JPS5927802Y2 - 額縁の裏板押え用弾性体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、板ばねを利用した額縁の裏板押え用弾性体に
関する。

額縁枠の後端面と裏板との間に段差がある場合に、通常
は支持片を介してネジによる締付けにより裏板押えを行
なっている。

一方、ネジ止めによらず、手軽で安価な裏板押え具とし
て板ばね等の弾性体を利用することが知られている。

例えば、短冊状板ばねの両端を尖鋭にし、枠内面と裏板
外面にその尖鋭端をそれぞれ突き刺すことにより裏板を
固定する技術（実公昭５２−２１２７３）が知られてい
る。

また、両端を尖鋭にしたピアノ線等の弾性材を額縁枠の
隅部に突き刺し架橋させたり（実開昭５４−６５７９８
）、あるいは中心の支点部材を介して棒状または板状ば
ねの両端を相対向する枠骨間に架橋させることにより裏
板を押える技術（実開昭５ｌ−１３８３９６）がある。

しかし上記従来例では、弾性体の弾発力に対しての支持
が不安定であり、先端が尖鋭のため枠材や裏板に傷が付
き、また取扱いに注意を要する。

特に、反撥的に飛び出した場合は非常に危険である。

このように、弾性体を利用した従来例技術は、安全性お
よび安定性について、はとんど配慮されていなかった。

本考案はこれを改良するもので、弾性体の取付け・取外
し操作が安全かつ簡単であり、枠骨とは確実かつ堅固に
嵌合して裏板押えをなすことのできる額縁の裏板押え用
弾性体を提供することを目的とする。

次に図面に基づいて実施例を説明する。

第１図および第２図は本考案実施例弾性体の構造を示す
外観斜視図であり、第１図は上面図、第２図は下面図を
示す。

また、第３図および第４図はその使用状態を示す図であ
る。

本考案実施例弾性体１の使用に適する額縁枠の構造とし
ては、例えば゛第３図および第４図に示す枠骨構造が好
ましい。

すなわち、枠骨２の後部側において、枠骨周壁３の内面
全長にわたり、裏板４に対しほぼ平行に内部側に向かう
突条壁５を設け、この突条壁５の内面すなわち裏板４と
対面する壁面上に、同形状の突片６を長手方向に等間隔
平行に適当数突設させた枠骨構造の使用に適するもので
ある。

本考案実施例弾性体１は、弓形に彎曲した帯状の板ばね
７を基板とし、この板ばわ７の上面に二本の突条８が突
設され、さらに板ばね７上面の全周に突縁９が突設され
ている。

これら突条８および突縁９（以下突条８等という）は、
共に同じ高さで、長手方向へ等間隔平行に設けられてい
るので、各突条８等の間にはそれぞれ同形状の溝状凹部
１０が形成される。

このようにして形成される溝状凹部１０は、上記板ばね
上面では三本である。

これら溝状凹部１０の形状は、上記突条８等の構造によ
って決定される。

この弾性体１上面は、第４図の断面図に示すように、枠
骨２の上記突条壁５下面との間に、いわゆる噛合構造を
呈するよう構成されている。

すなわち、突条壁５下面の突片６が弾性体１の上記溝状
凹部１０に嵌入し、弾性体１の突条８等は突条壁突片６
間に生じる嵌合溝１１に嵌入して互に噛合う。

したがって、上記突条８等および溝状凹部１０の構成は
、使用される枠骨２の上記突片６および嵌合溝１１との
関係より決定されるものである。

なお、板ばね７の彎曲中央側部よりつまみ片１２が一体
的に連設されている。

また板ばね７の下面には、第２図に示すように、両側縁
に沿って下突条１３が二本突設されている。

本考案弾性体１の基板、である板ばね７は、ポリアセタ
ール樹脂あるいはポリカーボネート樹脂等の合成樹脂材
料で構成するのが、成形の容易さから好ましい。

また、板ばねとルての強度面においても、上面に突設し
た複数の突条８等および下面に突設した下突条１３とに
より、充分補強されている。

この弾性体１は、第３図および第４図に示すように、枠
骨２の突条壁５と裏板４との段差間の長手方向に挿入さ
れる。

すなわち、つまみ片１２を保持しながら弾性体１の彎曲
中央部を指で押圧し、彎曲高さを低くさせて上記段差間
に挿入する。

適当な位置にまで挿入した時点で、弾性体１の押圧を解
消し、弾性体１上面の溝状凹部１０および突条凸部８等
の突条壁５下面の突片６および嵌合溝１１とを弾発的に
噛合わせる。

このとき、弾性体１の両端部および沖央彎曲部は、弾性
体１自体の復元力により、それぞれ裏板４および枠骨突
条壁５内面り圧迫する。

これにより、裏板４を枠骨２に押圧固定させることがで
きる。

なお、この弾性体１は、額縁の大きさ・枠骨の長さに応
じて、適当間隔に適当数使用することができる。

以上説明したように本考案弾性体によれば、板ばね上面
の多数の突条等により、裏板と上記突条壁との段差間に
おける嵌合を確実かつ安全に実施することができる。

また、上記突条等は基板である板ばね自体の曲げ強度を
補強している。

したがって、成形容易な上記合成樹脂材料でもって構成
することができ、製品をコスト安に製造することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案実施例弾性体の構造を示す
外観斜視図、第３図および第４図はその使用状態を示す
図。 ２・・・・・・枠骨、４・・・・・・裏板、５・・・・
・・突条壁、６・・・・・・突片、８・・・・・・突条
、９・・・・・・突縁、１０・・・・・・溝状凹部、１
１・・・・・・嵌合溝、１２・・・・・・つまみ片、１
３・・・・・・下突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 額縁の裏板と枠骨後部の突条壁内面との間に該枠骨の長
   手方向に沿って押圧嵌挿される弓形に彎曲した帯状の裏
   返押え用弾性体であって、上記弾性体の上面に長手方向
   に平行な少なくとも二組上の突条を設けることにより、
   上記弾性体上面に突条凸部と溝状凹部とを交互に形成さ
   せたことを特徴とする額縁の裏板押え用弾性体。