JP5036940B2 - 路面標示用水性塗料組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、路面標示用水性塗料組成物に関し、特に、速乾性を有するとともに、黄変の問題を解決する路面標示用水性塗料組成物に関する。
【0002】
一般的コーティング、特に路面標示用塗料の多くの重要な特性の一つは、塗布後特定の基体表面上でそれらが乾燥する場合のスピードである。例えば、トラフィックペイントの乾燥スピードは、塗料の道路表面への塗布及びその後の乾燥過程での道路交通に対する遮断期間の長さで規定される。傾向としては、交通の流れの遮断が段々短くなるような要求がなされ、この要求を速乾性塗料の使用により満足させようとしている。ここで、「コーティング」及び「ペイント」は互換的に使用され、トラフィックペイント及び路面標示用塗料を包含する一般的なものを意味する。加えて、用語「トラフィックペイント」及び「路面標示用塗料」は、ここでは互換的に使用される。
【0003】
溶剤ベース速乾性コーティングは、比較的低沸点有機溶剤に溶解され、懸濁され、分散される有機高分子樹脂(しばしばバインダーと呼ばれる)をベースとしている。低沸点揮発性有機溶剤は塗料を道路に塗布した後、迅速に蒸発し、新たに塗布された路面標示用塗料の望ましい速乾性性能を提供する。しかしながら、環境への揮発性有機溶剤の放出に加えて、塗料配合物の拡散により、作業者は有機溶剤の蒸気に曝されやすい。これらの欠点及び政府及び地域社会からの増大する厳密な環境規制のために、速乾特性及び/又は性能を維持しながら、より環境に優しいコーティング又は塗料を開発することが強く望まれている。
【0004】
より環境的に優しいコーティングは、溶剤ベースのポリマー及び樹脂よりもむしろ水性ベース、水性のものを使用する。ここで用いられる用語バインダーポリマーはコーティング組成物中に含まれ、且つ、得られるフィルム組成物中に存在するポリマーを意味する。
【0005】
主として高沸点、高い蒸発潜熱、高い極性及び水の強力な水素結合の組み合わせのために、水性塗料又はコーティングの乾燥時間は、有機溶剤ベースコーティングによって示されるものより一般的に長い。水性コーティングの乾燥時間は、コーティングが塗布される雰囲気の相関湿度に強く依存し、高湿度において乾燥する場合には数時間以上かかることもある。遅滞した乾燥速度の問題は、厚いフィルム(約500μより大)のトラフィックペイント用の場合には特に深刻である。長い乾燥時間は、より長い交通遮断のために、水性塗料、特に路面標示用塗料の使用の妥当性をかなり制限するからである。
【0006】
また、水媒体のトラフィックペイントが、ペイントの適用後、できるだけ長く白色でありかつ汚れのない状態でとどまるのを確保することについての研究もされてきた。しかし、新しく適用されたトラフィックペイントのきれいな白色表面の部分が、汚れた黄色または褐色に変り、時々、路面上において路面標識の長い距離に沿って変っているのが観察された。そのような汚染の現象は「黄変」として知られている。一般にペイントの視認性には大きな影響はないが、黄変は美的な理由から望ましくなく、また特に、トラフィックペイントの使用者が、ペイントを適用した数日以内に黄色に変るペイントは、品質の悪いペイントであると思っているので、望ましくない。
【0007】
この現象の発現が明らかにランダムであり、ペイントの適用後すぐ生じるかまたは全く生じないことについての説明は未だなされていない。2つの機会に、道路の同じ場所に適用された同一のペイントは、ある時には黄色に変り、そして次の時には変らない。問題の理解がこのように欠除している結果として、その解決策は今までのところ見出されていない。
【0008】
黄変はペイント配合物の中の物質と鉄が反応することによって、ペイントの内部に、本質的にさびであるものを生じるのが原因であり、それによって黄変が生じると考えられている。適用されたトラフィックペイントの近傍に、明らかな鉄源は存在していない。しかし、それは乗り物に由来するかもしれないし、またはペイントが適用された道路表面の例えばアスファルトのようなある種の成分に由来するかもしれないと考えられる。鉄はペイントが完全に乾燥していないで、それ故水の浸透をまだ受け入れ易い時に、適用後の最初の24〜48時間において高湿度であるかまたは降雨があるならば、ペイントに浸透することが可能である。この方法においてペイント層に導入されると、その時、水は、ペイントのある種の成分と反応し、ペイントを汚染しそして黄変の原因となる黄色または褐色の「さび」を生成すると考えられる。しかし、もし降雨が特にはげしければ、鉄および「さび」は洗い出され、それによって黄色は除かれる。それについて確証はないが、しかし前記の明らかなランダム現象を説明することができるであろう。
【0009】
ヨーロッパ特許第A−34383I号には、外部からのさびの汚れ、すなわち、表面上にしたたりまたは落下する外部の源からのさび、から表面を保護するためのトップコート用ペイントが開示されている。このペイントには、さびの中の鉄と反応して無色の錯体を生成することが可能なキレート化剤が含まれている。英国特許第2172599A号には、キレート化剤としてポリホスホネート塩顔料が含まれている類似のペイントが開示されている。しかし、これらの文献のいずれにも、またそのような抗さび汚れ性ペイント(anti−rust staining paint)についての従来文献のいずれにも、トラフィックペイントの有する前記の問題は述べられていない。また、特開平9−118840号には、鉄イオンをキレート化することが可能であるキレート化剤を含む方法が開示されている。しかし、この特許にも、特定の顔料を使用することは何ら開示されていない。
【0010】
本発明は、バインダーポリマー、並びに燐酸亜鉛および燐酸カルシウム亜鉛からなる群から選択される少なくとも1つの顔料を含む、水性塗料組成物を提供する。更に、本発明はその一態様として、バインダーポリマー、並びに燐酸亜鉛および燐酸カルシウム亜鉛からなる群から選択される少なくとも1つの顔料を含む、路面標示用水性塗料組成物を提供する。
さらに、本発明は、上記の組成物を乾燥して得られる被覆を提供する。
また、本発明は、上記の路面標示用水性塗料組成物を、路面に塗布することを含む、路面標示の形成方法も提供する。
本発明により、黄変を減少させまたは防止することのできる、安定性に優れた速乾性の水性塗料組成物が提供され、特には、路面上に新しく適用された路面標識の黄変を減少させまたは防止することのできる、安定性に優れた速乾性の水性路面標示用水性塗料組成物が提供される。
【0011】
本発明は、多くのコーティング、塗装又は標識塗装に使用可能である。例えば、本発明の方法及び組成物は、路面標示用水性塗料(トラフィックペイント)、ハウスペイント、ビルディング、壁、屋根及び他の構造物表面の外装又は内装用メンテナンスコーティングとして使用されることができる。基体表面は、木材、金属(アルミニウム及びスチール等)ポリマー、プラスター及びその他のものでよい。他の適用には、表示板、ボート、自動車等の広範囲な製品に存在するコーティング金属基体が含まれる。すべての基体は、新鮮な又は時間の経過したすでに存在するコーティング又は塗料の1以上の層を有するものでもよい。
【0012】
本発明の塗料組成物は路面標示用水性塗料組成物として好適であり、一般には道路表面に塗布される。本明細書において用語「道路」とは、一般的な用語として用いられ、歩行者、乗り物、トラクター、又は航空機に連続して、絶えず又は間欠的に曝され又は曝されるかもしれない屋内又は屋外の固体表面を含むものである。「道路」の幾つかの非限定的な例としては、高速道路、通り、車道、歩道、走路、タキシング区域、アスファルト舗装区域、駐車場、屋上及び屋内フロアー等(工場フロアー、ショッピングモール内部等)が含まれる。その表面材料は、メーソンリー、タール、アスファルト、樹脂、コンクリート、セメント、石、スタッコ、タイル、木材、高分子物質及びそれらの混合物であってよい。新たな又は時間の経過したコーティング又はマーキングがすでに塗布されている表面に1以上の他の層の上に斯かる二成分の又は多成分の水性コーティングを塗布することもまた本発明の範囲内である。
【0013】
用語「速乾性」とは、燐酸亜鉛および燐酸カルシウム亜鉛のいずれも含まない点でのみ相違する塗料組成物と比較して、乾燥時間が短いことを意味する。
【0014】
本発明におけるバインダーポリマーは、任意の組成、分子量のポリマーであることができる。バインダーポリマーが調製される具体的な方法は、本発明にとって特に重要ではない。バインダーポリマーは、バルク及び溶液重合、及び水性ディスパージョン、サスペンション及びエマルション重合により、又は、水若しくは水と水混和性溶媒の混合物に可溶な、部分可溶な又は分散した望ましいポリマー、及び水若しくは水と水混和性溶媒の混合物に溶解され得る、部分溶解され得る又は分散され得る望ましいポリマーを生成するであろういかなる他の方法により調製されてもよい。本発明のバインダーポリマーを調製する好ましい方法は、水性エマルション重合である。このようにして調製されたポリマーは、通常アニオン性、非イオン性又はカチオン性界面活性剤を添加することによって、又は重合中にポリマー自身にアニオン性又はカチオン性部位を導入することにより安定化される。エマルション重合は、ブラックレー、D.C.「エマルション重合」;アプライドサイエンスパブリッシャーズ:1975年、ロンドン;オーディアン、G.「重合の原理」;ジョンワイリーアンドソンズ:1991年、ニューヨーク;「アクリルモノマーのエマルション重合」;ロームアンドハース、1967年に記載された等の多くの方法により遂行され得る。
【0015】
本発明の水性路面標識塗料組成物は、水性媒質中に分散された、または溶解された1種以上のバインダーポリマーを含有している。そのようなバインダーポリマーは、当業界においてよく知られている。
【0016】
用語「分散されたバインダーポリマー」は、水性媒質中においてコロイド的に分散され安定化されたバインダーポリマーの粒子を意味する。
用語「溶解されたバインダーポリマー」は、水性媒質中に溶解された水溶性バインダーポリマーを意味する。
用語「バインダーポリマー固形分」は、その乾燥状態におけるバインダーポリマーを意味する。
用語「顔料分散剤」は、ペイント組成物中の顔料粒子の分散を改良するために使用される物質を意味する。顔料分散剤は、ペイント組成物中の顔料粒子の表面上に吸着され、その上の陰電荷を増加すると考えられる。その結果、顔料粒子間のクーロン反発力が増加し、それにより、ペイント組成物中の顔料粒子の分散が改良される、と考えられる。
【0017】
好ましくは、分散されまたは溶解されたバインダーポリマーは、水性媒質中において、例えば、(C1−C18)(メタ)アクリレートエステル、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート異性体、ブチル(メタ)アクリレートの異性体、2‐エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4‐ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート;アクリルアミド又は置換アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル;ジアセトンアクリルアミド;アセトアセチルエチルメタクリレート;アクロレイン及びメタクロレイン;ジシクロペンタジエニルメタクリレート;ジメチルメタ‐イソプロペニルベンジルイソシアネート;イソシアネートエチルメタクリレート;スチレン又は置換スチレン;ブタジエン;エチレン;酢酸ビニル又は他のビニルエステル;例えば、ビニルハライド、好ましくは塩化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、好ましくは塩化ビニリデン、N‐ビニルピロリドン等のビニルモノマー;例えば、N,N‐ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N‐ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド及びオキサゾリジノエチルメタクリレートのようなアミノモノマーを含む広範囲のモノマーから調製されることができる。この明細書を通して、用語「(メタ)アクリル」は、「メタクリル」及び「アクリル」双方を意味する。例えば、(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸及びアクリル酸双方を意味し、メチル(メタ)アクリレートは、メチルメタクリレート及びメチルアクリレート双方を意味する。
【0018】
所望により、分散され、または溶解されたバインダーポリマーは、更に、重合単位として酸官能基を含有する単量体を、0.5〜20.0%、好ましくは5〜15%の範囲において含有する。全ての%は、バインダーポリマーの固形分の全重量に基づいた%である。
【0019】
酸官能基は、単量体混合物の中に、1種以上の、モノエチレン性不飽和カルボン酸単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、アコニット酸、アトロパ酸(atropic acid)、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ビニル安息香酸、エチレン性不飽和ジカルボン酸の半エステル、エチレン性不飽和ジカルボン酸の半アミド、およびそれらの種々な混合物、を含有させることにより得られる。他の適当な単量体には、1種以上の、モノメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノブチルフマレート、アクリルアミド、プロパンスルホネート、ビニルスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリロキシエチルホスフェート(MOP)、およびホスホエチル(メタ)アクリレート、が包含される。モノエチレン性不飽和カルボン酸を含有する単量体が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの混合物は更に好ましい。
【0020】
任意に、少量の多エチレン性不飽和モノマー、例えば、乾燥ポリマーの重量を基準にして0〜5重量%のアリル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、1,4‐ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンヂオールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが、溶液ポリマーの場合には、取り扱い不能な粘度とならないよう又はエマルションポリマーの場合には、有効なフィルム形成が損なわれないよう充分低架橋度を維持することを条件として使用されてもよい。用語「コ−ティング」、「フィルム」及び「コーティングフィルム」は、ここでは互換的に使用され、基体表面上の層として形成され乾燥されるフィルムを意味する。
【0021】
好ましくは、トラフィックペイントには、更に、1種以上の単量体から重合された多官能性アミンを含有する。所望により、アミン変性された、分散または溶解されたバインダーポリマー、またはアミン変性された、分散され、または溶解されたバインダーポリマーと多官能性アミンとのブレンド、またはそれらの組み合わせ、または好ましくは等割合の上記ブレンドとアミン変性ラテックスバインダーを含有することができる。前記ブレンドは、ブレンドの固体の全重量に基づいて0〜20%、好ましくは0.5〜10%、および更に好ましくは2〜5%の多官能性アミンを含有する。
【0022】
多官能性アミンは、多官能性アミンの全固形分重量に基づいた重量%で、アミン含有モノマーの少なくとも1種以上の20〜100重量%、好ましくは、50〜100重量%から重合される。アミン含有モノマーの例として以下のものがあげられる。
【0023】
クラス1:
アミノアルキルビニルエーテル、ただしアルキル基は、2〜3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖であり、そして窒素原子は、第一級、第二級、または第三級の窒素原子である。そのような方法は、米国特許第2,879,178号に記載されている。第三級窒素原子を含有するモノマーが利用されるときは、残りの水素原子の1個は、アルキル成分が1〜4個の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を有しているアルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはアルコキシアルキル基によって置換されてもよい。具体的な例には、ベータ−アミノエチルビニルエーテル;ベータ−アミノエチルビニルサルファイド;N−モノメチル−ベータ−アミノエチルビニルエーテルまたはサルファイド;N−モノエチル−ベータ−アミノエチルビニルエーテルまたはサルファイド;N−モノブチル−ベータ−アミノエチルビニルエーテルまたはサルファイド;およびN−モノメチル−3−アミノプロピルビニルエーテルまたはサルファイドが包含される。
【0024】
クラス2:
アクリルアミドまたはアクリルエステル、例えば次の式(I)を含有する前記化合物:
【0025】
【化1】
【0026】
〔式中、Rは、HまたはCH3であり、nは0または1であり、Xは、OまたはN(H)である。
nが0であるときには、AはO(CH2)x(式中、xは2〜3である)または (O−アルキレン)y であり〔(O−アルキレン)y は88〜348の範囲のGPC重量平均分子量を有し、かつ個々のアルキレン基は、同じかまたは異なっており、エチレンまたはプロピレンであるポリ(オキシアルキレン)基である〕;および
nが1であるときには、Aは、2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、R*は、H、メチル、またはエチルであり;そして
R0は、H、フェニル、ベンジル、メチルベンジル、シクロヘキシル、または (C1−C6)アルキルである。〕
【0027】
式(I)の化合物の好ましい例としては、ジメチルアミノエチルアクリレートまたはメタクリレート;ベータ−アミノエチルアクリレートまたはメタクリレート;トリブチルアミノエチルメタクリレート;3−アミノプロピルメタクリレート;N−ベータ−アミノエチルアクリルアミドまたはメタクリルアミド;N−(モノメチルアミノエチル)−アクリルアミドまたはメタクリルアミド;ジメチルアミノエチルメタクリルアミド;トリブチルアミノエチルメタクリルアミド;N−(モノ−n−ブチル)−4−アミノブチルアクリレートまたはメタクリレート;3−アミノプロピルメタクリレート;メタクリロキシエトキシエチルアミン;およびアクリロキシプロポキシプロポキシプロピルアミンが含有される。
【0028】
クラス3:
N−アクリロキシアルキル−オキサゾリジンおよびN−アクリロキシアルキルテトラヒドロ−1,3−オキサジン、および“アルキル”連結基が、アルコキシアルキルおよびポリ(アルコキシ−アルキル)によって置換されている相応する成分。これらの全ては式(II)に包含されている。
【0029】
【化2】
【0030】
〔式中、
Rは、HまたはCH3であり;
mは、2〜3の値を有する整数であり;
R1は、R2に直接結合していないときは、水素、フェニル、ベンジル、および(C1−C12)アルキル基から成る群から選ばれ;
R2は、R1に直接結合していないときは、水素および(C1−C4)アルキル基 から成る群から選ばれ;
R1およびR2は、互いに直接に結合しているときは、式の中の環のそれらが結合されている炭素原子と共に5〜6員の炭素環を形成しており、すなわち、R1およびR2は、互いに結合しているときは、ペンタメチレンおよびテトラメチレ ンから成る群から選ばれ;そして
A’は、O(CmH2m)−または(O−アルキレン)nであり〔(O−アルキレ ン)nは88〜348の範囲のGPC重量平均分子量を有し、かつ個々のアルキレン基は、同じかまたは異なっており、エチレンまたはプロピレンのいずれかであるポリ(オキシアルキレン)基である〕。
【0031】
式(II)の化合物は、種々な条件のもとで、第二級アミンに加水分解できる。この加水分解より、次の式(III)を有する生成物が造られる:
【0032】
【化3】
【0033】
式(III)の化合物は、米国特許第3,037,006号および3,502,627号に記載されている。これらに開示されているモノマー性化合物のすべては、本発明の組成物に使用されるコポリマーを調製するために使用することができる。式(III)の化合物の好ましい例としては、オキサゾリジニルエチルメタクリレート;オキサゾリジニルエチルアクリレート;3−(ガンマ−メタクリル−オキシプロピル)−テトラヒドロ−1,3−オキサジン;3−(ベータ−メタクリロキシエチル)−2,2−ペンタ−メチレン−オキサゾリジン;3−(ベータ−メタクリルオキシエチル−2−メチル−2−プロピルオキサゾリジン;N−2−(2−アクリロキシエトキシ)エチル−オキサゾリジン;N−2−(2−メタクリロキシエトキシ)エチル−オキサゾリジン;N−2−(2−メタクリロキシエトキシ)エチル−5−メチル−オキサゾリジン;N−2−(2−アクリロキシエトキシ)エチル−5−メチル−オキサゾリジン;3−〔2−(2−メタクリロキシエトキシ)エチル〕−2,2−ペンタ−メチレン−オキサゾリジン;3−〔2−(2−メタクリロキシエトキシ)エチル〕−2,2−ジメチルオキサゾリジン;3−〔2−(メタクリロキシエトキシ)エチル〕−2−フェニル−オキサゾリジン;2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが包含される。
【0034】
クラス4:
加水分解によってアミンを容易に生成するモノマーのポリマーは、また、多官能性アミンの製造に有用である。そのようなモノマーの例には、アクリロキシ−ケチミンおよびアクリロキシ−アルジミンがあり、例えば次の式(IV)および(V)によって示される:
【0035】
【化4】
【0036】
〔式中、
Rは、HまたはCH3であり;
Qは、
【0037】
【化5】
【0038】
から成る群から選ばれ、
R6は、Hまたは1個のCHR6単位においてはメチルであることができる;
R5は、(C1−C12)−アルキルおよびシクロヘキシル基から成る群から選ばれ;
R4は、(C1−C12)−アルキルおよびシクロヘキシル基から成る群から選ばれ;
R3は、フェニル、ハロフェニル、(C1−C12)−アルキル、シクロヘキシル、および(C1−C4)アルコキシフェニル基から成る群から選ばれ;
A”は、アルキレン基(C1−C12)であり;
A°、BおよびDは、式−OCH(R7)−CH(R7)−(式中、R7は、H、 CH3、またはC2H5である)を有する同じかまたは異なったオキシアルキレン 基であり;
xは、4〜5の値を有する整数であり;
n°は、1〜200の値を有する整数であり;
n’は、1〜200の値を有する整数であり;
n”は、1〜200の値を有する整数であり;そして
n°−1、n’−1およびn”−1の合計は、2〜200の値を有する〕。
【0039】
式(IV)および(V)の化合物の好ましい例としては、
2−〔4−(2,6−ジメチルヘプチリデン)−アミノ〕−エチルメタクリレート;
3−〔2−(4−メチルペンチリジン)−アミノ〕−プロピルメタクリレート;
ベーター(ベンジリデンアミノ)−エチルメタクリレート;
3−〔2−(4−メチルペンチリデン)−アミノ〕−エチルメタクリレート;
2−〔4−(2,6−ジメチルヘプチリデン)−アミノ〕−エチルアクリレート;
12−(シクロペンチリデン−アミノ)−ドデシルメタクリレート;
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−(2−メタクリロキシエトキシ)−エチルアミン;
N−(ベンジリデン)−メタクリロキシエトキシエチルアミン;
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−(2−アクリロキシエトキシ)−エチルアミン;および
N−(ベンジリデン)−2−(2−アクリロキシエトキシ)エチルアミン、
が包含される。
【0040】
式(IV)および式(V)の化合物は、酸性、中性、またはアルカリ性の水性媒質中において加水分解し、対応する第一級アミンまたはそれらの塩を生成する、そのときは、式の基−N=Qは、−NH2およびO=Qとなる。式(IV)およ び式(V)の化合物は、米国特許第3,037,969号および同第3,497,485号に記載されており、そしてそれらの中に記載されたすべてのモノマー化合物は、本発明の組成物の水溶性ポリマー部分に用いられるコポリマーの製造に使用することができる。
【0041】
本発明のバインダーポリマーにおいて、‐10℃よりも低いTg値を有するものは、不良なダートピックアップ抵抗性を有し、70℃より大きいTg値を有するものは通常減少したフィルム形成能が示されるので、典型的に、バインダーポリマーは、‐10℃から70℃のTg値を有する。しかしながら、ある種の用途においては、Tgの下限値は、‐10℃より低い場合さえあり得る。例えば、ルーフコーティングに使用されるバインダーポリマーは、‐40℃の低さのガラス転移点を有することができる。ここで用いられる「Tg」とは、ガラス転移温度の略語である。ポリマーのガラス転移温度、Tgは、Tgより低い温度における剛性のガラス状態から、Tgより高い温度における液状又はゴム状態に転移する温度である。ポリマーのTgは典型的には、Tg値としての温度転移に対する熱流のミッドポイントを使用して示差走査熱量計(DSC)によって測定される。典型的なDSC測定のための加熱速度は1分当たり20℃である。
【0042】
エマルション重合の開始は、付加重合を開始するために好適なラジカルを発生することができ、ここでは、重合開始剤とも呼ばれるフリーラジカル前駆体の熱分解によって遂行されてもよい。例えば、無機ヒドロペルオキシド、無機ペルオキシド、有機ヒドロペルオキシド及び有機ペルオキシド等の好適な熱重合開始剤は、モノマーの重量を基準にして0.05重量パーセントから5.0重量パーセントの量において有用である。水性エマルション重合の技術として知られているフリーラジカル開始剤には、過酸化水素、tert‐ブチル過酸化物、過硫酸アルカリ金属(ナトリウム、カリウム又はリチウム)塩又は過硫酸アンモニウム;又はそれらの混合物等の水溶性フリーラジカル開始剤が含まれる。また、斯かる開始剤は、還元剤と混合され、レドックス系を形成してもよい。有用な還元剤には、アルカリ金属メタ重亜硫酸塩、又は次亜硫酸塩等の亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム又はホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムが含まれる。フリーラジカル前駆体及び還元剤は、一緒になってここではレドックス系と称され、使用されるモノマーの重量を基準にして約0.01%から5%の量で使用され得る。レドックス系の例としては、t‐ブチルヒドロペルオキシド/ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム/鉄(II)及び過硫酸アンモニウム/重亜硫酸ナトリウム/ヒドロ亜硫酸ナトリウム/鉄(II)が挙げられる。重合温度は、開始剤分解定数及び反応容器圧力能等に依存して10℃から110℃であることができる。
【0043】
連鎖移動剤を、所望のGPCによる重量平均分子量を提供するのに有効な量において使用してもよい。生成されるバインダーポリマーの分子量を調節する目的のための、適当な連鎖移動剤には、既知のハロ−有機化合物、例えば、四臭化炭素およびジブロモジクロロメタン; 硫黄−含有化合物、エタンチオール、ブタンチオールのようなアルキルチオール類、tert−ブチルおよびエチル メルカプトアセテート、同様に芳香族チオール類が包含される; または重合中にフリーラジカルによって容易に引き抜きされる水素原子を有する種々な他の有機化合物、が包含される。なお、さらなる適当な連鎖移動剤または成分には、ブチル メルカプトプロピオネート; イソオクチルメルカプト プロピオネート; ブロモホルム; ブモロトリクロロエタン; 四塩化炭素; アルキル メルカプタン、例えば、1−ドデカンチオール、ターシャリー−ドデシル メルカプタン、オクチル メルカプタン、テトラデシル メルカプタン、およびヘキサデシル メルカプタン; アルキル チオグリコレート、例えば、ブチル チオグリコレート、イソオクチルチオグリコレート、およびドデシル チオグリコレート; チオエステル; またはそれらの組み合わせ物、が包含されるが、しかしこれらに限定はされない。メルカプタン類は好ましいものである。
【0044】
バインダーポリマー粒子の分散体が利用されるときは、バインダーポリマーの粒子サイズは、乳化重合プロセスの間に添加された従来の界面活性剤の量によって調節される。
【0045】
慣用の界面活性剤は、モノマーの重合前、重合中及び重合後にエマルション重合系を安定化するのに使用される。これらの慣用の界面活性剤は、全モノマーの重量基準にして、通常0.1重量%から6重量%の濃度で存在する。少なくとも一つのアニオン性、非イオン性又は両性界面活性剤が使用されてもよいし、またはそれらの混合物が使用されてもよい。代替的に、全て又は一部の粒子の安定性は、過硫酸塩などの開始剤断片により、その断片がポリマー鎖に導入されたときに、もたらされる。アニオン性乳化剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホスクシネート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルオキサイドジスルホン酸ナトリウム、及び他のジフェニルスルホン酸塩誘導体及びtert‐オクチルフェノキシエトキシポリ(39)エトキシエチルサルフェートのナトリウム塩が挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、グリセリン脂肪族エステル、オレイン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレン脂肪族エステル、ポリオキシエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレングリコールステアレート、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート、ステアリン酸モノグリセリド、tert‐オクチルフェノキシエチルポリ(39)エトキシエタノール及びノニルフェノキシエチルポリ(40)エトキシエタノールが挙げられる。
【0046】
両性界面活性剤は、また、水性エマルション重合又は他のディスパーション重合の過程又はその後に、ポリマー粒子を安定化させるために単独で又はアニオン性、非イオン性又はそれらの混合物とを組み合わせて利用されてもよい。水性系でポリマー粒子を安定化する目的のためには、全モノマーの重量を基準にして0.1重量パーセントから6重量パーセントの濃度で使用される。有用な種類の両性界面活性剤には、アミノカルボン酸、両性イミダゾリン誘導体、ベタイン及びマクロモレキュラー両性界面活性剤が使用される。これらの両性界面活性剤は、更にフルオロカーボン置換基、シロキサン置換基又はそれらの混合物で置換されてもよい。有用な両性界面活性剤は、両性界面活性剤、B.R.ブルーステイン及びC.L.ヒルトン編集、界面活性剤シリーズ12巻、マーセルデッカーNY、1982年、ニューヨークの記載中に見出される。
【0047】
所望により、分散されたバインダーポリマーには、種々の幾何学的構造の2つ以上の相を有する多段重合体粒子、例えば、コア/シェル粒子またはコア/シース粒子、コアーを不完全にカプセル化しているシェル相を有するコア/シェル粒子、複数のコアーを有するコア/シェル粒子、および相互侵入編目粒子が包含される。これらの場合の全てにおいて、粒子の表面積の過半は少なくとも1つの外部相によって占められ、そして重合体粒子の内部は少なくとも1つの内部相によって占められている。多段重合体粒子の外部相は、粒子の全重量に基づいて5〜95重量%である。また、しばしば、多段重合体粒子の各段が、異なったTgを有することが望ましい。所望により、これら多段重合体粒子の各段は、異なったGPC数平均分子量を有することができ、例えば米国特許第4,916,171号に記載されたような多段重合体粒子組成物であることができる。
【0048】
分散された多段重合体粒子のバインダーポリマーは、従来の乳化重合法によって造ることができ、この方法においては、組成が異なる少なくとも2つの段が、逐次的に重合される方法で造られる。そのような方法においては、結果的に、通常、少なくとも2種の重合体組成物が生成される。多段重合体粒子の各段には、前述した連鎖移動剤および界面活性剤と同じ連鎖移動剤および界面活性剤を含むことができる。そのような多段重合体粒子を製造するために使用される乳化重合技術は、当業界においてよく知られており、例えば、米国特許第4,325,856号、同第4,654,397号、同第4,814,373号および同第4,916,171号に記載されている。
【0049】
本発明において使用される燐酸亜鉛および燐酸カルシウム亜鉛としては、公知のものが使用できる。燐酸亜鉛はZnPhと略記され、ZnO/P2O5の組成を有する白色粉末である。燐酸カルシウム亜鉛はCaZnPhと略記され、CaO/ZnO/P2O5の組成を有する白色粉末である。粒子径は3−4ミクロンのものが好ましく使用される。市販されている製品としては、たとえば燐酸亜鉛としてはキクチカラー社製のLFボウセイP−W−2、燐酸カルシウム亜鉛としてはキクチカラー社製のLFボウセイCP−Zがあげられ、これらは本発明において好適に使用できる。
燐酸亜鉛および/または燐酸カルシウム亜鉛は、塗料組成物中に約10%pvc以下、好ましくは約0.1から5%pvc、より好ましくは約0.15から約1.0%pvc、最も好ましくは約0.5%pvcで含まれる。なお、pvcは顔料体積濃度である。
【0050】
本発明の組成物は、更に、通常の白色顔料、好ましくは二酸化チタンを、組成物の全重量に基づいて5〜20%、好ましくは6〜16%の範囲で含有することができる。好適な白色顔料には、商標名「TiPure(登録商標)」二酸化チタン白色顔料として、イー.アイ.デュポン社)より供給されたものが包含される。商標名「TITAN(商標) TR92 Titanium dioxide」として二酸化チタン白色顔料を供給している他の供給者には、チオキサイド、クリーブランド、英国(Tioxide,Cleveland,United Kingdom)がある。
【0051】
所望により、バインダーポリマーの固形分の全重量に基づいて0.25%〜2%の顔料分散剤を含有させることができる。適当な顔料分散剤のある種のものには、カルボン酸重合体、およびそれらのアンモニウム塩およびアルカリ金属塩が包含される。適当なカルボン酸重合体としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、(メタ)アクリル酸およびマレイン酸の共重合体が包含され、典型的には、それらは4000〜10000の範囲の重量平均分子量を有している。他の適当な顔料分散剤としては、(メタ)アクリル酸および極性化合物の共重合体、例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート、および非極性化合物、例えば、ブチルメタクリレート; および無水マレイン酸とジイソブチレンとの反応生成物、が包含される。ポリメタクリル酸、およびそれらのアンモニウム塩およびアルカリ金属塩が好ましい。
【0052】
トラフィックペイント又はここで述べられる他のコーティング用の最終配合物を形成するために、コーティング組成物に追加の成分が添加されるのが一般に好ましい。これらの追加成分の例としては、増粘剤;レオロジー変性剤;染料;金属イオン封鎖剤;バイオサイド;分散剤;二酸化チタン、有機顔料、カーボンブラックなどの顔料;炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ及びケイ酸塩等の増量剤;ガラス又はミクロスフェアー、石英及び砂等のフィラー;凍結防止剤;可塑剤;シラン等の接着促進剤;造膜助剤;湿潤剤;界面活性剤;スリップ剤;架橋剤;消泡剤;着色剤;粘着付与剤;ワックス;防腐剤;凍結/融解プロテクター;腐食阻止剤;及び抗凝集剤が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0053】
本発明にかかる路面標示の形成方法においては、路面標示用水性塗料組成物が路面に塗布される。塗料組成物は、当業者に知られている多くの方法で基体表面に塗布されることができる。幾つかの例を挙げれば、ブラッシング、噴霧、押し出し及びこれらを混合したものである。所望により、向上した視認性を有する反射路面標識を造るために、路面標示用水性塗料組成物がまだ湿っている間に、路面標識の上面に、ガラスビーズを適用してもよい。
以下において、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、実施例の記載は例示にすぎず、本発明の技術的範囲を何ら制限するものではない。
【0054】
実施例1
本実施例では、以下の処方により塗料を調製し、炭酸カルシウムの種類による黄変の差を調べた。
【0055】
【表1】
【0056】
注)
バインダーエマルションとしては、ローム アンド ハース カンパニー製のアクリルエマルション、Fastrack 3427(固形分50%、分子量50,000、粒子径150nm)を使用した。
オロタンは、ローム アンド ハース カンパニー製の分散剤(ポリアクリル酸アンモニウム塩)である。
トラントンは、ユニオン カーバイド ケミカル製の湿潤剤である。
フォーマスターは、ヘンケル社製の消泡剤である。
タイピュアーはデュポン社製の酸化チタンである。
テキサノールは、イーストマン ケミカル社製の、エステルアルコールである。
【0057】
1.黄変試験
試験手順:バインダーポリマー、分散剤、湿潤剤、消泡剤を撹拌混合した後、酸化チタンおよび炭酸カルシウム、並びに実施例2ではさらに酸化亜鉛、燐酸亜鉛または燐酸カルシウム亜鉛を加え、約1000rpmで15分間撹拌する。その後、メタノール、消泡剤、造膜助剤を撹拌混合し、所定の粘度および塗料固形分となるように、水と増粘剤で調整して、塗料を得る。
得られた塗料を15ミルのアプリケータで黒色の塩ビ板に塗布し、2日間室温で乾燥させる。乾燥させた塗り板の半分を酸性雨またはイオン交換水中に浸漬し、太陽光が十分入る温室、または暗所に2日間おいた。
酸性雨としては、5%塩化ナトリウム水溶液10リットルに濃硝酸12mlと濃硫酸17.3mlを加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpHを3.5に調節したものを使用した。
色差は、Hunter Associates Laboratory Inc.製、MINISCANを使用し、液に浸漬した部分と、浸漬しなかった部分とのL*/a*/b*を測定し、デルタEを計算した。
【0058】
【表2】
【0059】
炭カルAは、OMIYA社製の炭酸カルシウムOMIYACARB10である。炭カルBは丸尾カルシウム社製のスーパーSである。
炭カルCは白石カルシウム社製のホワイトンBである。
色差試験の結果、色差が1.0以下であれば、許容範囲内であると判断される。
【0060】
実施例2
黄変を起こす炭カルA(韓国産)を使用して、上記の処方において炭酸カルシウムの0.5pvcを酸化亜鉛(ZnO)、燐酸亜鉛(ZnPh)、燐酸カルシウム亜鉛(CaZnPh)と置き換え、それぞれ塗料化し、塗料の安定性、黄変の程度、および乾燥速度を測定した。
なお、酸化亜鉛は白水化学社製の三号亜鉛華、燐酸亜鉛としてはキクチカラー社製のLFボウセイP−W−2、燐酸カルシウム亜鉛としてはキクチカラー社製のLFボウセイCP−Zを使用した。燐酸亜鉛には酸化亜鉛が65−70%、P2O5が22%、その他成分として結晶水等が含まれていた。また、燐酸カルシウム亜鉛には、CaOが17%、ZnOが40%、P2O5が21%、その他成分として結晶水等が含まれていた。
安定性試験および乾燥速度測定試験の方法は以下の通りである。
安定性試験:塗料の初期粘度と60℃で10日間貯蔵後の粘度を測定した。粘度はストーマー粘度計でKUとして測定した。なお、実施例4では、平衡値として、10日間室温で貯蔵したサンプルの粘度を示す。
乾燥速度試験:塗料を375μでガラス板にアプリケータで塗布し、23℃/73%RHの状態で指触乾燥時間を測定した。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
酸化亜鉛、燐酸亜鉛および燐酸カルシウム亜鉛のいずれの顔料の添加によっても、黄変および乾燥時間は改良される。しかし、酸化亜鉛を加えた場合には塗料は経時的にゲル化してしまうのに対し、燐酸亜鉛および燐酸カルシウム亜鉛では、塗料の安定性に悪影響をおよぼさなかった。特に燐酸カルシウム亜鉛が最も好ましい結果を与えた。
【0065】
実施例3
実施例2の処方において、燐酸カルシウム亜鉛の量を変えて、色差および乾燥速度を測定した。
【0066】
【表6】
【0067】
0.5%pvcまでは、燐酸カルシウム亜鉛の量とともに黄変と乾燥速度の両者が改善されるが、pvcを1.0%にしてもさらなる改善は見られなかった。したがって、燐酸カルシウム亜鉛の使用量は0.5%pvc程度が最も好ましいと考えられる。
【0068】
3.実施例4
CaZnPhの添加が塗料の安定性や乾燥速度に影響を与えるかをバインダーの種類を変えて試験した。
【0069】
【表7】
【0070】
バインダーのエマルションBは、ローム アンド ハース カンパニー製のアクリルエマルション、Fastrack 53(固形分51%、分子量50,000、粒子径150nm)を使用した。
【0071】
【表8】
【0072】
燐酸カルシウム亜鉛を加えた塗料12は乾燥速度が向上され、また塗料の安定性には何ら問題がなかった。
Claims (5)
- 水性エマルション重合により調製されたバインダーポリマー、1種以上の単量体から重合された多官能性アミン、および燐酸カルシウム亜鉛を含む、速乾性水性塗料組成物。
- 路面標示用水性塗料組成物である、請求項1記載の水性塗料組成物。
- 請求項1または2記載の組成物を乾燥して得られる、被覆。
- 請求項1または2記載の水性塗料組成物を、路面に塗布することを含む、路面標示の形成方法。
- 燐酸カルシウム亜鉛の顔料体積濃度が0.15から1.0%である、請求項1または2記載の水性塗料組成物。
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