JPH0830170B2 - ビニル樹脂エマルション及び水性塗料組成物 - Google Patents

ビニル樹脂エマルション及び水性塗料組成物

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JPH0830170B2
JPH0830170B2 JP61111463A JP11146386A JPH0830170B2 JP H0830170 B2 JPH0830170 B2 JP H0830170B2 JP 61111463 A JP61111463 A JP 61111463A JP 11146386 A JP11146386 A JP 11146386A JP H0830170 B2 JPH0830170 B2 JP H0830170B2
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organoalkoxysilane
emulsion
water
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vinyl resin
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賢之 山口
順一郎 永田
元祥 吉川
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はオルガノアルコキシシランを含有するビニル
樹脂の水性エマルション、その製法ならびに該水性エマ
ルションを含む水性塗料組成物に関するものである。
従来の技術 コンクリート、モルタル等建築土木用構築物の塗装に
際してはプライマー、シーラー、アク止め塗装なる下地
処理が先づ行われ、その上に美装、保護を目的とした溶
剤型塗料による塗装が1回もしくは数回実施されてきて
いる。というのはコンクリート等の塗装においては耐水
性塗膜が要求され、水性塗料よりも溶剤型塗料の方が耐
水性、塗膜外観の点で優れていること、たとえ塗料塗膜
により雨水等の滲入を防止し得たとしても、セメントか
ら発生するアクにより塗膜劣化が生じるため撥水性の下
地塗装が不可避とされているからである。塗装工程数が
多いことは単に施工コストが大となるだけでなく、施工
ミスによる欠陥の発生とか、下地と上塗塗膜の接着不良
とかの問題を生じ易く、従って下地処理を必要とせずし
かも一回の塗装でセメントアクに良好な抵抗性を示し、
外観の優れた塗膜を与えうる塗料が要求されていた。か
かる要求に応えるものとして最近、加水分解性オルガノ
シランを溶剤型塗料に添加した建築用塗料が提案されて
いる(特開昭59−109566号)。さらに溶剤型樹脂にオル
ガノアルコキシシランを配合した防水用組成物も特開昭
54−160575号、55−102673号等種々提案されてきた。し
かしながら水性塗料においては、かかる提案は全くなさ
れていない。というのは水性媒体中に於てはオルガノア
ルコキシシランが加水分解され易く、塗料の安定性が悪
いためである。
発明が解決しようとする問題点 そこで水性媒体中でも加水分解されることなく安定に
オルガノアルコキシシラン撥水剤を樹脂とともに保持せ
しめることができるなら、コンクリート等の下地塗装の
シーラーとしてもあるいは塗料としても水性塗料系での
対応が可能となり、省資源的にもまた、環境汚染防止の
点からも極めて望ましいものであることは明らかで、か
かる要求に応えることが本発明の目的である。
問題点を解決するための手段 本発明に従えば上記目的が撥水剤として式、 (R1)n−SiOR24-n (式中R1は炭素数1〜16のアルキル基、アリール基また
はシクロアルキル基;R2は炭素数1〜10のアルキル基、
アリール基またはシクロアルキル基;nは1〜3の正の整
数) で表されるオルガノアルコキシシランを選択し、樹脂中
に上記撥水剤を含有せしめたビニル樹脂の水性エマルシ
ョンを提供することにより達成せられる。
即ち本発明においてはビニル樹脂の水性エマルション
に上記撥水剤を添加するのではなく、水性エマルション
のエマルション樹脂粒子中に該撥水剤を含有せしめ、か
かる撥水剤と水との接触を妨げることにより水性媒体中
に樹脂と撥水剤とを安定に保持しようとするものであ
る。
本発明に係るこの新規なるビニル樹脂の水性エマルシ
ョンは式、 (R1)n−SiOR24-n (式中R1、R2およびnは前述せる通り) で表されるオルガノアルコキシシランの存在下に少なく
とも1種のα,β−エチレン性不飽和単量体を水性媒体
中で乳化重合せしめる方法により好都合に製造せられ
る。
上記一般式で表されるオルガノアルコキシシランは撥
水剤として衆知のもので、例えば CH3−(CH2−Si−(OCH3、CH3−Si−(OCH3
、 CH3−Si−(OC2H5、(CH3−Si−(OC2H5 等各種のものが市販され、これらはいづれも本発明目的
に好適に使用せられる。尚、上記一般式で表されるオル
ガノアルコキシシランは各々単独でも、あるいは2種以
上の組合せでも使用できる。
α,β−エチレン性不飽和単量体としては通常アクリ
ル樹脂、ビニル樹脂に使用せられる任意の化合物が1種
あるいは2種以上の組合せで使用せられるが、それらは
下記の如く大別せられる。
I)カルボキシル基含有単量体;例えばアクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マル酸など。
II)ヒドロキシル基含有単量体;例えば2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレー
ト、ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアルコー
ル、メタアリルアルコールなど、 III)含窒素アルキルアクリレートもしくはメタクリレ
ート;例えばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメ
チルアミノエチルメタクリレート等 IV)重合性アミド;例えばアクリル酸アミド、メタクリ
ル酸アミドなど。
V)重合性ニトリル;例えばアクリロニトリル、メタク
リロニトリルなど。
VI)アルキルアクリレートもしくはメタクリレート;例
えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチル
メタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートな
ど。
VII)重合性芳香族化合物;例えばスチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンな
ど。
VIII)α−オレフィン;例えばエチレン、プロピレンな
ど。
IX)ビニル化合物;例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニルなど。
X)ジエン化合物;例えばブタジエン、イソプレンな
ど。
これらα,β−エチレン性不飽和単量体の乳化重合は
常法に従い適当な乳化剤および重合開始剤を用いて水性
媒体中で実施され、その際に前記オルガノアルコキシシ
ランを存在させ、エマルション樹脂中に該オルガノアル
コキシシランが内包せられた水性樹脂エマルションが作
られる。本発明方法は何ら特定の乳化重合手法に限定せ
られるものではないが、好ましいその実施態様によれ
ば、乳化剤を含む水性媒体中にα,β−エチレン性不飽
和単量体とオルガノアルコキシシランを混合した溶液
と、開始剤を含む水溶液とを同時滴下する方法により安
定な水性エマルションが作られる。また別の好ましい実
施態様に従えば、乳化剤を含む水性媒体中にα,β−エ
チレン性不飽和単量体とオルガノアルコキシシランを撹
拌下に加えてプレ乳化物を作り、このプレ乳化物と開始
剤含有水溶液を水性媒体中に同時滴下する方法により好
都合に製造せられる。
重合開始剤としては有機過酸化物、有機アゾ化合物、
無機水溶性ラジカル開始剤、レドックス系開始剤など通
常のものが用いられるが、無機水溶性ラジカル開始剤、
就中過硫酸アンモニウムの使用が特に好ましい。
本発明のビニル樹脂水性エマルションはオルガノアル
コキシシランとα,β−エチレン性不飽和単量体の広範
囲の重量比で安定なエマルションとして提案せられ、通
常それらの重量比は1/9〜9/1の範囲内に選定せられる。
というのはオルガノアルコキシシラン量がこれより少な
いと本発明目的が充分に達成されず、また過剰にすぎる
と貯蔵安定性が悪くなるからである。コンクリート等へ
の浸透性およびエマルションの安定性双方の観点より1/
4〜4/1の範囲内であることが特に好ましい。
本発明で使用せられるオルガノアルコキシシランはそ
れ単独では造膜性をもたぬが、樹脂に組み入れられ、塗
膜中に存在せしめられて長期間撥水性を発揮する。ま
た、かかる化合物は水安定性が不良のため、水性塗料へ
の混入はできないが樹脂エマルション化により水との接
触が遮断され、加水分解されず安定に樹脂中に保持され
る。従って本発明にかかるオルガノアルコキシシラン含
有ビニル樹脂水性エマルションは水性塗料のビヒクルと
してクリヤー塗料、着色塗料双方に適し、コンクリート
などに塗装された際、樹脂成分が被塗物内部に浸透し、
撥水層を形成して水の内部への侵入を有効に防止する。
また、撥水層が内部に形成されるため水遮断効果が長時
間接続する特徴がある。さらにオルガノアルコキシシラ
ンを含有せしめることにより、樹脂に対しての可塑剤効
果も期待せられる。また本発明の水性塗料塗膜の上には
ビニル樹脂と相溶性のある樹脂をベースとした任意の塗
料を所望により適用することも可能で、建築土木用の水
系塗料として極めて有用である。
以下実施例により本発明を説明する。とくにことわり
なき限り部および%は重量による。
実施例1 5つ口のフラスコに温度計、撹拌器、窒素導入管、適
下ロートを2つ備え、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム6部、イオン交換水143部を仕込み、内温を80℃
に保つ。
スチレンモノマー29部、メタクリル酸nブチル3部、
アクリル酸2−エチルヘキシル18部、デシルトリメトキ
シシラン50部を混合させたものと、過硫酸アンモニウム
水溶液(濃度10%)25部を別々に適下ロートで同時に2
時間かけて仕込む。適下中は窒素を導入しながら80℃で
反応を行った。適下終了後、さらに80℃で2時間撹拌し
て反応を終了した。
実施例2 5つ口のフラスコに温度計、撹拌器、窒素導入管、適
下ロートを2つ備え、イオン交換水75部を仕込み、内温
を80℃に保つ。
スチレンモノマー29部、メタクリル酸nブチル3部、
アクリル酸2−エチルヘキシル18部、デシルトリメトキ
シシラン50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
6部、イオン交換水68部をステンレスビーカーに仕込
み、高速撹拌して乳化物を生成する。この乳化物と過硫
酸アンモニウム水溶液(濃度10%)25部を別々に滴下ロ
ートで同時に2時間かけて仕込む。滴下中は窒素を導入
しながら80℃で反応を行った。滴下終了後、さらに80℃
で2時間撹拌して反応を終了した。
実施例3〜9 実施例2と同様の方法で行いモノマー、オルガノアル
コキシシランの組成およびモノマー/シランの比を第1
表の如く変更してエマルションを得た。
実施例1〜9で得られた水性エマルションをそのまま
クリヤー塗料としてケイ酸カルシウム板にシラン量がほ
ぼ同一となる様に刷毛塗りし、常温乾燥により夫々テス
ト板を作った。これらのテスト板を用い、水に断面浸漬
して水の浸透度を試験した。また、JIS K5400の9.2に準
じ塗料の貯蔵安定性を調べ、それらの結果を第2表に示
した。試験の評価基準は下記の通りとした。
浸透度 ◎…撥水層が容易かつ明瞭に識別される。
○…撥水層がかすかに識別される。
×…撥水層が認められず、表面より浸透。
貯蔵安定性 ◎…製造時にブツが無く、経時の分離、ゲル化を認めな
い。
○…製造時にブツは有るが、経時の分離、ゲル化を認め
ない。
×…経時の分離、ゲル化有り。
比較例 スチレン29部、アクリル酸2−エチルヘキシル18部、
メタクリル酸n−ブチル3部を用い、実施例2と同様方
法でエマルションを得、そのエマルションにポタシウム
メチルシリコネート50部を混入した。この場合ゲル化を
生じ、塗料を得る所期の目的が達成されなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 (R1)n−SiOR24-n (式中R1は炭素数1〜16のアルキル基、アリール基また
    はシクロアルキル基;R2は炭素数1〜10のアルキル基、
    アリール基またはシクロアルキル基;nは1〜3の正の整
    数) で表されるオルガノアルコキシシランの存在下に少なく
    とも1種のα,β−エチレン性不飽和単量体を水性媒体
    中で乳化重合せしめることによって得られる、オルガノ
    アルコキシシランを含有するビニル樹脂の水性エマルシ
    ョン。
  2. 【請求項2】オルガノアルコキシシランとα,β−エチ
    レン性不飽和単量体の重量比が1/9〜9/1である特許請求
    の範囲第1項記載の水性エマルション。
  3. 【請求項3】式 (R1)n−SiOR24-n (式中R1は炭素数1〜16のアルキル基、アリール基また
    はシクロアルキル基;R2は炭素数1〜10のアルキル基、
    アリール基またはシクロアルキル基;nは1〜3の整数) で表されるオルガノアルコキシシランの存在下に少なく
    とも1種のα,β−エチレン性不飽和単量体を水性媒体
    中で乳化重合せしめることによって得られる、オルガノ
    アルコキシシランを含有するビニル樹脂の水性エマルシ
    ョンをビヒクルとして含むことを特徴とする水性塗料組
    成物。
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