JPS6129878B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は保守を容易ならしめたムービング・ヘ
ツド型プリンタに関する。

廉価なサーマル・プリンタ又は静電式プリンタ
には、プリント・ヘツドを移動することにより印
字を行うタイプが存在する。このようなプリンタ
において、プリント・ヘツドは記録紙を横切りな
がら印字を行つていく。

前記プリント・ヘツドを乗せたキヤリア・アセ
ンブリ（carrier assembly）はプリント・ヘツド
が記録紙に密着するよう保持しなければならず且
つ該キヤリア・アセンブリはプリント・ヘツドの
記録紙に対する接触力を一定に保つ必要がある。
即ちプリント・ヘツドは記録紙上を円滑に移動し
なければならず、その摩擦は少なければならな
い。更にプリント・ヘツド又はその関連部品を修
理するため、キヤリア・アセンブリを容易に取り
はずせるよう構成されていることが必要である。

上記要件を満たすために種々の設計がなされて
いる。あるプリンタには複雑な調整機構が含まれ
ている。また他のプリンタは分解及び再組立の困
難な機構を有している（例えば分解時にのみ取り
出すことのできるような部品が組み込まれてい
る）。

プリント・ヘツドの整列、該ヘツドを移動させ
るためのガイド及び接触圧力の発生をそれぞれ別
個の機構により達成しようとすると、必要部品数
の増加だけでなく故障部品の数も増加することに
なる。そのためには、複数の機能を有する単一機
構を用いて部品点数を減少させることが望まれ
る。前記部品点数の減少と共に、組立て及び分解
を容易にすることにより有用性が更に高められ
る。

よつて本発明の目的は、部品数を少くし且つ組
立及び分解を容易ならしめたムービング・ヘツド
型プリンタを提供せんとするものである。

本発明に係るムービング・ヘツド型プリンタの
概要は以下の通りである。

ムービング・プリントヘツドに対向するプラテ
ンは常に該ヘツドと平行になる様、回転可能な構
造を有している。そして単一のスプリングがプリ
ント・ヘツドを前記プラテンに押しつけると同時
に、ヘツド用キヤリアを２本の平行ガイド・バー
につり下げる。プリント・ヘツドは、前記キヤリ
アにちよう番を用いて接続されたアームにマウン
トされている。前記ちよう番の回転軸は、プリン
ト・ヘツド用キヤリアの移動方向と平行になつて
いる。

以下、図面を用いて本発明を詳述する。

第１図は、本発明の一実施例によるプリンタ全
体を示した斜視図である。本図においてプラテン
２は、プリント・ヘツド３が移動した場合におい
ても、常に該ヘツド３と平行となるよう、その底
部に回転可能な構造を有している（第２ａ図及び
第２ｂ図において説明する）。プリント・ヘツド
３はアーム４にマウントされている。アーム４は
ピン５を介してキヤリア６に接続されている（ち
よう番構造となつている）。ここでプリント・ヘ
ツド３をアーム４にマウントするには従来から知
られている方法（例えば「にかわ」付けによる）
を用いる。キヤリア６は、２本の平行なガイド・
クロス・スライド（guide cross slide）７及び
サポート・クロス・スライド（Support cross
slide）８上を左右に摺動する。本実施例におい
て、クロス・スライド７及び８は円形の棒状をな
しているが、他の形状にすることも可能である。
ガイド・クロス・スライド７及びサポート・クロ
ス・スライド８の両端はフレーム１にはめ込まれ
ている。そしてプラテン２の印字用表面はガイ
ド・クロス・スライド７とほぼ平行になる。

キヤリア６はガイド・クロス・スライド７及び
サポート・クロス・スライド８に沿つて摺動す
る。このことによりプリント・ヘツド３はプラテ
ン上を横断する。キヤリア６を移動するため、従
来技術による手段が用いられる。本実施例におい
ては、歯のあるベルト（toothed belt）３６をス
ロツト９内に挿入し、開口部１０，１１を経て一
対のプーリー３３，３４にかけ渡してある。そし
てプーリー３４には駆動モーター３５が連結され
ている。

第２ａ図及び第２ｂ図は、第１図に示したプラ
テン２の詳細斜視図及び断面図である。プラテン
２の裏面には、第２ａ図に示される如く、多数の
突起１２が出ている。また第２ｂ図に示される如
く、突起１２はフレーム１の凹所１３に遊嵌され
ている。記録紙３０はプラテン２とプリント・ヘ
ツド３の間を通過する。即ちプラテン２は記録紙
３０をプリント・ヘツド３に接触させるための支
持台となる。そしてプラテン２は突起１２を中心
に回転するため、プリント・ヘツド３と記録紙３
０の接触面積は常に最大となるよう自動調節され
る。またフレーム１の凹所１３は、プラテン２が
ちよう番式に回転したとしても、プラテン２を常
にガイド・クロス・スライド７と平行にする機能
を有する。

第３ａ図及び第３ｂ図は第１図に示したキヤリ
ア６の詳細拡大図である。プリント・ヘツド３を
プラテン２又は記録紙３０に押し付ける機能は、
ピン５を含むちよう番機構及びスプリング１５に
より達成される。スプリング１５はアーム４をプ
ラテン２に押し付けるため、プラテン２は複数の
突起１２の配列方向の軸まわりに回転する（第２
ａ図及び第２ｂ図参照）。

キヤリア６がクロス・スライド７及び８上を摺
動する場合にも、アーム４の押圧作用によりプラ
テン２は回転し、もつてプリント・ヘツド３と記
録紙３０の接触面が常に最大となるよう保持され
る。このように回転可能なプラテンを用いること
により、精密なパーツ又は調整を必要とするパー
ツの減少をもたらす。またこのようなプラテン
は、長期にわたる使用の結果パーツに摩損が生じ
たとしても自己補償をする機能を有する。

プリント・ヘツド３への電気的接続はフレキシ
ブル・リボン・コネクタ１４により行われる。ガ
イド・クロス・スライド７はスロツト１６（先細
の凹部を有する）に接合しているため、キヤリア
６は該スライド７上を摺動する。なお、これによ
り、キヤリア６をスロツト１６の開いている側に
引くことにより、ガイド・クロス・スライド７か
ら引離すことができる。この意味でガイド・クロ
ス・スライド７とキヤリア６との接触部は外部に
開かれている（すなわち、ガイド・クロス・スラ
イド７のまわりをとり囲んではいない）面上に設
けられている。また以下で説明するサポート・ク
ロス・スライド８とリブ１８との関係も同様であ
る。なお組立て及び分解の容易さを要求しない場
合には、スロツト１６のかわりに、貫通孔をキヤ
リア６に設ければよい。スロツト１６には第３ａ
図に示される如く、貫通窓１７があけられている
ため、ガイド・クロス・スライド７とスロツト１
６との接触は該スロツト１６の左右両端において
のみなされる。ガイド・クロス・スライド７の直
径は、スロツト１６のテーパー部中央付近におい
て接触が行われるよう適当に選択される。こうい
つた接触によりキヤリア６はガイド・クロス・ス
ライド７に沿つて移動し、且つ摩擦を最小とし、
更に該スライド７の摩耗に対しても自己調整
（self―adjusting）を行うことができる。

キヤリア６とサポート・クロス・スライド８と
の接触はリブ（rib）１８を介して行われる。な
お組立て及び分解の容易さを要求しない場合に
は、リブ１８のかわりに、貫通孔をキヤリア６に
設ければよい。こういつた接触によりキヤリア６
はサポート・クロス・スライド８に沿つて移動
し、且つ摩擦を最小とし、更に該スライド８の摩
耗に対しても自己調整を行うことができる。かく
してキヤリア６は３点において支持されることに
なる。即ち第１及び第２の支持点はスロツト１６
の両端であり、第３の支持点はリブ１８となる。

第４図は第１図に示したキヤリア６の詳細斜視
図であり、スプリング１５の格納状態を明確に表
わしている。即ちスプリング１５は、ピン５を中
心にして、アーム４をキヤリア６から遠ざけるよ
う作用する。

第５図は、キヤリア６とアーム４から成るちよ
う番構造を説明した分解斜視図である。キヤリア
６にあけられた一対の穴１９にはピン５が嵌め込
まれる。このときアーム４のフツク２０にもピン
が遊嵌されるため、ちよう番構造が完成する。そ
してプリント時において、ピン５はガイド・クロ
ス・スライド７（第１図参照）と平行になる。な
お一対のフツク２０のかわりに、アームにあけた
貫通孔を用いることも可能である（図示されてい
ない）。

スプリング１５を保持するためには、従来から
知られている方法を用いればよい。本実施例にお
いては、スプリング１５の一方端がアーム４のく
ぼみ２２にさし込まれ、他方端は突起部２１を取
りまいている。

第６図はキヤリア６とアーム４から成るちよう
番構造を説明した側面図である。アーム４とキヤ
リア６にはさまれているスプリング１５は、次に
述べる２つの機能を果たす。第１の機能はプリン
ト・ヘツド３をプラテン２に押し付けることであ
る。このことによりプラテン２は記録紙と最大接
触面を保持するよう回転する。第２の機能は、矢
印２３で示される方向への回転力を与えることで
ある。この回転力が存在するため、キヤリア６は
クロス・スライド７及び８上を摺動することにな
る。

再び第４図を参照する。プリントヘツド・アセ
ンブリ２４をプリンタ本体から取はずすには、ア
ーム４をキヤリア６の方向へ押し込み、矢印２５
で示される方向に回転（ガイド・クロス・スライ
ド７の周囲において）させればよい。そしてアセ
ンブリ２４全体を引き上げることにより、プリン
タ本体から分離される。

以上説明した実施例においては、アームとキヤ
リア間に吸引力を作用させ、またキヤリアと２本
のクロス・スライドとの接触位置は第６図に示す
通りとなつている。しかしながら本発明はこの様
な特定の構成に限定されるものではなく、要する
にキヤリア上に枢支されたアームに取付けられた
ヘツドを印字面に押圧することによる反発力を利
用してキヤリアをクロス・スライドに押圧すれば
良い。従つて印字面とヘツドの位置関係によつて
は上述の吸引力のかわりに反発力を用いることも
できる。また、アームとキヤリア間の力の方向や
この力をかける位置等によつて、キヤリア上の各
種の位置にかかる反発力の方向も変化する。よつ
て、キヤリアと各クロス・スライドとの接触位置
はこの反発力の方向によつてキヤリアのアーム側
の面かあるいはキヤリアのアームとは反対側の面
のどちらに設けられるかが定まる。本発明のこの
様な多様な実施例を、第７ａ図ないし第７ｄ図を
用いて説明する。これら各図において、堅い部材
２６（第１図におけるキヤリア６に相当する）は
２本のクロス・スライド２７（第１図におけるク
ロス・スライド７及び８に相当する）上を摺動す
る。また各図に示されるアーム２８は、部材２６
と共に、ちよう番構造をなしている。ここでアー
ム２８は、第４図におけるアーム４及びプリン
ト・ヘツド３に相当する。更に、各図に示される
矢印２９は、第４図におけるスプリング１５の作
用に相当し、矢印の方向は力の印加方向を示して
いる。なお矢印２９で示される力を印加する手段
はスプリングに限定されるものでなく、張力又は
ねじり力を生じる他の手段を用いることも可能で
ある。

第７ａ図及び第７ｂ図に示される実施例におい
て、アーム２８は部材２６から離れるような回転
力を受ける。他方第７ｃ図及び第７ｄ図における
アーム２８は、部材２６に引き付けられるような
回転力を受ける。また、第７ａ図及び第７ｃ図に
おいては、部材２６を介してクロススライド２７
が斜めに対向配置されており、第７ｂ図及び第７
ｄ図においては、部材２６の同一面上にクロス・
スライド２７が配置されている。いずれの実施例
においてもアーム２８に加えられる回転力とプラ
テン４０の反ぱつ力に起因して、部材２６がクロ
ス・スライド２７に係合される。その結果、部材
２６がクロス・スライド２７から外れることなく
その上を摺動できる様になる。なお太字の矢印３
０は部材２６が受ける力を示し、矢印３１は各々
のクロス・スライド周辺における回転力を示して
いる。また破線矢印３２はプラテン４０がアーム
２８に与える反作用を示している。

以上詳述した如く、本発明によればプリントヘ
ツドの部品点数を減少させるばかりでなく、経時
的摩耗による再調整を不要とし、更にサービス性
を向上させたプリンタを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例によるプリンタ全体
を示した斜視図、第２ａ図及び第２ｂ図は第１図
に示したプラテン２の詳細斜視図及び断面図、第
３ａ図及び第３ｂ図は第１図に示したキヤリア６
の詳細拡大図、第４図は第１図に示したキヤリア
６に格納されているスプリング１５の状態を示し
た斜視図、第５図及び第６図はキヤリア６とアー
ム４から成るちよう番構造を説明した図、第７ａ
図ないし第７ｄ図は本発明に係る他実施例を説明
した図である。 １：フレーム、２，４０：プラテン、３：プリ
ント・ヘツド、４，２８：アーム、５：ピン、
６：キヤリア、７：ガイド・クロス・スライド、
８：サポート・クロス・スライド、１５：スプリ
ング、１６：スロツト、１８：リブ、２６：部
材、２７：クロス・スライド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印字面に平行に設けられた第１及び第２バー
   と、 前記第１及び第２バーと夫々第１及び第２の接
   触部で接触することにより前記第１バー及び第２
   バーに沿つて移動可能なキヤリアと、 プリントヘツドを有するとともに前記キヤリア
   に前記第１および第２の接触部間で枢支され前記
   印字面に前記プリントヘツドを押圧できる様に回
   転可能なアームと、 前記キヤリアとアームとの間に設けられ前記ア
   ームを前記印字面に押圧する方向に吸引力または
   反発力を前記キヤリアとアームとの間に与える押
   圧手段と を有し、 前記第１及び第２の接触部は夫々前記キヤリア
   上の外部に開かれた面に設けられ、 前記第１及び第２の接触部は前記アームの前記
   印字面への押圧で発生する反発力により前記キヤ
   リアが夫々前記第１及び第２バーに押圧される面
   上に設けられることを特徴とするムービング・ヘ
   ツド型プリンタ。