JPS6116981Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は完全密封が可能でかつ開封が容易な容
器に関するものである。

〈従来の技術〉 従来この種の容器は、第１図に示す如く、内面
に樹脂層を積層したカツプ１の開口部壁面を先ず
外側に巻き込んだ後、この巻込部分を外方へ水平
に折り曲げ、その後プレスしてフランジ２を構成
していたので、下面に樹脂層を有する蓋（図示せ
ず）が貼着されるフランジ２の上表面は、常にカ
ツプ１の内面の延長によつて構成されるものであ
つた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながら前記構成のような容器では、フラ
ンジ２の上表面はカツプ１の内面を同じポリエチ
レンの樹脂が積層されているので、下面にポリエ
チレン等の樹脂層が積層された蓋をこれに被蓋す
る場合には、相互に溶着が出来るので極めて密封
には便利であるが、一旦蓋を溶着すると今度は開
封が困難になり、無理に蓋をフランジから引き剥
がすと、この部分にカツプを構成する紙の繊維が
露出したり、或いはカツプ内面のプラスチツク層
を傷付けてしまう等の問題点があつた。

本考案に係る紙容器は上記の問題点に鑑み開発
されたものである。

〈問題点を解決するための手段〉 前記問題点を解決するための本考案の手段を実
施例に対応する第２図乃至第４図を用いて説明す
ると、本考案は、下面に樹脂層を有する蓋を、内
外面にプラスチツク層を有するカツプ３の開口部
に取り付けてなる容器に於いて、前記カツプ３の
開口部壁面を内側に巻き込み、この巻込部分を外
方へ水平に折り曲げると共にプレスすることによ
つてフランジ２を構成し、このフランジ２の上に
前記蓋を取り付けたことを特徴としてなるもので
ある。

〈作用〉 上記手段によれば、外面プラスチツク層がフラ
ンジ内周部に於いて、一旦切り離れた箇所を有す
る如く構成されるので、蓋とフランジ２の貼着が
強固な為に万が一カツプ３の外面プラスチツク層
がカツプ内部まで引き裂かれるようになつたとし
ても、前記一旦切り離れた箇所に於いて蓋の樹脂
層を剥離することが出来る。

〈実施例〉 図面により本考案に係る紙容器の一実施例を具
体的に説明すると、第２図及び第３図に於いて、
カツプ３の壁面上端部を内側に巻き込んだ後、こ
の巻き込んだ部分を今度は外方へ水平に折り曲げ
ると共にこれをプレスすることによつて三重に巻
き込んだ状態のフランジ４を形成してフランジ４
の上端表面がカツプ３の外周面になるように構成
し、このフランジ４の上に下面に樹脂層を有する
蓋を貼着或いはヒートシール等の手段によつて取
り付ける。

前記実施例に於いてはフランジ４を三重に巻き
込んで構成したが、第４図に示す如くフランジ５
を単に二重に折り曲げて構成することも可能であ
る。

上記の如く本考案に係る容器は従来の容器と反
対に、フランジ４の上表面がカツプ３の外面プラ
スチツクになる如く構成される為に、外面プラス
チツク層がフランジ内周部に於いて外面プラスチ
ツク層と内面プラスチツク層の接点である一旦切
り離れた箇所を有する如く構成され、またフラン
ジ５の上表面もカツプ３の外面プラスチツクにな
る如く構成される為に、外面プラスチツク層がフ
ランジ内周部に於いて、一旦切り離れた箇所を有
する如く構成されるので、蓋とフランジの貼着が
強固な為に万が一カツプ３の外面プラスチツク層
がカツプ３内部まで引き裂かれるようになつたと
しても、前記一旦切り離れた箇所に於いて蓋の樹
脂層を剥離することが出来、またカツプ内面のプ
ラスチツク層を傷付けることなく蓋を剥離するこ
とが出来る。

また上述した実施例は第５図及び第６図に示す
如くカツプ３のブランク板Ａの外表面に印刷６を
施す際に、上述のフランジ４，５の上表面を形成
する部分に印刷インキの中にシリコン或いは塩
ビ・酢ビのコポリマー等を混入したインキを使用
して抗接着剤層７を形成し、この印刷６及び抗接
着剤層７の表面にポリエチレン８を塗着して構成
した場合には、カツプ３から蓋を剥離する際に抗
接着剤層７とポリエチレン８とが簡単に剥離しか
つポリエチレン８は切断されるので、蓋を極めて
容易に剥離することが出来る。

更に第７図に示す如く、ブランク板Ａの外表面
にポリエチレン９、アンカーコート１０、アルミ
層１１、ポリエチレン１２を積層して構成した場
合にも、カツプ３から蓋を剥離する際にアルミ層
１１とポリエチレン１２とが簡単に剥離しかつポ
リエチレン１２は切断されるので、蓋を極めて容
易に剥離することが出来る。

尚、第６図及び第７図中、１３は夫々内面ポリ
エチレンである。

〈考案の効果〉 本考案に係る容器は上述の如く、カツプ開口部
壁面を内側に巻き込んだ後、この巻込部分を外方
へ水平に折り曲げると共にプレスしてフランジを
構成し、このフランジの上に下面に樹脂層を有す
る蓋を取り付けたので、従来の如くカツプのフラ
ンジは内面プラスチツク層を延長したものではな
く、外面プラスチツク層がフランジ内周部に於い
て、一旦切り離れた箇所を有する如く構成される
ので、蓋とフランジの貼着が強固な為に万が一カ
ツプ外面プラスチツク層がカツプ内部まで引き裂
かれるようになつたとしても、前記一旦切り離れ
た箇所に於いて蓋の樹脂層を剥離することが出
来、従つてカツプに一旦蓋を溶着しても開封が容
易であり、無理に蓋をフランジから引き剥がして
も、この部分にカツプを構成する紙の繊維を露出
したり、或いはカツプ内面のプラスチツク層を傷
付けてしまうことを防止することが出来る等の効
果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の容器の説明図、第２図乃至第４
図は本願容器の実施例の説明図、第５図乃至第７
図は他の実施例の説明図である。 Ａはブランク板、１，３はカツプ、２，４，５
はフランジ、７は抗接着剤層、８，９，１２，１
３はポリエチレンである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 下面に樹脂層を有する蓋を、内外面にプラス
   チツク層を有するカツプの開口部に取り付けて
   なる容器に於いて、前記カツプ開口部壁面を内
   側に巻き込み、この巻込部分を外方へ水平に折
   り曲げると共にプレスすることによつてフラン
   ジを構成し、このフランジの上に前記蓋を取り
   付けたことを特徴とした容器。 (2) カツプを構成するブランク板の外表面所定位
   置に抗接着剤層を塗着し且つその上にプラスチ
   ツク層を積層したことを特徴とした実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の容器。 (3) カツプを構成するブランク板の外表面にアル
   ミニウム層とプラスチツク層とを順に積層した
   ことを特徴とした実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の容器。