JPS6123817B2 - - Google Patents

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JPS6123817B2
JPS6123817B2 JP14658878A JP14658878A JPS6123817B2 JP S6123817 B2 JPS6123817 B2 JP S6123817B2 JP 14658878 A JP14658878 A JP 14658878A JP 14658878 A JP14658878 A JP 14658878A JP S6123817 B2 JPS6123817 B2 JP S6123817B2
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JP
Japan
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weight
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acrylic
water
titanate
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JP14658878A
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English (en)
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JPS5573746A (en
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Takayuki Ueie
Hiroshi Iwai
Nobushige Numa
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な被覆用樹脂組成物に関し、さら
に詳しくは、多孔性無機質建材基質表面の防水被
覆に特に適するよう改良された樹脂組成物に関す
る。 本明細書において「多孔性無機質建材」とは、
セメント系、ケイ酸カルシウム系、石膏系、石綿
系などの無機質多孔性の材料から主として構成さ
れている構築用資材を意味するものであり、具体
的には、例えば、軽量コンクリート、プレキヤス
トコンクリート、軽量気泡コンクリート
(ALC)、モルタル、石綿セメント板、ケイ酸カ
ルシウム板、パルコセメント板、木毛セメント
板、石膏ボード、ハードボード、しつくい、石膏
プラスター、ドロマイトプラスター、硬プラスタ
ー等が包含される。 従来、かかる多孔性無機質建材基質の表面処理
剤(以下単に「表面処理剤」と略称することがあ
る)としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩
化ビニル系樹脂などの樹脂を有機溶剤に溶解した
有機溶剤型の表面処理剤が多用されており、また
一方、水性樹脂エマルジヨン型の表面処理剤も一
部使用されているが、しかし、いずれも十分に満
足できる性能を備えていないというのが実情であ
る。すなわち、上記有機溶剤型の表面処理剤は、
表面被覆材としてかなり良好な耐剥離性を有して
いるが、有機溶剤を使用するため作業者の安全衛
生上及び資源の節約等の時代の要請に応えること
が出来ず、さらにセメントのような強アルカリ性
の多孔質建材に対して用いた場合には、その強ア
ルカリのために樹脂が分解ないし変質し、長期間
にわたる耐剥離性を維持することが困難であるな
どの欠点がある。また、上記水性樹脂エマルジヨ
ン型の表面処理剤は有機溶剤を全く使用しない利
点があるが、被覆される建材の基質表面が多孔性
であるために、水分のみが急速に建材基質中に浸
透し、樹脂のみが表面に残存する結果となり、該
基質の強アルカリ性によつてエマルジヨン樹脂が
破壊されるため、建材基質表面からの耐剥離性が
有機溶剤型に比べ著しく劣るという大きな欠点が
あつた。 これらの欠点を解決すべく、従来表面処理剤に
コロイダルシリカ、ケイ酸塩水溶液、水溶性樹脂
(例えばポリビニルアルコール)、繊維素系誘導体
を不溶化したもの等を配合する試みがなされてい
るが、造膜性、耐エフロレツセンス性、耐水性、
上塗り塗膜の付着性等の点でいまだ十分とは言え
ないのが現状である。また、従来の上記した如き
表面処理剤は耐吸い込み性が充分に改善されてい
ないため、かかる表面処理剤を多孔性無機建材の
基質表面に塗布した場合には、建材の基質内部へ
の吸い込みが起るため、さらにその上に、防水、
表面化粧等のための上塗り塗料をさらに塗布しな
ければならず、作業性、生産性等の面でも十分に
満足のいくものではなかつた。 本発明者らは、一回の塗布で以つて完全で均一
な被覆を形成し、表面処理剤と上塗り塗料の両者
の働きを同時になし、しかも表面処理剤として上
記した如き欠点をもたない、多孔性無機質建材の
基質表面を被覆するに適した被覆用組成物を提供
することを目的として鋭意研究を重ねた結果、本
発明を完成するに至つたものである。 すなわち、本発明は、 (A) 酸価が30〜100で且つ水酸基価が40〜100であ
り、約10000〜約30000の分子量を有する水溶性
アクリル系樹脂100重量部と、コロイド状シリ
カ10〜250重量部と、チタンまたはジルコニウ
ムの金属配位化合物1〜10重量部とから成るア
クリル系樹脂組成物100重量部、及び (B) 該アクリル系樹脂組成物と混和性をもつ水系
合成樹脂エマルジヨン10〜200重量部の混合物
よりなることを特徴とする、多孔性無機質建材
基質の被覆に適した被覆組成物を提供するもの
である。 本発明の被覆組成物は、多孔性無機質建材の基
質表面に塗布した場合、前記従来の有機溶剤型及
び水性樹脂エマルジヨン型の表面処理剤に見られ
るような欠点がなく、該基質表面に完全で均一な
しかも強靭な被膜を形成し、セメントのような強
アルカリ性成分を滲出するような建材によつても
侵されることがなく、該基質表面に強固に付着
し、耐剥離性を長期にわたつて持続し、さらに造
膜性、耐エフロレツセンス性、耐水性、特に優れ
た被膜を与えるという、優れた利点を有する。 しかして、本発明の被覆組成物は唯一回の塗布
作業で実用的に十分に満足できる表面被覆を形成
せしめることができるが、建材表面の着色など使
用目的に応じて上塗り塗料を併用することも勿論
可能であり、この場合、本発明の被覆組成物から
形成せしめられた被膜は上塗り塗料との付着性に
優れているので、上塗り塗膜の付着性に何ら問題
を生じない。 しかも、本発明の被覆組成物は有機溶剤を使用
していないから、有機溶剤型の表面処理剤の場合
のように作業者の安全衛生上の問題を生ずること
もない。 本発明の被覆組成物が何故上記の如き優れた性
能を発揮するのか、その理由は不明であるが、本
発明の被覆組成物中で、上記水溶性アクリル系樹
脂は該金属配位化合物と架橋結合し、さらにその
金属配位化合物がコロイド状シリカ粒子表面に存
在するシラノール性水酸基との間で架橋反応を起
して水溶性アクリル系樹脂−シリカの複合体を形
成し、そのため、本発明の被覆組成物を多孔性無
機質建材の基質表面に塗布した場合、微細なコロ
イド状シリカが水溶液と共に該基質中に浸透し、
該建材中に存在するアルミニウム、カルシウム、
マグネシウム、ナトリウムなどの金属元素又はそ
の酸化物もしくはその水和物と強固に結合し、ま
た、水分の蒸発、散逸と共にシリカ粒子成分同志
がシロキサン結合を形成して該建材の表面層を強
固にかため、さらに一方、基質表面上では、アク
リル系樹脂と金属配位化合物との架橋反応による
強靭な被膜および前記水系合成樹脂エマルジヨン
による完全で均一な被膜が形成されることに基因
するものと考えられる。 本明細書において樹脂に関して用いる「水溶
性」なる語は、該語が付された樹脂が水に完全に
溶解して真の水溶液を形成する場合のみならず、
樹脂が水中で分子状態で完全に分散溶解していな
くても、コロイド状、ミセル状の半固体乃至固体
として水中に安定に微分散する場合をも包含する
意味で使用するものである。 本発明において、被覆組成物の一成分として使
用される水溶性アクリル系樹脂は、分子中にカル
ボキシル基及び水酸基の両者を含有するもので、
そのカルボキシル基は前記チタンまたはジルコニ
ウムの金属配位化合物との架橋反応に関与し、ま
た同時に該アクリル系樹脂の水溶化のために重要
な役割を果すもので、該アクリル系樹脂の酸価が
30〜100、好ましくは50〜80となるような割合で
該樹脂中に存在することができる。しかしてこの
カルボキシル基は本発明の水溶性化されたアクリ
ル系樹脂では塩の形、特にアンモニウム塩の形で
存在する。 該樹脂の酸価が30より小さいと樹脂の水溶性化
を十分に達成することができず、また酸価が100
を超えると得られる樹脂被覆の耐水性が低下する
ので好ましくない。 一方、上記水酸基もまたカルボキシル基と同様
に該金属配位化合物との架橋反応に関与する重要
な成分であり、該アクリル系樹脂の水酸基価が40
〜100、好ましくは40〜60の範囲になるような割
合で該樹脂中に存在せしめることができる。該樹
脂の水酸基価が40より小さいと該金属配位化合物
との架橋反応を十分に行なうことができず、また
反対に100を超えると得られる樹脂被膜の耐水性
が低下するので好ましくない。 しかして、かかる酸価及び水酸基価を有するア
クリル系樹脂は、例えば、約3〜約14重量%、好
ましくは約6〜約12重量%のアクリル酸及び/又
はメタクリル酸を、約8〜約22重量%、好ましく
は約8〜約13重量%の水酸基含有アクリル系モノ
マー例えばアクリル酸又はメタクリル酸のC1
C12ヒドロキシアルキルエステル(例:アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシ
プロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、
メタクリル酸ヒドロキシプロピル、ポリエチレン
グリコールモノメタクリレート ポリプロピレングリコールモノメタクリレート など)、等と、必要に応じて、他のアクリル系コ
モノマー例えばアクリル酸又はメタクリル酸の
C1〜C12アルキルエステル(例:アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、など)、アクリル酸又はメタクリル酸のアミ
ド(例:アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド、N−n−ブトキシ
メタクリルアミドなど)アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、アクリル酸グリシジル、メタク
リル酸グリシジル等の1種又はそれ以上とともに
常法に従い共重合することにより製造することが
できる。この場合、さらに必要に応じて、50重量
%、好ましくは40重量%までの量で、アクリル系
以外の重合性ビニルモノマー例えばスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチレン、
プロピレン等の1種又はそれ以上を共重合せしめ
てもよい。 本発明において用いる上記アクリル系樹脂は約
10000〜約30000、好ましくは約10000〜約20000の
範囲の分子量を有することができ、分子量が約
10000より小さい場合には充分に満足できる塗膜
を与えず、また分子量が約30000を超えると得ら
れる被覆組成物の粘度が高くなり過ぎ作業上好ま
しくない。 なお、本発明における樹脂又は重合体の分子量
はゲルパーミエーシヨンクロマトグラフによるも
のである。 上記アクリル系樹脂の水溶性化は通常の方法に
従つて行なうことができ、例えば上記の如くして
製造されたカルボキシル基及び水酸基を含有する
アクリル系樹脂を、該カルボキシル基に対して少
なくとも当量のアミン化合物例えばモノエチルア
ミン、ジエチルアミンなどの脂肪族アミン類、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミンなどの
アルカノールアミン類、ピリジン、ピペリジン、
などの環状アミン類およびアンモニア等と共に処
理することにより行なうことができる。 また、本発明において用いるチタン又はジルコ
ニウムの金属配位化合物はそれ自体公知のもので
あるが、本発明においては、中でも、有機チタン
又はジルコニウム化合物をキレート化剤で処理す
ることにより得られるものが好適であり、該有機
チタン又はジルコニウム化合物としては特に下記
式中、Mはチタン又はジルコニウムを表わし;
R1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも2つはC1
〜C13アルコキシ基(例:メトキシ、エトキシ、
n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキ
シ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブト
キシ、n−ペントキシ、イソアミルオキシ、n−
ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オク
チルオキシ、2−エチルヘキシル、ラウリル、ス
テアリル基など)又はC2〜C10アルコキシアルコ
キシ基(例:メトキシメトキシ、メトキシエトキ
シ、エトキシブトキシ、ブトキシペントキシ基な
ど)を表わし、且つ残りはC1〜C6のアルキル基
(例:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
tert−ブチル、アミル基など)、アリール基(殊
にフエニル、トルイル基)、アルケニル基(例:
ビニル、アリル基など)又はメルカプト基もしく
はアミノ基で置換されたC1〜C6アルキル基
(例:γ−メルカプトプロピル、アミノエチル、
アミノプロピル、アミノブチル基など)を表わ
す、 で示される化合物が好適であり、具体的には例え
ば、テトラn−プロピルチタネート、テトラi−
プロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネー
ト、テトラi−ブチルチタネート、テトラsec−
ブチルチタネート、テトラtert−ブチルチタネー
ト、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタネー
ト、テトラステアリルチタネート、テトラメチル
チタネート、テトラエチルチタネート、テトラn
−ペンチルチタネート、テトラi−ペンチルチタ
ネート、テトラn−ヘプチルチタネート、テトラ
n−ヘキシルチタネート、テトラn−オクチルチ
タネート、テトラi−オクチルチタネート、テト
ラn−ノニルチタネート、テトラメチルジルコネ
ート、テトラエチルジルコネート、テトラi−プ
ロピルジルコネート、テトラn−ブチルジルコネ
ート、テトラi−ブチルジルコネート、テトラ
tert−ブチルジルコネートなどが挙げられ、就
中、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラn
−ブチルチタネート、テトラキス(2−エチルヘ
キシル)チタネートおよびテトラn−ブチルジル
コネートが好ましい。 上記有機チタン又はジルコニウム化合物と反応
せしめられるキレート化剤としては、例えば、低
級アルカノールアミン類(例:トリエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタ
ノールなど)、アセト酢酸エステル(例:アセト
酢酸メチル、アセト酢酸エチルなど)、ジケトン
アルコール(例:ジアセトンアルコールなど)、
ジケトン類(例:アセチルアセトンなど)、グリ
コール類(例:エチレングリコール、オクチレン
グリコールなど)、オキシカルボン酸(例:乳
酸、酒石酸など)、ジカルボン酸又はそのエステ
ル(例:マレイン酸、マロン酸エチルなど)、そ
の他サリチル酸、カテコール、ピロガノール等が
挙げられ、中でも低級アルカノールアミン類、オ
キシカルボン酸、ジケトン類が好適である。 しかして、本発明において有利に用いられる金
属配位化合物としては、具体的には例えば次のも
のを挙げることができる。 ジi−プロポキシ・ビス(トリエタノールアミ
ン)チタネート、 ジn−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミ
ン)チタネート、 ジヒドロキシ・ビス(ラクテイクアシド)チタ
ネート、 ジi−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)
チタネート、 ジn−ブトキシ・ビス(アセチルアセトン)チ
タネート、 テトラオクチレングリコールチタネート、 モノヒドロキシ・トリス(ラクテイクアシド)
ジルコネート、 テトラキス(オキザリツクアシド)ジルコネー
ト、 テトラキス(アセチルアセトン)ジルコネート など。 これら金属配位化合物はそれぞれ単独で使用す
ることができ、或いは2種又はそれ以上組合せて
用いてもよい。 かかる金属配位化合物は、前記アクリル系樹脂
100重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは
1〜5重量部の範囲で使用することができる。該
金属配位化合物の量が10重量部を超えると被覆組
成物の貯蔵安定性が低下する傾向があり、また1
重量部未満では該金属配位化合物の使用による充
分な効果が期待できない。 また、本発明において前記アクリル系樹脂と共
に使用されるコロイド状シリカとしては、平均粒
子径が約7〜約100mμ、好ましくは約10〜約50
mμの範囲内にある微細なシリカで、通常水性分
散液として供給されているものを有利に使用する
ことができる。かかるコロイド状シリカは、水性
分散液の状態で、酸性、中性又はアルカリ性のい
ずれかの液性のものであつても使用することがで
き、用いる前記アクリル系樹脂の水性媒体中にお
ける安定領域に応じて適宜選択することができ
る。用いうるコロイド状シリカの具体例には、例
えば日産化学(株)製「スノーテツクス」、デユポン
社製「ルドツクス」、ナシヨナル・アルミネー
ト・カンパニー製「ナルコアグ」、モンサント・
ケミカル・カンパニー製「サイトロン」などが市
販品として入手可能である。 かかるコロイド状シリカは、前記アクリル系樹
脂100重量部に対して10〜250重量部、好ましくは
20〜50重量部の範囲で使用することができる。 上述したアクリル系樹脂、コロイド状シリカ及
び金属配位化合物は、水又は水と水混和性有機溶
媒(例:アルコール、セロソルブ系有機溶媒)と
の混合溶媒(水を50重量%以上含むもの)中に
て、室温付近の温度において単に混合するか、或
いは混合物の沸点以下の温度例えば50〜90℃の温
度において約30分乃至数時間加温することによつ
て予備組成物を調製することができる。かかる組
成物を調製するに際して、あらかじめ金属配位化
合物をコロイド状シリカの水性分散液と混合分散
した後、このものを該アクリル系樹脂又はその水
溶液に添加することがゲル化を避けることができ
る点などで好ましい。 一方、本発明の被覆組成物には水系合成樹脂エ
マルジヨンが配合される。該水系合成樹脂エマル
ジヨンとしては、上記予備組成物と混和性があ
り、被膜形成性を有し且つ酸価及び水酸基価がそ
れぞれ30及び40未満で、有利には実質的には零の
ものであれば、その種類には厳密な制約はなく、
広範囲の水性エマルジヨンの中から選ぶことがで
きるが、中でも、アクリル系(オールアクリル
系、スチレン/アクリル系など)の水性エマルジ
ヨン、及び酢酸ビニル系(酢酸ビニルホモポリマ
ー系、酢酸ビニル/アクリル共重合体系、エチレ
ン/酢酸ビニル共重合体系、酢酸ビニル/バーサ
テイツク酸共重合体系など)の水性エマルジヨン
が好適である。これら水性エマルジヨン中の固形
分含量は臨界的ではないが、一般には30〜50重量
%好ましくは35〜45重量%であることが望まし
い。 特に好適に用いうるエマルジヨンは、アクリル
系の水性エマルジヨンであり、就中、20〜50重量
%のメタクリル酸メチルとスチレン80〜50重量%
の共重合体からなるものか、またはこのものに必
要に応じて1種又は2種以上の(メタ)アクリル
酸C1〜C8アルキルエステルを共重合させた共重
合体を含有する水性エマルジヨンであり、市販品
として、アルマテツクスXV−E−8114及びアル
マテイツクスE−3485〔三井東圧化学(株)製アクリ
ル系エマルジヨン〕、ポリトロンA−45〔旭化成
工業(株)製アクリル系エマルジヨン〕ポンコート
SFC−7−54及びSFC−7−55(大日本インキ
(株)製アクリル系エマルジヨン〕などが包含され
る。 本発明の被覆組成物において上記水系合成樹脂
エマルジヨンを配合することにより、該被覆組成
物の造膜性能を著るしく向上せしめることができ
る。しかして、該エマルジヨンは前記アクリル系
樹脂の予備組成物100重量部に対して10〜200重量
部、好ましくは50〜100重量部の範囲で使用する
ことができ、配合量が10重量部未満では本発明の
被覆組成物の造膜性の改善が充分に行われず、ま
た200重量部を超えると本発明の被覆組成物の付
着性が低下するおそれがある。 本発明の被覆組成物を調製するに当つては、前
述の如く予備調製されたアクリル系樹脂、コロイ
ド状シリカ及び金属配位化合物から成る組成物
に、上記水系合成樹脂エマルジヨンを添加し、適
当な混合手段例えばデスパー等で均一に混合す
る。 なお、本発明の被覆組成物には、必要に応じ
て、通常行なわれているように、着色剤(例:チ
タン白、カーボンブラツク、ベンガラ、黄鉛、紺
青、群青など)、体質顔料(例:タルク、炭酸カ
ルシウム、マイカ、クレーなど)、架橋剤(例:
水酸基と反応するブロツクイソシアネート、水溶
性アミノプラストなど)、等の添加物を含ませる
ようにしてもよい。 本発明の被覆組成物は通常固形分含量が5〜50
重量%、好ましくは10〜20重量%の範囲内で使用
される。 本発明の被覆組成物を用いての多孔性無機質建
材表面の塗布は通常の方法、例えば刷毛塗り、吹
付け塗り、ローラー塗り、浸漬などにより行なう
ことができ、その際の塗布量は特に制限はない
が、一般に90〜300g/m2で充分である。塗膜の乾
燥は室温で行なうことができるが、必要に応じて
加熱乾燥してもよい。 本発明の被覆組成物が塗布された建材は、耐剥
離性、耐水性、耐アルカリ性、耐エフロレツセン
ス押え、上塗り塗料との付着性などがきわめて優
れており、しかも本発明の被覆組成物は水性であ
るため、安全衛生上も全く問題がなく、工業材料
として極めて利用価値の高いものである。 以下本発明を参考例及び実施例によつてさらに
詳細に説明する。 尚、実施例中「部」および「%」は特に断わら
ない限り「重量部」および「重量%」を示す。 参考例 1 温度計、撹拌器、冷却器および滴下ロートを備
えた300mlの四つ口フラスコにイソプロピルアル
コール28部を入れ、フラスコ内の空気を窒素で置
換した後、ヒドロキシエチルメタアクリレート10
部、メタアクリル酸10部、スチレン40部n−ブチ
ルアクリレート40部およびアゾビスイソブチロニ
トリル2部よりなる混合モノマーを滴下ロートに
とり、フラスコ内容物を80〜90℃に保ち、3時間
にわたり滴下する。滴下終了後1時間この温度に
保ち、ついでパーオクトエート0.5部およびイソ
プロピルアルコール5部を滴下し約1時間反応さ
せる。次に、アゾビスジメチルバレロニトリル
0.5部およびイソプロピルアルコール10部を滴下
し、さらに約2時間反応させる。反応終了後、イ
ソプロピルアルコールで固型分65%に調整し、重
合率100%、分子量約20000、粘度Z−4(ガード
ナー粘度計/25℃)、水酸基価43、酸価63、色数
1(ハーゼン)のアクリル共重合体ワニスを得
た。 参考例 2〜5 下記表−1に示すモノマー配合及び重合開始剤
にもとづき、上記参考例1と同様にしてアクリル
共重合体ワニスを製造した。
【表】
【表】 実施例 1 前記参考例1で製造したアクリル共重合体ワニ
ス100部を1四つ口フラスコに取り、次いでト
リエチルアミン7部を加え、さらに上水200部を
加え撹拌し水溶化する。該水溶化物を撹拌しなが
ら80℃に加熱し、次いでスノーテツクスN〔日産
化学工業(株)、アミン安定化水性コロイドシリカ分
散液、粒子径10〜20mμ、SiO2含有量20%、PH
9.4〕150部およびチタントリエタノールアミネー
ト7部の混合物を滴下ロートより約30分かけて滴
下し、温度80℃にて2時間保持し、粘度1000ポイ
ズ/20℃、不揮発分20%の乳白色の予備組成物を
得た。 次いで、得られた予備組成物100重量部(固形
分換算)に、ポリトロンA−45〔旭化成工業(株)
製、アクリル系合成樹脂エマルジヨン〕50部(固
形分換算)とをチタン白50部と共に混合して本発
明の被覆組成物を得た。 この被覆組成物をケイ酸カルシウム板に刷毛で
ワエツト塗布量が100〜120g/m2となるように塗
布し、1週間室内に放置し、試験片とし後記表−
3に示す試験を行なつた。その結果を表−3に併
記する。 実施例 2〜6 下記表−2に示す配合(配合量は重量部)にも
とづき、実施例1と同様に処理して被覆組成物を
得た。この被覆組成物を後記表−3に示す各種の
基材に対してそこに記載の塗布方法により塗布
し、試験片を作成した。これらの試験片について
実施例1と同様の試験を行なつた。その結果を表
−3に併記する。
【表】
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 酸価が30〜100で且つ水酸基価が40〜100
    であり、約10000〜約30000の分子量を有する水
    溶性アクリル系樹脂100重量部と、コロイド状
    シリカ10〜250重量部と、チタンまたはジルコ
    ニウムの金属配位化合物1〜10重量部とから成
    るアクリル系樹脂組成物100重量部、及び (B) 該アクリル系樹脂組成物と混和性をもつアク
    リル系または酢酸ビニル系の水系合成樹脂エマ
    ルジヨン10〜200重量部 の混合物より成ることを特徴とする多孔性無機質
    建材基質の被覆に適した組成物。
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