JPS6125346Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の電気部品たる点火点灯用等の
フライホイールマグネトに係るもので、特にその
ロータの構造に関するものである。

従来、フライホイールマグネトのロータにおい
てヨークへマグネトを固定する方法には次のもの
があるが、それぞれ欠点がある。

(a) マグネツトをビス等を用いて組付ける方法。

第１図に示すように、ヨーク１とポールピー
ス２との間にマグネツト３を挟込んでビス又は
リベツト４で締着する方法である。

この方法は組付工数が多く、また、フエライ
トマグネツトを用いるのでマグネツトが欠けた
り、割れたりし易く、このカケラによりロータ
がロツクする事故が起こる可能性がある。その
ため、マグネツト３の外面にカバー５を必要に
応じて取付ける等の対策が必要となる。

(b) 一体モールドによる方法 第２図に示すように、ヨーク１とポールピー
ス２との間にマグネツト３を挟込んで中心部を
ビス７等で締着した上、マグネツト３の周囲に
樹脂６を充填する方法である。

この方法はマグネツトの組付け及び樹脂モー
ルドのコストが高かつた。

(c) その他の方法 マグネツトを接着材でヨーク内周面に接着す
る方法や、マグネツトを単極毎に樹脂にインサ
ートし組立固定する方法があるが、それぞれ欠
点がある。

本考案の目的とするところは上記欠点を除去で
きるものを提供せんとするにある。

以下、図面に即して本考案の一実施例を説明す
る。第３図ないし第７図において１１は磁性体か
らなる椀状のヨーク、１２はヨーク１１の内周面
に取付けられるマグネツトユニツト、１３はヨー
ク１１内のマグネツトユニツト１２の抜けを防止
するモーク１１の開口端に形成されたかしめ部で
ある。１４は矩形のフエライトマグネツト、１５
はポールピース、１６は非磁性体例えば樹脂より
なるマグネツトケースで背面からポールピース１
５およびフエライトマグネツト１４を挿入できる
ようにマグネツトスペース２１が形成されてお
り、複数個のマグネツトケース１６でマグネツト
ユニツト１２を構成するようにしてある。このマ
グネツトケース１６の周方向端面１７は第５図に
示すようにある角度θだけ傾斜されてあり、隣り
あうもう一方のマグネツトケース１６は第３図に
示すように逆方向に傾斜させてある。マグネツト
ケース１６の背面から挿入されるポールピース１
５の周方向端には外側に突出した爪が形成され、
マグネツトケース１６に挿入して時マグネツトケ
ース１６の爪止め２２と係合するように構成され
ている。

かくして、第３図に示すように、マグネツト１
４およびポールピース１５をマグネツトスペース
２１に挿入したマグネツトケース１６の一方（ヨ
ーク１１の底に向かうに従つて周が大きくなるマ
グネツトケース１６）をヨーク１１内に収容し、
次に、他方のマグネツトケース１６を傾斜のつい
た端面どおし突合せ滑り面を形成し、ヨーク１１
内に押込む。この際、端面１７，１７において適
当な圧入代Ｌを設けることによつて、他方のマグ
ネツトケース１６の押込みで傾斜角θに沿つて互
いにマグネツトケース１６が拡径し、マグネツト
ユニツト１２としてヨーク１１内に強固に嵌合す
る。

この時、マグネツトケース１６には第４図に示
すように各々Ｆで示す力が作用する。この力Ｆは
ポールピース１５にもマグネツトケース１６の爪
止め２２と係合している爪２３を介して作用し、
第６図に示すようにわずかに周方向にたわもうと
するため、マグネツト１４には力Ｑが作用しヨー
ク１１内周にマグネツト１４を押圧固定するもの
である。

その後、第４図に示すようにかしめ部１３をか
しめれば、マグネツトユニツト１２はヨーク１１
に完全に固定することができる。

なお、上記マグネツトケース１６の押込みを容
易にするため、および、半径方向へのマグネツト
ケース１６，１６の移動を防止するために、第７
図に示すように、マグネツトケース１６，１６の
隣接する端面１７，１７を互いに嵌合する案内用
の凹凸１８を設けることもできる。また、マグネ
ツトケース１６は二つに限らず、マグネツトユニ
ツト１２を３分割、４分割したもので構成するこ
ともできる。ちなみに、１９はマグネツトケース
１６の外周面に没設されたヨーク１１に対する回
り止め、２０はマグネツトユニツト１６内に形成
された重量軽減および膨張時における歪吸収のた
めの肉抜きであり、両者は必要に応じ設けられ
る。なお、２４はマグネツトスペース２１の内部
側壁面に突設したマグネツト１４のガタ止めであ
る。

以上詳述するように、本考案にマグネツトケー
スをヨーク内に押込むことによつて、マグネツト
ケースの傾斜した端面でもつてマグネツトユニツ
トを拡径し、この力をポールピースを介してマグ
ネツトをヨーク内側に押圧固定するものであり、
ネジ締め、接着を不用とし、簡単な樹脂ケースを
ポールピースでマグネツトを固定できるとともに
組付けが簡略化される。また、マグネツトマグネ
ツトケース、ポールピース、ヨークによつて完全
に包囲されるので、フエライトマグネツトの如き
もろい材質のものを使用して破損した場合でもカ
クラ等が飛散することもなくなる等の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来のマグネツト固定方
法の例を示す各部分断面図、第３図〜第７図は本
考案の実施例を示すもので、第３図および第４図
は組立状態の各正面断面図、第５図はマグネツト
ユニツトの分解斜視図、第６図は組付状態の平面
断面図、第７図はマグネツトケース端面の別実施
例を示す図である。 符号の説明、１……ヨーク、２……ポールピー
ス、３……マグネツト、４……ビス、５……カバ
ー、６……樹脂、１１……ヨーク、１２……マグ
ネツトユニツト、１３……かしめ部、１４……マ
グネツト、１５……ポールピース、１６……マグ
ネツトケース、１７……端面、１８……案内用凹
凸、１９……回り止め、２０……肉抜き、２１…
…マグネツトスペース、２２……爪止め、２３…
…爪、２４……ガタ止め、θ……傾斜角、Ｌ……
圧入代。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製の環帯であつて矩形のマグネツト１
   ４と該マグネツト１４の表面に接するポールピー
   ス１５とを放射状に適数個配設されてなるマグネ
   ツトユニツト１２を放射状に複数個分割してマグ
   ネツトケース１６をそれぞれ構成するとともに、
   それらマグネツトケース１６の周方向端面１７の
   少なくとも１つ以上を当該軸方向に対して傾斜さ
   せて滑り面となし、各マグネツトケース１６の滑
   り面を滑らせてマグネツトユニツト１２を拡径す
   るように椀状のヨーク１１に嵌合するとともに、
   マグネツトケース１６はマグネツト１４とポール
   ピース１５を収容するマグネツトスペース２１お
   よびポールピース１５の両端の爪２３と係合する
   爪止め２２を有し、さらに、該ヨーク１１の端面
   にかしめ部１３を適宜突設して該ユニツト１２を
   固定してなるフライホイールマグネトのロータの
   構造。