JPS6116233Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 自動二輪車において、リヤフエンダと、シート
下面およびリヤフエンダ上面間の空隙部を覆うシ
ートカウリングとは、それぞれその機能を異にし
ているため、従来では、両者を別体に構成してい
た。

そしてリヤフエンダとシートカウリングとの空
間を物品収納部に利用する場合、リヤフエンダと
シートカウリングとの接続部を水密構造にするた
めに、この接続部にパツトンを介装しなければな
らなかつた。

本案はこのような難点を克服した自動二輪車用
リヤフエンダの改良に係り、フエンダ後部に下降
屈曲部を一体に形成し、同下降屈曲部上方に車体
前後方向に対し略直角方向に指向したテールライ
ト取付壁を一体に立設するとともに、前記フエン
ダ部からシート下方両側部に伸びかつ前記テール
ライト取付壁に接続するシートカウリング部を一
体に形成し、前記テールライト取付壁より前方に
位置したフエンダ中間部分の上面に後方に向つて
下方へ落込んだ段部を形成し、同段部の上方に前
記テールライト取付壁と平行な仕切壁を立設した
ことを特徴とするもので、その目的とする処は、
リヤフエンダとシートカウリングとを一体化しか
つフエンダ中間部上方空間部を収納部に有効に利
用することができる構造が簡単で強度、剛性が高
く、かつ安価な自動二輪車用リヤフエンダを供す
る点にある。

本案は、前記したようにフエンダ後部に下降屈
曲部を一体に形成し、同下降屈曲部上方に車体前
後方向に対し略直角方向に指向したテールライト
取付壁を一体に立設するとともに、前記フエンダ
部からシート下方両側部に伸びかつ前記テールラ
イト取付壁に接続するシートカウリング部を一体
に形成したため、フエンダ部後方にテールライト
取付壁に直接テールライトを取付けることがで
き、構造を簡略化して一体成形により大量生産を
行つてコストダウンを図ることができる。

また本案では、前記テールライト取付壁より前
方に位置したフエンダ中間部分の上面に後方に向
つて下方へ落込んだ段部を形成し、同段部の上方
に前記テールライト取付壁と平行な仕切壁を立設
したため、前記フエンダの後方下降屈曲部の上方
空間を有効に利用し、少なくとも前後に２個の収
納部を形成することができるとともに、フエンダ
部に一体に形成されたシート下方両側部に伸びる
シートカウリング部と、車体前後方向に対し略直
角方向に指向して同フエンダ部およびシートカウ
リング部に一体に立設されたテールライト取付壁
および仕切壁によりフエンダ部の強度、剛性を増
大させることができる。

以下図面に図示された本案の一実施例について
説明すると、１は硬質プラスチツクで成型された
リヤフエンダで、フエンダ部２とカウリング部１
３とよりなつており、後記するように両者は一体
的に形成されている。

しかして前記フエンダ部２の概略形状は通常の
リヤフエンダと略同様に形成されているが、その
具体的な形状は、異なつており、フエンダ部２の
上部３の横断形状は図示されない後輪タイヤの上
部に対して所要の間隙を存するように断面半円状
でその下部が下方へ略平行に延長し、さらにその
下端が外方へ僅かに広がるように形成され、フエ
ンダ上部３の先端では、図示されないリヤシート
またはリヤボツクス下面より前方へ指向した二又
状の係合部材を挿入して車体フレームの一部に相
当するクロスメンバーと一体に結合させるための
係合部４が、フエンダ上部３の他の部分と所定の
間隙５を存して上方へ突設されている。

また前記フエンダ部２の下部１２の横断形状も
普通のフエンダ下部と略同様に斜後下方へ延長し
て形成されている。

さらに前記フエンダ上部３とフエンダ下部１２
との中間部分６は従来のものと著しく異なつてお
り、第６図に図示されるように縦断面で所定の前
後方向間隙を存して段部７，８が形成され、後方
の段部８より垂直上方に指向して仕切壁９が一体
に突設され、同仕切壁９より後方に位置してフエ
ンダ下部１２との境界部より上方にテールライト
取付壁１０が一体に突設され、前記仕切壁９とテ
ールライト取付壁１０との間で、車体前後方向垂
直面に指向し、巾方向に対して所定間隔を存して
区画壁１１（第３図参照）が隆設されている。

しかして前記フエンダ上部３の両側下縁よりシ
ート下方両側部に向つて上方へ折返し伸びるカウ
リング部１３が一体に形成され、同カウリング部
１３の前方下部１４はフエンダ上部３の側面より
著しく離隔しないように弯曲されて同カウリング
前方下部弯曲部１４はリヤフエンダ１の時針方向
（第２図で）揺動操作に便利なような凹みに形成
され、同カウリング部１３はシート下方両側部を
覆うようになつている。

またカウリング部１３はフエンダ上部３および
中間部６の側面を覆うように後方へ延長し、前記
仕切壁９およびテールライト取付壁１０と一体に
接続するように形成されている。

さらにフエンダ中間部６の外側面に対応したカ
ウリング部１３の後部に、図示されない車体と一
体の枢軸部（図示されず）に揺動自在に嵌合され
る孔１５が形成されている。

図面に図示された本案の実施例は前記したよう
に構成されているので、前記車体と一体の枢軸部
に前記カウリング部１３の孔１５を嵌合し、フエ
ンダ上部３の先端の係合部４と前記クロスメンバ
ーとに図示されないリヤシートまたはリヤボツク
ス下面の係合部材を挿入して前記係合部４を前記
クロスメンバーに一体に結合することにより、前
記リヤフエンダーを自動二輪車の車体に強固に一
体的に取付けることができ、また前記した作業と
逆な順序の作業を行うことにより前記フエンダを
車体より簡単に取外すことができる。

また前記係合部４を前記クロスメンバーより外
れた状態では孔１５を中心としてフエンダ下部１
２を上方へ揺動させることなく、後輪を前後へ移
動させることができ、自動二輪車の保守、整備を
容易に行うことができる。

さらにフエンダ下部１２を上方へ揺動させた状
態において、カウリング部１３の前方下部弯曲部
１４に指を掛けて持上げれば、フエンダ下部１２
が下方に位置するように、孔１５を中心にフエン
ダを楽に揺動させることができる。

しかもフエンダ部２の両側とカウリング部１３
とで略Ｕ字状の溝が形成されているため、リヤフ
エンダ１に雨が降りかかつても、前記溝部前端よ
り雨水が円滑に排出される。

また前記前方の段部７から後方の段部８に亘り
傾斜した傾斜部１６と後方段部８と仕切壁９と左
右両カウリング部１３とでツウール収納部１７が
形成される結果、同ツウール収納部１７に図示さ
れないツウールを内蔵したツウールバツグ２０が
収納されうる。

さらに前記仕切壁９とこれにより後方の段部１
８とテールライト取付壁１０と左右区画壁１１と
で小物収納部１９を形成することができるので、
同小物収納部１９に小物２１を収納することがで
きる。

さらに後方の壁１０に図示されないテールライ
トをボルト（図示されず）等を介して一体に取付
けることができる。

さらにまた前記係合部４と同係合部４上面に接
して配置された車体クロスメンバー（図示され
ず）とを挟むように図示されないリヤシートまた
はリヤボツクスの下面より前方へ指向した二又状
係合部材を挿入し、かつ前記リヤシートまたはリ
ヤボツクスの下面より下方へ突出したフツクに図
示されない係脱装置を係合することにより、前記
リヤシートまたはリヤボツクスを取付ければ、前
記収納部１７，１９の上面を塞ぐことができ、ツ
ウールバツグ２０および小物２１の脱落を確実に
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案に係る自動二輪車用リヤフエンダ
の一実施例を図示した斜視図、第２図はその側面
図、第３図はその平面図、第４図はその正面図、
第５図はその背面図、第６図はその縦断側面図、
第７図および第８図は第２図の−線および
−線に沿つて裁断した横断面図である。 １……リヤフエンダ、２……フエンダ部、３…
…フエンダ上部、４……係合部、５……間隔、６
……中間部分、７，８……段部、９……仕切壁、
１０……テールライト取付壁、１１……区画壁、
１２……フエンダ下部、１３……シートカウリン
グ部、１４……前方下部、１５……孔、１６……
傾斜部、１７……ツウール収納部、１８……段
部、１９……小物収納部、２０……ツウールバツ
ク、２１……小物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フエンダ後部に下降屈曲部を一体に形成し、同
   下降屈曲部上方に車体前後方向に対し略直角方向
   に指向したテールライト取付壁を一体に立設する
   とともに、前記フエンダ部からシート下方両側部
   に伸びかつ前記テールライト取付壁に接続するシ
   ートカウリング部を一体に形成し、前記テールラ
   イト取付壁より前方に位置したフエンダ中間部分
   の上面に後方に向つて下方へ落込んだ段部を形成
   し、同段部の上方に前記テールライト取付壁と平
   行な仕切壁を立設したことを特徴とする自動二輪
   車用リヤフエンダ。