JPS6124523Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は輪転印刷機等に適用して有効なリール
スタンドに関するものである。

第１図及び第２図は一般的な輪転印刷機の概要
構造を示し、第３図イ，ロ及び第４図は従来の輪
転印刷機の中心位置合せ装置を示す。さて第１図
及び第２図に示す輪転印刷機において、リールス
タンド１ａ，１ｂの支承アーム２ａ，２ｂ（以下
支承アーム２とする）へ巻取紙４を装着する作業
は、巻取紙４を昇降装置３等を利用して持ち上
げ、巻取紙４の紙管中心の中空部６ａと、支承ア
ーム中心５を人間の目視で合せ、支承アーム中心
のチヤツキング装置７で支持させるもので、巻取
紙４を消費するごとに行なう必要がある。また最
近の様に機械のスピードが速くなつてくると、装
着作業を頻繁に行なうため、装着位置に巻取紙４
を正確に、しかも迅速に位置決めする必要があ
る。そこで以下の様な自動的に装着位置を合せる
装置が従来も開発されていた。

さて従来開発された第３図イ，ロの装置は、昇
降装置３に係合して昇降する第１係合子８と、巻
取紙４の中心を通る垂直線上の上方に、ワイヤー
１０により第１係合子８と係合された上縁検出子
９と、ワイヤー１０を支えるコロ１１と、コロ支
え１２で構成されている。昇降装置３で巻取紙４
を上昇すると、昇降装置３に係合された第１係合
子８も上昇し、ワイヤー１０で係合された上縁検
出子９が第１係合子８の上昇量と同量降下し、巻
取紙上面を検知して上昇を停止する。以上の働き
により巻取紙の径が変わつても、いつも巻取紙を
一定の高さに位置決めをすることができる。

次に同様に従来開発された第４図の装置は、巻
取紙４を昇降装置付台車１３に乗せて移動出来る
様にしてあり、装着位置１５の少し手前で昇降装
置付台車１３を停止するとともに、巻取紙４を台
車の昇降装置３で上昇させる。その時、装着位置
の高さに設けた光電変換型検出器１４で巻取紙４
の中心高さを検知し、高さ方向の位置決めを行な
う。そのあとで、昇降装置付台車１３を装着位置
の方向へ移動し、装着位置でリミツトスイツチな
どの検知器を働かせて停止させる装着位置決め装
置である。

しかしながら前記従来の装置には次のような欠
点があつた。先ず第３図イ，ロの装置では、チヤ
ツキング装置７へ巻取紙４を装着するには、巻取
紙の中心位置を正確にチヤツキング装置７の中心
へ合せる必要がある。しかるに本装置の様に、巻
取紙４の外径を検知する方法では、巻取紙４の精
度（偏心、巻むら、変形等）が悪い場合、巻取紙
４の中心をチヤツキング装置７の中心へ正確に合
せることが難しかつた。

また検出子８，９とワイヤー１０、ローラ１１
で構成された本装置は、巻取紙に接触させて検出
する方法のため、巻取紙の近くへ設ける必要があ
り、作業の邪魔になる欠点があつた。

更に本装置は、支承アーム２や巻取紙４に当る
などにより、巻取紙装置位置１５の少し手前に設
置する必要がある。そのため装着位置でない所で
巻取紙４を装着高さに上昇させ、そのあとで装着
位置へ移動するシステムとする必要があり、巻取
紙を移動する台車ならびに、位置決め装置が余分
に必要であつた。

次に第４図の装置の欠点について説明すると、
この装置では装着位置でない所で巻取紙４を装着
高さに上昇させ、そのあとで巻取紙４を装着位置
１５へ移動するシステムであるので、巻取紙を移
動する台車ならびに位置決め装置が余分に必要で
あつた。

本考案は前記従来の欠点を解消するために提案
されたもので、巻取紙の中心位置合せを、巻取紙
を前後に移動することなく、装着位置の垂直線上
を昇降させる動作のみで実施できるようにしたも
のであり、そのため巻取紙移動位置及び位置決め
装置が不要となり、簡単な構造とすることができ
るリールスタンドを提供せんとするものである。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、第５図及び第６図は本考案の実施例を示す二
本アーム式リールスタンドの正面図、第７図及び
第８図は本考案の他の実施例を示す三本アーム式
リールスタンドの正面図を示す。なお、第５図及
び第７図は、支承アームが待機位置にある状態
図、第６図及び第８図は支承アームが装着位置に
ある状態図である。また第９図は、昇降装置上面
の形状を示す。

さて第５図〜第８図のリールスタンド１ａ及び
１ｂの二本アーム２ａ及び三本アーム２ｂ（以下
支承アーム２とする）は、主軸１６を中心に正逆
回転Ａ，Ｂ可能に支承されていると共に、支承ア
ーム２を、巻取紙４が装着位置１５へ位置決めさ
れるまで待機させる待機位置２１と、装着する時
の装着位置１５へ位置決めをするための検知器１
７（リミツトスイツチ、ポテンシヨンメーターな
ど）と、作動片１８を備えた支承アーム位置決め
装置を持つ。そして各アーム端には、巻取紙４を
支持する装着装置７を備えている。

巻取紙４を装着位置１５へ位置決めするため
に、巻取紙装着位置１５に巻取紙中心６を検出す
る光電式検知器１９を備えており、その位置へ巻
取紙４を上昇させる昇降装置３が、装着位置１５
の真下に設けられている。昇降装置３は、巻取紙
４を正確に装着位置１５の真下に固定するため、
昇降装置上面２０を第５図の如くくさび形にして
いる。また支承アーム２の回動と停止、及び昇降
装置３の作動と停止、並に巻取紙装着位置検出を
連けいして行なわれる制御装置を備えている。

次に以上説明した実施例について作用を説明す
ると、巻取紙４を消費し、残芯を取外した支承ア
ーム２へ巻取紙４を装着する作業において、装着
位置１５の真下に設けられた昇降装置３へ巻取紙
４を乗せる。そして、巻取紙４を装着位置１５へ
向つて上昇させる。その時支承アーム２は、巻取
紙４を装着位置１５へ位置決めをするための光電
式検知器１９の光跡を遮へいしない決められた位
置、すなわち待機位置２１（第５図及び第７図）
へ回動されている。

昇降装置３で上昇させた巻取紙４は、光電式検
知器１９により巻取紙中心の中空部６ａが検出さ
れて、装着位置１５に停止する。光電式検知器１
９による巻取紙中心の検出は、昇降前は巻取紙４
が光電式検知器の光跡を遮へいしており、巻取紙
４を上昇させると、巻取紙中心の中空部６ａが、
光電式検知器１９の設置位置へ上昇し、光跡を通
光させて行なう方法と、昇降前は光電式検知器１
９の光跡が、巻取紙中心の中空部６ａを通つてお
り、巻取紙４を上昇した時巻取紙中心の中空部６
ａから外れて、巻取紙が遮光して行なう方法とが
ある。なお、第１の方法は、巻取紙中空部６ａの
上面を検知する方法であり、第２の方法は、巻取
紙中空部６ａの下面を検知する方法である。

巻取紙４が、装着位置１５へ位置決めされる
と、支承アーム２が逆転し、決められた位置、す
なわち装着位置１５（第６図及び第８図）へ位置
決め装置の働きで停止し、巻取紙中心位置合せが
完了する。そのあとで、支承アーム端のチヤツキ
ング装置７が作動して、巻取紙の装着が行なわれ
る。

以上詳細に説明した如く本考案は、巻取紙の中
心位置合せが、装着位置で行なえ、アームの位置
決め装置には従来用いられている信頼性の高いも
のが使用できる。また巻取紙を横方向へ移動させ
る必要がないので精度がよくなり、かつ移動装置
が不要な簡単な構造にでき、故障等の要因が少な
い。また巻取紙を乗せる昇降装置は、装着位置の
真下に正確に設置されており、昇降装置で上昇さ
せて、高さ方向の位置決めだけを行なえば良いの
で、正確な位置決めが出来る。更に装着中心を直
接検知するので、巻取紙の変形などによる影響が
少なく、正確に装着位置へ位置決めが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な輪転印刷機の全体の概略を示
す正面図、第２図は同要部の詳細図、第３図イは
従来の輪転印刷機における中心位置合せ装置を示
す正面図、第３図ロは同側面図、第４図は同様に
従来における中心位置合せ装置を示す正面図、第
５図及び第６図は本考案の実施例を示し、夫々作
動状態を異にする正面図、第７図及び第８図は本
考案の他の実施例を示し、夫々作動状態を異にす
る正面図、第９図は第５図〜第８図に示す昇降装
置上面のくさび形を示す断面図である。 図の主要部分の説明、１ａ，１ｂ……リールス
タンド、２……支承アーム、３……昇降装置、４
……巻取紙、１５……巻取紙装着位置、１７……
検知装置、１８……作動片、１９……光電式検知
装置、２０……昇降装置上面、２１……待機位
置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームに揺動自在に支持され、巻取紙を装着
   する支承アーム、同支承アームが巻取紙の装着位
   置とその近傍の待機位置にあることを検知する検
   知器と作動片を備えた支承アーム位置決め装置、
   前記装着位置の下方に上下動可能に設けられた巻
   取紙を積載する昇降装置、及び固定設置され前記
   装着位置における巻取紙の紙管中心を検知する光
   電式検知装置を備えてなることを特徴とするリー
   ルスタンド。