JP3671271B2 - エンジン排気バルブの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンの排気バルブの製造方法に関し、低減されたコストで耐久性のあるバルブを製造することのできる方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの排気バルブの製造には、これまで、JISのSUH35やSUH38のようなオーステナイト系耐熱鋼を材料とするか、または、とくに高出力エンジンの場合には耐熱性に優れたInconel 751などのNi基超合金を材料とし、熱間鍛造によりバルブ形状を与えた素材に対して、固溶化熱処理を施したのち時効熱処理を行なって製品とする工程が採用されている。 別の製法では、オーステナイト系耐熱鋼を用いてバルブ素材を成形し、フェース部にステライト等の盛金を施す。 Ni基超合金製のバルブの構成を図1に、オーステナイト系耐熱鋼を用いたバルブの構成を図2に、それぞれ示す。 これらの図において、符号1は傘部、2は軸部、3は軸端部であり、4は盛金を示す。
【0003】
バルブ素材への成形を冷間鍛造により行なうことができれば、バルブ製造のコストを低減できる。 さらに、固溶化熱処理の工程を省略して、直接時効処理を行なって製品にすることができれば、いっそうのコスト削除が可能になる。 また、Fe−Cr−Ni系耐熱合金を用いてバルブを製造できれば、フェース部の盛金を省略できるため、さらなるコスト削減が可能である。 ただし、コストを下げることが、バルブ性能とくに耐久性の低下を招くことは許されない。
【0004】
しかし、排気バルブ用の上記した材料は、室温における塑性変形抵抗が大きいうえに延性が低いため、冷間鍛造による成形は不可能であった。 SUH660等の在来の冷間鍛造用の耐熱鋼は、成形は可能であるが、排気バルブ用材料としては耐熱性が不足するため、採用できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、エンジン排気バルブの製造に関する上記のような課題を解決し、バルブの材料とする合金の組成を選択することによって、冷間鍛造または温間鍛造によるバルブ素材の成形と、直接時効熱処理の実現すなわち固溶化熱処理工程の省略とを可能にし、しかもバルブ性能は従来品にまさるとも劣らないものを製造することのできる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のエンジン排気バルブの製造方法は、重量%で、C:0.005〜0.20%、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cr:10.0〜25.0%およびNi:20%以上25%未満に加えて、Nb+Ta:1.5%以下、Ti:1.0%以上3.0%未満、Al:0.7〜2.0%、ただしTi/Alの原子比:0.4〜1.5、およびCu:0.1〜5.0%を含有し、残部が実質上Feからなる組成の耐熱鋼を材料とし、基本的態様においては、溶体化処理を施したのち、冷間鍛造または温間鍛造により傘部(1)と軸部(2)とからなる排気バルブの形状を与え、ついで600〜800℃において0.5〜4時間の直接時効処理を施すことからなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明には、上記の基本的態様に限らず、さまざまな実施態様が可能である。以下、それらを説明する。
【0008】
バルブの材料とする耐熱鋼は、上記の基本的な合金組成のものに加えて、下記のグループの少なくともひとつに属する成分を含有する合金組成のものを使用することができる。
【0009】
a)W:3.0%以下、Mo:3.0%以下およびV:1.0%以下の1種または2種以上を、0.5W%+Mo%+V%:3以下の量、
b)B:0.001〜0.02%およびZr:0.001〜0.1%の1種または2種、
c)CaおよびMgの1種または2種(2種の場合は合計量で):0.001〜0.01%。
【0010】
基本的な合金組成においても、また上記の任意添加成分を含有する合金組成においても、Niの一部分を、Co:5.0%以下で置き換えることができる。
【0011】
上述の合金組成を構成する各成分のはたらきと組成範囲の限定理由とを説明すれば、つぎのとおりである。
【0012】
C:0.005〜0.20%
Cは、Ti,Nb,Crと結合して炭化物を形成し、合金の高温強度を高める。この効果は0.005%以上の存在で認められるが、多量になると析出する炭化物の量が過大になって加工性を損ね、耐食性をも低くするので、0.2%を上限とする。
【0013】
Si:2.0%以下
Siは脱酸元素として有用であり、適量の存在は耐酸化性を高くする。 多量に添加すると加工性を低下させ、発明の目的に沿わなくなるので、2.0%以内とする。
【0014】
Mn:2.0%以下
MnはSiと同様に脱酸作用をするが、多量に含有させると合金の加工性および耐酸化性を損なうだけでなく、靱性を害するη相(Ni3Ti)の析出を助長するので、上限値を2.0%とした。
【0015】
Cr:10.0〜25.0%
Crは合金の耐高温酸化性および腐食性を確保する上で必須の成分であり、10%以上の添加を要する。 含有量が25.0%を超えるとオーステナイト相が不安定になり、脆化相であるσ相(FeCr)が析出して合金の靱性が低下する。好適な範囲は、10〜20%である。
【0016】
Ni:20%以上25%未満
Niは合金の素地であるオーステナイトを形成する元素であって、耐熱性・耐食性を担う。 また、強化相であるγ′相を析出させる上で必須の成分である。このような役割をはたすためには20%以上の添加を必要とする。しかし、Niは比較的高価な原料であるから、あまり多量に加えたくない。そこで、上限を25%までとした。 Niの一部は、Coで置き換えることができる。 Coが加われば強度の点から好ましいが、CoはNiにくらべてなお高価であるから、多量の使用はコスト的に不利になる。 5%の限界は、主としてこの観点から設けた。
【0017】
Nb+Ta:1.5%以下
これらはNiとともに重要な析出相である金属間化合物のγ′(ガンマプライム)相Ni3(Al,Ti,Nb,Ta)を形成する元素であり、このγ′相の析出が合金の高温強度を効果的に高める。 ただしNb+Taの含有量が1.5%をこえるとラーバス相(Fe2Nb)が多量に析出して、合金の靱性が低下する。
【0018】
Ti:1.0%以上3.0%未満
Tiは上記Nb+Taおよび下記Alとともに、Niと結合して高温強度を向上させるのに有用な、γ′相を形成する。 含有量が1.0%に達しないとγ′相の固溶温度が低くなるので、少なくともこれ以上の量を添加する。 一方、3.0%を超えると、前記η相(Ni3Ti)が析出して高温強度および靱性を低下させるので、この値を上限とする。 好ましい範囲は1.5〜2.6%である。Al:0.7〜2.0%
AlもNiと結合して上記γ′相を形成する点で、最も重要な元素である。 含有量が0.7%に達しないとγ′相の析出が不十分になって、高温強度が確保できない。 しかし、含有量が2.0%を超えると、合金の熱間加工性が低下する。 そこで、上記の範囲内の添加量とする。 好ましくは、1.0〜1.8%の範囲から選ぶ。
【0019】
Ti/Alの原子比:0.4〜1.5
脆化相であるη相の析出の度合は、Ti/Alの比に依存し、この比が大きいほど高くなる。 冷間加工によりη相の析出が促進されるので、Ti/Alは低目に抑える必要があり、上限値1.5は、この理由で設けた。 一方、Ti/Alを低くするとγ′相の固溶温度が低下して高温強度が低下するため、あまり小さくすべきでない。 下限値0.4は、この理由から置いた。好適なTi/Al比の範囲は、0.6〜1.0である。
【0020】
Cu:0.1〜5.0%
Cuはオーステナイト中に固溶して積層欠陥エネルギーを高め、加工硬化を抑制するはたらきがあり、それによって合金の冷間加工性が向上する。 さらにCuは、この合金の高温における酸化被膜の密着性を高める作用があり、これが耐高温酸化性をよくするものと考えられる。 こうした効果は、含有量が0.1%に足らないと得られないから、この値を下限とする。 一方、5%を超えて含有させても、耐高温酸化性はそれ以上高くならない。 多量のCuは熱間加工性を低下させるので、5.0%を上限とした。 好ましい範囲は、0.5〜3.0%である。
【0021】
W:3.0%以下、Mo:3.0%以下、V:1.0%以下、ただし0.5W%+Mo%+V%:3以下
これらの元素の添加は任意であるが、添加すれば固溶強化により高温強度が向上する。 WおよびMoについては3%、Vについては1%を超えて添加しても、効果の増大は望めない。 加えて、コストが高くなり加工性が低下する。 そこで上記の限界を設けた。
【0022】
B:0.001〜0.02%、Zr:0.001〜0.1%
BおよびZrは結晶粒界に偏析して粒界を強化する。 この効果が得られるのは、それぞれの含有量が0.001%以上の領域である。 ただし、Bは0.02%、Zrは0.1%を超えて含有させると熱間加工性が損なわれるため、これらを上限とした。
【0023】
CaおよびMgの1種または2種(2種の場合は合計量で):0.001〜0.01%
これらの元素は、合金の溶製時に脱酸・脱硫剤として添加すれば、合金の熱間加工性の向上に役立つ。 この効果は、添加量が0.001%という微量でも認められるが、0.01%を超えると、かえって熱間加工性を低下させる傾向がある。
【0024】
直接時効処理:600〜800℃において0.5〜4時間
冷間加工後、直接時効を行なうのは、冷間加工により導入された歪みが時効を促進させるからである。 それにより、時効温度の低下または時効時間の短縮が期待できる。 バルブに必要な硬さのめやすは、エンジンを約200時間にわたり連続運転したとき700℃においてバルブフェ−ス部の硬さがHV300以上に維持されることである。 上記の時効処理の条件は、このような観点から定めた。 すなわち、温度が600℃未満では、所望の硬さを得るために要する時効時間が長くなりすぎ、800℃を超えてはオ−バ−エ−ジングとなって所望の硬さが得られない。 時効時間を0.5〜4時間としたのは、既設の設備を利用できるとともに、生産上現実的な長さだからである。 なお、好適な時効条件は、700℃×1時間である。
【0025】
バルブの軸端部(3)は、ロッカーアームとの接触により摩耗するから、耐摩耗性の高い材料、たとえばマルテンサイト系耐熱鋼の軸端部用の部材を、摩擦接合や抵抗溶接により一体に接合したのち、高周波または火焔による焼き入れを行なうか、またはステライト合金で盛金することが行なわれている。 図3は、軸端部用部材(3A)を接合した場合のバルブ製品を示し、図4は、軸端部に盛金(4)を行った場合のバルブ製品を示す。 本発明の排気バルブの製造方法は、このような手法をとり入れた態様をも包含する。
【0026】
別法として、一般に高価なNi基超合金を排気バルブに用いる場合には、耐熱製が必要な傘部のみNi基超合金で製造し、傘部ほど耐熱性を必要としない軸部には前記のマルテンサイト系耐熱鋼を用い、傘部と軸部とを摩擦接合によって一体化したのち、上記のように軸端部を焼き入れして製品とすることが行なわれている。 図5は、接合部(5)において傘部(1)と軸部(2)とを接合し、軸端部(2A)を焼き入れしてなるバルブの構成を示す。 こうした手法を実施する態様も、本発明の排気バルブの製造方法に包含される。
【0027】
耐摩耗性の向上には、材料表面の強化処理が有用であって、本発明のバルブに関しては窒化処理が好適である。 タフトライドなどの窒化処理を付加したバルブ製造工程もまた、本発明の態様のひとつである。
【0028】
【実施例】
表1に示す組成の合金各50kgを高周波誘導炉で溶製し、インゴットに鋳造した。 インゴットを1100℃で6時間ソーキングしたのち、1100〜900℃の温度範囲で鍛造、圧延して直径25mmの丸棒とした。
【0029】
【0030】
上記の丸棒を、975℃×30分間加熱後油冷の条件で固溶化熱処理した。 ただし、比較例4および5は、固溶化熱処理を、1050℃×60分間の条件で行なった。 熱処理を経た丸棒から直径24mm、長さ45.0mmの試験片を切り出した。
【0031】
これらの試験片を用い、まず室温で65%に据え込み、そのときの変形抵抗を測定して、冷間鍛造性を評価した。 つぎに、室温において絞り65%の前方押出しを行ない、押出しにより得た棒に750℃×1時間の時効処理を施した。 このとき、比較例4(Inconel 751)と比較例5(SUH38)とは、押出しに用いた金型パンチが破損してしまい、絞り65%の押出しは不可能であった。そこで、後述の硬さ試験および疲労試験では、上記の丸棒に従から行なわれている1050℃×30分間の固溶化熱処理と750℃×4時間の時効処理を施した物を対象にした。
【0032】
上記の各試験片について、硬さを測定した。 ついでそれらから並行部直径8mmの平滑試験片および直径10mm×長さ5.5mmの試験片を切り出し、前者を対象にして回転曲げ疲労試験機を用いた800℃における回転曲げ疲労試験を、また後者を対象にして700℃における高温硬さを測定した。 試験の結果を、表2に示す。
【0033】
【0034】
既知のバルブ材料であるInconel 750(比較例4)およびSUH38(比較例5)は、65%の据え込みで割れが発生し、変形抵抗も著しく高く、65%以上の変形能が必要なバルブの冷間成形は不可能なことがわかる。 これに対し本発明の鋼は、いずれも65%の据え込みが可能であり、変形抵抗も従来の冷間鍛造用耐熱鋼SUH660(比較例1)と同等であって、冷間鍛造性に優れていることがわかる。
【0035】
従来鋼SUH660を用いた比較例1は、常温の硬さは一応確保されているものの、高温硬さが目標とするHV300を下回っているため耐摩耗性が不足しているうえ、疲労強度も不足である。 比較例2および3も疲労強度が実用の域にない。 これに対し本発明の実施例は、いずれも700℃の硬さがHV300を上回り、高温で十分な耐摩耗性を発揮できることが明らかであり、800℃における107 回疲れ強さが、従来材SUH38(比較例5)の値175MPaを超えていて、高温で長時間での使用に耐えることがわかる。
【0036】
次に、前記の溶体化処理(975℃×30分、油冷)を施した丸棒を材料としてスラグを用意し、傘部の直径が25mmで軸の長さ91mmのバルブを、冷間鍛造により成形した。 このとき、比較例2の材料は割れが発生して成形できなかった。 Inconel 750(比較例4)およびSUH38(比較例5)については、バルブ成形が不可能なため、製造を行わなかった。
【0037】
実施例1〜7ならびに比較例1および3の材料で製造したバルブについて、750℃×1時間の直接時効熱処理を行ない、機械加工により仕上げた後、軸部の表面を窒化するため、570℃で30分間のタフトライド処理を施した。 軸端部に、低温焼きなまししたSUH11鋼の、軸と同径の棒を抵抗溶接により一体化し、高周波加熱によって焼き入れを行ない、HRC60の硬さに仕上げた。
【0038】
実施例8のバルブについては、傘部から40mmの位置で軸を切断し、これに同径のSUH11鋼の軸を抵抗溶接によって接合した後、750℃×1時間の直接時効熱処理を行ない、機械加工をしてから、上記と同じ条件のタフトライド処理を施した。 その後、高周波加熱によって軸端部を焼き入れし、HRC60に仕上げた。
【0039】
このようにして製作した排気バルブのうち、実施例1〜8ならびに比較例1および3の材料を用いたものをガソリンエンジンに組み込んで、8000rpm ×200時間連続運転の耐久試験を行なって、フェース部の硬さの変化を測定するとともに、傘部と首部の状態、とくに脆化相であるη相の析出の有無を観察した。この時の使用温度は、約800℃であった。 観察結果を、成形性とともに表3に示す。
【0040】
耐久試験後、比較例のバルブは硬さが低下しており、そのため生じたフェース部の減耗に加えて首部の破損したものもあり、脆化相であるη相の析出が認められたのに対し、本発明に従ったものはフェース部の硬さが維持され、η相の析出もなく、なお使用に耐えるものであった。
【0041】
【発明の効果】
本発明により、エンジン排気バルブを冷間鍛造または温間鍛造と、鍛造後の固溶化熱処理を省略して直接時効処理を行なうことにより製造することが可能になった。 しかも、フェース部の盛金は不要である。 これらのことは、バルブ製造のコスト低減に大いに寄与する。 しかも製品のバルブは、耐久性のすぐれたものである。 高温での使用に耐えるバルブは、エンジンの高出力化の要求をみたすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のNi基超合金を材料とするエンジン排気バルブの側面図。
【図2】 従来のオーステナイト系耐熱鋼を材料とするエンジン排気バルブの側面図。
【図3】 本発明のFe−Cr−Ni系耐熱鋼を材料とするエンジン排気バルブの一例について、その構成を示す側面図。
【図4】 本発明のエンジン排気バルブの別の例について、その構成を示す側面図。
【図5】 本発明のエンジン排気バルブのさらに別の例について、その構成を示す側面図。
【符号の説明】
1 傘部
2 軸部 2A マルテンサイト系耐熱鋼製の軸部
3 軸端部 3A 軸端部用の部材
4 盛金
5 接合部
Claims (6)
- 重量で、C:0.005〜0.20%、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cr:10.0〜25.0%およびNi:20%以上25%未満に加えて、Nb+Ta:1.5%以下、Ti:1.0%以上3.0%未満、Al:0.7〜2.0%、ただしTi/Alの原子比:0.4〜1.5、およびCu:0.1〜5.0%を含有し、残部が実質上Feからなる組成の耐熱鋼を材料とし、溶体化処理を施したのち、冷間鍛造または温間鍛造により軸と傘部とからなる排気バルブの形状を与え、ついで600〜800℃において0.5〜4時間の直接時効処理を施すことからなるエンジン排気バルブの製造方法。
- 耐熱鋼として、請求項1に記載の合金成分に加えて、下記のグループの少なくともひとつに属する成分を含有する合金組成のものを使用して実施する請求項1のエンジン排気バルブの製造方法:
a)W:3.0%以下、Mo:3.0%以下およびV:1.0%以下の1種または2種以上を、0.5W%+Mo%+V%:3以下の量、
b)B:0.001〜0.02%およびZr:0.001〜0.1%の1種または2種、
c)CaおよびMgの1種または2種(2種の場合は合計量で):0.001〜0.01%。 - 耐熱鋼として、請求項1または2に記載の合金組成において、Niの一部をCo:5.0%以下で置き換えたものを使用して実施する請求項1または2のエンジン排気バルブの製造方法。
- 請求項1に記載の工程に加えて、軸の端部にマルテンサイト系耐熱鋼部材を摩擦接合もしくは抵抗溶接により一体に設けたのち焼き入れするか、または硬化肉盛りにより一体に設ける工程を有する請求項1ないし3のいずれかに記載のエンジン排気バルブの製造方法。
- 請求項1に記載の工程において、排気バルブの傘部のみを冷間鍛造もしくは温間鍛造により成形し、マルテンサイト系耐熱鋼の軸を摩擦接合により一体に設けたのち直接時効処理し、ついで軸の端部を焼き入れする工程を有する請求項1ないし3のいずれかに記載のエンジン排気バルブの製造方法。
- 請求項1,4または5に記載の工程に加えて、最後に表面の窒化処理を行なう請求項1ないし5のいずれかの排気バルブの製造方法。
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