JPS6123329B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、トイレ等において排便後、温水等に
より肛門部を洗浄する洗浄トイレ装置等の洗浄ノ
ズルに関するものであり、衛生的でかつ摺動抵抗
が少なく信頼性の行いノズルを提供することを目
的とする。

従来、この種のトイル装置は、第１図の如くシ
リンダ１の内部にノズル本体２が摺動可能に取付
けられており、シリンダ１とノズル本体２との間
は、ピストンリング４でシールされている。ノズ
ル本体２は、スプリング５で常時、シリンダ内部
６の方向に力を受けており、水圧が加わつていな
い時は、シリンダ内部に収納されている。水圧が
加わる、ノズル本体上面７に水圧を受け、スプリ
ング５の弾性に抗してピストンリング４とシリン
ダ１の内面８の間で摺動して、ノズル本体２がシ
リンダ１より突出する。ノズル本体２がシリンダ
１より完全に突出し切ると、ノズル本体２の給入
口９に設けられた弁体１０が水圧を受けスプリン
グ１１に抗して押し下げられ、給入口９が開放さ
れる。温水は給入口９よりノズル本体２に入り通
水路１２を通つて噴出口３より噴出し肛門部の洗
浄に供される。

この構成では、ノズル本体２とシリンダ１の水
シールがピストンリング４により行なわれている
ため、ノズル本体２とシリンダ内面８の摺動抵抗
が大きく、スプリング５のバネ定数を相当大きく
しなければ、使用後突出したノズル本体２をシリ
ンダ１内部に収納することができない。したがつ
てノズル本体２の突出時にも、ノズル本体上面７
に受ける水圧に抗する力（摺動抵抗＋スプリング
５の反撥力）が大きいため、ノズル本体２の突出
速度が遅い。弁体１０は、ノズル本体２の突出速
度が遅いため、突出過程で温水が噴出せず、完全
に突出し切つた時点で温水が噴出することを目的
としたものである。（突出過程で温水が噴出すれ
ば、洗浄位置が移動し、肛門部以外がぬれる。）
したがつて、使用者が洗浄操作してから温水を受
けるまで１〜２秒のタイムラグがあり、使用上、
非常に不具合である。また、弁体１０の位置で水
圧低下を来たし、温水噴出圧力が低減され洗浄効
果が充分出ない。また、ピストンリング４は完全
な止水能力がなく、使用時ノズル本体２が完全に
突出してもシリンダ１とノズル本体２の隙間から
若干の漏水が有る。また、シリンダ内面８に温水
中のスケールが推積した場合、ピストンリング４
とシリンダ内面８が面接触のため摺動抵抗が著し
く増大し、ノズル本体２がシリンダに固着し、洗
浄操作をしてもノズル本体２が突出しなかつた
り、使用後収納不可の状態になることがある。

本発明は、上記従来例の欠点を解消すべくなさ
れたものであり、その一実施例を図面に基づき説
明する。

第２図は、本発明の洗浄ノズルを使用した洗浄
トイレ装置の一実施例であり、１３が洗浄ノズル
である。１４は内部に発熱線を埋込み使用者が表
面より暖を取る暖房便座であり、１５は洗浄装置
を収納した収納箱である。第３図は第２図に示す
収納箱１５の内部に構成される洗浄装置の一例で
あり、使用者が排便後、洗浄ツマミ１９を操作す
ると、電磁弁１６が開放し、温水タン１８に貯湯
された温水が、道圧により洗浄ノズル１３から噴
出し、肛門部を洗浄する。１７は第２図に示すツ
マミ１９に連動された水勢調節バルブであり、使
用者は好みの水量を調節するようになつている。

第４図は本発明の洗浄ノズル３の使用状態での
略断面図である。２０はシリンダーであり、上端
にま通水路２１を有する給水部２がパツキン２３
で水密的状態となつて取付けられている。内部に
はノズル本体２４が摺動可能な状態で入つてお
り、ノズル本体の上面より張り出した庇部２６
と、シリンダ内面２７の下部底面２８の間にスプ
リング２９を有し、ノズル本体２４を常時シリン
ダ内部３０に挿入する方向に力が働いている。し
たがつて非使用時はノズル本体２４がシリンダー
２０の内部３０に完全に収納されており、男子小
便時や排便時には、ノズル本体２４には汚水や汚
物がかからないようになつている。ノズル本体２
４の先端部には洗浄部方向に向いた温水噴出口３
１が設けられており、中心部にはノズル本体上面
２５から温水噴出口３１を流体的につなぐ温水通
路３２が設けられている。ノズル本体２４の首部
３３には、パツキン３４が取付けられており、上
面２５に水圧を受けた時、シリンダ内面２７の下
部底面２８に連なつて形成された封止部３５に押
し付けられ、シリンダー内面とノズル本体２４の
間を水密的に封止している。３６はノズル本体２
４の回転を規制するリングであり袋ナツト３７に
よりシリンダーに固定されている。

この構成において、使用者が洗浄ツマミ１９を
操作すると、温水タンク１８に貯湯された温水が
通水管３８を通りノズル給水部２２の通水路２１
よりシリンダー内部に入り、シリンダ内に完全に
収納されているノズル本体２４の上面２５に圧力
を加えノズル本体２４を押し下げる。第５図は、
ノズル本体２４の突出過程の状態を示した洗浄ノ
ズルの略断面図であるが、この状態では、ノズル
本体２４とシリンダ内面２７の間が封止されてい
ないため、温水がノズル本体２４とシリンダ内面
２７の間から全周にわたつて漏れ、ノズル本体２
４の全周を洗うようにして外部に放出される。

その後、さらに、ノズル本体２４が押し下げら
れ、パツキン３４がシリンダの封止部３５に圧着
され、ノズル本体２４とシリンダ内面２７の間を
封止し、ノズル本体２４全周からの漏水を止め、
その間温水通路３２を通つていた温水が、温水噴
出口３１から噴出する。（第４図の状態となる。）
洗浄後、使用者が操作を解除すると、ノズル本体
上面２５に加わつていた水圧がなくなり、スプリ
ング２９の反撥力により、ノズル本体２４がシリ
ンダー内部に収納される。この場合もノズル本体
２４の突出時と同様、シリンダ内部３０にたまつ
ていた温水が、ノズル本体２４とシリンダ内面２
７の間から全周にわたつて漏れノズル本体の全周
を洗浄しながら外部に放出される。ノズル本体の
突出時や収納時の摺動は、ノズル本体２４と回転
規制リング３６の間でのみ行なわれその抵抗は非
常に小さい。したがつて使用後のノズル本体の収
納もスムーズなためスプリング２９のバネ定数は
小さくすることができ、したがつてノズル本体の
突出も速く、使用者の洗浄操作から温水を受ける
までの応答が非常に速い。したがつて、従来例第
１図に示すような弁体１０等も不要であり、不要
な水圧抵減を来たすこともなく、充分な温水噴出
圧力が得られ洗浄効果も増大する。またノズル本
体２４が完全に突出した時は、ノズル本体２４と
シリンダ１のすきまからの漏水は全くない。ま
た、ノズル本体２４の摺動は、回転規制リング３
６との線接触だけであるから、温水中のスケール
が、シリンダ内面２７に推積しても、ほとんど摺
動抵抗の増大を来たさず、いつまでも初期の特性
が持続され信頼性が非常に高い。

第６図は別の実施例であり、この場合は、パツ
キン３９がシリンダ内面の底部に取付けられてお
り、スプリング４０は、使用時引張力が加わるよ
うに取付られている。第６図の場合でも、第４図
の実施例と同等の性能が得られる。

以上のように、本発明の洗浄ノズルによれば、
応答速度が速く、使用上の不具合が無く、不要な
水圧低減を来たすことなく、洗浄効果も充分得ら
れ、使用時の漏水もなく、いつまでも初期の特性
が持続され、信頼性が非常に高いばかりではな
く、従来例にみられない、使用前と使用後にノズ
ル本体自身を水でセルフクリーニングするという
効果もあり非常に衛生的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の洗浄トイレ装置に用いるノズル
の側断面図、第２図は本発明の一実施例における
洗浄トイレ装置の斜視図、第３図は同装置の水回
路図、第４図、第５図は同装置のノズルの側断面
図、第６図は他の実施例におけるノズルの側断面
図、第７図は第４図のノズルの底面図、第８図は
回転規制リングの斜視図である。 １３……洗浄ノズル、１９……洗浄ツマミ、１
８……温水タンク、３１……温水噴出口、３６…
…回転規制リング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一端から流体が供給されるシリンダと、上記
   シリンダ内部を移動自在に設けられ上記シリンダ
   の他端から突出可能なノズル本体と、上記ノズル
   本体内に設けられた噴出口に連通する流体経路
   と、上記ノズル本体を上記シリンダ内へ収納する
   方向に付勢する付勢手段と、上記ノズル本体が上
   記流体に押されて最大に突出したとき上記ノズル
   本体外周と上記シリンダ内周の隙間を封止する封
   止手段を備えたことを特徴とする洗浄トイレ装
   置。