JPS6118978Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、控尻が控部より外周に突出してい
る自立ブロツクを成型するために使用するパレツ
トを支承することができるようにするとともに、
このパレツトの支承と型枠の展開組立を同時に行
うことができるようにした自立ブロツク用型枠に
関するものである。

自立ブロツクとは、第４図に示すように正面ａ
と控尻ｂを結ぶ控部ｃが、正面ａや控尻ｂよりも
細くくびれて形成されているブロツクであり、施
工時には、栗石を用いることなく積むことがで
き、かつ積んだ状態において転倒せずに自立して
いるブロツクをいう。したがつて施工作業がきわ
めて簡便であることから、従来の台形状のブロツ
クに代つてかなり用いられるようになつている。
しかしこの自立ブロツクは、前記のように控部ｃ
がくびれた形状をしているために、型枠にて成型
した後の脱型がむづかしく、今日この種の自立ブ
ロツクの型枠の分野においては、脱型をいかに簡
便に行うか、という点に着目しつつ技術開発が行
われているのが現状であるものの、未だ満足すべ
きものが開発されていない。そこで、本考案者は
さきに、一面をなだらかな湾曲面に形成し、他の
三面を内側にくびれた形状に形成した上下に貫通
する四面筒体をＬ字型アングルに固定した方形状
の枠体に配設した型枠において、前記湾曲面に形
成した一面を前記枠体に固定して固定型とし、他
の三面は枠体に回動自在に配設して可動型にする
とともに、前記固定型の外面上方にコ字軸に曲折
した回動自在な係合バーを配設し、この係合バー
により固定型の両側に位置する可動型の両側に位
置する可動型に係脱自在となし、固定型の対面に
位置する可動型に面するように前記Ｌ字型アング
ルにコ字状に曲折した回動自在な係合バーを配設
し、この係合バーにより固定型の両側に位置する
可動型に係脱自在となるようにして、前記２箇の
係合バーによつて可動型を起立させて四角筒体状
に組立て、この状態でこの内部にコンクリートを
投入し、また前記係合バーによつて可動型の起立
を解除して三方に開き脱型するようにした自立ブ
ロツク用型枠を開発したのであつた。しかし上記
のような型枠は、通常流込み型と称するものであ
つて、これによつてブロツクを成型するために
は、ブロツクの表面となる部分をパレツトと称す
る鉄製の面板により成型するのである。このパレ
ツトは、前記型枠とは別個の成型部材であり、し
たがつてこのパレツトを成型時に型枠に対して連
結しなければならず、かつ脱型時には、これを解
除分離させなければならないのである。しかもそ
れのみか、前記のような型枠は、成型及び脱型の
ときは、型枠を組立又は展開せしめなければなら
ず、この作業と前記のようなパレツト支承作業と
を同時的、一回的な作業でなすことがきわめて現
想的なことである。

そこでこの考案は一面をなだらかな湾曲面に形
成し、他の三面を内側にくびれた形状に形成した
上下の貫通する四面筒体をＬ字型アングルに配設
した方形状の枠体に配設した型枠において、前記
湾曲面に形成した一面を前記枠体に固定して固定
型とし、他の三面のうち前記固定型と対向する位
置にあるものは上方で回動自在に、また他の二面
は下方で回動自在にそれぞれ配設して可動型にす
るとともに、固定型に対向する位置にある可動型
の裏面に端部を摺動自在に、また前記Ｌ字型アン
グルに略中間部を回動自在に連結したハンドル、
及び可動型の下端に枠体の下方に曲折する第１パ
レツト支持爪をそれぞれ配設し、また固定型の前
面内側方向に伸びた斜めのカム片を前記固定型の
両側にある可動型に上端を固着するとともに、固
定型の一部に回転軸を有するＵ字状のハンドルを
回動自在に連結し、このハンドルの回転軸に前記
カム片の内側に当接する突起を設け、またこのハ
ンドルの両側上端をカム片の外側に当接するよう
になし、さらにハンドルの上記回転軸に連杆を固
着し、この連杆に対し回動自在でかつ枠体の下方
に曲折する第２パレツト支持爪を配設して、双方
のハンドルを回動せしめることにより各可動型を
展開又は組立することができるとともに、その展
開、組立と同時にパレツトの支持又は解除させる
ことができるようにした自立ブロツク用型枠を堤
供することが目的として開発したものである。

次にこの考案にかかる自立ブロツク用型枠の一
実施例を図面にもとづいて述べると、１はなだら
かな湾曲面に形成した固定型であり、２，３，４
は内側にくびれた形状に形成した可動型である。
これら固定型１及び可動型２，３，４は、これら
４箇により四角筒状体に形成されている。すなわ
ち５は方形状の枠体であり、前記固定型１はこの
枠体５の一辺に固定されており、可動型２，４
は、それぞれ前記枠体５の他の二辺にヒンジ６，
７により回動自在に連結されているとともに、可
動型３は上方をヒンジ８により回動自在に連結さ
れている。９は前記枠体５に下端を固着し上方に
向けてＬ字状に曲折して、その上端を固定型１に
固着したＬ字型アングルである。１０は、固定型
１と対向する位置にある可動型３に対して端部を
摺動自在に連結したハンドルであり、このハンド
ル１０の略中間部は、前記Ｌ字型アングル９に対
して回動自在に連結してある。１１は、可動型３
の下端に配設した第１パレツト支持爪であり、こ
の第１パレツト支持爪１１は、枠体５の下方に曲
折するように形成されている。１２は、固定型１
の上面一部に回動自在に配設したハンドルであ
り、１３は、このハンドル１２の回転軸である。
１４は、固定型１の両側にある可動型２，４に上
端を固着したカム片であり、このカム片１４は、
この固定型１の前面内側方向に斜めに伸びた状態
に配設されている。１５は、ハンドル１２の回転
軸１３の一部に突設した突起であり、この突起１
５は、前記カム片１４の内側に当接する位置にあ
る。また１６は、ハンドル１２の両側部材であ
り、この両側部材は、前記カム片１２の外側に当
接するようになつている。１７は、ハンドル１２
の回転軸１３に固着した連杆であり、１８は、連
杆１７に対して回動自在に配設した第２パレツト
支持爪であり、この第２パレツト支持爪１８は、
枠体５の下方に曲折するように型成されている。
１９は、前記固定型１において、第２パレツト支
持爪１８を囲繞するように配設したＵ字杆であ
り、２０はパレツトである。

しかして、各可動型２，３，４を起立させるの
であるが、この場合、可動型３を起立させるとき
は、ハンドル１０を下方に回動せしめれば、この
ハンドル１０によつて可動型３は内側方向へ押さ
れ起立することになる。また、可動型２，４を起
立させるためには、ハンドル１２を同様に下方に
回動せしめると、このハンドル１２の両側部材１
６が、カム片１４の外側を摺接しながら上昇し、
しかもこの両側部材１６は横方向へ移動するもの
ではないので、つまりは可動型２，４を内側方向
へ移動させつつ起立せしめることになる。なお、
この場合、パレツト２０をあらかじめ枠体５の下
方内部に配置しておくものとし、したがつて前記
可動型３を起立せしめると、この可動型３の下端
に固着されている第１パレツト支持爪１１はパレ
ツト２０の下面に挿入することになる。また、固
定型１側のハンドル１２を前記のように下方に回
動せしめると、連杆１７は上昇し、これに連結さ
れている第２パレツト支持爪１８は上方へ引き上
げられるようになるが、この第２パレツト支持爪
１８は、Ｕ字杆１９により規制されることになる
のでパレツト２０の下面に挿入することになるの
である。このようにして、上方から型内にコンク
リートを投入する。すると、可動型３は、本来回
動自在にヒンジ８により枢着されているものでは
あるが、コンクリートの投入によりパレツト２０
に荷重がかかり、その結果パレツト２０と第１パ
レツト支持爪１１とが係合せしめられ、もつてこ
の可動型３は不慮に回動しなくなるのである。

このようにしてコンクリートを投入し成型した
後、これを脱型せしめる場合には、まづハンドル
１０を上方へ回動せしめる。すると、このハンド
ル１０は、Ｌ字型アングル９との連結点を中心に
して図面上半時計方向へ回動し、これによつて可
動型３は外方へ開かれることになる。次に他のハ
ンドル１２も同様に上方へ回動させる。すると、
このハンドル１２の回転軸１３に突設している突
起１５がカム片１４の内側をこするように下方に
摺動して、固定型１の両側に存在する可動型２，
４を左右に展開するのである。またこれと同時
に、連杆１７は下方向へ回動して、第２パレツト
支持爪１８は枠体５の外方へ出ることになるので
ある。これによつて第１、第２パレツト支持爪１
１，１８は、いずれもパレツト２０から分離し、
型枠全体を上方へ引き上げれば、脱型することが
できる。

前記のようにこの考案にかかる自立ブロツク用
型枠によれば、控部がくびれた形状の自立ブロツ
クを成型する際の脱型が、無理なく可能となると
ともに、パレツトの係合、離脱を容易に行うこと
ができ、かつ可動型の展開、組立を同時に行うこ
とができるという効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案にかかる自立ブロツク用型枠
であり、第１図イは正面図、同ロは側面図、同ハ
は背面図、同ニは平面図、第２図イは第１図イの
Ａ−Ａ線断面図、同ロは展開している状態の拡大
断面図、第３図イは第２図イのＢ−Ｂ線断面図、
同ロは第２図ロのＣ−Ｃ線断面図、第４図は自立
ブロツクの斜視図、である。 １……固定型、２，３，４……可動型、５……
枠体、６，７，８……ヒンジ、９……Ｌ字型アン
グル、１０，１２……ハンドル、１１……第１パ
レツト支持爪、１３……回転軸、１４……カム
片、１５……突起、１６……ハンドルの両側部
材、１７……連杆、１８……第２パレツト支持
爪、１９……Ｕ字杆、２０……パレツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一面をなだらかな湾曲面に形成し、他の三面を
   内側にくびれた形状に形成した上下に貫通する四
   面筒体をＬ字型アングルに配設した方形状の枠体
   に配設した型枠において、前記湾曲面に形成した
   一面を前記枠体に固定して固定型とし、他の三面
   のうち前記固定型と対向する位置にあるものは上
   方で回動自在に、また他の二面は下方で回動自在
   にそれぞれ配設して可動型にするとともに、固定
   型に対向する位置にある可動型の裏面に端部を摺
   動自在に、また前記Ｌ字型アングルに略中間部を
   回動自在に連結したハンドル、及び可動型の下端
   に枠体の下方に曲折する第１パレツト支持爪をそ
   れぞれ配設し、また固定型の前面内側方向に伸び
   た斜めのカム片を前記固定型の両側にある可動型
   に上端を固着するとともに、固定型の一部に回転
   軸を有するＵ字状のハンドルを回動自在に連結
   し、このハンドルの回転軸に前記カム片の内側に
   当接する突起を設け、またこのハンドルの両側上
   端をカム片の外側に当接するようになし、さらに
   ハンドルの上記回転軸に連杆を固着し、この連杆
   に対し回動自在でかつ枠体の下方に曲折する第２
   パレツト支持爪を配設したことを特徴とする自立
   ブロツク用型枠。