JP3468126B2 - 冷間加工性にすぐれたマルテンサイト系耐熱鋼 - Google Patents

冷間加工性にすぐれたマルテンサイト系耐熱鋼

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間加工性にすぐ
れたマルテンサイト系耐熱鋼に関する。本発明の鋼は、
ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンの吸気バル
ブの材料として好適である。
【0002】
【従来の技術】ガソリンエンジンやディーゼルエンジン
の吸気バルブを製造するには、これまで、JISのSU
H11またはSUH3のようなマルテンサイト系耐熱鋼
が使用されて来た。バルブの製造方法には、通常、棒材
を切断したものを通電加熱により昇温させてプリフォー
ムを成形した後、熱間据え込みにより傘部を成形する工
法(アプセット法)と、熱間でしぼり出す工法(搾出
法)とがある。アプセット法は2台のプレス機が必要で
あること、通電加熱に時間がかかるため、バルブ1本を
製造するのに要する時間が長いこと、また加熱のためエ
ネルギーを消費すること、などの問題がある。搾出法
も、熱エネルギーを要することは同じである。
【0003】吸気バルブの製造コスト低減の要請に応え
るには、合金材料のコストと加工のコストの両面から検
討しなければならないが、前者は、バルブ鋼として必要
な特性を確保するためには自ら限界があり、後者によら
なければならない。もし素材からバルブまでを冷間加
工、たとえば冷間鍛造で加工できれば、大きなコスト低
減が図れる。しかし、現在用いられている耐熱鋼は冷間
加工性が悪く、冷間鍛造でバルブを得ることは、きわめ
て困難である。
【0004】吸気バルブ用の材料として、冷間加工性を
高めた鋼が以前に開発された(特開昭57−20375
2)が、近年好まれる細径の軸に大径の傘がついたバル
ブを製造するためには、このバルブ鋼では加工性が不足
であって、より高い冷間加工性をそなえた鋼の出現が要
望されていた。
【0005】発明者らは、この要望に応えることを意図
して研究を重ねた結果、鋼中のSiおよびMnの量の著
しい低減が冷間加工性の向上に有効であること、また、
従来は冷間加工性を低下させるといわれていたCは、そ
の量を低減しなくても、Cr/Cの原子比を制限するこ
とで球状化焼鈍硬さが低下し、その結果として十分な冷
間加工性が得られることを見出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した発明者らの新知見を活用し、ガソリンエンジンやデ
ィーゼルエンジンの吸気バルブに代表される機械部品の
材料とするマルテンサイト系耐熱鋼であって、部品に要
求される特性を確保しつつ、高度の冷間加工性を実現し
た鋼、具体的には、据え込み率にして82%以上という
強冷間加工が可能である程度に、冷間加工性がすぐれた
ものを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の冷間加工性にす
ぐれたマルテンサイト系耐熱鋼は、基本的な合金組成と
して、重量で、C:0.45〜0.55%、Si:0.
3%未満、Mn:0.4%未満およびCr:3.0〜
9.0%を含有し、ただし、Cr/Cの原子比が1.5
〜4.0であり、不純物を、P:0.03%以下、S:
0.01%以下、N:0.015%以下およびO:0.
01%以下に規制し、残部が実質上Feからなる合金組
成を有し、球状化焼鈍後の硬さがHRB90以下であ
り、かつ、焼入れ後の硬さがHRC58以上であること
を特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】このマルテンサイト系耐熱鋼は、
上記した基本的な合金組成に加えて、下記の任意添加元
素のグループに属する成分の一種類または二種類以上を
含有することができる。 1)Mo:0.05〜1.5%およびW:0.05〜
1.0%の、一方または両方、ただし、(Cr+Mo+
W)/Cの原子比が1.5〜4.0であること、 2)V:0.01〜0.50%、 3)Al:0.01〜0.50%、 4)Nb:1.0%以下およびTi:1.0%以下の、
一方または両方、 5)Cu:1.0%以下、ならびに、 6)Ni:2.0%以下。
【0009】上記の基本的な合金を構成する各成分のは
たらきと、組成範囲の限定理由、および硬さの限定理由
を以下に示す。
【0010】C:0.45〜0.55% Cは、焼入れ・焼戻し後の母材の強度を高め、またC
r,Mo,Wと炭化物を形成して高温強度を高く得るた
めに、必須の元素である。この鋼の代表的な用途である
吸気バルブについていえば、耐摩耗性が必要とされる軸
端部だけを再度焼入れして用いるが、必要な強度を得る
ためには0.45%以上のCの含有が必要であって、こ
れに満たないC量では、軸端部にタタキ摩耗によるチッ
ピングが起こり、また首部では焼戻し強度が不足して折
損してしまう可能性がある。十分な軸端部の硬さを得る
ためには、0.50%以上のC量が望ましい。一方、多
量のCの存在は、冷間加工性を低くし、発明の目的に反
するから、0.55%以内のC量とする。
【0011】Si:0.3%未満 Siは溶製時に脱酸剤として役立つとともに、鋼の耐酸
化性および高温強度の向上に有効である。しかしSi
は、マトリクス中に固溶して硬さを高め、冷間加工性を
低下させる。そこで、常用の耐熱鋼に比べて、Si量を
著しく低減し、上限を0.3%未満と低い値とした。
【0012】Mn:0.4%未満 Mnも脱酸剤として役立つほか、脱硫剤としても有効で
あり、かつ鋼の焼入れ性を向上させて、強度の増大に寄
与する。しかしMnも、Siと同様に、マトリクスの硬
さを高め、さらに非金属介在物MnSを生成して冷間加
工性を悪くするうえ、耐酸化性も低下するから、添加量
を0.4%未満に制限する。
【0013】Cr:3.0〜9.0% Crは耐熱鋼に不可欠な成分であり、耐酸化性、耐食
性、高温強度を高めるはたらきがあるから、少なくとも
3.0%を添加する。過大に添加すると、冷間加工性お
よび靭性が損なわれるので、9.0%を上限とする。焼
鈍硬さをより低くし、冷間加工性を一層高くするために
は、この範囲内で高い側の添加量5.0〜9.0%をえ
らぶことが好ましい。
【0014】Cr/Cの原子比:1.5〜4.0 合金中のCは、焼鈍時に炭化物としてマトリクスから排
出され、排出された炭化物が球状に粗大化することで、
硬さが低下する。このような炭化物の球状化焼鈍を促進
するためには、焼き鈍し時にM73やM236の型のC
r炭化物を析出させて、炭化物が球状化しやすい条件を
与えればよい。そのために、CrとCの原子比を、上記
の炭化物中のCr/C比(化学量論比2.3〜3.8)
に近づけることが有効である。この比が1.5に達しな
いと完全な球状化ができず、パーライトが多く残存し、
一方で4.0を超えると、母相中のCr分が多くなりす
ぎて、いずれにしても硬さが高くなる。一般にCは冷間
加工性を低くするため、従来の冷間鍛造用の材料では強
度を犠牲にしてもC量を低目にしていたが、本発明では
Cr/Cの原子比を上記のように選択することで、C量
を低減することなくバルブ成形に必要な冷間加工性を確
保することに成功した。
【0015】不純物を規制した理由は、つぎのとおりで
ある。
【0016】P:0.030%以下 Pの存在は熱間加工性や疲労特性にとって有害であるだ
けでなく、冷間加工性をも低くするから、許容限度であ
る0.030%以下にする。
【0017】S:0.010%以下 Mnに関して上述したように、Sは非金属介在物MnS
を生成して冷間加工性を低くするから、0.010%以
下の少量に規制する。
【0018】N:0.015%以下 Nは、窒化物系の介在物を生成するばかりでなく、侵入
型元素であるため、加工時にマトリクス元素の動き(転
位運動)を阻害し、冷間加工性を低める成分である。許
容限度として、0.015%の値を定めた。
【0019】O:0.01%以下 Oは酸化物系介在物を生成し、これも冷間加工性を悪く
する。含有量を0.01%以内に低減すべきである。
【0020】球状化焼鈍後の硬さ:HRB90以下、焼
入れ後の硬さ:HRC58以上 冷間加工の加工性は、球状化焼鈍後の硬さが低いほどす
ぐれているが、後記する実施例に見るとおり、HRB9
0以下を実現すれば、実用上十分な冷間加工性が得られ
る。一方、加工後、焼入れ−焼戻しして得たバルブ製品
に対しては、焼入れ後の硬さがHRC58以上であるこ
とが要求される。
【0021】任意に添加する合金成分の、添加の意義と
組成範囲の限定理由は、下記のとおりである。
【0022】1)Mo:0.05〜1.5%およびW:
0.05〜1.0%の一方または両方ただし、(Cr+
Mo+W)/Cの原子比1.5〜4.0 MoとWとはともに、焼入れ性および焼戻し軟化抵抗を
向上させ、A1変態点を高める。焼戻し時には主として
M2C型の炭化物を生成し、高温強度を高める上でも有
効である。こうした効果は、それぞれ0.05%程度の
添加で認められる。一方、多量の添加は、どちらも冷間
加工性を損なう。多量のMoは、耐酸化性をも低下させ
る。またこれら、とくにMoは価格が高いので、多量の
使用はコスト面でも不利になる。(Cr+Mo+W)/
Cの原子比を1.5〜4.0の範囲に選ぶ意味は、Cr
/Cに関して上述したところと同じである。
【0023】2)V:0.01〜0.50% Vは、高温強度を改善する。高温まで安定なVCなどの
炭化物を生成するため、熱間加工時や焼入れ時の結晶粒
粗大化を防止する。これらの効果は0.01%以上の含
有で得られるが、多量に添加すると靭性や焼入れ硬さを
低下させるので、0.50%の上限までに止める。
【0024】3)Al:0.01〜0.50% この鋼から成形した部品を軟窒化処理する場合、Alは
表層に窒化物を析出させて硬化相を形成するため、バル
ブのステム部分の耐摩耗性を向上させる上で役立つ。こ
の効果は0.01%以上の添加で得られる。0.50%
を超えて過剰に添加すると、冷間加工性や焼入れ硬さを
低下させる。
【0025】4)Nb:1.0%以下およびTi:1.
0%以下の一方または両方 NbもTiも、鋼中のCやNと化合して、炭化物や窒化
物(Nb,Ti)C,(Nb,Ti)Nを形成する。そ
の結果、高温強度が改善されるばかりでなく、高温まで
安定な炭化物の存在で、熱間加工時や焼入れ時の結晶粒
粗大化を防止するという、Vの存在がもたらすと同じ利
益が得られる。それに加えて、軟窒化処理時に表層に窒
化物を析出させて硬化相を形成し、耐摩耗性の向上に役
立つという、Alに関して述べた利益もある。過剰の添
加は冷間加工性と焼入れ硬さを低下させるので、上限値
それぞれ1.0%以下の添加量をえらぶ。
【0026】5)Cu:1.0%以下 Cuは析出強化により高温強度を向上させる。また、耐
硫酸性が改善されるので、とくにディーゼルエンジン用
のバルブの材料としてこの鋼を使用する場合には、推奨
される合金成分である。多量の添加は熱間加工性を害す
るので、1.0%以内の量とする。
【0027】6)Ni:2.0%以下 Niは、焼入れ性および耐食性を高める。多量になると
冷間加工性が低下するし、不経済になるので、上限値
2.0%を設けた。
【0028】
【実施例】表1に示す化学組成の各種合金を50kgず
つ、高周波誘導炉で溶製して、インゴットを得た。
【0029】上記のインゴットを1150℃に3時間保
持した後、1150〜950℃の温度範囲で鍛造および
圧延し、直径16mmの丸棒とした。この丸棒を供試材と
して、下記の試験法により、焼鈍硬さ、冷間加工性、焼
入れ硬さおよび疲労強度を測定した。
【0030】(焼鈍硬さ) 供試材を825℃×6時間−徐冷の熱処理により焼鈍
し、厚さ10mmの硬さ試験片を、圧延方向に対し直角に
切り出した。この試験片を用いて、ロックウエル硬さ
(Bスケール)を測定した。
【0031】(冷間加工性) 供試材を825℃×6時間−徐冷の熱処理により焼鈍
し、直径15mm×高さ22.5mmの試験片を切り出し
て、冷間据え込み試験を行なった。試験方法は、日本塑
性学会冷間鍛造分科会で制定した方法[「塑性と加工」
第22巻第241号(1981−2)参照]によった。
バルブ成形時における冷間加工性の目標である、据え込
み率82%で据え込んだときの割れの状況を調べ(n=
10)、割れ発生率ゼロのとき○、0.5未満のとき
△、0.5以上のとき×と評価した。
【0032】(焼入れ硬さ) 供試材を1050℃×30分間−油冷の条件で焼入れ
後、厚さ10mmの硬さ試験片を、圧延方向に対し直角に
切り出した。この試験片を用いて、ロックウエル硬さ
(Cスケール)を測定した。
【0033】(疲労強度) 供試材を1050℃×30分間−油冷の条件で焼入れ、
700℃×1時間−空冷の条件で焼戻しし、直径8mmの
平滑試験片を切り出し、小野式回転曲げ疲労試験機を用
いて、400℃で回転速度3500rpmの回転曲げ疲労
試験を行ない、107回疲労強度を求めた。
【0034】以上の結果を、表2に示す。なお、耐酸化
性に関しては、本発明の実施例の鋼はいずれも、吸気バ
ルブの材料として要求される水準を満たしていた。
【0035】 表 1 No. C Si Mn Cr P S O N その他 M/C 実施例 1 0.49 0.20 0.41 5.02 0.021 0.003 0.005 0.014 − 2.37 2 0.46 0.26 0.37 3.45 0.023 0.005 0.004 0.013 − 1.73 3 0.51 0.23 0.38 4.17 0.020 0.005 0.003 0.012 Mo:0.61 2.04 4 0.54 0.19 0.35 5.58 0.021 0.006 0.004 0.013 Mo:0.30 W: 0.41 2.51 5 0.54 0.19 0.34 7.50 0.019 0.007 0.005 0.014 Nb:0.10 Ti:0.12 3.21 6 0.50 0.21 0.40 4.81 0.022 0.006 0.004 0.013 Mo:0.50 V: 0.21 2.35 7 0.47 0.22 0.41 5.09 0.020 0.005 0.012 0.004 Mo:0.32 W: 0.20 2.61 Ti:0.11 8 0.52 0.20 0.33 8.63 0.023 0.004 0.014 0.007 Mo:0.21 W: 0.21 3.91 V:0.18 9 0.49 0.24 0.39 5.28 0.018 0.003 0.012 0.003 Mo:0.50 Al:0.15 2.62 10 0.51 0.22 0.35 8.72 0.021 0.005 0.013 0.003 W: 0.62 Nb:0.15 4.03 Al:0.12 11 0.55 0.21 0.40 7.98 0.022 0.006 0.014 0.006 Mo:0.49 Cu:1.03 3.46 12 0.48 0.20 0.36 6.04 0.019 0.004 0.014 0.004 Mo:0.30 V: 0.20 2.98 Al:0.10 Ni:0.80 比較例 1 0.51 1.98 0.54 7.83 0.025 0.004 0.021 0.008 − 3.55 2 0.43 2.03 0.35 10.2 0.023 0.008 0.023 0.010 Mo:0.93 5.74 3 0.38 0.24 0.48 0.85 0.023 0.017 0.024 0.015 Mo:0.52 V: 0.28 0.69 4 0.25 0.50 0.83 4.93 0.024 0.006 0.022 0.013 − 5.02 5 0.42 0.23 0.41 8.78 0.022 0.004 0.008 0.015 Mo:0.50 4.98 6 0.54 0.25 0.37 3.22 0.023 0.006 0.009 0.017 Mo:0.32 V: 0.11 1. 45 重量%、残部Fe。M=Cr+Mo+W 比較例1:SUH11 比較例2:SUH3 比較例3:JIS SNB16
【0036】 表 2 No. 焼鈍硬さ 冷間加工性 焼入れ硬さ 疲労強度 (HRB) (割れ発生率) (HRC) (MPa) 実施例 1 82.3 ○ 62.8 372 2 87.6 ○ 59.3 368 3 85.2 ○ 62.5 372 4 85.0 ○ 63.1 412 5 84.4 ○ 62.4 397 6 84.9 ○ 62.9 412 7 83.7 ○ 61.6 382 8 84.8 ○ 63.7 407 9 83.5 ○ 63.0 397 10 84.2 ○ 63.3 402 11 84.9 ○ 65.0 417 12 85.3 ○ 63.8 402 比較例 1 94.5 × 61.3 441 2 96.4 × 58.7 387 3 96.3 △ 54.5 490 4 87.0 △ 60.8 431 5 92.8 △ 57.3 353 6 91.7 △ 64.9 402
【0037】本発明の実施例の成績をみると、焼鈍硬さ
が高過ぎず、据え込み時の割れが見られないことから、
比較例にない、すぐれた冷間加工性を有することがわか
る。一方、焼入れ硬さは十分であり、疲労強度も高い。
【0038】
【発明の効果】本発明のマルテンサイト系耐熱鋼は、主
たる用途であるガソリンエンジンまたはディーゼルエン
ジンの吸気バルブ用材料としてみたとき、バルブに要求
される諸特性は維持したまま、冷間加工性は顕著に改善
した合金であって、バルブへの成形を、すべて冷間加工
によることが可能なものである。従ってこの鋼は、バル
ブをはじめとする機械部品製造の能率を高め、コストの
画期的な低減を可能にする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 克明 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−203752(JP,A) 特開 昭55−145155(JP,A) 特開 昭59−200742(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量で、C:0.45〜0.55%、S
    i:0.3%未満、Mn:0.4%未満およびCr:
    2.5〜9.5%を含有し、ただし、Cr/Cの原子比
    が1.4〜4.0であり、不純物を、P:0.03%以
    下、S:0.01%以下、N:0.015%以下および
    O:0.01%以下に規制し、残部が実質上Feからな
    る合金組成を有し、球状化焼鈍後の硬さがHRB90以
    下であり、かつ、焼入れ後の硬さがHRC58以上であ
    ることを特徴とする冷間加工性にすぐれたマルテンサイ
    ト系耐熱鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した合金成分に加えて、
    Mo:0.05〜1.5%およびW:0.05〜1.0
    %の一方または両方を含有し、ただし、[Cr+Mo+
    W]/Cの原子比が1.4〜4.0である請求項1のマ
    ルテンサイト系耐熱鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載した合金成分に
    加えて、V:0.01〜0.50%を含有するマルテン
    サイト系耐熱鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載した
    合金成分に加えて、Al:0.01〜0.50%を含有
    するマルテンサイト系耐熱鋼。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載した
    合金成分に加えて、Nb:1.0%以下およびTi:
    1.0%以下の一方または両方を含有するマルテンサイ
    ト系耐熱鋼。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載した
    合金成分に加えて、Cu:1.0%以下を含有するマル
    テンサイト系耐熱鋼。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載した
    合金成分に加えて、Ni:2.0%以下を含有しするマ
    ルテンサイト系耐熱鋼。
  8. 【請求項8】 焼入れ・焼戻し後の400℃/10
    疲労強度が350MPa以上である請求項1ないし7の
    いずれかのマルテンサイト系耐熱鋼。
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