JPS6119335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は超音波振動子の振動により霧化された
液体燃料の微粒子をバーナに供給して燃焼させる
ようにした超音波装置に係り、特に消火時の未燃
ガスを効率良くうすめて室内側に排出し、消火し
た際に発生する悪臭を除去しようとするものであ
る。

一般に、開放型の石油燃焼機は消火時に悪臭が
発生するが、この原因は、高温になつているバー
ナ及び気化筒等より、灯油が加熱分散（140℃以
上）され、アルデヒド類やケトン類を生じ、これ
らが全に燃焼されずに、そのまま室内に排出され
るからである。消火時に発生する臭を除去する方
法としては、次の方法が考えられる。

加熱分解された灯油ガスをすべて完全燃焼さ
せる。

灯油ガスを加熱部に送らない。

加熱分解された灯油ガスを閉じ込める。

加熱分解された灯油ガスを触媒で反応させ
る。

しかし、及びの方法は技術上難しく、また
の方法も完全に臭を除去することは困難であり
コストも高くなる等の不都合があつた。

本考案は上記の方法を採用して臭を除去した
ものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は本考案の実施例を示す超音波霧化装置
の強燃焼時の概略側面図、第２図は第１図におけ
る火加調整ボツクスの詳細図であつて、ａは上面
図、ｂは側面図、ｃは下面図である。第３図は弱
燃焼時の概略側面図、第４図は第３図における火
力調整ボツクスの詳細図であり、ａ，ｂ，ｃはそ
れぞれ上面図、側面図、下面図を表わしている。
又、第５図は消火時の概略側面図、第６図は第５
図における火力調整ボツクスの詳細図であり、
ａ，ｂ，ｃはそれぞれ上面図、側面図、下面図を
表わしている。

図において、１はカートリツジタンク、２は定
油面装置となつている油受皿、３は底部に超音波
振動子４を取着した霧化筒、５は該霧化筒３の下
部側壁に連結されてなる送風管、６は上記霧化筒
３の側壁の高さ1/3〜1/2程度の位置に連結され、
アルミ製の気化筒７に連通してなるステンレス製
のバーナ配管であり、水平に対して約30゜上方向
に傾斜している。８は上記気化筒７の上部に連設
してなるバーナである。９は上記バーナ配管６の
気化筒７に近い箇所にて連結されてなる未燃ガス
排出管であり、直径6.0〜8.0φ程度の銅管であ
る。１０は燃焼用送風機、１１は該燃焼用送風機
１０による燃焼用空気量を調整して送風管５に送
風するとともに、消火時には送風管５の送風出口
１２を閉成すると同時に上記超音波振動子４を駆
動する発振回路（図示せず）の動作を停止させる
機構（図示せず）を有する火力調整ボツクスであ
つて、火力調整ボツクスフタ１４（以下フタとい
う）と火力調整ボツクスウケ１５（以下ウケとい
う）とから構成されており、所定の内容積を有す
るものである。上記フタ１４には未燃ガスの濃度
を薄めて室内側に排出する排気孔１６と、上記燃
焼用送風機１０から供給される送風量を室内側に
一部逃がして霧化筒３に供給する燃焼用空気量を
調整する燃焼用空気逃がし孔１７とが穿設されて
いる。１８は上記フタ１４の下側に密接して回動
する円盤状の上板であり、上記排気孔１６に対応
する位置に下方部に突設してなる吸引管１９と、
上記逃がし孔１７に対応する位置に穿設されてな
る略渦巻き状をなす逃がし孔１７の調整孔２０と
を設けている。上記吸引管１９の深さｈは、その
先端部がウケ１５の底部より５〜30mm程度上方に
位置するように配設すると、排気の吸引効果を一
段と高めることが可能である。２１は前記未燃ガ
ス排出管９を連結する未燃ガス吸引口であり、上
記ウケ１５に穿設されている。２２は上記ウケ１
５の上部に密接して回動してなり、消火時に、前
記送風出口１２を閉成する突片２３と上記未燃ガ
ス吸引口２１を開成する切欠２４とを有する略円
盤状の下板である。そしてこの下板２２と上記上
板１８とは、上記火力調整ボツクス１１の略中心
部に配設されてなる火力調整軸２５に固定されて
おり、この火力調整軸２５を固定されており、こ
の火力調整軸２５を回動させることにより、強燃
焼，弱燃焼あるいは消火状態に設定することがで
きる。２６は上記ウケ１５に穿設されてなる送風
入口である。

次に上記構成からなる超音波燃焼装置について
その動作を説明する。

まず、強燃焼時には、火力調整ボツクス１１は
第２図に示すように、上板１８によつて逃がし孔
９閉成しているので燃焼用送風機１０から送風さ
れる燃焼用空気は、矢印Ａにて示されるようにす
べて送風入口２６から火力調整ボツクス１１内及
び送風出口１２を通つて霧化筒３に供給される。
そして、このとき図示していないが、上記火力調
整軸２５に連動して動作する例えば可変抵抗器等
により超音波振動子４の発振出力を最大となるよ
うに設定することができる。従つて、液体燃料の
霧化量は最大となり、これに応じて燃焼用空気量
も最大とすることにより効率の良い燃焼を行なう
ことができる。

次に、上記火力調整軸２５を左方向に約150゜
回動させると、第４図に示すように逃がし孔の調
整孔２０と逃がし孔１７とが連通し、その連通面
積が最大となつている。すなわち、燃焼用空気は
上記逃がし孔１７から室内側に送出されて、霧化
筒３に供給される送風量が最も少なくなる状態を
示している。従つて、上記第４図に示す火力調整
軸２５をさらに左方向に回動すれば、逃がし孔１
７と逃がし孔１７の調整孔２０との連通面積が次
第に小さくなるので、霧化筒３に供給される送風
量は逆に多くなり、弱燃焼から強燃焼へと連続的
に変化させることができる。

さて、消火時の動作は、上記第４図における弱
燃焼時の火力調整軸２５を第６図に示すように約
55゜右方向に回動すれば、上板１８の吸引管１９
が排気孔１６に連通するとともに、下板２２の突
片２３により送風出口８を閉成し、さらに切欠２
４によつて上記未燃ガス吸引口２１を開成するこ
とにより、燃焼用送風機１０による供給される燃
焼用空気は霧化筒３へは全く送風されずに上記火
力調整ボツクス１１内に一度送風された後、吸引
管１９及び排気孔１６を通つて直接室内側に排出
される。このとき、燃焼用送風機１０は強燃焼時
と同じ高速回転に設定しておくと、上記排出量は
多くなり得る。そして、上記未燃ガス吸引口２１
は前記未燃ガス排出管９に連通しているため、上
記吸引管１９を通る空気の流速により吸引効果が
生ずることにより、火力調整ボツクス１１内の圧
力は負圧になる。従つて、バーナ配管６内にあつ
た霧化ガス、及び気霧化筒７の炎口８付近に発生
した加熱分解ガスは矢印Ｃにて示すように炎口８
より吸引される大気とともに急速に火力調整ボツ
クス内に入り、さらに室内側へと排出され、上述
した炎口８より吸引される大気より効率良く未燃
ガスがうすめられた後排出されるので、室内側に
排出されても、いわゆる消火時の悪臭をほとんど
感じることはなく、又、炎口８付近からも消火時
ほとんど臭を発生しないというきわめて優れた効
果を奏するものである。

本考案は上述したように火力調整ボツクス１１
の火力調整軸２５を回動させることにより、ガス
コツクのように連続的に火力の調整を簡単に行な
える他、消火時には燃焼用送風機１０をそのまま
短時間回転を続けるのみで、燃焼用空気を完全に
遮断し、吸引効果により未燃ガスを急速に排出す
ることができるため、構造が非常に簡単になると
同時に高価な部品も必要としないので低価格な実
用的な燃焼装置を得ることができる。

以上に説明したように、本考案は霧化筒への送
風量を制御する火力調節ボツクスによつて、消火
時、上記霧化筒に流入する燃焼用空気を遮断する
とともに、上記気化筒の炎口より大気を吸引して
未燃ガスを上記未燃ガス配出管に送出して上記燃
焼用空気と混合することにより室内側に排出させ
たから、消火時、炎口付近から加熱分解ガスが全
く発生しないので臭もなく、又、瞬時にして消火
動作が完了するものである。従つて、超音波燃焼
装置において初めて悪臭を防止することが可能と
なり、構造上も、火力調節ボツクスを兼用してい
るので簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す超音波霧化装置
の強燃焼時の概略側面図、第２図は第１図におけ
る火力調整ボツクスの詳細図、ａは上面図、ｂは
側面図、ｃは下面図、第３図は弱燃焼時の概略側
面図、第４図は第３図における火力調整ボツクス
の詳細図であり、ａ，ｂ，ｃはそれぞれ上面図、
側面図、下面図を表している。第５図は消火時の
概略側面図、第６図は第５図における火力調整ボ
ツクスの詳細図、ａ，ｂ，ｃはそれぞれ上面図、
側面図、下面図であつて、３は霧化筒、４は超音
波振動子、５は送風管、６はバーナ管、７は気化
筒、８は炎口、９は未燃ガス排出管、１０は燃焼
用送風機、１１は火力調整ボツクスである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 超音波振動子を取着した霧化筒と、該霧化筒内
   に発生する霧化燃料を気化筒に案内するバーナ配
   管と、上記霧化筒内に燃焼用空気を送風する送風
   器と、 上記霧化筒と上記送風器とを連通する火力調整
   ボツクスであつて、 上記霧化筒と連通された送風出口、燃焼用空気
   逃し孔、排気孔及び未燃ガス吸引口を設けたボツ
   クス本体と、燃焼時において、上記送風出口を開
   成状態に、上記排気孔及び未燃ガス吸引口を閉塞
   状態に維持しながな上記燃焼用空気逃し孔の開口
   面積を可変可能とし、 消火時において、上記送風出口を閉塞すると共
   に上記排気孔及び未燃ガス吸引口を開成状態とす
   る制御板と、 から成る火力調整ボツクスと、 上記バーナ配管の途中と上記未燃ガス吸引口と
   を連通する未燃ガス排出管と、 を備えてなり、消火時、上記霧化筒に流入する
   燃焼用空気を遮断するとともに、上記気化筒の炎
   口より大気を吸引して未燃ガスを上記未燃ガス排
   出管に送出して上記燃焼用空気と混合することに
   より室内側に排出させたことを特徴とする超音波
   燃焼装置。