JPS6130447Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の電気部品たる点火、点灯等用
のフライホイールマグネトのロータ構造に関する
ものである。

従来、フライホイールマグネトのロータのヨー
クにマグネツトを固定する方法には次のものがあ
るが、それぞれ欠点がある。

(a) マグネツトをビス等を用いて組付ける方法。
第１図に示すように、ヨーク１とポールピース
２との間にマグネツト３を挾込んでビス（又は
リベツト等）４で締着する方法である。

この方法は組付工数が多く、また、フエライ
トマグネツトを用いるのでマグネツトが欠けた
り、割れたりし易く、当該カケラによりロータ
等の事故を起し易い。そのため、マグネツト３
の外面にカバー５を必要に応じて取付ける等の
対策が必要となる。

(b) 一体モールド等による方法。

第２図に示すように、ヨーク１とポールピー
ス２との間にマグネツト３を挾込んでビス４等
で締着した上、マグネツト３の周囲に樹脂６を
充填する方法である。

この方法はマグネツトの取付及び樹脂モール
ド作業時間を要し、また、樹脂のコストや耐熱
性に問題がある。殊に、高温使用中に樹脂６の
第２図に示す周壁部分７がへこんだり、亀裂が
入つたりする。

本考案の目的とするところは、上記欠点を除去
できるものを提供せんとするにある。

以下図面に則して本考案実施の１例を説明する
と、第３図に於いて、本考案は、円筒形状で下面
閉鎖のヨーク１１内に該ヨーク１１の内径と略等
しい外径を持つ環状ユニツト化マグネツト１２を
該ヨーク１１の上面開口から底面に突当たるまで
圧入嵌合するとともに、ヨーク１１の開口縁辺に
抜止部１３を設けて該ヨーク１１内から該マグネ
ツト１２が抜出さないようにした構造になつてい
る。第３図に於いて、上記抜止部１３はヨーク１
１の上面開口縁辺を全周に渡つて内方に折曲げ
めて設けられているが、該上面開口縁辺を部分的
にコーキングして設けることもできるし、また、
上下開口のヨーク１１の場合には両開口縁辺にそ
れぞれ設けることもできる。

また、上記環状ユニツト化マグネツト１２は、
金属又は合成樹脂等の材料を用いて中空の環状に
形成された容器１４内にマグネツト１５を封入し
てあらかじめユニツト化されたものである。第３
図に示された環状ユニツト化マグネツト１２は、
断面コの字形状で開口面を内側として環状に形成
された磁性材料製アウタリム１６に断面コの字形
状で開口面を外側として環状に形成された非磁性
材料（非鉄材料）製（厚さが薄ければ鉄製でもよ
い。）インナリム１７を該リム１６の開口を覆う
ように互いに腹合せにして結合し、その両縁辺に
於いてめて中空環状の一体化容器１４を形成
し、該容器１４の中空内部にフエライトマグネツ
ト１５を等間隔に配設し、該マグネツト１５間の
インナリム１７に凹部２０を没設したものであ
る。フエライトマグネツト１５はインナリム１７
の凹部２０と係合して周方向の回り止めとなる。
また、フエライトマグネツト１５がかけた場合で
も容器が密閉されているので、カケラが飛び散る
ことはない。

環状ユニツト化マグネツト１２は第３図に示す
ものに限らず、例えば、第４図に示すように構成
することもできる。即ち、中空環状に形成した容
器１４の中空内部にフエライトマグネツト１５を
的数個所等間隔にそれぞれ収容し、該容器１４の
内周壁に於ける各マグネツト１５，１５間に各凹
部２０をそれぞれ没設するとともに、それら凹部
２０，２０間の各マグネツト１９内面と容器１４
の内周壁の内面との間に各ボールピース２１をそ
れぞれ差込んで構成したものである。

以上説明する本考案の効果は次の通りである。

(1) 各マグネツトの装着固定を個々にねじ締め、
モールド等の方法によらずに、あらかじめ環状
ユニツト化されたマグネツトをヨーク内に圧入
又は挿入して嵌合し、抜止めする構造によつた
ので、組付及びモールド作業が省略でき、か
つ、取付が確実になる上、取扱い管理を容易に
し、さらに、組付の自動化も期待できる。

(2) マグネツトが容器によつて密封されているの
でクラツクによるカケラが空隙部へ飛出すこと
を防止でき、ロータをロツクする等の事故を未
然に防止できる。

(3) 構造が堅牢であるから、信頼性、耐久性及び
作動の安全性の向上が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のマグネツト固定方法
の２例を示す各部分断面図、第３図〜第４図は本
考案実施の１例を示すもので、第３図は一部切断
側面図、第４図は環状ユニツト化マグネツトの１
例を示す一部切断平面図である。 上図中、各符号は次のものを示す。１：ヨー
ク、２：ボールピース、３：マグネツト、４：ビ
ス、５：カバー、６：樹脂、１１：ヨーク、１
２：環状ユニツト化マグネツト、１３：抜止部、
１４：容器、１５：マグネツト、１６：アウタリ
ム、１７：インナリム、２０：凹部、２１：ボー
ルピース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒形状のヨーク１１内に該ヨーク１１の内径と
   略等しい外径を持つ環状ユニツト化マグネツト１
   ２を圧入するとともに、ヨーク１１の開口縁辺を
   曲げめした抜止部１３を設けて該ヨーク１１内
   からマグネツト１２が抜出さないようになし、上
   記環状ユニツト化マグネツト１２は断面コ字状で
   環状の磁性材料製アウタリム１６と該アウタリム
   に対応する断面コ字状の非磁性材料製インナリム
   １７を開口面でつき合わせて両縁辺をめ、中空
   の環状に形成された容器１４の中空内部に等間隔
   にマグネツト１５を配設し、各マグネツト１５間
   のインナリム１７に凹部２０を没設したことを特
   徴とするフライホイールマグネトのロータ構造。