JPS5910931Y2 - フライホイ−ルマグネトのロ−タの構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の電気部品たる点火，点灯等用のフライ
ホイールマグネトのロータの構造に関するものである。

従来、フライホイールマグネトのロータにおいてヨーク
へマグネットを固定する方法には次のものがあるが、そ
れぞれ欠点がある。

（ａ）マグネットをビス等を用いて組付ける方法。

第１図に示すように、ヨーク１とポールピース２との間
にマグネット３を挾込んでビス（又はリベット等）４で
締着する方法である。

この方法は組付工数が多く、また、フエライトマグネッ
トを用いるのでマグネットが欠けたり、割れたりし易く
、当該カケラによりロータのロック等の事故を起し易い
。

そのため、マグネット３の外面にカバー５を必要に応じ
・て取付ける等の対策が必要となる。

（ｂ）一体モールド等による方法。

第２図に示すように、ヨーク１とポールピース２との間
にマグネット３を挾込んでビス４等で締着した上、マグ
ネット３の周囲に樹脂６を充填する方法である。

この方法はマグネットの組付及び樹脂モールドに作業時
間を要し、また、樹脂のコストに問題がある。

（Ｃ）その他の方法。

マグネットを接着材でヨーク内周面に接着する方法や、
マグネットを単極毎に樹脂にインサートし組立固定する
方法があるが、それぞれ欠点がある。

本考案の目的とするところは上記欠点を除去できるもの
を提供せんとするにある。

以下図面に即して本考案実施の１例を説明する。

第３図及び第４図に示すように、本考案は磁性材料から
下面閉鎖の筒形状（椀形状）に製せられたヨーク１１内
に第５図の如きマグネットユニット１２を嵌合し、該ヨ
ーク１１端面の内縁の適数個所にかしめ部１３をそれぞ
れたたき出して該ユニット１２を固定してなるもので゛
ある。

第５図はマグネットユニット１２の１実施例を示す組立
途中の斜視図で、図中、１４．１４’は上，千組枠で、
合戒樹脂製のリング（幾分弾性を持たせることが好まし
い。

）からなり、外径は上記ヨーク１１の内径と略等しい。

１５は上，下組枠１４．１４’の対向面間に等間隔軸方
向に適数（ここでは、４方に４体）配設される略扇形柱
状の側壁体で、各側壁体１５，１５の間はマグネットス
ペース１６を（ここでは、４方に４室）それぞれ形戒す
る。

１７はマグネットスペース１６と略等しい形状のマグネ
ット、１８はマグネット１７の内表面と略等しい形状の
彎曲板材からなるポールピースで、該ポールピース１８
の両側端には爪１９が該両側端部を斜め後方に折曲げら
れていることによりそれぞれ形威されている。

該爪１９は後方に折曲げるだけでなく、さらに、側方に
折返して鉤形状としてもよいし、また、一連にでなく間
欠的に突設してもよい。

２０は爪止めで、扇形柱状の各側壁体１５における内側
両端に上下にそれぞれ没設された溝からなる。

２１は各側壁体１５の中央部に上下に穿設された嵌合孔
で、それら嵌合孔２１の内周壁には拡張用窓２２が上下
にわたって穿設されている。

２３は上下組枠１４．１４’の対向面にそれぞれ突設さ
れた拡張用部材で、上下組枠１４．１４’の対向面間に
それぞれ配設された側壁体１５の各嵌合孔２１にそれぞ
れ対向して配設される。

該拡張用部材２３は嵌合孔２１と窓２２とにきつく嵌合
する形状に形戊されている。

２４は回り止めで、必要に応じて上，千組枠１４．１４
’の外周部を没入されて設けられる。

以上の各部からなるマグネットユニット１２の組立につ
いて説明する。

まず、千組枠１４′の各拡張部材２３を嵌合孔２１及び
窓２２に差込んで各側壁体１５をそれぞれ配設し、それ
ら側壁体１５．１５の間たるマグネットスペース１６に
各マグネット１７をそれぞれ挿入するとともに、各爪１
９，１９を各側壁体１５．１５の爪止め２０ ．２０に
差込んで各ポールピース１８を各マグネットスペース１
６にそれぞれ装着し、それらをそのままヨーク１１内に
嵌合する。

下組枠１４′をヨーク１１に内嵌した後、側壁体１５、
マグネット１７及びポールピース１８を装着してもよい
。

次に、上組枠１４の各拡張用部材２３を下組枠１４′に
装着した各側壁体１５の嵌合孔２１及び窓２３にそれぞ
れ押込んで、上下組枠１４．１４’を合せる。

拡張部材２３を嵌合孔２１及び窓２２に押込むと、内周
壁に窓２２を穿設された側壁体１５は当該内壁が周方向
に沿って両側に押開かれ、爪１９を押してポールピース
１８を固定する。

また、側壁体１５は周方向に沿って両側に押開かれ、そ
の壁面でマグネット１７を押して固定する。

この押開きにより、ポールピース１８、マグネット１７
について加工時に発生する幾分の寸度のバラツキは充分
に吸収される。

この際、上記押開きを効果的にするため、各拡張用部材
２３における窓２２に嵌合する部分は内周壁の窓２２に
対応して厚みを若干大きくとってある。

また、マグネット１７及びポールピース１８の保持固定
を効果的にするため、側壁体１５、嵌合孔２１，窓２２
及び拡張用部材２３の各断面形状は、第６図Ａ，Ｂ，Ｃ
，Ｄに示すように、適宜変形することができる。

かくして、上下組枠１４．１４’を合せた状態で、マグ
ネットユニット１２はヨーク１１内に強固に保持される
が、その後、ヨーク１１の上端面内縁部の適数個所をた
たき出してかしめ部１３をそれぞれ形威し、それを固定
することによりフライホイールマグネトのロータを完戊
する。

以上説明する本考案の効果は次の通りである。

（１）マグネットユニットをヨークに挿入して該ヨーク
の端面をかしめるだけでロータを構威できるので、組付
が簡単である。

（２）マグネットユニットの組立ても、マグネット及び
ポールピースをマグネットスペースに収容して上下組枠
を合せるだけでできるので、簡単である。

（３）マグネットは上下組枠、側壁、ポールピース及び
ヨークによって完全に包囲されるので、フエライトマグ
ネットの如きもろい材質のものを使用してもその一部が
破損したりすることがなく、シたがって、それらカケラ
によるロータのロック事故を未然に防止できる。

（４）側壁の嵌合孔の中に拡張用部材を押込むことによ
り、マグネット及びポールピースを押圧してそれらを強
固に保持固定できる。

したがってマグネット及びポールピースについて加工時
に発生する幾分の寸度のバラツキを充分に吸収すること
ができ、生産性の向上、ロータの耐久性の向上等を期待
できる。

（５）マグネットスペースを構戊する側壁体を上下組枠
と別体としたので、特に、次の効果を奏する。

■ フライホイールマグネットに用いるマグネットはロ
ツド毎及び個々に寸法のバラツキが大きく（特に、幅方
向が著しい。

）、マグネットスペース内においてガタを生じ易い。

そこで、本考案によれば、側壁体を別体とし、各種寸法
のものを色分け等をして準備しておき、マグネットの各
ロツドに応じて適当なものを選定使用することにより、
そのガタの発生を防止することができる。

また、マグネットの高さ方向のバラツキについても同様
である。

■ 側壁体は上下組枠と別体であって形状が小さいので
、或形時において一度に多数個取ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のマグネット固定方法の２例を
示す各部分断面図、第３図〜第６図は本考案実施の１例
を示すもので、第３図は組立状態の一部切断正面図、第
４図は同じく縮少乎断面図、第５図はマグネットユニッ
トの分解斜視図、第６図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは要部の変形例
を示す各断面図である。 上図中、各符号は次のものを示す。 １：ヨーク、２：ポーノレピース、３：マグネット、４
：ビス、５：力バー、６：樹脂、１１：ヨーク、１２：
マグネットユニット、１３：かしめ部、１４．１４’：
上下組枠、１５：側壁体、１６：マグネットスペース、
１７：マグネット、１８：ポールピース、１９：爪、２
０：爪止め、２１：嵌合孔、２２：窓、２３：拡張用部
材、２４：回り止め。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合或樹脂製のリングである上組枠１４、下組枠１４′の
   対向面間のそれぞれ対向する位置にＴ形断面の拡張用部
   材２３．２３を軸方向に複数個突設し、該拡張用部材２
   ３ ．２３と嵌合する側壁体１５を設け、該側壁体１５
   は前記拡張用部材と同じかより狭い嵌合寸法の軸方向の
   嵌合孔２１及び該嵌合孔に連通し軸方向全長にわたって
   内周面に開口する窓２２を有し、該側壁体１５を前記上
   下組枠１４．１４’間に介設して該側壁体１５間にマグ
   ネットスペース１６を形成し、前記側壁体１５の周方向
   両端に爪止め２０を形或するとともに該爪止め２０にポ
   ールピース１８の周方向両端に設けた爪１９を差込んで
   該ポールピース１８を前記マグネットスペース１６の内
   側に配設しさらに該ポールピース１８の外側に接してマ
   グネット１７を収容してマグネットユニット１２を構或
   し、該マグネットユニット１２を椀形状のヨーク１１内
   に嵌合するとともに該ヨーク１１の端面に突設したかし
   め部１３により前記マグネットユニット１２の端面を押
   圧固定してなるフライホイールマグネトのロータの構造
   。