JPS6115802Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はナイフの鞘に関するものである。

従来、ナイフの鞘はこれが金属製の場合、その
重量が大きくなり、特にナイフを下に向けたと
き、自重によつて刃から簡単に離脱してしまうこ
とがあつた。

又、木製の鞘の場合は温度変化、湿度変化によ
り自然に膨脹したり収縮したりするため鞘内の身
が容易に抜けなくなつたり、抜けにくくなつたナ
イフの身を無理に引抜いて手にけがをしたり、あ
るいは逆に簡単に抜け落ちて足に刺さつたりする
ことがあり、その取扱いに危険性や不便さが伴う
ことがあつた。

本考案の目的は刀身の着脱等によつて折損する
ことがないのはもとより圧接部材を鞘本体内に簡
単に取付けることができ、しかも圧接部材のばね
作用により常に程良い堅さでナイフの身をスムー
ズに挿入可能にして、確実に保持でき、さらには
製造が容易であるナイフの鞘を提供することにあ
る。

以下本考案を具体化した一実施例を第１〜４図
について説明すると、１は木製の鞘本体であつ
て、一対の鞘部材２からなつている。３は鞘本体
１内に形成した身４を挿入するための収納孔であ
つて、その基端開口部の縦幅と横幅を身４の縦幅
及び肉厚よりも若干大きく形成している。５はナ
イフの柄である。３２は鞘本体１基端部内側の上
方に形成された凹部であり、６は同凹部内に設け
た圧接部材であつて、柱状部７とその先端に一体
形成した平面円弧状の弾性部３１とからなつて、
同弾性部３１の前後両端が凹部３２から収納孔３
内へ突出しており、柱状部７は凹部３２の上壁面
に挿入固定されている。従つて、この圧接部材６
は鞘本体１内において、身４の着脱時に弾性部３
１に対して身４の移動方向への大きな力が働いて
も、同弾性部３１は身４の移動方向に若干移動し
たのち、凹部３２の左右いずれかの側壁に当接す
るため、大幅な移動が阻止される。従つて、圧接
部材６はその柱状部７が大きく湾曲して折損する
ことはなく、取付けが堅固なものとなる。

圧接部材６の弾性部３１両端は鞘本体１の収納
孔３内へナイフの身４を挿入したときにこの身４
の側面の一部に圧接されて身４を鞘内に圧接保持
し得るようになつている。なお、同圧接部材６は
温度変化、湿度変化によつて自然に膨脹したり収
縮したりすることの少ないプラスチツク、ゴム、
金属等により形成されている。又、前記鞘部材２
を木材にて形成したため、その内側面に凹部３２
を形成することは極めて容易である。

この圧接部材６は一対の鞘部材２の組付け前に
おいて、一方の鞘部材２内側の凹部３２へ柱状部
を挿入することにより取付けられる。従つて、こ
の取付けはきわめて簡単に行うことができる。

さて、このように構成したナイフの鞘を身４に
嵌めると、圧接部材はその前後両端部がばね作用
により身の側面に係合されて、その弾性により柔
らかく押圧されるので身は鞘内に確実に保持さ
れ、鞘から抜け出ることはない。しかも、身４が
圧接部材６と係合するとき同圧接部材６は鞘本体
１内でがたつくことがないので、鞘は身４に対し
てスムーズに嵌めることができる。

又、このように身４を鞘内に収めた状態では、
鞘本体１の取納孔３が身４より若干大きく形成さ
れているので、収納孔３が多少収縮しても身４が
鞘内から抜けなくなることはない。逆に、収納孔
３が大きくなつた場合には、圧接部材６は膨張せ
ず前記のように身４に確実に作用しているので、
この身４が鞘内から抜け落ちることはない。

従つて、前記のナイフの身４は鞘本体１の膨
張、収縮にもかかわらず常に一定の押圧力で鞘内
に収能保持されるものとなる。又、鞘の重量が重
い場合にも圧接部材６と身４側面との係合によ
り、鞘は身４から離脱することはない。

また、前述したように圧接部材６を湾曲させた
ため、身４が圧接部材の両端で係止される。従つ
て、圧接部材６は２箇所で身４を係止することと
なり、同身４の保持が確実に行われる。さらに、
鞘部材２の凹部３２内に圧接部材６を設けたた
め、圧接部材６の弾性部３１は身４を係止すると
き、同身４にて押圧され、弾性部３１は凹部３２
の空間Ｃ内に没入する。このため、身４の着脱が
円滑に行われる。

前記の実施例における鞘本体１内の圧接部材６
は第５図ａに示すように弾性部３１を平面山形状
に形成したり、第５図ｂに示すように、山形状に
形成したうえ、弾性部３１前後両端をさらに円弧
状に湾曲形成したりしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具体化した鞘をナイフの本体
とともに示す一部破断正面図、第２図は鞘の要部
平断面図、第３図は同じく側断面図、第４図は圧
接部材の斜視図、第５図ａ，ｂは圧接部材の別例
を示す平面図である。 １……鞘本体、２……鞘部材、３……収納孔、
４……ナイフの身、６……圧接部材、７……柱状
部、３１……弾性部、３２……凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 木製の鞘部材２内側に形成された凹部３２の
   内壁面に挿入固定された柱状部７と、同柱状部
   ７の一端において、湾曲状に一体形成されて、
   前記凹部３２から収納孔３内へ両端を突出し、
   ナイフの身４の一部と係合して同身４を鞘本体
   １内に抜出し可能に圧接固定し得るようにした
   弾性部３１とからなる圧接部材６を有するナイ
   フの鞘。 ２ 前記圧接部材６の弾性部３１は平面円弧状に
   形成されていることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載のナイフの鞘。 ３ 前記圧接部材６の弾性部３１は平面山形状に
   形成されていることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載のナイフの鞘。 ４ 前記弾性部３１の両端はさらに平面円弧状に
   湾曲形成されていることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載のナイフの鞘。