JPS61228351A - 糞便中のヘモグロビンの検出方法 - Google Patents

糞便中のヘモグロビンの検出方法

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JPS61228351A
JPS61228351A JP60069598A JP6959885A JPS61228351A JP S61228351 A JPS61228351 A JP S61228351A JP 60069598 A JP60069598 A JP 60069598A JP 6959885 A JP6959885 A JP 6959885A JP S61228351 A JPS61228351 A JP S61228351A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 イ、産業上の利用分野 この発明は糞便中のヘモグロビンの検出方法に関するも
のであり、特に被検者に食餌制限等の準備をさせずに、
しかも消化器系統における異常の部位を推定することが
でき、且つ集団検診等のように大量の検体を簡便に検出
できる方法に関するものである。
口、従来技術及びその問題点 糞便中のヘモグロビン(血液)を検出して消化器系統の
異常、例えば癌、潰瘍等を早期に発見する検診方法が行
われている。
この糞便中のヘモグロビンの検出には従来から化学的糞
便潜血反応法が用いられている。近年先進国において大
腸癌の発症頻度が著しく増加してきた。即ち食生活の欧
米化が進んだことが大腸癌発症率を上昇させている。そ
のため大腸癌の早期発見のための集団検診法として化学
的糞便潜血反応法が簡便で低コストの点から広〈実施さ
れている。この化学的糞便潜血反応は非常に敏感であり
、小量のヘモグロビンも検出できる。
ところが従来の化学的糞便潜血反応は赤血球中のヘモグ
ロビンに含まれるヘムのペルオキシダーゼ活性に基ずく
種々の色原体との呈色反応によるものであるからヒトヘ
モグロビンに対しての特異性がない。従って食餌に由来
する異種動物のヘモグロビン、ミオグロビン或いは葉緑
素含有野菜(ブロッコリー、大根、カリフラワー、にん
じん、きゅうり、かぼちゃ、キャベツ等)の中のペルオ
キシダーゼとも反応する。さらに投薬(鉄、銅、ヨウ化
カリウム、ビタミンC等)の影響も受ける。
そこでヒトヘモグロビンに対する特異性を上げるために
は検査前の肉食を禁する等の食餌制限を必要とする欠点
がある。実際の集団検診においては食餌制限と共に反応
感度の低い色原体を用いた化学的潜血反応を使用して偽
陽性の増加を防止しているが、その結果逆に偽陰性(ヘ
モグロビンがあるのに検出しない)が増加する危険性を
伴っていた。
また新鮮血液中のヘモグロビンでも消化酵素で分解され
たヘモグロビンでも同様にペルオキシダーゼ活性が発現
するから、従来の化学的糞便潜血反応法では口腔から肛
門に至る全消化器径路での出血を検出してしまうので出
血部位の情報が得られず、例えば大腸癌等の消化器系統
下部からの出血を証明するための特異性と鋭敏性を共に
満足させることは不可能であった。
今日なお化学的糞便潜血反応法による集団検診法が確立
されていないのは上記欠点によるものである。
これに対し最近Barrow (Am、 J、 CIi
、Pajhol。
69 : 842 、1978  March)  ら
をはじめとしてヒトヘモグロビンと抗ヒトヘモグロビン
の抗体−抗原反応を用いる免疫学的糞便潜血反応による
測定法が開発されている。この免疫学的糞便潜血測定法
によると、ヘモグロビンは消化系統中での消化酵素の作
用を受けると大部分の抗原性を、失うので、ヒトヘモグ
ロビンに対する特異性は勿論糞便中で抗原性を残す消化
器系統の下部からの出血のみを検出することができる特
徴を有するものである。
しかし今日までこの免疫学的潜血測定原理に基づき開発
された測定法は、糞便を一定量採取して溶液と混和した
のち遠心分離機にかけて上清(ウワズミ)を試料とする
操作が必要であり、その上−次元平板拡散法(抗体を含
むゲル中に試料を拡散させて反応を見る法)、オークテ
ルロニー(Ou−chter Iony)法(ゲル中に
抗体と試料を一定間隔の場所に注入して両者が拡散して
反応するのを判定する)では成績判定に24〜48時間
を必要とするし、またCounter Irrmuno
electro −pho −resis法(電流を流
して支持体上での試料と抗体の反応生成物を測定する)
では特殊な分析機器を必要とする等の欠点があり、一般
には普及するに至ってはいないし、また大量の集団検診
には不適当である。
さらにこの方法を集団検診に応用するには多数の検診者
の糞便を一定量づつ採取して、その多数の試料にID(
標識)を付して分析室まで運搬して取り扱う必要があり
、この作業は臭気、不潔感等のため作業者に不快である
欠点もある。
二9発明の開示 このような実状に鑑み、本発明者らは大腸癌等の消化器
系統の出血を集団検診してスクリーニングする方法とし
て、従来の化学的糞便潜血反応および免疫学的糞便潜血
反応が有する前記欠点を克服すべく鋭意研究を行った結
果、糞便中のヘモグロビンが高分子材料(特に疏水性プ
ラスチック樹脂)の表面に容易に物理吸着する性質を利
用して糞便中のヘモグロビンを採便容器の中で広い濃度
域にわたって容易に分離する方法を見い出し、且つ該物
理吸着したヘモグロビンは酵素標識したヒトヘモグロビ
ンを使用する酵素免疫法によってヒトヘモグロビンのみ
を特異的に且つ高感度で簡便に検出できる方法を発見し
て本発明をなしたものである。
即ち本発明は、先ず糞便を高分子材料(例えばポリスチ
レン、塩化ビニール)製の採取器に採取し、緩衝液を入
れた容器中に一定時間浸漬して糞便中のヘモグロビンを
該材料の表面に物理吸着させる。次ぎに予め準備した抗
ヒトヘモグロビンに酵素をラベルした酵素標識抗ヒトヘ
モグロビンを採取器に吸着したヘモグロビンに滴下して
抗原−抗体反応を行わせ、これに基質液を加えて呈色反
応を行い、呈色によって糞便中のヒトへモグロビンのみ
を特異的に検出する方法である。
さらに高分子材料表面に物理吸着させたヘモグロビンは
従来の化学的糞便潜血反応法による検出も可能であるか
ら(本分離法で吸着されたヘモグロビンに対して化学的
潜血反応を実施す葛と野菜中のペルオキシダーゼ、薬剤
の影響は除去されており、動物由来(食餌)のヘモグロ
ビン、ミオグロミンは従来通り検出される)、化学的糞
便潜血反応法による検出を前記の酵素免疫学的反応法に
よる検出と同時に並行的に行って糞便中のヘモグロビン
の検出をより確実にすると共に消化器系統中での出血の
部位を推定可能とする糞便中のヘモグロビン検出方法を
含むものである。
以下さらに詳しく本発明の詳細な説明する。
A、試料の採取 糞便試料の採取容器の一例を第1〜4図に示すが、図面
のように採取容器は採取器(1)と液容器(8)からな
っている。採取器(1)は中央の内部にネジ孔(7)を
もうけた本体(3)に被検者のIDラベルaυを貼る平
板の把持部(2)があり、ネジ孔(7)の底部には先端
に採便サジ(5)をもうけた軸(4)をもうけた構造で
ある。採便サジ(5)は両面が使用でき又検査用の液を
滴下した時流れ落ちないように格子状に小さな溝(6)
をもうけるのが良い。液容器(8)は上部に採取器(1
)のネジ孔(7)に合うネジ部(9)をもうけた円筒型
のものである。採取器(1)は疏水性の高い高分子材料
、例えばポリスチレン、塩化ビニール等のプラスチック
樹脂、で製作する。材料としては呈色反応か見易いよう
に白色のものが望ましい。採取器の構造は図示のものに
限られるものではなく、スプーン状の先端構造でも又−
面のみに糞便を採取する構造でもよい。
この採取器(1)の採便サジ(5)の両面に被検者の糞
便を採取しIDラベル0→を把持部(2)に貼って、予
め糞便中の消化酵素の活性を阻止するように調整した緩
衝液を入れた液容器(8)を採取器(1)とネジ(7)
(9)によって固定し、一定時間放置する。
ヘモグロビンの立体構造は、全べての極性アミノ酸が外
部に向かって配列し、非極性(疏水性)のアミノ酸は分
子の内部に向かって配列している。
またプロトヘムは疏水性の強いポケットに疏水性の強い
ビニール基を先頭に入りこんだ構造をとるのは周知の事
実であり、そのままでは疏水性結合による吸着性がある
が大きくない。ところが消化管を通過したヘモグロビン
は主に消化酵素の作用を受けて立体構造がくずれ疏水性
部分が露出し、疏水性結合により高分子材料の表面への
吸着性が著しく増強する。例えばポリスチレンの場合に
は約30分間そのような変性ヘモグロビンと接触するこ
とにより吸着平衡状態に達する。またヘモグロビンは酸
性の緩衝液によっても化学構造が変化して消化酵素の場
合と同様に高分子材料の表面に容易に吸着されるように
なる。従って糞便採取後、液容器内の緩衝液と混和して
放置すると糞便中のヘモグロビンは高分子材料の採取サ
ジの表面に物理的吸着(流水結合)され広い濃度域にわ
たって容易に分離される。
一定時間後に採取器と液容器を分解して採取器を試料と
する。
この方法によれば、例えば糞便を採取して便所に採取器
と液容器を結合して放置し、一定時間後に採取容器を分
解して液容器あるいは液容器の内容液を捨てて採取器の
みを試料として測定場所に運ぶことができる。そうする
と採取器にはヘモグロビンのみが吸着しており臭気、不
潔感がないので作業者の不快感がなく、また収集、運搬
が容易である。
B、酵素免疫測定法 イ、酵素免疫測定法のための試薬の調整(1)ヘモグロ
ビンんの調整 人の血液から例えばWi l l iamsらの方法(
Anal。
Biochem、54:117.1978)によってヘ
モグロビン九を調整する。
(2)抗ヒトヘモグロビンの調整 精製したヘモグロビンA、をFreund S ccm
pleteadjuvantに混和し、家兎、山羊等の
動物に免疫して採血し遠心分離して抗血清を得る。
(3)酵素の標識 抗血清に、例えば吉武氏ら(免疫実験法XI。
P3497〜8519.1982  日本免疫学会発行
)の方法で酵素をラベルし酵素標識抗体を調iする。こ
の場合にペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ
等各種の酵素を用いることができる。
C4測定方法 (1)ヘモグロビンを吸着した採取器の採便サジの表面
を脱イオン水で良く洗浄する。
(2)酵素標識抗体試薬を表面に滴下或いは採取器サジ
を浸漬して、例えば20〜40°Cで30分間放置して
抗原−抗体反応を行わしめる。
(3)採便サジを脱イオン水で十分洗浄して基質液(呈
色反応液)、例えばパラニトロフェニルリン酸溶液、を
滴下する。
(4)約5〜10分後に呈色反応を観察して判定する。
゛この方法によると約1時間以内に大量の試料の検出作
業を行うことができる。
以上に酵素免疫反応法による糞便中のヘモグロビンの検
出法について説明したが、これに従来から行われている
化学的潜血反応を同時に行うと糞便中のヘモグロビンを
さらに確実に検出することができる。
ホ、実施例 実施例1゜ (a)試薬 精製したヘモグロビンA、をFreund’s com
pletead juvantに混和し、家兎に週−回
免疫した。−回の免疫に使用する抗原量は0.5岬で2
.5 mlのFreund s complete a
djuvantに混和して用いた。これを5回繰り返し
最終免疫後5日目に採血し、遠心分離して抗血清(抗ヒ
トヘモグロビン、)とし、−80°Cで凍結保存した。
次ぎに酵素標識抗体試薬としてアルカリフォスフオター
ゼを用いてアルカリフオスフオターゼ標識抗ヒトヘモグ
ロビン(2%牛アルブミン、10%正常ヤギ血清、0.
5mM塩化マグネシウムを含む)を調整した。
ヘモグロビンを採便サジに吸着させ、採便サジを脱イオ
ン水でよく洗浄し、前記酵素標識抗体試薬0.3 vt
lを分注した小試験管に移し、37°Cで30分間抗抗
原体反応を行わせしめた。次ぎに採便サジを脱イオン水
で洗浄し、40mMのパラニトロフェニルリン酸、0.
5mMマグネシウムを含むジェタノールアミンpH10
,5の基質液0.5 mlを入れた小試験管に入れて3
7°Cで5〜IO分間インキュベートする。さらにIN
のNaOHを0゜5g/加えて反応を停止させる。
肉眼で呈色(この場合黄色)度を測定し、判定する。
種々の試料を判定の結果、ヘモグロビン濃度が0.5〜
/d1以上の場合には明らかに陽性と識別でき、高濃度
で300 Mf/di以上あるいは全血状態のヘモグロ
ビン濃度に至る領域で強度陽性の呈色を示すことが分か
った。
実施例2゜ 図面に示すような採取器を用いて糞便を採便サジの両面
に採取し、1Mクエン酸液を緩衝液としてヘモグロビン
を採取サジの両面に物理吸着させた。
採便サジを脱イオン水でよく洗浄し、片面に1M酢酸緩
衝液中にオル) IJレジン酸塩、過酸化水素を含む化
学的潜血反応用試薬を滴下する。約10分間放置すると
呈色(この場合は青色)反応が生ずるので肉眼で判定す
る。実験の結果ヘモグロビンが1〜/d1以上で陽性の
呈色反応を示すことが分かった。
化学的潜血反応完了後、或いは化学的潜血反応用試薬を
滴下した後ただちに採便サジの裏側を上にして、実施例
1で用いた酵素標識抗体試薬を一滴、滴下する。この試
料を20〜40°Cで30分間放置する。この間に化学
的潜血反応による呈色を判定することができる。
採便サジを脱イオン水でよく洗浄し、採便サジの裏側即
ち酵素免疫反応用表面に実施例1と同様の基質液を滴下
して、5分後に呈色(黄色)反応を判定する。
この方法でも実施例1と同様に酵素免疫法で、ヘモグロ
ビンが濃度0.5Mf//d1以上で明、らかに陽性上
識別できるし、高濃度ではBOON/d1以上あるいは
全血状態のヘモグロビン濃度に至る全領域で強陽性の呈
色を示すことが分かった。
一方消化酵素(ペプシン、トリアジン)の作用を受けた
ヘモグロビンを用いると化学的潜血反応では陽性となる
か酵素免疫法では陰性となることが分かった。
即ち糞便中のヘモグロビンを酵素免疫反応法と化学的潜
血反応法を並行して検出することによりヘモグロビンが
消化器系統の上部、下部のいずれから出ているかを推定
できることがわかった。
へ8発明の効果 以上に詳しく説明したように本発明の高分子材料表面に
糞便中のヘモグロビンを吸着させて酵素免疫法により糞
便中のヘモグロビンを測定する方法によれば、従来から
多用されている化学的糞便潜血反応法の欠点、すなわち
特異性と鋭敏度の両面を解決し、且つ従来の免疫学的反
応原理による他の測定法に比し操作性が極めて簡便化で
きて免疫学的反応による測定の実用性を大幅に向上させ
ることができる。また臨床的には消化器系統の下部のみ
の出血を検出できるので、特に最近発症率が増加してい
る大腸癌等の早期発見のスクリーニング検査として有用
である。また高分子材料へのヘモグロビンの吸着の利用
によって試料採取の作業が簡単で清潔となる利点を有す
る。
さらに免疫学的反応法と化学的糞便潜血反応法を同時に
行うことによって糞便中の潜血をより確実に検出できる
と共に臨床的にも消化器系統中の出血部位の推定が可能
となる効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に使用する試料の採取器の一例を示す正
面図、第2図は同側面図、第3図はそのA−A断面図、
第4図はその液容器の正面図である。 (1)・・採取器、     (2)・・・把持部、(
3)・・・本体、       (4)・・・軸、(5
)・採便サジ、    (6)・・・溝、(7)・・・
ネジ孔、      (8)・・・液容器、(9)・・
・ネジ部、      (11)−= I Dカード。 代理人 弁理士  1)中 理 夫 第1囚   第2g 第4 図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、糞便中のヘモグロビンを検出する方法において、高
    分子材料製の採取器の表面に糞便中のヘモグロビンを物
    理吸着させて分離し、該ヘモグロビンを抗ヒト酵素標識
    ヘモグロビンを用いて特異的に検出することを特徴とす
    る糞便中のヘモグロビンの検出方法 2、化学的潜血反応を酵素免疫法と並行的に行つてヘモ
    グロビンを検出することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の糞便中のヘモグロビンの検出方法 3、疏水性高分子材料の採取器に糞便を採取し緩衝液中
    に浸漬して一定時間放置してヘモグロビンを採取器表面
    に吸着させることを特徴とする特許請求の範囲第1項も
    しくは第2項記載の糞便中のヘモグロビンの検出方法 4、緩衝液として酸性の液を用いることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項乃至第3項いずれかに記載の糞便中
    のヘモグロビンの検出方法 5、採取サジを有する採取器と緩衝液を入れる液容器を
    組み合わせた採取容器を用い、採取器のみを検出場所に
    運んで検出作業を行うことを特徴とする特許請求の範囲
    第1項乃至第4項いずれかに記載の糞便中のヘモグロビ
    ンの検出方法 6、採取サジの両面に糞便を採取するようにしたことを
    特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第5項いずれかに
    記載の糞便中のヘモグロビンの検出方法 7、採取サジの表面に格子状の溝をもうけたことを特徴
    とする特許請求の範囲第1項乃至第6項いずれかに記載
    の糞便中のヘモグロビンの検出方法
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