JPS6128456Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えばテレビジヨン受像機等に用い
られる前面枠の取付構造の改良に関する。

従来より、例えばテレビジヨン受像機等は、そ
の筐体とは別に、その前面に化粧を施こした前面
枠を取り付けるようにしたものが多かつた。これ
ら前面枠の取付構造は、概ね、前面枠背面に係入
体を設けて前記係入体を筐体内周に嵌合させてか
らステープル等の止め具で固定するものであつ
た。

第１図には、テレビジヨン受像機の正面図が示
されている。又、第２図には、前述の前面枠の取
付構造に係る従来例の断面図が示されている。第
１図において、符号１は筐体（キヤビネツト）、
２は前面枠、３は受像管（CRT）、４は前面枠２
の裏面に設けられたCRT取付部材を夫々示して
いる。

第２図において、キヤビネツト１の前面内周に
嵌合する係入体５は、前面枠２の裏面外周、又は
この外周に対してやや内側に前面とは直角方向に
なるように延出して設けられている。この係入体
５には、一定間隔で切り欠き部６，６，６，……
が設けられており、これによつて係入体５に弾性
が与えられている。この弾性は、キヤビネツト１
と前面枠２との嵌合する場合、各部材の寸法のバ
ラツキを吸収するものであり、他に後述するよう
に前面枠２の取りはずしを考慮したものである。

このような構造の前面枠２は、キヤビネツト１
の開口部内周にその係入体５を嵌合させてステー
プル等の止め具７，７，７，……を用いて固定さ
れていた。このような取付構造は、前面枠２の取
りはずしを考慮したものであり、係入体５を変形
させながらステープル等の止め具７，７，７，…
…を引き抜き、キヤビネツト１から取りはずして
いたが、止め具７，７，７，……が過度に喰い込
んだ場合等は甚だ取りはずしが困難であるという
不都合があつた。

このように係入体５に弾性をもたせてあるた
め、CRT３を前面枠２に固定した場合、CRT３
の重量によつて前面枠２が変形することがあり、
この取付構造は、小形軽量のテレビジヨン受像機
には適するものの大形で重量のものには適さなか
つた。すなわち、前面枠の固定品位が保てないと
いう不都合があつた。

本考案は上述した点に鑑みてなされたもので、
前面枠裏面の係入体に山形状の突起を所定間隔で
設け、この突起を止め具で固定するようにしたも
のであり、突起間と止め具との空間を利用して簡
単に抜き取ることができ且つ係入体を剛体として
なるので機械的強度を損うことがなく取り付けら
れる前面枠の取付構造を提供することを目的とす
る。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第３図及び第４図において、第１図及び第２図
の実施例と同一部材については同一符号を付しそ
の説明を省略する。

第３図には、本考案に係る前面枠の裏面の構造
を示した斜視図が示されている。第３図におい
て、符号２は本考案に係る前面枠であり、その裏
面には、前面枠２の全周に係入体１０が設けられ
ている。この固定用係入体１０は、前面枠２の外
周部よりやや内側に段差をつけて全周にわたつて
設けられている。前記係入体１０のキヤビネツト
１に嵌合する面とは反対側の面には、山形状の突
起１１，１１，１１，……を一定の間隔で設けて
ある。この突起１１，１１，１１，……の形状
は、図示のように矩形である必要はなく、例えば
鋸歯状であつても良い。そして、各突起１１，１
１，１１，……間の谷状部を空間部１２，１２，
１２，……とする。又、符号４は、CRT３を前
面枠２に取り付けるための止め具である。

而して、前記突起１１，１１，１１，……の幅
とピツチＰとは、ステープル７の幅Ｗから予め定
めておき、Ｐ／Ｗ≦１／２という関係を満足する
ようにしておく。すなわち、ステープル７を以つ
て固定したときに、ステープル７の幅Ｗ内に少な
くとも二個の突起１１，１１が入るようにしてお
く。又、突起１１，１１，１１，……は、成形可
能状態（金型の開閉方向）にあり、図に示すよう
に線状に形成されている。

第４図には、本考案に係る前面枠の取付構造の
要部断面図が示されている。以下に第４図を参照
して本考案の作用を説明する。

キヤビネツト１の前面開口部内周に前面枠２の
係入体１０を当接嵌合した後に係入体１０の内周
面よりキヤビネツト１に向けてステープル等の止
め具７，７，７，……によつて固定する。このよ
うに固定すると、空間部１２により、ステープル
等の止め具７，７，７，……と係入体１０との間
に空間ができるため、この止め具７，７，７，…
…を一般工具等を用いて簡単に取りはずしができ
るものである。しかも、突起１１，１１，１１，
……によつて剛性を備えたので係入体１０の機械
的強度が増すことになり大型テレビジヨン受像機
に適用しても固定品位を保てることになる。加え
て、係入体１０は、切り欠き部等がないので止め
具により固定する場合、固定場所が増えるという
特徴がある。又、止め具が係入体に過度に喰い込
むことがなくなるので、前面枠がプラスチツク等
の場合、冬期等に割れるということが防止され
る。さらに、係入体１０の内周面には、突起１
１，１１，１１，……の肉厚部と空間部１２，１
２，１２，……の肉薄部とが交互に形成されてい
るので適度の弾性も有しており嵌合寸法のバラツ
キを吸収できるという特徴もある。

以上述べたように本考案によれば、前面枠裏面
の係入体内周に突起を所定の間隔で設け、この係
入体を筐体内周に嵌合して止め具で固定するよう
にしてなるので、止め具の取りはずしが容易であ
り且つ前面枠の取付品位を向上させることができ
るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、テレビジヨン受像機であつて前面枠
の取付状態を示した正面図、第２図は第１図の従
来例に係る前面枠の−線断面図、第３図は本
考案に係る前面枠の裏面を示した要部斜視図、第
４図は第３図の前面枠を筐体に取り付けた状態を
示す要部断面図である。 １……筐体、２……前面枠、７……止め具、１
０……係入体、１１……突起、１２……空間部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筐体の開口部内周面に当接嵌合できるように係
   入体を設けた前面枠において、前面枠の係入体内
   周面に所定間隔で突起を設け、止め具を用いてこ
   の突起を少なくとも二個以上挾むようにして固定
   するようにしたことを特徴とする前面枠の取付構
   造。