるた
め、引張強さ、導電率、耐熱性は低下する。 実施例 6 表5において350℃×5hの熱処理を行なつて製
造した4.2φの線を表6に示すような条件で熱処
理を行なつた。 表6にその性能を示す。この熱処理により、導
電率を向上させることが可能である。しかし、
250℃あるいは1h以下、400℃あるいは100h以上
ではその効果は顕著ではないことが判る。
もすぐれ、しかも機械的強度の高い改良されたア
ルミ合金の製造方法。 近年、電力需要はとみに増加し、送電容量のア
ツプが強く要請されるようになつた。このような
要望に応えるものとして、電気用アルミにZrを微
量添加した耐熱アルミ合金が、早くから実用化さ
れ通電容量の増大における温度上昇に対処されて
きた。しかし、この耐熱アルミ合金は、成程耐熱
性能はある程度有しているが、引張強さにおいて
は電気用硬アルミと同程度であるという難点があ
つた。 このため、これを改良し、耐熱アルミ合金と同
程度の耐熱性をもつ反面、引張強さを22〜26Kg/
mm2にまで上昇させた高力耐熱アルミ合金が開発せ
られ、架空地線や長径間送電線などに使用される
ようになつた。しかし、この高力耐熱アルミ合金
は、残念ながら導電率は55%IACSと低く、これ
を長径間送電線に使用した場合、その送電ロスが
大きくなることは避けられなかつた。 この欠点を改善するためにAlに高濃度のZrを
添加し、時効硬化と析出とにより導電率と耐熱性
を向上せしめる方法が試みられている。しかし、
このAl−Zr合金は析出処理を行なうと時効硬化
はするものの、伸線加工による加工硬化が非常に
少なく、引張強さを22〜26Kg/mm2とすることが非
常に困難であつた。 その点の強化のために強化用の元素を添加する
試みもなされてはいるが、導電用アルミ合金の強
化のために多く利用されているFeは熱処理によ
り大部分が析出し、加工硬化能を増加する働きを
示さなくなる。 本発明は上記の如き従来技術の欠点を解消し、
高い導電率を維持しつつ、機械的強度と耐熱性を
併せ有する改良されたアルミ合金を製造する方法
を提供しようとするものである。 すなわち本発明の要旨は高濃度のAl−Zr系合
金に強度上昇元素であるNiを添加し、鋳造、圧
延時の冷却条件をきびしく制限することにより強
制過飽和固溶体を形成し、その後熱処理すること
により導電率、耐熱性および強度を同時に上昇さ
せることにある。 本発明においては、要望される所期目的を達成
するために下記の合金組成をもつている。すなわ
ち、Zr0.29〜1.5%、Si0.04〜0.3、Ni0.03〜0.3
%、残部Alおよび不可避なる不純物よりなるも
のである。 ここにZrは強度と耐熱性能とくに耐熱性を向上
せしめるものであり、0.29%以下では本発明が構
成要件としている熱処理を行なつた場合に、十分
な耐熱性および強度を確保する析出物が得られ
ず、1.5%以上になると、溶湯の温度が非常に高
いものとなり、溶解、鋳造を工業的に行なうこと
が難かしくなる一方、脆くもなり、加工自体も難
かしくなる上、導電率も低下するので除外され
る。ここに本発明に係る合金がZrの下限を0.29%
としたということにはもう一つの意味がある。そ
れはAl−Zr系合金における最大固溶限度である
0.28%以上としたということである。すなわち多
量のZrを含有せしめて後述する工程により、強制
固溶そして微細析出せしめるということに眼目を
おくものである。 また、SiはZrの析出を促進せしめる元素として
添加される。しかして、0.04%以上ではZrの析出
の核となる働きをするSiの量が少くZrの析出は速
められない。0.3%以上では脆化がおこり、加工
が困難となるとともに導電率の低下が著しく除外
される。 さらに、Niは強度を向上せしめる意味で添加
する。Alに添加し、強度を上昇せしめる元素は
種々あるが、本発明に係る合金のように、高温で
熱処理を行なつた後にも大きな加工硬化能をもつ
ものは、種々検討した結果、Niがもつとも有効
なことがわかつた。これは、NiがAl中で析出状
態にある場合にも大きな加工硬化能をもつためで
はないかと推測される。そしてNiが0.03%以下で
は強度上昇に効果がなく、Ni0.3%以上では鋳造
時に粗大な晶出物が出現して加工が非常に困難と
なる。 つぎに、上記の組成をもつてなるアルミ合金は
溶解後5℃/sec以上の冷却速度で冷却しつつ鋳
造し、当該鋳塊を再加熱することなく600〜450℃
の温度から同じく5℃/sec以上の冷却速度で冷
却しつつ加工を加え、仕上り温度が200℃以下と
なるまでに80%以上の減面率となる加工を行な
う。これは、Zrの強制固溶体を生成せしめようと
するものである。 このためには、鋳造時の冷却速度は5℃/sec
以上と急速に冷却する必要がある。しかして、鋳
塊は途中において再加熱させられることはない。
再加熱によつてZrの析出が生じてしまうからであ
る。つぎに同じ5℃/sec以上で冷却しつつ、600
〜450℃の温度から加工を開始し、200℃以下とな
るまでに80%以上の減面加工を行なう。 加工開始温度が低すぎあるいは200℃以上で加
工を終了してしまつてはZrの強制固溶体の形成が
十分ではなく、80%以下の減面加工では、得られ
た荒引線の強度が十分でなく、つづいての熱処
理、そして伸線加工後の強度が不足する。 上記加工の後、300〜500℃の温度で5〜200h
熱処理される。この熱処理は微細なZrの析出相を
析出させるものである。300℃以下、あるいは5h
以下では導電率、耐熱性あるいは強度が上昇する
だけのZrの析出が起こらず、500℃あるいは200h
以上では粗大なZrの析出物が析出して来て、強
度、耐熱性が低下する。 上記熱処理のあと、65%以上の冷間加工を加え
る。この冷間加工は強度を上昇せしめるものであ
り、65%以上では必要とする十分な強度が得られ
ない。 本発明に係るアルミ合金は、上記冷間加工材と
して使用してもよいが、必要に応じ250〜400℃で
1〜100hの熱処理をする。これは、この熱処理
により導電率を一層向上させようとするにある。
250℃あるいは1h以下では導電率の向上は少く、
400℃あるいは100h以上であつては強度の低下が
著しくなるので除外される。なお、本発明に係る
製造方法としては、その特許請求の範囲に規定す
る範囲において連続鋳造法あるいはワイヤバー圧
延方式いずれによつてもよいことはいうまでもな
い。 実施例 1 表1に示す合金を溶解し、15℃/secの冷却速
度で鋳造し、鋳塊の温度が550℃となつたときか
ら同一の冷却速度で圧延を行ない95%の加工度を
加えて、仕上り温度150℃で9.5φの荒引線とし
た。この荒引線を380℃×24hで熱処理を行なつ
た後冷間伸線により4.2φの線とした。 その性能を表1に示す。耐熱性の尺度として、
250℃×1h加熱後の引張強さの残存率を求めた。 比較合金11に示すように、Zrが0.28%以下では
析出量が少なく、強度、耐熱性が低い。比較合金
17に示すように1.5%以上では引張強さ、耐熱性
は十分であるが、導電率が低く鋳造が困難であ
る。 比較合金12のようにSiが0.04%以下では、Zrの
析出が少なく強度および導電率が低い。比較合金
14のようにSiが0.3%以上では耐熱性が低下し、
また鋳造が困難となる。比較合金13に示すよう
に、Niが0.03%以下では強度が不足し、比較合金
15および16に示すようにNiが0.3%以上では導電
率、耐熱性が低下し、さらに鋳造伸線加工が困難
となる。 実施例 2 表1に示すNo.5合金を表2に示す冷却速度で鋳
造、圧延した。この際の冷却速度は鋳造機の水冷
シヤワー量および圧延機のクーラント量で調節し
た。圧延終了温度は150℃であり、9.5φの荒引線
を製造した。この荒引線を380℃24hで熱処理を
行なつた後冷間伸線により4.2φの線とした。表
2にその性能を示す。冷却速度が5℃/sec以下
では、Zrの固溶量が少なく、強度、耐熱性が低
い。 実施例 3 表1に示すNo.5合金を冷却速度15℃/secで鋳
造、圧延し圧延終了温度を表3のように変化させ
て9.5φ荒引線を製造した。圧延終了温度は圧延
機のクーラント量を変えることによつて調節し
た。この荒引線を380℃×24hで熱処理を行なつ
た後冷間伸線により4.2φの線とした。表3にそ
の性能を示す。圧延終了温度が200℃以上ではZr
の固溶量が少なく、強度、耐熱性が低い。 実施例 4 表1に示すNo.5合金を冷却速度15℃/secで鋳
造圧延し、圧延終了温度を150℃として9.5φの荒
引線を製造した。この圧延の断面減面率を表4の
ように変えた。この操作は鋳塊のサイズを変える
ことによつて行つた。 この荒引線を380℃×24hで熱処理後、冷間伸
線により4.2φの線とした。 表4にその性能を示す。断面減面率80%以下で
は、強度、導電率、耐熱性のいづれもが低い。こ
れは、圧延加工に導入された転位の存在が、荒引
線の熱処理の際のZrの析出に有効な働きを示すた
めと考えられ、断面減面率が80%以下では転位量
が十分でないためと考えられる。 実施例 5 表1に示すNo.5合金を冷却速度15℃/secで鋳
造、圧延し、圧延終了温度を150℃として9.5φの
荒引線を製造した。 この荒引線を表5に示すような条件で熱処理を
行ない、その後冷間伸線により4.2φの線とし
た。表5にその性能を示す。熱処理温度が300℃
以下あるいは熱処理時間が5h以下ではZrの十分
な析出が得られないために、引張強さ、導電率、
耐熱性は低い。熱処理温度が300〜500℃の間でも
熱処理時間が5hより短い場合には、Zrの十分な
析出が得られず、逆に200hより長い場合には、
粗大な析出物が形成され、引張強さ、耐熱性が低
下する。また熱処理温度が500℃以上の場合に
は、析出物の粗大化あるいは再固溶が起きるた
め、引張強さ、導電率、耐熱性は低下する。 実施例 6 表5において350℃×5hの熱処理を行なつて製
造した4.2φの線を表6に示すような条件で熱処
理を行なつた。 表6にその性能を示す。この熱処理により、導
電率を向上させることが可能である。しかし、
250℃あるいは1h以下、400℃あるいは100h以上
ではその効果は顕著ではないことが判る。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Zr0.29〜1.5%,Si0.04〜0.3%,Ni0.03〜0.3
%残部Alおよび不可避なる不純物よりなる合金
を溶解後、5℃/sec以上で冷却しつつ鋳造し、
当該鋳塊を再加熱することなく、600〜450℃の温
度から同じく5℃/sec以上の冷却速度で冷却し
つつ加工を加え、仕上り温度が200℃以下となる
までに80%以上の減面率となる加工を行ない、そ
の後300〜500℃で5〜200h熱処理したのち65%
以上の冷間加工を行なう導電用高力耐熱アルミ合
金の製造方法。 2 Zr0.29〜1.5%,Si0.04〜0.3%,Ni0.03〜0.3
%残部Alおよび不可避なる不純物よりなる合金
を溶解後、5℃/sec以上で冷却しつつ鋳造し、
当該鋳塊を再加熱することなく、600〜450℃の温
度から同じく5℃/sec以上の冷却速度で冷却し
つつ加工を加え、仕上り温度が200℃以下となる
までに80%以上の減面率となる加工を行ない、そ
の後300〜500℃で5〜200h熱処理したのち65%
以上の冷間加工を行ない、そののちに、250〜400
℃で1〜100hの熱処理をする導電用高力耐熱ア
ルミ合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2838982A JPS58147546A (ja) | 1982-02-24 | 1982-02-24 | 導電用高力耐熱アルミ合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2838982A JPS58147546A (ja) | 1982-02-24 | 1982-02-24 | 導電用高力耐熱アルミ合金の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58147546A JPS58147546A (ja) | 1983-09-02 |
JPS6144148B2 true JPS6144148B2 (ja) | 1986-10-01 |
Family
ID=12247294
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2838982A Granted JPS58147546A (ja) | 1982-02-24 | 1982-02-24 | 導電用高力耐熱アルミ合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58147546A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104232968B (zh) * | 2014-09-08 | 2016-04-13 | 广西南南铝加工有限公司 | 2xxx系铝合金大规格铸锭除气精炼的方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54109011A (en) * | 1978-02-14 | 1979-08-27 | Hajime Yamada | Heat resistant aluminum alloy |
JPS5565352A (en) * | 1978-11-10 | 1980-05-16 | Kansai Electric Power Co Inc:The | Manufacture of electrically conductive, highly heat resistant aluminum alloy |
-
1982
- 1982-02-24 JP JP2838982A patent/JPS58147546A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54109011A (en) * | 1978-02-14 | 1979-08-27 | Hajime Yamada | Heat resistant aluminum alloy |
JPS5565352A (en) * | 1978-11-10 | 1980-05-16 | Kansai Electric Power Co Inc:The | Manufacture of electrically conductive, highly heat resistant aluminum alloy |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58147546A (ja) | 1983-09-02 |
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