JPS61190586A - 炭素繊維用プリカ−サ−ピツチの製造方法 - Google Patents
炭素繊維用プリカ−サ−ピツチの製造方法Info
- Publication number
- JPS61190586A JPS61190586A JP2940985A JP2940985A JPS61190586A JP S61190586 A JPS61190586 A JP S61190586A JP 2940985 A JP2940985 A JP 2940985A JP 2940985 A JP2940985 A JP 2940985A JP S61190586 A JPS61190586 A JP S61190586A
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- JP
- Japan
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- pitch
- coal
- carbon
- precursor
- solvent
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分!W)
本発明は高性能炭素繊維を製造するのに用−るプリカー
サ−ピッチの製造に関し、特に光学的異方性組織の単一
相からなるプリカーサ−ピッチを製造する方法に関する
ものである。
サ−ピッチの製造に関し、特に光学的異方性組織の単一
相からなるプリカーサ−ピッチを製造する方法に関する
ものである。
(従来の技術)
高性能炭素繊維の製造は、原料から大別するとポリアク
マニトリル(PAN)と、石油ピッチやコールタールピ
ッチとに分類できる。ポリアクリロニトリルを原料とす
る場合には、原料繊維の価格が高ψこと、および原料繊
維の炭化収率が低いことが欠点として挙げることができ
る。
マニトリル(PAN)と、石油ピッチやコールタールピ
ッチとに分類できる。ポリアクリロニトリルを原料とす
る場合には、原料繊維の価格が高ψこと、および原料繊
維の炭化収率が低いことが欠点として挙げることができ
る。
一方、石油ピッチやコールタールピッチを原料とする場
合、高性能炭素繊維とするには、−ゎゆる、光学的異方
性ピッチであるメソ7エーズビッチを出発原料としなけ
ればならない。従来、ピッチを原料とする繊維は汎用グ
レードである弾性率の低いものであるが、この場合原料
ピッチは光学的等方性ピッチである。この等方性ピッチ
を用いて高性能炭素繊維用原料に改質しようとして不活
性ガス雰囲気中で適当な温度(350〜500℃)に加
熱すれば、まず光学的に異方性の相が等方性融体中に生
成し、これから次第に合体成長してバルクのメソ7エー
ズピツチとなる。このメソ7エーズピツチを原料とする
ことにより高強度、高弾性を有する高性能炭素繊維を得
ることは可能である。これはメソ7エーズピツチを原料
として溶融紡糸すると規則的に配列された縮合環よりな
る高分子量成分が繊維軸方向に配列し、高強度および高
弾性を有する炭素繊維が得られるからである。
合、高性能炭素繊維とするには、−ゎゆる、光学的異方
性ピッチであるメソ7エーズビッチを出発原料としなけ
ればならない。従来、ピッチを原料とする繊維は汎用グ
レードである弾性率の低いものであるが、この場合原料
ピッチは光学的等方性ピッチである。この等方性ピッチ
を用いて高性能炭素繊維用原料に改質しようとして不活
性ガス雰囲気中で適当な温度(350〜500℃)に加
熱すれば、まず光学的に異方性の相が等方性融体中に生
成し、これから次第に合体成長してバルクのメソ7エー
ズピツチとなる。このメソ7エーズピツチを原料とする
ことにより高強度、高弾性を有する高性能炭素繊維を得
ることは可能である。これはメソ7エーズピツチを原料
として溶融紡糸すると規則的に配列された縮合環よりな
る高分子量成分が繊維軸方向に配列し、高強度および高
弾性を有する炭素繊維が得られるからである。
しかるに、このようにして得られたメソ7エーズピツチ
の粘度は等方性ピッチの粘度より、はるかに大きく、メ
ソ7エーズピツチの紡糸は等方性ピッチの紡糸に比べて
一層困難であることは、よく知られているところである
。
の粘度は等方性ピッチの粘度より、はるかに大きく、メ
ソ7エーズピツチの紡糸は等方性ピッチの紡糸に比べて
一層困難であることは、よく知られているところである
。
また、長繊維である高性能炭素繊維を経済的な速度で製
造する場合には、メソ7エーズピツチの溶融紡糸を速や
かに達成することが最も重要であり、このために紡糸性
に優れたメソ7エーズピツチを用いる必要がある。この
紡糸性に優れたメソ7エーズピツチと云うことは、紡糸
工程におφて長時間にわたり糸切れが少なく、かつ繊維
径が細く、均一な繊維を与えるメソフェーズピッチであ
ることを意味し、このためにメンフェーズピッチの粘度
は、例えば紡糸温度において数10から数100ボイス
とできるだけ低い方が好ましく、更に組成的な面から見
ると高度に均質で単一相の組成からなるものであり、溶
融紡糸時におけるメソフェーズピッチの変質や揮発分の
発生がないような熱的に安定なものでなければならない
。
造する場合には、メソ7エーズピツチの溶融紡糸を速や
かに達成することが最も重要であり、このために紡糸性
に優れたメソ7エーズピツチを用いる必要がある。この
紡糸性に優れたメソ7エーズピツチと云うことは、紡糸
工程におφて長時間にわたり糸切れが少なく、かつ繊維
径が細く、均一な繊維を与えるメソフェーズピッチであ
ることを意味し、このためにメンフェーズピッチの粘度
は、例えば紡糸温度において数10から数100ボイス
とできるだけ低い方が好ましく、更に組成的な面から見
ると高度に均質で単一相の組成からなるものであり、溶
融紡糸時におけるメソフェーズピッチの変質や揮発分の
発生がないような熱的に安定なものでなければならない
。
このように溶融紡糸に優れたメソ7エーズピツチを製造
するために、高価な触媒を用いる熱処理や、水素ガスを
用いる高温高圧下での水素化処理、更には溶剤分割など
の方法を用いて原料ピッチのある特定の成分だけをメソ
7エーズピツチの原料とするなどの方法が考えられてい
る。これらの方法は炭素繊維用プリカーサ−ピッチの製
造プロセスにおいて極めて複雑であり、その結果として
プリカーサ−ピッチのコストを大幅に上げる原因となる
。
するために、高価な触媒を用いる熱処理や、水素ガスを
用いる高温高圧下での水素化処理、更には溶剤分割など
の方法を用いて原料ピッチのある特定の成分だけをメソ
7エーズピツチの原料とするなどの方法が考えられてい
る。これらの方法は炭素繊維用プリカーサ−ピッチの製
造プロセスにおいて極めて複雑であり、その結果として
プリカーサ−ピッチのコストを大幅に上げる原因となる
。
(発明が解決しようとする問題点)
本発明は上述する問題点に着目して幾多の研究の結果、
高性能炭素繊維の製造に用いる石炭系のプリカーサ−ピ
ッチとして、特に紡糸性の優れたプリカーサ−ピッチを
石炭系のタールを出発原料として用い、従来法と比較し
て極めて簡単、かつ低コストで製造することを目的とす
る。ここに記載する「紡糸性に優れたプリカーサ−ピッ
チ」とは粘度ができるだけ低く、かつ組織的に見て高度
に均質なピッチであることを意味している。
高性能炭素繊維の製造に用いる石炭系のプリカーサ−ピ
ッチとして、特に紡糸性の優れたプリカーサ−ピッチを
石炭系のタールを出発原料として用い、従来法と比較し
て極めて簡単、かつ低コストで製造することを目的とす
る。ここに記載する「紡糸性に優れたプリカーサ−ピッ
チ」とは粘度ができるだけ低く、かつ組織的に見て高度
に均質なピッチであることを意味している。
c問題点を解決するための手段)
本発明は上記目的を達成するために、工業的規模で、安
価に、かつ大量に容易に入手しつる石炭系のタールを原
料として用い、高性能炭素繊維の製造に優れた紡糸性を
有する光学的異方性組織の単一相からなるプリカーサ−
ピッチを製造する新規な方法を開発し、本発明に到達し
たものである。
価に、かつ大量に容易に入手しつる石炭系のタールを原
料として用い、高性能炭素繊維の製造に優れた紡糸性を
有する光学的異方性組織の単一相からなるプリカーサ−
ピッチを製造する新規な方法を開発し、本発明に到達し
たものである。
すなわち、本発明の方法は石炭系のタールを分離処理し
、タール中に存在するフリーカーボンを分離してフリー
カーボンを含有しない石炭系軟ピツチまたは中ピツチを
得、このピッチに水素化溶剤を添加し、′lO〜4(k
g/cm2の加圧下350〜450℃の温度で熱処理し
、しかる後不活性ガス雰囲気中で0.1〜10トルの減
圧下450〜500℃の温度で熱処理してメソフェーズ
を生成させ、キノリン不溶分20〜60重量%を含む全
面的に光学的異方性組織の単一相からなるプリカーサ−
ピッチを生成することを特徴とする。
、タール中に存在するフリーカーボンを分離してフリー
カーボンを含有しない石炭系軟ピツチまたは中ピツチを
得、このピッチに水素化溶剤を添加し、′lO〜4(k
g/cm2の加圧下350〜450℃の温度で熱処理し
、しかる後不活性ガス雰囲気中で0.1〜10トルの減
圧下450〜500℃の温度で熱処理してメソフェーズ
を生成させ、キノリン不溶分20〜60重量%を含む全
面的に光学的異方性組織の単一相からなるプリカーサ−
ピッチを生成することを特徴とする。
本発明において、原料として用いる石炭系のタールは石
炭を乾留してコークスを製造する際の副生物として得ら
れるコールタールであり、このタールには通常、固体粒
子として直径1μm以下の微粒子であるフリーカーボン
を1〜lO重量%含有している。このフリーカーボンは
炭素繊維用ブリカーピッチとしては好ましくない成分で
ある。
炭を乾留してコークスを製造する際の副生物として得ら
れるコールタールであり、このタールには通常、固体粒
子として直径1μm以下の微粒子であるフリーカーボン
を1〜lO重量%含有している。このフリーカーボンは
炭素繊維用ブリカーピッチとしては好ましくない成分で
ある。
なぜならば、7リーカーボンは不溶不融の固体粒子であ
るのでプリカーサ−ピッチの糸の均質性を阻害したり、
溶融紡糸時においてノズルを閉塞したり、または繊維の
節となって連続紡糸を著しく妨げたりする要因となるば
かりか、炭素繊維の引張強度を低下させる要因ともなる
ためである。従って、高性能炭素繊維用プリカーサ−ピ
ッチとしては、このフリーカーボン含有量を少なくとも
0.01重量%以下にする必要がある。それ故、本発明
においてはコールタール単独、またはこのコールタール
に石炭系溶剤、およびトルエン、ベンゼンなどの如き純
溶剤を添加し、遠心分離、静置分離、−過の如き適当な
分離手段を施してフIJ +カーボンを分離する。これ
により得られたフリーカーボンを含有しないタールを蒸
留によりタール軽油およびタール中前を除去して軟ピツ
チまたは中ピツチにする。
るのでプリカーサ−ピッチの糸の均質性を阻害したり、
溶融紡糸時においてノズルを閉塞したり、または繊維の
節となって連続紡糸を著しく妨げたりする要因となるば
かりか、炭素繊維の引張強度を低下させる要因ともなる
ためである。従って、高性能炭素繊維用プリカーサ−ピ
ッチとしては、このフリーカーボン含有量を少なくとも
0.01重量%以下にする必要がある。それ故、本発明
においてはコールタール単独、またはこのコールタール
に石炭系溶剤、およびトルエン、ベンゼンなどの如き純
溶剤を添加し、遠心分離、静置分離、−過の如き適当な
分離手段を施してフIJ +カーボンを分離する。これ
により得られたフリーカーボンを含有しないタールを蒸
留によりタール軽油およびタール中前を除去して軟ピツ
チまたは中ピツチにする。
このようにして得た原料軟ピツチまたは中ピツチを水素
化溶剤を添加して水素化処理する。この場合、この水素
化処理方法には本発明者らが先に開発した方法がある(
特願昭59−44817号・)。
化溶剤を添加して水素化処理する。この場合、この水素
化処理方法には本発明者らが先に開発した方法がある(
特願昭59−44817号・)。
すなわち、この従来法では上記水素化溶剤をタールピッ
チに対してl−5倍量と多量の割合で加えて高温(40
0〜470℃)および高圧水素雰囲気下(100〜s
s o kg/cm” )で処理し、多環芳香族化合物
で構成されているタールピッチを部分的に分解して水素
付加を行い適度の低分子化反応および解重合反応を行う
ようにする方法があるが、本発明者らは更に研究を重ね
た結果、この従来法よりも少量の水素化溶剤を用いて優
れた高性能炭素繊維用プリカーサ−ピッチを製造できる
ことを見出した。
チに対してl−5倍量と多量の割合で加えて高温(40
0〜470℃)および高圧水素雰囲気下(100〜s
s o kg/cm” )で処理し、多環芳香族化合物
で構成されているタールピッチを部分的に分解して水素
付加を行い適度の低分子化反応および解重合反応を行う
ようにする方法があるが、本発明者らは更に研究を重ね
た結果、この従来法よりも少量の水素化溶剤を用いて優
れた高性能炭素繊維用プリカーサ−ピッチを製造できる
ことを見出した。
本発明の方法におけるフリーカーボンを含まない原料軟
ピツチまたは中ピツチに水素化溶剤を添加して加熱処理
する水素化処理では、軟ピツチまたは中ピツチをこれに
対して5〜50重量%の割合で、換言すればかかるピッ
チとかかる溶剤との混合を100:5〜10(M2Oの
割合で水素化溶剤を添加し、350〜450℃の温度お
よび水素化溶剤を液体状態に保つのに必要な程度の圧力
、すなわち、1G−4079/C1l で行う。この熱
処理では軟ピツチまたは中ピツチの低分子化反応および
解重合反応を行わせずに水素化溶剤分子をピッチの分子
に組み入れるように反応させるもので、使用する水素化
溶剤は単なる溶剤ではなく、反応基質としての役目をす
る。この点、本発明における水素化溶剤による熱処理は
上述する従来法と相違している。
ピツチまたは中ピツチに水素化溶剤を添加して加熱処理
する水素化処理では、軟ピツチまたは中ピツチをこれに
対して5〜50重量%の割合で、換言すればかかるピッ
チとかかる溶剤との混合を100:5〜10(M2Oの
割合で水素化溶剤を添加し、350〜450℃の温度お
よび水素化溶剤を液体状態に保つのに必要な程度の圧力
、すなわち、1G−4079/C1l で行う。この熱
処理では軟ピツチまたは中ピツチの低分子化反応および
解重合反応を行わせずに水素化溶剤分子をピッチの分子
に組み入れるように反応させるもので、使用する水素化
溶剤は単なる溶剤ではなく、反応基質としての役目をす
る。この点、本発明における水素化溶剤による熱処理は
上述する従来法と相違している。
本発明において上記熱処理に用いる水素化溶剤−オクタ
ー、ドデカ−およびテトラゾカーヒドロアンスラセン;
ジー、テトテー、ヘキサ−、オクタ−、ドデカ−および
テトラゾカーヒドロフェナントレンの如き2環または8
環の芳香族系炭化水素の水素化物;これら水素化物の炭
素数1〜8個のアルキル置換体;石炭直接液化に対し最
も効果的な水素化溶剤として知られている1、2,8゜
4−テトラヒドロキノリン(THQ):および石炭系溶
剤を水添処理して得た水素化アントラセン油などを包含
する。本発明の方法にお−で上述する種々の水素化溶剤
を用−ることができるが、上述するように反応基質とし
ての利用の観点から見て、特に酸素、窒素、硫黄の如き
ヘテロ原子を含有しなり水素化溶剤が好まし−0なぜな
らば、ヘテロ原子を含有する水素化溶剤を用いると熱処
理により得られるピッチは当然にヘテロ原子含有量が多
くなり、このピッチは引き続く熱処理による。
ー、ドデカ−およびテトラゾカーヒドロアンスラセン;
ジー、テトテー、ヘキサ−、オクタ−、ドデカ−および
テトラゾカーヒドロフェナントレンの如き2環または8
環の芳香族系炭化水素の水素化物;これら水素化物の炭
素数1〜8個のアルキル置換体;石炭直接液化に対し最
も効果的な水素化溶剤として知られている1、2,8゜
4−テトラヒドロキノリン(THQ):および石炭系溶
剤を水添処理して得た水素化アントラセン油などを包含
する。本発明の方法にお−で上述する種々の水素化溶剤
を用−ることができるが、上述するように反応基質とし
ての利用の観点から見て、特に酸素、窒素、硫黄の如き
ヘテロ原子を含有しなり水素化溶剤が好まし−0なぜな
らば、ヘテロ原子を含有する水素化溶剤を用いると熱処
理により得られるピッチは当然にヘテロ原子含有量が多
くなり、このピッチは引き続く熱処理による。
メソフェーズ化の段階でヘテロ原子のために三次元的な
架橋分子が生じやすくなり、得られるメソ7エーズピツ
チの粘度が著しく高くなり、溶融紡糸が極めて困難にな
るためである。このような事を考慮して本発明において
使用する水素化溶剤としては、特にテトラリン、デカリ
ン、アセナフテンの如き2環または8環の芳香族系炭化
水素の水素化物が望ましく、またこれらの水素化溶剤は
炭素と水素とから構成されて―るために工業的規模で入
手しやすくする1溶剤である。
架橋分子が生じやすくなり、得られるメソ7エーズピツ
チの粘度が著しく高くなり、溶融紡糸が極めて困難にな
るためである。このような事を考慮して本発明において
使用する水素化溶剤としては、特にテトラリン、デカリ
ン、アセナフテンの如き2環または8環の芳香族系炭化
水素の水素化物が望ましく、またこれらの水素化溶剤は
炭素と水素とから構成されて―るために工業的規模で入
手しやすくする1溶剤である。
上述する水素化溶剤による熱処理におけるピッチと水素
化溶剤との反応によって、タールピッチを構成する多環
芳香族化合物に水素化溶剤分子が付加された化合物を生
成する0次いで、この水素化溶剤分子付加化合物を不活
性ガス雰囲気中で0.1−10)ルの減圧下で450〜
500℃の温度で熱処理することによってメソフェーズ
化の進んだプリカーサ−ピッチにす′ることかできる。
化溶剤との反応によって、タールピッチを構成する多環
芳香族化合物に水素化溶剤分子が付加された化合物を生
成する0次いで、この水素化溶剤分子付加化合物を不活
性ガス雰囲気中で0.1−10)ルの減圧下で450〜
500℃の温度で熱処理することによってメソフェーズ
化の進んだプリカーサ−ピッチにす′ることかできる。
このメソフェーズ化を0.1〜10トルの減EE下で行
う理由はプリカーサ−ピッチとしての紡糸性、不融化性
、および炭化−黒鉛化特性を悪くするようなピッチ中の
低分子成分や昇華成分を十分に除去するためである。
う理由はプリカーサ−ピッチとしての紡糸性、不融化性
、および炭化−黒鉛化特性を悪くするようなピッチ中の
低分子成分や昇華成分を十分に除去するためである。
上記多環芳香族化合物に水素化溶剤が付加された化合物
はメソフェーズ化においてメソフェーズの生成、合体が
ゆっくりと進行し、かなり大きい異方性組織ドメインが
生成しやすくなる。この事は低キノリン不溶分値(低Q
I値)でバルクメソ7エーズになることを意味しており
、プリカーサ−ピッチの粘度も低くなる。このように、
本発明の方法を実施することによってキノリン不溶分2
0〜60重量%を含む全面的に光学的異方性組織の単一
相からなるメソ7エーズピツチから構成された紡糸性に
優れた高性能炭素繊維用プリカーサ−ピッチを得ること
ができる。
はメソフェーズ化においてメソフェーズの生成、合体が
ゆっくりと進行し、かなり大きい異方性組織ドメインが
生成しやすくなる。この事は低キノリン不溶分値(低Q
I値)でバルクメソ7エーズになることを意味しており
、プリカーサ−ピッチの粘度も低くなる。このように、
本発明の方法を実施することによってキノリン不溶分2
0〜60重量%を含む全面的に光学的異方性組織の単一
相からなるメソ7エーズピツチから構成された紡糸性に
優れた高性能炭素繊維用プリカーサ−ピッチを得ること
ができる。
(発明の効果)
上述するように、本発明においては安価で、かつ大量に
入手できる石炭系のタールピッチから得たフリーカーボ
ンを含まない軟ピツチまたは中ピツチを、これに対して
少量割合の水素化溶剤と混合し、この水素化溶剤が液状
を保つに必要な圧力下で熱処理し、引き続いてメソフェ
ース化することによりキノリン不溶分20〜60重量%
を含む全面的に光学的異方性組織の単一相からなる紡糸
性に優れたプリカーサ−ピッチを得ることができるO (実施例1) キノリン不溶分(フリーカーボン)を8重量%含有する
コールタールを出発原料として用い、このコールタール
1重量部に石炭系中油1重量部を添加し、遠心分離して
7す〃カーボンを分離除去し、しかる後タール中の溶剤
を蒸留により除去してフリーカーボンを含まないピッチ
を得た。この得られたピッチを分析したところ、このピ
ッチは90.4℃の軟化点、1F4重量%のベンゼン不
溶分および微量のキノリン不溶分を有していた。
入手できる石炭系のタールピッチから得たフリーカーボ
ンを含まない軟ピツチまたは中ピツチを、これに対して
少量割合の水素化溶剤と混合し、この水素化溶剤が液状
を保つに必要な圧力下で熱処理し、引き続いてメソフェ
ース化することによりキノリン不溶分20〜60重量%
を含む全面的に光学的異方性組織の単一相からなる紡糸
性に優れたプリカーサ−ピッチを得ることができるO (実施例1) キノリン不溶分(フリーカーボン)を8重量%含有する
コールタールを出発原料として用い、このコールタール
1重量部に石炭系中油1重量部を添加し、遠心分離して
7す〃カーボンを分離除去し、しかる後タール中の溶剤
を蒸留により除去してフリーカーボンを含まないピッチ
を得た。この得られたピッチを分析したところ、このピ
ッチは90.4℃の軟化点、1F4重量%のベンゼン不
溶分および微量のキノリン不溶分を有していた。
この7リーカーボンを含まないピッチに水素化溶剤とし
て800重量%テトラリンを添加し、15j9/C1m
”の圧力で加圧しながら400℃で80分間熱処理した
。この場合、反応終了後の圧力は20j9/C−であっ
た。引き続き、この熱処理して得たピッチ李Msガス雰
囲気中に8トルの減圧下、、;480’Cで10分間に
わたり保持し、メン7エーズ化してメン7エーズピツチ
を得た。この得られたメソフェーズピッチはベンゼン不
溶分が96.4重量%およびキノリン不溶分が86.5
重量%で、かつ偏光顕微鏡下で観察して全面的に光学的
異方性組織e有しており、しかも粘度は645℃にお゛
いて1000メイズおよび870℃において10Gボイ
スであった。
て800重量%テトラリンを添加し、15j9/C1m
”の圧力で加圧しながら400℃で80分間熱処理した
。この場合、反応終了後の圧力は20j9/C−であっ
た。引き続き、この熱処理して得たピッチ李Msガス雰
囲気中に8トルの減圧下、、;480’Cで10分間に
わたり保持し、メン7エーズ化してメン7エーズピツチ
を得た。この得られたメソフェーズピッチはベンゼン不
溶分が96.4重量%およびキノリン不溶分が86.5
重量%で、かつ偏光顕微鏡下で観察して全面的に光学的
異方性組織e有しており、しかも粘度は645℃にお゛
いて1000メイズおよび870℃において10Gボイ
スであった。
このメソ7エーズピツチを865℃の温度で、N、ガス
の加圧下において溶融紡糸した結果、1時間以上にわた
って糸切れすることなく紡糸でき、しかも繊維径は11
〜12μmと非常に均一であった。この繊維を空気中3
10’Cで1時間にわたり不融化処理した後、ム1中1
000 ”Cで炭化処理した。得られた炭素繊維は繊維
径10〜11μm。
の加圧下において溶融紡糸した結果、1時間以上にわた
って糸切れすることなく紡糸でき、しかも繊維径は11
〜12μmと非常に均一であった。この繊維を空気中3
10’Cで1時間にわたり不融化処理した後、ム1中1
000 ”Cで炭化処理した。得られた炭素繊維は繊維
径10〜11μm。
引張強度205Iq/−および弾性率18.2 t/w
Pの特性を有していた。更に、この炭素繊維を2500
℃で黒鉛化処理して繊維径9〜10μm1引張強度80
G’9/1111”および弾性率40 t/1111”
を有する高性能炭素繊維を得た。
Pの特性を有していた。更に、この炭素繊維を2500
℃で黒鉛化処理して繊維径9〜10μm1引張強度80
G’9/1111”および弾性率40 t/1111”
を有する高性能炭素繊維を得た。
(比較例)
キノリン不溶分(フリーカーボン)を5重量%含有する
コールタールを出発原料として用い、このコールタール
1重量部に石炭系軽油(主成分:ベンゼン、トルエンお
よびキシレン) 1.4重量部を添加し、静置分離によ
りフリーカーボンを分離除去し、しかる後タール中の溶
剤を蒸留により除去してフリーカーボンを含まないピッ
チを得た。
コールタールを出発原料として用い、このコールタール
1重量部に石炭系軽油(主成分:ベンゼン、トルエンお
よびキシレン) 1.4重量部を添加し、静置分離によ
りフリーカーボンを分離除去し、しかる後タール中の溶
剤を蒸留により除去してフリーカーボンを含まないピッ
チを得た。
この得られたピッチを分析したところ、このピッチは8
015℃の軟化点、15.4重量%のベンゼン不溶分お
よび微量のキノリン不溶分を有していた。
015℃の軟化点、15.4重量%のベンゼン不溶分お
よび微量のキノリン不溶分を有していた。
このフリーカーボンを含まないピッチに、表1に示す成
分分析値を有する水素化アントラセン油を水素化溶剤と
して25重量%添加し、10kg/Cm ”の圧力で加
圧しながら420℃で80分間にわたり熱処理した。こ
の場合、反応終了後の圧力は15 JC9/ C−であ
った。引き続き、この熱処理して得たピッチをに、ガス
雰囲気中に8トルの減圧下、470℃で10分間にわた
り保持し、メソフェーズ化してメソ7エーピツチを得た
。この得うレタメン7エーズピッチはベンゼン不溶分が
96.8重量%およびキノリン不溶分が68.2重量%
で、かつ偏光顕微鏡下で観察して全面的に光学的異方性
組織を有しており、しかも粘度は855℃において10
00メイズおよび880℃において100ボイスであっ
た。
分分析値を有する水素化アントラセン油を水素化溶剤と
して25重量%添加し、10kg/Cm ”の圧力で加
圧しながら420℃で80分間にわたり熱処理した。こ
の場合、反応終了後の圧力は15 JC9/ C−であ
った。引き続き、この熱処理して得たピッチをに、ガス
雰囲気中に8トルの減圧下、470℃で10分間にわた
り保持し、メソフェーズ化してメソ7エーピツチを得た
。この得うレタメン7エーズピッチはベンゼン不溶分が
96.8重量%およびキノリン不溶分が68.2重量%
で、かつ偏光顕微鏡下で観察して全面的に光学的異方性
組織を有しており、しかも粘度は855℃において10
00メイズおよび880℃において100ボイスであっ
た。
このメソ7エーズビツチを880℃の温度でN2ガスの
加圧下において溶融紡糸した結果、5〜6分間の割合で
糸切れが起り、しかも繊維径は12〜19μmとばらつ
いていた。この繊維を空気中810℃で1時間にわたり
不融化処理し、しかる後人r中1000’Cで炭化処理
した。得られた炭素繊維径11〜18μm1引張強度1
50Jal/■3および弾性率10を乃−の特性を有し
ていた。更に、この炭素繊維を2500℃で黒鉛化処理
して繊維径10〜17μm、引張強度160に9/−お
よび弾性率25t/−を有する繊維を得た。この得られ
た繊維は実施例1にお≠て得た繊維と比較して特性が劣
っていることがわかる。
加圧下において溶融紡糸した結果、5〜6分間の割合で
糸切れが起り、しかも繊維径は12〜19μmとばらつ
いていた。この繊維を空気中810℃で1時間にわたり
不融化処理し、しかる後人r中1000’Cで炭化処理
した。得られた炭素繊維径11〜18μm1引張強度1
50Jal/■3および弾性率10を乃−の特性を有し
ていた。更に、この炭素繊維を2500℃で黒鉛化処理
して繊維径10〜17μm、引張強度160に9/−お
よび弾性率25t/−を有する繊維を得た。この得られ
た繊維は実施例1にお≠て得た繊維と比較して特性が劣
っていることがわかる。
表 1
i) ’H−NMR分析結果
α位: 2.0−4.2ppm (TMS基準)β位
:1.Ol2.0# γ位:0,5〜1.Ol 芳香族位= 6.2〜10 (実施例2) 比較例におけると同様にして得たフリーカーボンを含ま
ないピッチ(80,5℃の軟化点、15.4重量%のベ
ンゼン不溶分および微量の中ノリン不溶分)に20重量
%のテトラリンを添加し、10kg / clK” (
r)圧力で加圧しながら880’(、で6Q分間にわた
り熱処理した。この場合、反応終了後の圧力は15kg
7’C−であった。引き続き、この熱処理して得たピッ
チをN2ガス雰囲気中に7トルの減圧下490℃で、実
質的にこの温度で保持しな―条件下で熱処理し、メソフ
ェーズ化してメソ7エースピツチを得た。この得られた
メソ7エーズビツチはベンゼン不溶分94.8重量%お
よびキノリン不溶分82.8重量%を有しており、かつ
偏光顕微鏡下で観察して全面的に光学的異方性組織を有
し、しかも粘度は350 ”Cにおいて1000ポイズ
および375℃において100ボイスであったO このメソ7エーズビツチを870℃の温度で、ちガスの
加圧下において溶融紡糸した結果、l時間以上にわたっ
て糸切れすることなく紡糸でき、繊維径は12〜18μ
mと非常に均一であった。
:1.Ol2.0# γ位:0,5〜1.Ol 芳香族位= 6.2〜10 (実施例2) 比較例におけると同様にして得たフリーカーボンを含ま
ないピッチ(80,5℃の軟化点、15.4重量%のベ
ンゼン不溶分および微量の中ノリン不溶分)に20重量
%のテトラリンを添加し、10kg / clK” (
r)圧力で加圧しながら880’(、で6Q分間にわた
り熱処理した。この場合、反応終了後の圧力は15kg
7’C−であった。引き続き、この熱処理して得たピッ
チをN2ガス雰囲気中に7トルの減圧下490℃で、実
質的にこの温度で保持しな―条件下で熱処理し、メソフ
ェーズ化してメソ7エースピツチを得た。この得られた
メソ7エーズビツチはベンゼン不溶分94.8重量%お
よびキノリン不溶分82.8重量%を有しており、かつ
偏光顕微鏡下で観察して全面的に光学的異方性組織を有
し、しかも粘度は350 ”Cにおいて1000ポイズ
および375℃において100ボイスであったO このメソ7エーズビツチを870℃の温度で、ちガスの
加圧下において溶融紡糸した結果、l時間以上にわたっ
て糸切れすることなく紡糸でき、繊維径は12〜18μ
mと非常に均一であった。
この繊維を空気中810℃で1時間にわたり不融化処理
し、しかる後人r中1000℃で炭化処理した。得られ
た炭素繊維は繊維径11〜12μm。
し、しかる後人r中1000℃で炭化処理した。得られ
た炭素繊維は繊維径11〜12μm。
引張強度210J9/−および弾性率14 、2t/m
”の特性を有していた。更に、この炭素繊維を2500
℃で黒鉛化処理して繊維径10〜11μm、引張強度a
xokg/w”および弾性率42を乃−を有する高性能
炭素繊維を得た。
”の特性を有していた。更に、この炭素繊維を2500
℃で黒鉛化処理して繊維径10〜11μm、引張強度a
xokg/w”および弾性率42を乃−を有する高性能
炭素繊維を得た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1、石炭系のタールを分離処理し、タール中に存在する
フリーカーボンを分離してフリーカーボンを含有しない
石炭系軟ピッチまたは中ピッチを得、このピッチに水素
化溶剤を添加し、10〜40kg/cm^2の加圧下3
50〜450℃の濃度で熱処理し、しかる後不活性ガス
雰囲気中で0.1〜10トルの減圧下450〜500℃
の温度で熱処理してメソフェーズを生成させ、キノリン
不溶分20〜60重量%を含む全面的に光学的異方性組
織の単一相からなるプリカーサーピツチを生成すること
を特徴とする炭素繊維用プリカーサーピツチの製造方法
。 2、フリーカーボンを含有しない石炭系軟ピッチまたは
中ピッチを水素化溶剤と100:5〜100:5の割合
で混合する特許請求の範囲第1項記載の方法。 3、水素化溶剤がテトラリン、デカリンの如き2環また
は3環の芳香族系炭化水素の水素化物である特許請求の
範囲第1項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2940985A JPS61190586A (ja) | 1985-02-19 | 1985-02-19 | 炭素繊維用プリカ−サ−ピツチの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2940985A JPS61190586A (ja) | 1985-02-19 | 1985-02-19 | 炭素繊維用プリカ−サ−ピツチの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61190586A true JPS61190586A (ja) | 1986-08-25 |
Family
ID=12275330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2940985A Pending JPS61190586A (ja) | 1985-02-19 | 1985-02-19 | 炭素繊維用プリカ−サ−ピツチの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61190586A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20230005502A (ko) * | 2021-07-01 | 2023-01-10 | 한국화학연구원 | 헤테로상 바인더 피치 제조방법 및 이로부터 제조된 헤테로상 바인더 피치 |
-
1985
- 1985-02-19 JP JP2940985A patent/JPS61190586A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20230005502A (ko) * | 2021-07-01 | 2023-01-10 | 한국화학연구원 | 헤테로상 바인더 피치 제조방법 및 이로부터 제조된 헤테로상 바인더 피치 |
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