JPS6127865Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、素材供給装置における素材整列装置
の改良に関するものである。

従来、長尺素材としての丸棒、丸パイプなどを
切断、旋削、ヘツデイング等の冷間鍛造のため等
に１本づつ整列して次々と加圧機に送り込む装置
としては、図に示すような素材貯蔵部から、動力
駆動によつて素材を徐々に上昇させ、ほゞ水平な
整理テーブル上にころげ落とし、整理テーブル上
に設けられたチエンコンベアーに乗つて横に移動
する途中で、高さを規制する邪魔板などによつ
て、積み重なつて２段３段になつた素材を１段で
並行に並べ整頓する装置が用いられている。

しかしながら、邪魔板の附近では素材の移動が
阻止されたまゝ、チエンベルトだけが移動する現
象が起るために、素材にすり傷ができ、商品価値
の低下が問題となることが少くなかつたのであ
る。

本考案は上記の問題を解決するために行われた
もので、以下に図面に基づいてその実施例につい
て詳細に説明する。

図に総括的に１で示すものは、本考案の１実施
例としての素材整列装置である。素材貯蔵部３に
貯えられた長尺素材５は、同長の複数のベルト７
に支承されており、１端（図の右上端）が固定さ
れているから、同軸の複数のプーリー９に巻き上
げられて上昇し、上記素材整列装置の上に転び落
ちることになる。

素材整列装置は、ほゞ水平な整理テーブル１１
と、その上部に少し離れて循還移動する複数のリ
バーサル、コグベルト１３からなり、整理テーブ
ル１１の上方部には、長尺素材５が重なつて高く
なるのを規制する装置として邪魔板が、複数のコ
グベルトのそれぞれの上部に離れて同数設けられ
ている。図より明らかなように、邪魔板の先端部
に設けられた検知装置１５には、検知レバー１７
が設けられ、邪魔板の下を通過した素材が１段に
なつて引続いて移動しなくなり、邪魔板の直前に
素材が２段、３段に重なつて停滞していることを
検知して、コグベルトを逆移動させるように作用
する。１９は上記検知装置に関連した１時ストツ
パーで、邪魔板を通過した素材が勝手に後続の素
材から離れて暴走しないような働きをする。

リバーサル、コグベルト１３は、コグベルトを
反転して、波型の凹凸のある方を外周面として素
材に当接するように、駆動プーリー２１と、従動
プーリー２３との間にかけ廻したもので、従動プ
ーリー２３を支承する固定軸２５は、整理テーブ
ルの支持部を遍芯しており回動することで、コグ
ベルトのテンシヨンを調節可能にしている。２７
は駆動プーリー２１に設けられたスプロケツト
で、モータ３１の主軸にとりつけられたプーリー
２９との間にかけ廻されたチエン３３によつて、
複数の駆動プーリーが同時に駆動される。３５は
テンシヨンスプロケツトである。又図の左側は長
尺素材を１本１本縦に加工機へ送り出す装置を示
したものである。

本実施例は、上記のように構成してなるもので
あるから、邪魔板によつて移動を阻止された素材
と移動を続けるリバーサル、コグベルトとの間
で、素材が傷つくおそれはなく、普通のＶベルト
と異なつて逆曲げによるベルト寿命の短縮もな
く、コグベルト自体がゴム質であるから滑りがな
い上に、２段、３段上の素材がベルト上に落ちて
も、素材に傷がつくこともなく、騒音の発生もお
こらない等の効果を奏するものである。

以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、要するに本考案の要旨は実用新案登録請求の
範囲に記載のとおりであるから、その記載より明
らかなように、本考案においては、素材貯蔵部か
ら送り出された長尺の素材を横に移動するエンド
レス状のベルトの外周面には凹凸部が形成されて
いるものである。したがつて、ベルトと素材との
間に相対的な滑り等を生じるようなことがなく、
例えば素材がアルミニウムのごとき材質のもので
あつても、素材の表面に損傷を与えるようなこと
がないものである。

また、ベルトによる長尺の素材の移動終端付近
には、素材を暴走しないように作用する一時スト
ツパーが設けられているので、ベルトによる素材
の移動時における慣性が消失されることとなり、
素材の表面の損傷がより効果的に防止されるもの
である。

さらに、ベルトの上方に配置された邪魔板の先
端部側には、素材が重なつて停滞していることを
検知してベルトを逆移動させるよう作用する検知
装置が設けられているので、素材の重なり合いや
相互の拘束等を防止し、かつ解除できることとな
り、素材の表面の損傷防止の効果が期待し得ると
共に、素材の横移動を円滑に行ない得るものであ
る。

なお、本考案は前述のごとき実施例に限ること
なく、適宜の変更を行なうことにより、その他の
態様でも実施し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置を実施した素材整理装置
を中心に、前後の素材の流れを示した正面図であ
る。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、１１…
…整理テーブル、１３……リバーサル、コグベル
ト、１５……邪魔板、１７……検知レバー、２１
……駆動プーリー、２３……従動プーリー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長尺の素材５を多数貯蔵した素材貯蔵部３に隣
   接して整理テーブル１１を設け、素材貯蔵部３か
   ら送り出された長尺の素材５を横に移動するエン
   ドレス状のベルト１３を、前記整理テーブル１１
   に備えられた複数のプーリー２１，２３に掛回し
   て設けると共にベルト１３の外周面に凹凸部を形
   成して設け、上記ベルト１３による長尺の素材５
   の移動終端付近に、素材５を暴走しないように作
   用する一時ストツパー１９を設け、前記ベルト１
   ３の上方に配置した邪魔板の先端部側に、ベルト
   １３上に素材５が重なつて停滞していることを検
   知して前記ベルト１３を逆移動させるように作用
   する検知装置を設けてなることを特徴とする素材
   供給装置の素材整列装置。