JPS61163971A - 高耐久性ガス輸送用内面塗装鋼管 - Google Patents

高耐久性ガス輸送用内面塗装鋼管

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JPS61163971A
JPS61163971A JP460685A JP460685A JPS61163971A JP S61163971 A JPS61163971 A JP S61163971A JP 460685 A JP460685 A JP 460685A JP 460685 A JP460685 A JP 460685A JP S61163971 A JPS61163971 A JP S61163971A
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和幸 鈴木
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高松 輝雄
Yoshio Shindo
新藤 芳雄
Fuyuhiko Otsuki
大槻 冨有彦
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は硫化水素を含む天然ガスもしくはその他のガス
の輸送を目的とし九ノやイブラインもしくはその他の配
管に使用される内面塗装鋼管に関するものである。
(従来の技術) 従来、がス輸送を目的とする鋼管の内面防食塗装として
タールエポキシ、ピュアエポキシ−1,トの塗料の塗装
が行われ罰きた。しかし、近年の資源涸渇を背景として
、硫化水素を含む天然ガスの採掘および輸送が行われる
ようになり、途中で脱硫処理が行われても硫化水素が少
量不純物として残ったまま輸送が行われることが多くな
った。このような硫化水素に対する防食塗料として、特
開昭55−165967号に記載されているものがある
が、この塗料は基本的にはレゾール型フェノール変成エ
ポキシ樹脂を主たる樹脂成分として含む。
(発明が解決しようとする問題点) 従来の被覆鋼材の塗膜は環境が湿潤で硫化水素を含む場
合は硫化水素と水が塗膜を透過して塗膜と鋼材の接着界
面で鋼材の腐食(以下これを全膜下腐食という)を起こ
し、硫化鉄の皮膜が形成され、塗膜の密着力が早期に低
下して防食性能を失うという欠点がちりた。すなわち、
硫化水素が水とともに塗膜を透過して鋼材表面で硫化物
が生成されると、塗膜と鋼材との間の結合が切断され、
結果的には塗膜が鋼材表面から剥離して防食機能が失な
われてしまう。この場合、硫化水素および水の侵入を完
全に防止できる塗膜を用いれば問題ないが、現実にはど
のような塗膜でも遅かれ速かれ硫化水素や水が塗膜を透
過して鋼材表面に到達してしまう。一般環境における従
来の一般の塗膜は比較的水あるいは酸素が透過しKくい
材料、すなわち、ポリエチレン、エポキシ樹脂などのバ
インダーを使用し、さらには水が侵入してきた場合はア
ノード腐食反応を抑制するように、主として鉄よシもイ
オン化傾向の大きい金属類を配合して、被塗物1あ6鋼
材0腐食を防止す′う“設計11れていた。
この代表的な塗料として、塗膜中に高濃度の亜鉛を含有
するジンクリ、チペイントがある。このジンクリッチペ
イントをはじめとして、防食性能または耐薬品性に優れ
ていて、かつ多くの実績を有するエポキシ樹脂塗料、塩
化ビニル樹脂塗料、フェノール樹脂塗料のような塗料で
さえも、腐食環境に硫化水素が存在すると、その防食性
能はいちじるしく低下する。そして、硫化水素が高濃度
である環境、すなわち、油井管または硫化水素を取り扱
ったシ硫化水素が不純物として存在する化学プラント、
タンクなどで鋼材の硫化水素割れの事故を起こしている
。このような酸素および水に起因する腐食の防止用に設
計された従来の塗膜は硫化水素を含む腐食環境下では腐
食抑制に有効であるとは言えなかった。
また従来公知の硫化水素に対する防食塗料の一例として
、特開昭55−165967号に記載されているものが
あるが、この塗料は基本的にはレゾール型フェノール変
成エポキシ樹脂を主たる樹脂成分として含むものであシ
、一般に硬い塗膜となシ、本発明で目的とする性能のう
ち、優れた折り曲げ性を得ることができないという問題
点がある。
酸素と水あるいは硫化水素と水のいずれの腐食因子であ
っても、これら腐食因子が塗膜を透過して鋼材に到達し
た後に、はじめて腐食が起、こる。
そして、この腐食因子の塗膜内における透過は顔料とバ
インダーの界面を通して起こることが多い。
従って、これら腐食因子の塗膜透過を制御するためには
顔料粒子表面におけるバインダーとの親和性を強くしな
ければならない。それで、バインダーである樹脂の種類
によって最適な顔料が存在し、後で述べる本発明の顔料
をそのまま特開昭55−165967号公報に開示の塗
料に適用しても期待される効果を示すとは限らず、実際
には、むしろ防食性能が悪くなる。これは、バインダー
樹脂トして特開昭55−165967号公報の実施例1
にもとづいて合成した樹脂を使用した後述の比較例5に
示す通シである。この結果から明らかなように、バイン
ダー樹脂としてレゾール型フェノール変性工4キシ樹脂
を使用した場合は、良好な折シ曲げ性が得られないとと
もに、耐塩水噴霧性、耐硫化水素性において期待した効
果が出ない。この事実は、本発明で選択した顔料類が水
可溶分が小さく、溶解水のpHが6〜7という微酸性を
示す性質がレゾール型フェノール変性エポキシ樹脂との
親和性を弱くしているためであると思われる。
(発明の目的) 本発明は従来の内面塗装鋼管の普通の環境、すなわち水
と酸素が主な腐食要因である環境における耐食性を損う
ことなく、硫化水素を含む環境においても優れた耐食性
を有する高耐久性ガス輸送用内面塗装鋼管を得るべく試
みたものである。
(問題を解決するための手段) すなわち、本発明は一分子当り1〜2個のオキシラン環
を有するエポキシ当[400〜1400のビスフェノー
ル型エポキシ樹脂を主剤とし、脂肪族Jアミンとダイマ
ー酸から成るポリアミドアミン2〜4モルに対してエポ
キシ当量180〜1400のビスフェノール型エポキシ
樹脂1モルを反応してなるポリアミドアミンアダクトを
硬化剤トシテ、エポキシ樹脂とIリアミドアミンアダク
トの比が反応当量で0.8/1〜1.4/1のベヒクル
100重量部に対して硫化水素に対して不活性な充填剤
50〜200重量部ならびに水可溶分が0.3%以下で
溶解水のpHが6.0〜7.0の防錆顔料3〜40重量
部を主剤および/または硬化剤中に含むことを特徴とす
る常温硬化可能なる二液型塗料組成物を内面に塗装した
ことを特命とする高耐久性ガス輸送用内面塗装鋼管であ
る。又好適な実施態様として、 (、)  硫化水素に対して不活性な充填剤がカーゲン
ブラック、酸化チタン、アルミニウム粉、酸化珪素、酸
化アルミニウムおよび酸化マグネシウムの群から選ばれ
た少なくとも一穐であることを特徴とする前記の高耐久
性ガス輸送用内面塗装鋼管。
(b)  防錆顔料が、Ba、Zn+Cr、Moおよび
A/、の群から選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物
であることを特徴とする前記の高耐久性ガス輸送用内面
塗装鋼管。
(。)ヶ#、やわう8.、。A # ” +7つ4、ッ
2□  )ロメー) ZTO型およびリンモリブデン酸
アルミニウムの群から選ばれた少なくとも一種であるこ
とを特徴とする前記の高耐久性ガス輸送用内面塗装鋼管
(d)  脂肪族ジアミンがキシリレンジアミンである
ことを特徴とする前記の高耐久性ガス輸送用内面塗装鋼
管である。
次に1第1図によシ本発明を説明すれば、鋼管1の内面
をブラスト処理などで清浄にした後に通常の腐食環境の
みならず、硫化水素を含むガス中においても優れた防食
性能を有する防食塗料を塗装し、硬化せしめて塗膜2を
形成させたことを特徴とする高耐久性ガス輸送用内面塗
装鋼管である。
以下、この塗膜2を形成させるのに用いる防食塗料につ
いて詳しく説明する。
本発明において使用される防食塗料のベヒクル(バイン
ダー成分)は、一分子当り1〜2個のオキシランmヲ有
−t−るビスフェノールAとエピハロヒドリンとの付加
反応によって得られるエポキシ当量が400〜1400
のエポキシ樹脂、および、脂肪族ジアミンとダイマー酸
から成るポリアミドアミンとビスフェノール型エポキシ
樹脂を2/1〜4/1の反応モル比で反応させて得られ
る化合物(いわゆるポリアミドアミンアダクト)とから
成る。
かかるエポキシ樹脂は下記構造式で表わされる。
Hg= Q〜9 この樹脂は通常ビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ルと呼ばれているものである。これは構造式的には一分
子当92個のオキシラン環を有しているが、一般的には
このような構造の製品は存在していない。すなわち、エ
ポキシ樹脂は上記構造式であれば、エポキシ当量は平均
分子量の2分の1で々ければならないが、通常のエポキ
シ樹脂のエポキシ当量はこれよりも小さい値を示す。つ
まり、末端はすべてオキシラン環となっているわけでな
く、一般にはα−ゾオール加水分解性塩素などの官能基
が一部存在している。このような意味で、上記構造を持
つように設計されたものであるが、実際は一分子当#)
1〜2個のオキシラン環を持つエポキシ樹脂が本発明に
おいて使用できるものである。具体的には、「エピコー
ト」(油化シェルエイキシ(株))、「工&)−)J(
東部化成(株))、「アラルダイト」(チパガイギー)
、「エピクロン」(大日本インキ化学工業(株))など
の銘柄で市販されているもので、エポキシ当量が400
〜1400.分子量が800〜3000のエポキシ樹脂
の使用が適当である。たとえば、油化シェルエ?キシ社
製であれば、エピコート1001がn = 2.0 、
平均分子量900およびエポキシ当量450〜500で
あシ、エピコート1004がn = 3.7、平均分子
量1400およびエポキシ当量900〜1000である
エポキシ当量が400以下になると反応性が高くなシ、
ポットライフが短くなって作業性が悪くなる。また、こ
の場合、硬化物が脆くなって、API規格の曲げ試験に
合格しない。また、エポキシ当量が1400を越えると
、常温における反応が非常に遅くなるとともに、粘度が
高くなシ過ぎて塗装が困難である。
一方の硬化剤となるプリアミドアミンは一般式で表わさ
れ、脂肪族ノアミンとダイマー酸から得られるポリアミ
ドアミンの2〜4モルとエポキシ当量180〜1400
のビスフェノール型工4キシ樹脂1モルを反応して得ら
れる。
このポリアミドアミンアダクトの1成分であるダイマー
酸は、天然油脂中の不飽和脂肪酸を加熱重合して得るこ
とができる。この加熱重合には、リノール酸がもつとも
一般に使用されるが、基本的には不飽和二重結合を持っ
ている脂肪酸であれば任意のものを使用することができ
、具体的には「バーサダイム」(ヘンケル日本(株))
が挙げられる。
ポリアミドアミンアダクトの二つめの成分でおる脂肪族
ジアミンとしては、キシリレンジアミン、エチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、ビスアミノプロピル−
テトラオキサキスピロウンデカンなどが使用できる。な
お、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジフェニルスルフォンなどの芳香族アミン、あ
るいはメンタンジアミン、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミンなどの分子中に3個以上のアミノ基
を有する化合物は、ポリアミドアミ/を生成するときに
ダル化しやすいのであまり実用的でない。
ポリアミドアミンアダクトの前段階の生成物であるポリ
アミドアミンは、前記脂肪族ジアミン2モルとダイマー
酸1モルとを120〜180℃で加熱縮合することくよ
り、容易に得ることができる。具体的には「パーサミド
」(ヘンケル日本(株))が挙げられる。
ポリアミドアミンアダクトの三つめの成分であるビスフ
ェノール型エポキシ樹脂は、エポキシ当量180〜14
00.好ましくは180〜500でおる必要がある。エ
ポキシ樹脂のエポキシ当量が1400を越えるとアダク
ト反応がむずかしくなる。ま九、エポキシ当量が180
以下では一分子当りの工Iキシ基が少なくなり、望みの
塗膜の硬さや柔軟性が得られない。
ポリアミンアダクトは、脂肪族ジアミンとダイマー酸を
通常の方法で反応させた後に、エポキシ樹脂を反応系へ
添加して通常の方法で反応することKより得られる。
一般に1鋼管の内面に塗装するにあたっては、非常和犬
がかりな装置を必要とする。たとえば、特開昭56−9
5360、実用新案公昭58−27813などにあるよ
うに、鋼管の中空部に色々な工夫を施した塗料吐出装置
を挿入し、それに通じるホースを長い鋼管の一端から塗
料供給装置まで接続するのが一般的である。従って、鋼
管の内面塗装は一度に必要とする塗料の量が多く、かつ
、大がかりな装置のために、何らかのトラブルがあれば
その修復忙時間がかかるので、塗料のポットライフが′
長いことが必要となる。すなわち、主剤と硬化剤を混合
すると反応が始まり、粘度が上昇して塗装装置で吐出で
きなくなる程の粘度となり、最後にダル化に至る。ポッ
トライフは、二液盤の塗料で主剤と硬化剤を混合してか
ら正常に吐出ができなくなるまでの時間を表わしている
。天然ガス・ラインパイプの内面塗装を規格化している
API(Am@rican P@troleum En
stttuts )では、このポットライフを8時間以
上と要求している。この様な長いポットライフを持つ二
液型の塗料にするためには、アミン類の一級のアミンを
あらかじめエポキシ樹脂と反応させて第二級アミンに転
換させるととにより、主剤であるエポキシ樹脂と硬化剤
の反応時間を遅らせることが可能になる。このようにア
ダクト化することによるポットライフ延長効果は公知で
あるが、本発明はアダクト品とエポキシ樹脂の硬化物が
実用的に優れた性能を持つ九めのアダクト原材料を選択
し九ところに特徴がある・ 本発明における防食塗料のベヒクル成分のひとつである
ポリアミドアミンアダクトの原料であるダイマー酸は、
一般的なエポキシ樹脂アミン硬化物の硬くて脆いという
性質を打ち破り、特にもうひとつの原料である脂肪族ジ
アミンとの反応でもって、硬くて柔軟性のあるいわゆる
弾性体のごとき性質の硬化樹脂を与える作用をする。こ
のエポキシ樹脂とポリアミドアミンアダクトの配合比は
当量比で0.8/1〜1.4/1、好ましくは0.8/
1〜1.2/1でなければならない。この比が0.87
1未満では塗膜が軟〈なりすぎるし、耐水性などの防食
性能も悪くなる。一方、配合比が1.471を超えると
塗膜が逆に硬くて脆くなり、かつ、耐水性などの防食性
能も悪くなる。
次に、本発明における防食塗料の充填剤としては、例え
ば、カーボンブラック、酸化チタン、アルミニウム粉、
酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど
の硫化水素に対して不活性な充填剤の中から1種類ある
いは2種類以上を選択して使用できる。また、防錆顔料
として水可溶分が0.3−以下、溶解水のpHが6.0
〜7.0であるBa 、 Zn + Cr + Moお
よびAlの一種あるいは二種以上の酸化物を主体とする
化合物を必須成分として含有する。これら、充填剤およ
び防錆顔料ともに水可溶分が小さくて0.3以下であり
、かつ硫化水素に対して比較的安定であることが共通の
性質である。
ここで水可溶分、及び溶解水の一測定は、一般の顔料試
験を行なう方法で行なった。即ち水可溶分はJI8に−
5101にもとすき5Iの顔料を200ccの水で5分
間煮沸し、重量変化を求めた。又溶解水の−は、59の
顔料を100CHの蒸留水で1時間煮沸した後、水と練
ってペースト状にし24時間後、−を測定した。
充填剤は着色と塗膜強度補強効果が目的であり、一般の
水および酸素による腐食、あるいは硫化水素が存在する
環境での腐食に対してこれを添加することにより少なく
とも悪化させるものでアってはならない。Hunkeは
J、O,C,C,A誌、50巻、942頁(1967)
において、腐食因子として水をとりあげて、これが塗膜
を透過するメカニズムを説明しているが、いずれの場合
もバインダーと充填剤や顔料の界面に水が攻撃すること
により透過が起っている。本発明ではバインダーと充填
剤の界面における親和性が強固であり、この界面に対し
て水、酸素あるいは硫化水素が攻撃しにくく、堪 界面にこれらの物質が貯りにくい充填剤を選択し  几
・特に水可溶分が小さいこと、および硫化水素と反応を
起こさないことが、この界面の親和性を弱くしない必須
条件である。水可溶分が少ないこと、および硫化水素と
の反応性が小さいことが界面の親和性を弱くし々いこと
の実証は行っていないが、少なくともこのような条件を
持つ充填剤を使用した塗膜は通常の防錆性テスト、すな
わち耐塩水噴霧性、耐水性、耐塩水性などに優れた性能
を示すとともに、硫化水素飽和水浸漬においても非常に
優れ次性能を示すことを確認している。
かかる充填剤の具体例としては、カーボンブラック、酸
化チタン、アルミニウム粉、酸化ケイ素酸化フルミニウ
ム、酸化マグネシウムの単体、メルクと称されるMgO
−8102・Al2o3、クレーと称されるAl203
・5IO2、雲母であるに20Al203Si02など
の複合物などを挙げることができるが、上記作用を営む
ことができれば、その他の充填剤も使用することができ
る。
一方、防錆顔料については、一般の防錆顔料は水可溶分
が高く、鉄よシもイオン化傾向の大きい金属の塩であり
、そのアノード腐食反応を抑制する機能が利用されてい
る。しかしながら、硫化水素および水を含む腐食環境に
おいては、水に溶解しやすいことは金属イオンを生成す
ることであり、ここに硫化水素が攻撃すると、ただちに
その金属の硫化物を形成することr(なる。このことは
バインダーと、これら防錆顔料類の界面の親和性を弱め
ることになり、結果的に塗膜下の腐食反応が促進される
ことになる。すなわち、防錆顔料にとって、硫化水素と
反応しにくいこと、および水に溶解しにくいことが必要
な要件となる。さらには、これら顔料がわずかに溶解し
た水溶液のpHが6〜7の微酸性であるのが好ましい。
硫化水素は水に溶解すると微酸性を示す。一方、塗膜中
の防錆顔料が水に溶解してpHがアルカリ性を示すと、
微酸性である硫化水素をより多く引き寄せる役割を果す
ことになシ、防食性能を損う。逆に、PHが6未満であ
れば鋼材の腐食が促進されるので、好ましくない。この
ような条件を満足する好ましい防錆顔料としては、例え
ばクロム酸バリウム(BaCrO4)、ジンククロメー
ト ZTO511(ZnCrO4・4Zn(OH)2 
)、リンモリブデン酸アルミニウム(Mo O3・P2
O,・Al2o3)、などを挙げることができる・ これらの配合量は、重量基準でバインダー成分100重
量部に対して充填剤が50〜200重量部、防錆顔料が
3〜40重量部である。充填剤の量が50重量部未満で
は塗膜強度が低くて衝撃、曲げ性などが悪くなる。また
、充填剤の量が200重量部を超える場合は、バインダ
ーが不足して均一な被膜が形成されず、ピンホールなど
の欠陥を生じたり、物性が低下するので好ましくない。
次に、防錆顔料が3重量部未満であると防食性能が不十
分であり、40重量部を超えると水可溶分を0.3%以
下に抑えたとしても、水に溶解する防錆顔料の絶対量が
多くなって、逆に防食性能が悪くなるので好ましくない
本発明における防食塗料は、これまで述べた必須の構成
成分の他に、適当なノ・ジキ防止剤、ダレ止め剤、流展
剤などの添加剤類を含有することができる・!友、塗装
作業性を改良するためK、溶剤類も必要に応じて配合す
ることができる。ま次、必要により、他のエポキシ当量
あるいはノボラック型のエポキシ樹脂を請求範囲のエポ
キシ樹脂の量の10%以内を限度として添加することも
可、能である。
(実施例) 以下、実施例に従って本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 外径89.1m、肉厚4.2 m 、長さ3mのSGP
鋼管の内面をサンドブラスト処理によって清浄にした後
、下記防食塗料■を、f?−ルjンを有するエアレス塗
装機で塗装し、常温で硬化して、厚さ60〜80μの塗
膜を形成せしめた。
防食塗料lの配合成分    重量部 主剤 エビコ)41 (’101 C工、t!!キシ当f14
50 )   29.2(油化シェルエポキシ社製) エポトートYD−017(エポキシ当量2200)2.
6(東都化成社製)                
   1タルク                 3
0.5酸化チタン              25.
9ジンククロメートZTO11,0 (水可溶分0.3チ以下、pH6,8)100.0 硬化剤 ポリアミ ドアミンアダクト(1)         
  17.217.2 (エポキシ樹脂とポリアミドアミンアダクトの当量数の
比=1:1) 溶剤 キシレン               6゜ブチルセ
ロソルブ           36メチルイソプチル
ケトン        12n−ブタノール     
        12なお、上記ポリアミドアミンアダ
クト(1)は下記に示す方法で合成したものである。
ポリアミドアミンアダクl)の合成方法キューラ−脱水
装置及び攪拌機を備えた3つロフラスコにパーサダイム
+216(ヘンケル日本社製酸価195)576g(計
算値として1モルに相当、理論値は560Ii)とエチ
レンジアミン12011(2モル)を装入し、徐々に加
熱しながら攪拌した。温度160℃から約4時間かけて
200′Cまで昇温させ、この間反応によりて生成し九
本をキューラ−で凝結させて反応系から除去し、理論量
の水36gの脱水が行なわれた時点で樹脂の酸価を測定
し、酸価が3以下であることを確認して反応を終了した
。このポリアミドアミンの活性水素当量は107であっ
た。次いで、この反応系にキシレン/n−ブタノール=
8/2の混合溶剤232gを加えてよく混合し、反応系
を40℃に冷却して、別に準備したエピコート+100
1−X−75(エピコート÷1001の75%キシレン
溶液)1267gを4時間かけて滴下し、終了後さらに
24時間40℃で攪拌して反応を終了とし次。得られた
ポリアミドアミン(I)は活性水素当量260(固形分
で195)であった。
このようにして得られた内面塗装鋼管をガス循環装置に
組み込み、その中を硫化水素10%、相対湿度100t
s1残りは窒素ガスの模擬天然ガスを30℃、1気圧、
流速5m/seeの条件で流した。
3年間経過後にこの内面塗装鋼管を取り外して塗膜の外
観、密着性および塗膜硬度の変化を調べ念。
その結果を第1表に示す。
なお、普通の天然ガスを対象とする鋼管内面塗膜の品質
を規定しているAPI規格RP5L2に従って表面をす
400工メリー紙で研磨し次7 Owm幅×150w長
X0.8m厚の鋼板に上記防食塗料をエアレス塗装機で
塗装し、20℃XIO日間+50℃×24時間の条件で
硬化させた塗装鋼板について、密着性、硬度、折り曲げ
、塩水噴霧試験などの性能試験を行った。その結果を第
2表に示す。
実施例2 実施例1と同じ要領で外径89.1m、肉厚4.2−1
長さ3mのSGP鋼管に下記防食塗料■を塗装し、膜厚
60〜80μの内面塗装鋼管を作成した。
防食塗料Hの配合成分     重量部主剤 エピコート+1001           38.3
エ ポ ト − ト YD−0173,4クレー   
               39.8カーゲンプラ
ツク            3.4クロム酸バリウム
            6.7(水可溶分0.3 %
 )、pH6,0)ノンフクロメートZTO7,6 デイスノ臂ロン4200−20         0.
8100.0 硬化剤 ポリアミ ドアミ′ンアダクト(It)       
 21.121.1 (エポキシ樹脂とポリアミドアミンアダクトの当量数の
比=0.8:1) 溶剤                     1キ
シレン               60ブチルセロ
ソルブ           36メチルイソブチルケ
トン        12n−ブタノール      
       12なお、上記ノリアミドアミンアダク
ト(1N)は、下記に示す方法で合成したものである。
ポリアミドアミンアダクト(II)の合成方法キューラ
−脱水装置および攪拌機を備えた三つロフラスコにパー
サダイムナ216’1i−57611(1モル)トキシ
リレンジアミンf272g(2モル)を入れ、攪拌しな
がら加熱して160℃から200℃に約3時間かけて昇
温し、常に系外に反応水を除去しながら、約36gの水
が系外に出九ことと、酸価が3以下であることを確認し
て反応を終了させ次。このプリアミドアミンの活性水素
当量は141であっ九。
次いでこの反応系にキシレン/n−ゲタノール=8/2
の混合溶剤270gを加えてよく混合し、反応系を35
℃に冷却してから別に準備したエピコート÷828の7
5チキシレン溶液506gを6時間かけて滴下し、これ
が終了した後、さらに2時間、35℃で攪拌して反応を
終了させた。得られたポリアミドアミンアダクト(n)
は活性水素当量が195(固形分で146)であっ次・
このようにして得られた内面塗装鋼管について、実施例
1と同様に模擬天然ガス循環試験およびAPI規格に基
づく性能試験を行った。その結果を第1表および第2表
に示す・ 実施例3 実施例1と同じ要領で外径89.1 tm、肉厚4.2
晴、長さ3?FlのSGP鋼管に下記防食塗料■を塗装
し、膜厚60〜80μの内面塗装鋼管を作成した。
防食塗料■の配合成分 主剤 エビコートナ1001             33
.5エビコートナ828(エポキシ当量190)   
  3.0(油化シェルエポキシ社製) タルク                 35.0ア
ルミニウム片            14.9ジンク
クロメート ZTO12,7 デイスノやロン4200−20          0
.9100.0 硬化剤 ポリアミドアミンアダクト(1)       21.
921.9 (エポキシ樹脂とポリアミドアミンアダクトの当量数の
比=0.9:1) 溶剤 キシレン               50ブチルセ
ロツルf            30メチルイソブチ
ルケトン        10n−ブタノール    
         10このようにして得られ念内面塗
装鋼管について、実施例1と同様に模擬天然ガス循環試
験およびAPI規格に基づく性能試験を行った。その結
果を第1表および第2表に示す。
比較例1 実施例1において、防食塗料Iの中の酸化チタンの替り
に硫化水素と反応しやすい酸化鉄界を同重量部使用し、
同様の実験を行っ友。その結果を第1表および第2表に
示す。
比較例2 実施例1において、防食塗料1の中のノンククロメート
zTO型の替りに硫化水素と反応しやすいノンフクロメ
ートC型(Zn04(2Cr04ZnCr04、PH6
,8、水可溶骨8%)を同重量部使用し、同様の実験を
行っ九。その結果を第1表および第2表に示す。
比較例3 実施例1において、防食塗料1の替りに下記に示す防食
塗料■を使用し、同様の実験を行った。
その結果を第1表および第2表に示す。
防食塗料■の配合成分     重量部主剤 エピコート峰1001           29.2
エポトートYD−0172,6 デイスノやロン4200−20          0
.8ポリアミドアミンアダクト(1)       1
7.217.2 溶剤 キシレフ               60ブチルセ
ロソルブ           36メチルイソブチル
ケトン        12n−ブタノール     
        12比較例4 実施例1において、防食塗料■の中の硬化剤をキシリレ
ンジアミン2.3重量部に替えて、同様の実験を行った
。その結果を第1表および第2表に示す。
比較例5 実施例4において、主剤中のエポキシ樹脂成分を特開昭
55−165967の実施例の通り縮合したエポキシ樹
脂のレゾール型フェノール樹脂予備縮金物に置き換えて
同様の実験を行った。その結果を第1表および第2表に
示す。
以上述べた実施例から明らかなように、本発明による内
面塗装鋼管はいずれも3年間の模擬天然ガス循環試験に
おいて、塗膜外観の変化が生じておらず、塗膜の密着性
および硬度も当初のレベルを維持しており、硫化水素を
含むガス中において優れ九耐久性を有している。そして
、API規格に基づく性能試験においても、本発明によ
る内面塗装鋼管はいずhも規定値を満足しており、通常
のガス雰囲気および輸送保管中においても十分な性能を
有している。また本発明における防食塗料はいずれもポ
ットライフが8時間以上と長く、API規格を満足して
いる。
一方、硫化水素と反応しやすい、充填剤もしくは防錆顔
料を使用した内面塗装鋼管および充填剤および防錆顔料
を使用しない内面塗装鋼管は、比較例1〜3で示したよ
うに、3年間の模擬天然ガ1  ス循環試験において、
塗膜外観が変色しており、密着性および塗膜硬化が大幅
に低下していることから硫化水素を含むガス中において
は不十分な防食性能しか有していない。
また、硬化剤としてキシリレンノアミン単体を用いた場
合は比較例4忙示すようK、塗膜の可撓性が十分でなく
 、API規格の折り曲げ性に関する規定を満足しない
ことの他に、ポットライフが非常に短いために、工場に
おける塗装作業性が悪い。
従って、本発明の目的を達成するには、脂肪族ジアミン
とダイマー酸とエポキシ樹脂がう成るポリアミドアミン
アダクトを使用することが必要である。そして、特開昭
55−165967号に記載されている防食組成物を用
いた内面塗装鋼管も、比較例5に示すように塗膜の可撓
性が十分でなく、API規格の折り曲げ性に関する規定
を満足しない。
(発明の効果) 以上、詳細に述べたように、従来の防食内面塗装鋼管は
硫化水素を含むガス雰囲気中で短期間のうちに塗膜が劣
化し、また硫化水素に対して強いと言われるものでも塗
膜の密着性が大幅に低下しアい6aKヶ、:)*ゆユカ
、。いよい、ヶやカ、あ、。   1に対して、本発明
による内面塗装鋼管は硫化水素を10%含み、相対湿度
100%、温度30℃、1気圧の模擬天然ガスの循環試
験で3年後でも塗膜の劣化が見られない他、API規格
RP5L2 K規定されている各性能試験の要求値をす
べて満足しており、硫化水素を含む雰囲気に対して優れ
九防食性能を有しているばかりでなく、輸送、保管中和
おける普通の環境に対する防食性能や取り扱い性にも優
ねている。また、本発明における防食塗料はポットライ
フが長いので、工場における鋼管内面塗装の作業性も優
れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による内面塗装鋼管の断面図である。 1:鋼管、      2:塗膜。 う1図 1:金ml  営 2:l膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)一分子当り1〜2個のオキシラン環を有するエポ
    キシ当量400〜1400のビスフェノール型エポキシ
    樹脂を主剤とし、脂肪族ジアミンとダイマー酸から成る
    ポリアミドアミン2〜4モルに対してエポキシ当量18
    0〜1400のビスフェノール型エポキシ樹脂1モルを
    反応してなるポリアミドアミンアダクトを硬化剤として
    、エポキシ樹脂とポリアミドアミンアダクトの比が反応
    当量で0.8/1〜1.4/1のベヒクル100重量部
    に対して硫化水素に対して不活性な充填剤50〜200
    重量部ならびに水可溶分が0.3%以下で溶解水のpH
    が6.0〜7.0の防錆顔料3〜40重量部を主剤およ
    び/または硬化剤中に含むことを特徴とする常温硬化可
    能なる二液型塗料組成物を内面に塗装したことを特徴と
    する高耐久性ガス輸送用内面塗装鋼管。
  2. (2)硫化水素に対して不活性な充填剤が、カーボンブ
    ラック、酸化チタン、アルミニウム粉、酸化珪素、酸化
    アルミニウムおよび酸化マグネシウムの群から選ばれた
    少なくとも一種であることを特徴とする特許請求の範囲
    第一項記載の高耐久性ガス輸送用内面塗装鋼管。
  3. (3)防錆顔料が、Ba、Zn、Cr、MoおよびAl
    の群から選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第一項記載の高耐久性
    ガス輸送用内面塗装鋼管。
  4. (4)防錆顔料が、クロム酸バリウム、ジンククロメー
    トZTO型およびリンモリブデン酸アルミニウムの群か
    ら選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする特許
    請求の範囲第一項記載の高耐久性ガス輸送用内面塗装鋼
    管。
  5. (5)脂肪族ジアミンがキシリレンジアミンであること
    を特徴とする特許請求の範囲第一項記載の高耐久性ガス
    輸送用内面塗装鋼管。
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