JPS6123367B2 - - Google Patents
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- JPS6123367B2 JPS6123367B2 JP10201680A JP10201680A JPS6123367B2 JP S6123367 B2 JPS6123367 B2 JP S6123367B2 JP 10201680 A JP10201680 A JP 10201680A JP 10201680 A JP10201680 A JP 10201680A JP S6123367 B2 JPS6123367 B2 JP S6123367B2
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Landscapes
- Lift Valve (AREA)
Description
本発明は内燃機関用排気弁の製造方法に関し、
特に耐熱性、高温耐食性、耐摩耗性、耐久性等の
優れた排気弁の製造法に関するものである。 各種動力機械の内燃機関例えば船舶用中・大型
デイーゼル機関等においては、排気弁の焼損を防
止し耐久性を高めることが当面の大きな課題にな
つている。即ち最近では石油事情の悪化に伴なつ
て駆動用燃料はますます粗悪化する傾向にあり、
この様な状況のもとでシリンダー単位面積当りの
出力(出力率)を高める為の技術開発が進められ
ているが、粗悪な燃料を使用すると燃焼残渣が排
気弁と弁座の接触面(フエイス面)に付着し、圧
痕や摩耗により微細な隙間ができて高温ガスが吹
き出し(吹抜事故と呼ばれる)、局部的な焼損及
び高温腐食が急速に進行する。 ここでフエイス面に生じる圧痕の大きさは下記
〔〕式で表わすことができる。 但し d:圧痕の最大径(mm) Pnax:シリンダー内の最大圧力(Kg/mm2) HB:弁及び弁座のフエイス面のうち硬さが低い
方のブリネル硬さ D:弁がさフエイス面の平均直径(mm) k:排気弁の形状によつて決まる定数 ところで最近の内燃機関はPnaxが大きくなつ
ているから、フエイス面に燃焼残渣が喰い込むと
大きな圧痕ができ易く、吹抜事故を引き起こす。
従つてこれらの欠点を防止する為、排気弁本体を
オーステナイト系等の耐熱鋼(例えばSUH31…
……C:0.35〜0.45%、Si:1.5〜2.5%、Mn:0.6
%以下、Ni:13〜15%、Cr:14〜16%、W:2
〜3%)を使用し、フエイス部に超硬質材料であ
るCを0.90〜2.50%、Crを25〜32%含有するステ
ライトを肉盛りする技術が開発されたが、以下に
示す様な欠点がある。 肉盛り部が薄いと母材の硬さの影響をうけて
十分な耐圧痕性を発揮しない。その為相当厚肉
のステライト肉盛り層を形成しなければならな
いが、肉盛り層が厚くなるとステライト中に多
量含まれている炭素が母材方向に拡散し、更に
は肉盛り溶接中の熱影響によつて母材の耐割れ
性が低下する。 ステライトと耐熱鋼の熱膨張係数は異なつて
おり、両者の接合部には膨張・収縮に伴なつて
内部応力が発生するが、この応力によつて可撓
性の乏しいステライト層が割れ易くなる。 この様に耐熱鋼製排気弁のフエイス部に直接ス
テライトを肉盛りしても耐久性を十分に高めるこ
とができず、最近の燃料油の粗悪化及び高出力率
化の情勢には対処し得ない。 本発明者等は前述の様な事情に着目し、超硬質
材料としてのステライトの特性を十分に発揮させ
ると共に、ステライトの肉盛りによる母材の物性
低下及び母材とステライト層の熱膨張係数の違い
に起因するステライト層の割れを防止し得る様な
技術の確立を期して鋭意研究を進めてきた。 本発明はかかる研究の結果完成されたものであ
つて耐熱鋼からなる内燃機関用排気弁本体の弁座
と接触するフエイス部に、C:0.05〜0.2%、
Cr:8〜24%、Al:0.1〜3%、残部Niおよび不
可避的不純物からなり、母材よりも高い熱間強度
を有する超耐熱性Ni基高Cr合金を下盛りし、そ
の上にC:0.90〜2.50%、Cr:25〜32%を含有す
るステライトを肉盛りすることに第1の要旨が存
在し、上記下盛り合金にさらに、Ti、Nb、Ta、
V、BおよびZrよりなる群から選択される1種以
上の元素を合計で8.0%以下、W:1〜12%、
Mo:1〜28%、Co:2〜20%、Fe:20%以下の
1種以上を含有し、かつAl、Ti、Nb、Ta、V、
B、Zrを合計で0.5〜8%にすることに第2の要
旨が存在する。 本発明で使用される超耐熱性Ni基高Cr合金
は、母材よりも優れた高温強度と可撓性を有して
おり、炭素の拡散性が極めて小さいという特徴を
有すると共に、熱膨張係数はステライトと殆んど
同等である。従つてこのNi基高Cr合金を耐熱鋼
製の母材表面に下盛りし、この上にステライト層
を上盛り形成すると、ステライト中の炭素は
Ni基高Cr合金層に止められて母材方向に拡散す
ることがないから、炭素の拡散によつて母材の物
性が低下する恐れがなくなる、しかもステライ
トを上盛りする際の溶接熱はNi基高Cr合金層に
よつて一旦止められるから、母材の熱劣化が抑制
される、Ni基高Cr合金とステライトの熱膨張
係数は近似しているから、膨張・収縮による内部
応力によつてステライト層が割れる恐れもなくな
る。尚耐熱鋼と上記Ni基合金の熱膨張係数は相
当違つているが、Ni基合金は優れた可撓性を有
しているからこの部分で割れる恐れはない、
Ni基合金は高い高温強度と耐熱性を有してお
り、弁座との繰返し接触によつて生じる高い応力
に耐え、またステライトの下地材としての適性も
保有している、等の諸効果が有効に発揮され、前
述の様な欠点を生じることなくステライトによる
耐圧痕性向上効果が十分に発揮される。 次に本発明で使用する超耐熱性Ni基高Cr合金
の成分組成の限定理由を明確にする。 C:0.05〜0.2% ステライトの下地材として十分な強度を得る為
に不可欠の成分で、0.05%未満では十分な強度が
得られない。一方0.2%を超えると靭性が低下す
る他、この程度のC量であるとステライト中の
C、排気弁本体中のCのいずれのCも下盛した超
耐熱性Ni基高Cr合金を通して移動することはな
い。 Cr:8〜24% 良好な耐酸化性を付与するために必要であり、
8%未満であると耐酸化性を十分に付与できず、
24%を越えると炭化物が析出してもろくなる。ま
た、Crの添加により、固溶体が強化されて超耐
熱性Ni基高Cr合金の基地が強化されて強度が高
くなる。 Al:0.1〜3% AlはNiと作用してγ′相(Ni3Al)を形成し、
超耐熱性Ni基高Cr合金の高温強度を高める。0.1
%未満であると十分な高温強度を期待できず、3
%を越えると脆化して、鍛造性が悪くなる。 Niはステライト層から母材方向への炭素の拡
散を防止する為の成分であり、Niに前記合金が
添加されると高温強度及び高温耐食性が高められ
る。本発明の効果を有効に発揮させる為には、
Ni含有量が40%以上のものを使用するのがよ
い。 本発明で使用する超耐熱性Ni基高Cr合金は上
記の各元素を必須成分として含有するが、更に下
記の元素を含有させれば、さらに高温強度が高く
なる。 Ti、Nb、Ta、V、BおよびZrよりなる群から
選択される1種以上の元素:合計で8.0%以下
Ti、Nb、Ta、Vはγ′相のAlと一部置換して高
温強度をさらに高め、B、Zrは、結晶粒界に析出
し、結晶粒界を強化し、高温強度を高めるが、こ
れらの合計が0.4未満では上記効果が期待でき
ず、8%を越えると脆化して実用に供し難くな
る。 Co:2〜20% Coは、γ′相形成による高温強度を高める効果
を助長し、高温延性および溶接性を向上する。2
%未満では上記効果を期待できず、20%を越えて
もこの効果は変わらない。 Mo:1〜28%、W:1〜12% Mo、Wは、固溶体を強化し、超耐熱性Ni基高
Cr合金の材料強度を高めるが、1%未満ではそ
の効果を期待できず、Moが28%を、Wが12%を
越えると、炭化物が粒界に折出して脆化する。 Fe:20%以下 前記γ′相のNiおよびAlの一部と置換して強度
を高める。 なお、超耐熱性Ni基高Cr合金に、Ti、Nb、
Ta、V、BおよびZrを添加した場合はAl、Ti、
Nb、Ta、V、B、Zrを合計で0.5〜8%にしなけ
ればならず、これらの合計が0.5未満では前記の
効果が期待できず、8%を越えると可塑性がなく
なつて鍛造性が悪くなる。 弁本体の材質は耐熱・耐食性及び可塑性の優れ
た耐熱鋼である限り具体的な成分組成は特に限定
されず、従来から排気弁用として使用されている
下記の様な耐熱鋼がすべて適用できる。 〔SUH−31〕 C:0.35〜0.45%、Si:1.5〜2.5%、Mn:0.6%
以下、Ni:13〜15%、Cr:14〜16%、W:2
〜3% 〔21−4N〕 C:0.48〜0.58%、Si≦0.35%、Mn:8.0〜10.0
%、Ni:3.25〜4.50%、Cr:20.0〜22.0%、
N:0.35〜0.50% 〔21−12N〕 C:0.15〜0.25%、Si≦1.00%、Mn:1.0〜1.6
%、Ni:11.0〜12.0%、Cr:20.5〜22.5%、
N:0.15〜0.30% またステライトとは、Coを主成分としCr、
W、Fe等を含有する他多量のCを含む超硬質合
金で、例えば下記の様な種々の成分組成のものが
知られている。 〔ステライトRCoCr−A〕 C:1.02%、Si:1.15%、Cr:28.3%、W:4.2
%、Fe:0.3%、残部Co 〔ステライトRCoCr−B〕 C:1.5%、Si:1.15%、Cr:31.2%、W:8.4
%、Fe:0.3%、残部Co このうちステライトRCoCr−Aは、硬度が若
干劣るものの耐熱鋼との熱膨張係数の差が小さく
熱応力による割れが少ないことから、排気弁のフ
エイス部の強化に利用されている。しかしステラ
イトRCoCr−Bは、硬さが良好であるにもかか
わらず耐熱鋼との熱膨張係数の差が大きい為に熱
応力による割れが著しく、排気弁用補強材として
は殆んど用いられていない。ところが本発明で
は、前述の如く下地材として高強度超耐熱性Ni
基高Cr合金を下盛りした後ステライテイングす
る方法を採用しているから、熱応力による割れを
考慮する必要がなく、超硬質のステライトであつ
ても支障なく使用できる。尚上記の説明からも明
らかな様に、使用するステライトの熱膨張係数に
応じてこれと同程度の熱膨張係数を有する超耐熱
性Ni基高Cr合金を下盛り材として使用すること
が望まれる。 ちなみに先に例示した各構成材の熱膨張係数は
第1表の通りである。
特に耐熱性、高温耐食性、耐摩耗性、耐久性等の
優れた排気弁の製造法に関するものである。 各種動力機械の内燃機関例えば船舶用中・大型
デイーゼル機関等においては、排気弁の焼損を防
止し耐久性を高めることが当面の大きな課題にな
つている。即ち最近では石油事情の悪化に伴なつ
て駆動用燃料はますます粗悪化する傾向にあり、
この様な状況のもとでシリンダー単位面積当りの
出力(出力率)を高める為の技術開発が進められ
ているが、粗悪な燃料を使用すると燃焼残渣が排
気弁と弁座の接触面(フエイス面)に付着し、圧
痕や摩耗により微細な隙間ができて高温ガスが吹
き出し(吹抜事故と呼ばれる)、局部的な焼損及
び高温腐食が急速に進行する。 ここでフエイス面に生じる圧痕の大きさは下記
〔〕式で表わすことができる。 但し d:圧痕の最大径(mm) Pnax:シリンダー内の最大圧力(Kg/mm2) HB:弁及び弁座のフエイス面のうち硬さが低い
方のブリネル硬さ D:弁がさフエイス面の平均直径(mm) k:排気弁の形状によつて決まる定数 ところで最近の内燃機関はPnaxが大きくなつ
ているから、フエイス面に燃焼残渣が喰い込むと
大きな圧痕ができ易く、吹抜事故を引き起こす。
従つてこれらの欠点を防止する為、排気弁本体を
オーステナイト系等の耐熱鋼(例えばSUH31…
……C:0.35〜0.45%、Si:1.5〜2.5%、Mn:0.6
%以下、Ni:13〜15%、Cr:14〜16%、W:2
〜3%)を使用し、フエイス部に超硬質材料であ
るCを0.90〜2.50%、Crを25〜32%含有するステ
ライトを肉盛りする技術が開発されたが、以下に
示す様な欠点がある。 肉盛り部が薄いと母材の硬さの影響をうけて
十分な耐圧痕性を発揮しない。その為相当厚肉
のステライト肉盛り層を形成しなければならな
いが、肉盛り層が厚くなるとステライト中に多
量含まれている炭素が母材方向に拡散し、更に
は肉盛り溶接中の熱影響によつて母材の耐割れ
性が低下する。 ステライトと耐熱鋼の熱膨張係数は異なつて
おり、両者の接合部には膨張・収縮に伴なつて
内部応力が発生するが、この応力によつて可撓
性の乏しいステライト層が割れ易くなる。 この様に耐熱鋼製排気弁のフエイス部に直接ス
テライトを肉盛りしても耐久性を十分に高めるこ
とができず、最近の燃料油の粗悪化及び高出力率
化の情勢には対処し得ない。 本発明者等は前述の様な事情に着目し、超硬質
材料としてのステライトの特性を十分に発揮させ
ると共に、ステライトの肉盛りによる母材の物性
低下及び母材とステライト層の熱膨張係数の違い
に起因するステライト層の割れを防止し得る様な
技術の確立を期して鋭意研究を進めてきた。 本発明はかかる研究の結果完成されたものであ
つて耐熱鋼からなる内燃機関用排気弁本体の弁座
と接触するフエイス部に、C:0.05〜0.2%、
Cr:8〜24%、Al:0.1〜3%、残部Niおよび不
可避的不純物からなり、母材よりも高い熱間強度
を有する超耐熱性Ni基高Cr合金を下盛りし、そ
の上にC:0.90〜2.50%、Cr:25〜32%を含有す
るステライトを肉盛りすることに第1の要旨が存
在し、上記下盛り合金にさらに、Ti、Nb、Ta、
V、BおよびZrよりなる群から選択される1種以
上の元素を合計で8.0%以下、W:1〜12%、
Mo:1〜28%、Co:2〜20%、Fe:20%以下の
1種以上を含有し、かつAl、Ti、Nb、Ta、V、
B、Zrを合計で0.5〜8%にすることに第2の要
旨が存在する。 本発明で使用される超耐熱性Ni基高Cr合金
は、母材よりも優れた高温強度と可撓性を有して
おり、炭素の拡散性が極めて小さいという特徴を
有すると共に、熱膨張係数はステライトと殆んど
同等である。従つてこのNi基高Cr合金を耐熱鋼
製の母材表面に下盛りし、この上にステライト層
を上盛り形成すると、ステライト中の炭素は
Ni基高Cr合金層に止められて母材方向に拡散す
ることがないから、炭素の拡散によつて母材の物
性が低下する恐れがなくなる、しかもステライ
トを上盛りする際の溶接熱はNi基高Cr合金層に
よつて一旦止められるから、母材の熱劣化が抑制
される、Ni基高Cr合金とステライトの熱膨張
係数は近似しているから、膨張・収縮による内部
応力によつてステライト層が割れる恐れもなくな
る。尚耐熱鋼と上記Ni基合金の熱膨張係数は相
当違つているが、Ni基合金は優れた可撓性を有
しているからこの部分で割れる恐れはない、
Ni基合金は高い高温強度と耐熱性を有してお
り、弁座との繰返し接触によつて生じる高い応力
に耐え、またステライトの下地材としての適性も
保有している、等の諸効果が有効に発揮され、前
述の様な欠点を生じることなくステライトによる
耐圧痕性向上効果が十分に発揮される。 次に本発明で使用する超耐熱性Ni基高Cr合金
の成分組成の限定理由を明確にする。 C:0.05〜0.2% ステライトの下地材として十分な強度を得る為
に不可欠の成分で、0.05%未満では十分な強度が
得られない。一方0.2%を超えると靭性が低下す
る他、この程度のC量であるとステライト中の
C、排気弁本体中のCのいずれのCも下盛した超
耐熱性Ni基高Cr合金を通して移動することはな
い。 Cr:8〜24% 良好な耐酸化性を付与するために必要であり、
8%未満であると耐酸化性を十分に付与できず、
24%を越えると炭化物が析出してもろくなる。ま
た、Crの添加により、固溶体が強化されて超耐
熱性Ni基高Cr合金の基地が強化されて強度が高
くなる。 Al:0.1〜3% AlはNiと作用してγ′相(Ni3Al)を形成し、
超耐熱性Ni基高Cr合金の高温強度を高める。0.1
%未満であると十分な高温強度を期待できず、3
%を越えると脆化して、鍛造性が悪くなる。 Niはステライト層から母材方向への炭素の拡
散を防止する為の成分であり、Niに前記合金が
添加されると高温強度及び高温耐食性が高められ
る。本発明の効果を有効に発揮させる為には、
Ni含有量が40%以上のものを使用するのがよ
い。 本発明で使用する超耐熱性Ni基高Cr合金は上
記の各元素を必須成分として含有するが、更に下
記の元素を含有させれば、さらに高温強度が高く
なる。 Ti、Nb、Ta、V、BおよびZrよりなる群から
選択される1種以上の元素:合計で8.0%以下
Ti、Nb、Ta、Vはγ′相のAlと一部置換して高
温強度をさらに高め、B、Zrは、結晶粒界に析出
し、結晶粒界を強化し、高温強度を高めるが、こ
れらの合計が0.4未満では上記効果が期待でき
ず、8%を越えると脆化して実用に供し難くな
る。 Co:2〜20% Coは、γ′相形成による高温強度を高める効果
を助長し、高温延性および溶接性を向上する。2
%未満では上記効果を期待できず、20%を越えて
もこの効果は変わらない。 Mo:1〜28%、W:1〜12% Mo、Wは、固溶体を強化し、超耐熱性Ni基高
Cr合金の材料強度を高めるが、1%未満ではそ
の効果を期待できず、Moが28%を、Wが12%を
越えると、炭化物が粒界に折出して脆化する。 Fe:20%以下 前記γ′相のNiおよびAlの一部と置換して強度
を高める。 なお、超耐熱性Ni基高Cr合金に、Ti、Nb、
Ta、V、BおよびZrを添加した場合はAl、Ti、
Nb、Ta、V、B、Zrを合計で0.5〜8%にしなけ
ればならず、これらの合計が0.5未満では前記の
効果が期待できず、8%を越えると可塑性がなく
なつて鍛造性が悪くなる。 弁本体の材質は耐熱・耐食性及び可塑性の優れ
た耐熱鋼である限り具体的な成分組成は特に限定
されず、従来から排気弁用として使用されている
下記の様な耐熱鋼がすべて適用できる。 〔SUH−31〕 C:0.35〜0.45%、Si:1.5〜2.5%、Mn:0.6%
以下、Ni:13〜15%、Cr:14〜16%、W:2
〜3% 〔21−4N〕 C:0.48〜0.58%、Si≦0.35%、Mn:8.0〜10.0
%、Ni:3.25〜4.50%、Cr:20.0〜22.0%、
N:0.35〜0.50% 〔21−12N〕 C:0.15〜0.25%、Si≦1.00%、Mn:1.0〜1.6
%、Ni:11.0〜12.0%、Cr:20.5〜22.5%、
N:0.15〜0.30% またステライトとは、Coを主成分としCr、
W、Fe等を含有する他多量のCを含む超硬質合
金で、例えば下記の様な種々の成分組成のものが
知られている。 〔ステライトRCoCr−A〕 C:1.02%、Si:1.15%、Cr:28.3%、W:4.2
%、Fe:0.3%、残部Co 〔ステライトRCoCr−B〕 C:1.5%、Si:1.15%、Cr:31.2%、W:8.4
%、Fe:0.3%、残部Co このうちステライトRCoCr−Aは、硬度が若
干劣るものの耐熱鋼との熱膨張係数の差が小さく
熱応力による割れが少ないことから、排気弁のフ
エイス部の強化に利用されている。しかしステラ
イトRCoCr−Bは、硬さが良好であるにもかか
わらず耐熱鋼との熱膨張係数の差が大きい為に熱
応力による割れが著しく、排気弁用補強材として
は殆んど用いられていない。ところが本発明で
は、前述の如く下地材として高強度超耐熱性Ni
基高Cr合金を下盛りした後ステライテイングす
る方法を採用しているから、熱応力による割れを
考慮する必要がなく、超硬質のステライトであつ
ても支障なく使用できる。尚上記の説明からも明
らかな様に、使用するステライトの熱膨張係数に
応じてこれと同程度の熱膨張係数を有する超耐熱
性Ni基高Cr合金を下盛り材として使用すること
が望まれる。 ちなみに先に例示した各構成材の熱膨張係数は
第1表の通りである。
【表】
第1図は本発明で得た内燃機関用排気弁を例示
する一部破断側面図で、排気弁本体(母材)1は
SUH31等の耐熱鋼で構成し、そのフエイス部
1aに切削やガウジング等を施こして凹部を形成
した後、この凹部に超耐熱性Ni基高Cr合金2を
下盛りしてステライト3を上盛りし、表面を切削
及び研磨することによつて排気弁を得ることがで
きる。尚超耐熱性Ni基高Cr合金層2の肉厚Tは
特に限定されないが、ステライト3を上盛りする
際の母材1の熱劣化を防止する為には、上記肉厚
Tをステライト層3の肉厚tの1/2〜2倍程度に
するのがよい。 この様に母材1とステライト層3の間に高強度
超耐熱性Ni基高Cr合金層2を形成することによ
り、先に述べた如くステライト層から母材方向
への炭素の拡散防止、ステライテイング処理時
の熱劣化防止、ステライト層の熱応力による割
れ防止、弁座との繰返し接触によつて生じる応
力による損傷の防止等の効果が有効に発揮され、
燃焼残渣の喰い込みに起因する吹抜け事故を可及
的に防止することができる。 本発明は以上の様に構成されており、排気弁本
体の物性を劣化させることなくステライトによる
補強効果を最大限有効に発揮させ、耐熱性、耐食
性、耐割れ性等の卓越した排気弁を提供し得るこ
とになつたもので、燃料油の粗悪化及び高出力率
化の要請に対処し得ることになつた。
する一部破断側面図で、排気弁本体(母材)1は
SUH31等の耐熱鋼で構成し、そのフエイス部
1aに切削やガウジング等を施こして凹部を形成
した後、この凹部に超耐熱性Ni基高Cr合金2を
下盛りしてステライト3を上盛りし、表面を切削
及び研磨することによつて排気弁を得ることがで
きる。尚超耐熱性Ni基高Cr合金層2の肉厚Tは
特に限定されないが、ステライト3を上盛りする
際の母材1の熱劣化を防止する為には、上記肉厚
Tをステライト層3の肉厚tの1/2〜2倍程度に
するのがよい。 この様に母材1とステライト層3の間に高強度
超耐熱性Ni基高Cr合金層2を形成することによ
り、先に述べた如くステライト層から母材方向
への炭素の拡散防止、ステライテイング処理時
の熱劣化防止、ステライト層の熱応力による割
れ防止、弁座との繰返し接触によつて生じる応
力による損傷の防止等の効果が有効に発揮され、
燃焼残渣の喰い込みに起因する吹抜け事故を可及
的に防止することができる。 本発明は以上の様に構成されており、排気弁本
体の物性を劣化させることなくステライトによる
補強効果を最大限有効に発揮させ、耐熱性、耐食
性、耐割れ性等の卓越した排気弁を提供し得るこ
とになつたもので、燃料油の粗悪化及び高出力率
化の要請に対処し得ることになつた。
第1図は本発明で得た排気弁を例示する一部破
断側面図である。 1……排気弁本体、1a……フエイス部、2…
…超耐熱性Ni基高Cr合金(層)、3……ステライ
ト(層)。
断側面図である。 1……排気弁本体、1a……フエイス部、2…
…超耐熱性Ni基高Cr合金(層)、3……ステライ
ト(層)。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 耐熱鋼からなる内燃機関用排気弁本体の弁座
と接触するフエイス部に、C:0.05〜0.2%、
Cr:8〜24%、Al:0.1〜3%、残部Niおよび不
可避的不純物からなり、母材よりも高い熱間強度
を有する超耐熱性Ni基高Cr合金を下盛りし、そ
の上にC:0.90〜2.50%、Cr:25〜32%を有する
ステライトを肉盛りすることを特徴とする内燃機
関用排気弁の製造方法。 2 耐熱鋼からなる内燃機関用排気弁本体の弁座
と接触するフエイス部にC:0.05〜0.2%、Cr:
8〜24%、Al:0.1〜3%を必須成分として含有
し、さらにTi、Nb、Ta、V、BおよびZrよりな
る群から選択される1種以上の元素を合計で0.4
〜8.0%以下、W:1〜12%、Mo:1〜28%、
Co:2〜20%、Fe:20%以下の1種以上を含有
し、かつAl、Ti、Nb、Ta、V、B、Zrを合計で
0.5〜8%にし、残部がNiおよび不可避的不純物
からなり、母材よりも高い熱間強度を有する超耐
熱性Ni基高Cr合金を下盛りし、その上にC:0.90
〜2.50%、Cr:25〜32%を含有するステライトを
肉盛りすることを特徴とする内燃機関用排気弁の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10201680A JPS5726216A (en) | 1980-07-24 | 1980-07-24 | Production of exhaust valve for internal combustion engine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10201680A JPS5726216A (en) | 1980-07-24 | 1980-07-24 | Production of exhaust valve for internal combustion engine |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5726216A JPS5726216A (en) | 1982-02-12 |
JPS6123367B2 true JPS6123367B2 (ja) | 1986-06-05 |
Family
ID=14315951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10201680A Granted JPS5726216A (en) | 1980-07-24 | 1980-07-24 | Production of exhaust valve for internal combustion engine |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5726216A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59192811A (ja) * | 1983-04-14 | 1984-11-01 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | きのこ状弁 |
JPS59226214A (ja) * | 1983-06-07 | 1984-12-19 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 内燃機関の吸,排気弁 |
JPS6185511A (ja) * | 1984-10-02 | 1986-05-01 | Fuji Valve Kk | 内燃機関用吸排気弁の弁体およびその製造方法 |
JPS61283521A (ja) * | 1985-06-10 | 1986-12-13 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 多層樹脂材料の製造方法 |
JPS62184817A (ja) * | 1986-02-10 | 1987-08-13 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 多層構造圧縮成形物の製造方法 |
JP5625967B2 (ja) | 2011-02-03 | 2014-11-19 | スズキ株式会社 | 内燃機関の吸気バルブ |
-
1980
- 1980-07-24 JP JP10201680A patent/JPS5726216A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5726216A (en) | 1982-02-12 |
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