JPS6118668Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 立毛穀稈を刈取つて脱穀する場合、圃場の一部
に倒伏穀稈があつたり、場所により穀稈量が急激
に多くなつたりすると、脱穀機に急激に大きな負
荷がかゝる。

そして、一般に脱穀機は扱胴揺動選別体、唐箕
及び二番スワロー等は同一の動力源により駆動さ
れているので負荷が大きくなると各部の作動速度
が低下し、その結果脱穀性能は勿論のこと、選別
性能及び二番スワローの投擲性能が低下する。

特に倒伏穀稈を脱穀した時のように脱穀物が濡
れていると二番スワローが詰つて作動不能とな
る。

本考案は脱穀機に過負荷がかゝつた時、二番物
の二番受樋への流入を一時抑制して二番スワロー
の詰りを防止し、正常な穀稈が供給されるように
なつたり、又は機体の走行速度を低下させて前記
過負荷が解消し、各部が正常な作動をするように
なると前述の流入を抑制された二番物を二番受樋
に送り込むようにして過負荷による二番スワロー
の詰り及び各部の性能が低下するのを防止せんと
するものであつて、脱穀物を移送選別する揺動選
別体を一番選別部と二番選別部とで構成した脱穀
機において、前記揺動選別体の二番選別部の下方
に、該二番選別部からの漏下物を二番受樋に向け
て移送する移送突条付の二番移送板を設け、該二
番移送板の揺動ストロークがその移送突条のピツ
チより小でかつ移送突条の高さよりも大きくなる
ように前記揺動選別体に連動連繋して前記揺動選
別体の揺動周期が適正な状態より大となると二番
移送板の移送能力が急速に低下するように構成し
たことを特徴とするものである。

以下図面に示す実施例について説明すると、１
は扱胴２を軸架して内装した扱室であつて、その
排稈側にある後壁３は下部が後方へ偏位するよう
に傾斜させてあり、扱口と反対側から下部にわた
つて受網４が張設してある。

５は排塵室６の上部一側に設けた吸引風車であ
つて、それと供給口側の下部に設けた送風風車
５′とにより選別風路を形成しており、該選別風
路には受網４、送塵口７、及び四番漏斗８の下方
に臨む移送板９と、一番受樋１０上に臨む一番選
別網１１と、二番受樋１３上に臨むと共に前記吸
引風車５の吸入口に向けて上昇傾斜したラツク
（二番選別部）１２とからなる揺動選別体１４が
前後揺動するように架設してある。

また、前記吸引風車５の吸入口の前後には機巾
全体にわたる前面板１５と後面板１６とが設けて
あり、後面板１６と後壁１７との間は刺り粒を回
収する通路１８に形成されている。

そして、前記二番受樋１３の後部に多数の前向
の突条１９ａ…を有する二番移送板１９が揺動ア
ーム２０，２０により前後揺動するように支架さ
れており、該二番移送板１９の前端は二番受樋１
３の後部に、また後端は後壁１７にそれぞれゴム
又は合成樹脂等よりなる可撓板２１，２１により
連結してある。

また、二番受樋１３の一端に設けた二番スワロ
ー２２の吐出口は前記移送板９に通ずる二番還元
通路２３に向けて開口している。

更に二番スワロー２２の放擲羽根の軸と同一で
ある二番移送螺旋軸２４及び揺動選別体１４を前
後揺動させる一番移送螺旋軸２５は扱胴軸２ａと
連動する中間軸２６によりＶベルトを介してそれ
ぞれ駆動され、二番移送螺旋軸２４は減速プーリ
ー２７ａ，２７ｂ及びＶベルトを介して二番移送
軸２７を回転駆動し、前記二番スワロー２２の軸
である二番移送螺旋軸２４は定常で毎分1480回程
度の回転数であるが、二番移送軸２７は定常毎分
400回転に減速され、該二番移送軸に固定した偏
心輪２８はそれに遊嵌したアーム２９を介して前
記揺動アーム２０を前後に毎分400回揺動させ
る。

更にまた、前記二番移送板１９の突条１９ａは
例えば前後巾１を10mm、高さｈを12mm、ピツチＬ
を30mmに形成してあり、その振幅は25mmに設定し
てある。

つまり、二番移送板１９の振幅は突条１９ａの
高さｈより大であるがピツチＬよりは小さくなつ
ている。

前述の装置において、脱穀機に対する負荷が正
常であれば各部は定常の速度で作動し、一番穀粒
は一番選別網から一番受樋中に漏下して機外に搬
出され、比較的大きな藁屑は一番選別網１１上の
ラツクからその後方のラツク１２に移行して吸引
風車５により軽い藁屑とゝもに機外に排出され、
上記ラツク１２…の間から落下した二番物は二番
移送板１９により、全面に分散しながらゆつくり
移送されて二番受樋１３に落入し、それが二番ス
ワロー２２により還元される。

而して、刈取脱穀作業中に機体が正常な姿勢に
起立している穀稈が立毛している部位から倒伏穀
稈中に侵入した時又は圃場中に穀稈の成育にむら
があつて急激に多量の穀稈が脱穀機に送り込まれ
た時等に過負荷がかゝつて各種の回転軸の回転数
が低下すると、二番移送板１９はその突条１９ａ
が前述のような形状となつていて振巾も制限され
ているので他の作動部の性能が低下したとはいえ
運転不能とならない状態でも二番移送板１９の移
送機能は急速に低下し、更にゆつくり移送される
か又は移送不能となつて二番物は二番移送板１９
上に一時貯留される。

このようにして二番物の二番受樋１３への落入
量が減少するか又は一時停止されて二番スワロー
２２の負荷が小さくなるか、又は穀稈の状態が良
くなるか若しくは運転者が走行速度を減速して負
荷が正常な状態となり、脱穀機の各部の回転数が
上がると、二番移送板１９の移送力が回復して二
番物を移送する。

なお前記二番移送板１９を図示のように略水平
にすると二番物の受入空間を大きくすることがで
きるとゝもに二番物の塊が移送中に良く分散す
る。

また、前述の実施例では二番移送板１９の揺動
ストロークをピツチよりも小さくしたが、揺動周
期を大きくすれば上記揺動ストロークをピツチと
略等しいか又はそれよりも稍々大きくしても前記
実施例と同様な結果が得られる。

本考案は前述のように構成したので、扱胴揺動
選別板又は二番スワロー等に過負荷がかゝつて各
回転軸の回転数が低下すると二番移送板の移送力
が各部の性能よりも急速に低下し、二番受樋への
二番物の送り込み量を急速に抑制するか乃至は一
時停止させるので回転数の低下にともなつて二番
スワローが詰ることがなく、これが原因で扱胴や
揺動選別体の作動速度が更に低下し脱穀不能とな
つたり選別不良となることを防止することができ
る。

また、過負荷が解消されて各部が正常な状態に
複帰すると二番選別板も本来の移送機能を発揮し
正常な脱穀選別を続けることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は一部を破断した平面図、第２図は同上側
面図、第３図は要部の伝動系統を示す側面図、第
４図は二番移送板の突起の作用図である。 ２……扱胴、５……吸引風車、１４……揺動移
送板、１１……一番選別網、１２……ラツク、１
３……二番受樋、１９……二番移送板、２２……
二番スワロー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀物を移送選別する揺動選別体を一番選別部
   と二番選別部とで構成した脱穀機において、前記
   揺動選別体の二番選別部の下方に、該二番選別部
   からの漏下物を二番受樋に向けて移送する移送突
   条付の二番移送板を設け、該二番移送板の揺動ス
   トロークがその移送突条のピツチより小でかつ移
   送突条の高さよりも大きくなるように前記揺動選
   別体に連動連繋して前記揺動選別体の揺動周期が
   適正な状態より大となると二番移送板の移送能力
   が急速に低下するように構成したことを特徴とす
   る脱穀機における排塵選別装置。