JPS6115721B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は蒸発により液体を濃縮する装置及び方
法に関する。

米国特許第4220193号は処理される液体が平行
な鉛直方向立ち管の束を通過するタイプの熱交換
器であつて、該立ち管はその上端及び下端におい
てそれぞれ上部タンク及び下部タンクに接続され
ており、そして粒状物質（granularmass）（即ち
粒子の塊）がその立ち管及びタンク内に存在して
おり、操作中、この液体によつて流動化されるよ
うになつている熱交換器を示す。熱交換器は液
体／液体熱交換器として使用するよう意図されて
いると説明されており、鉛直方向立ち管を流れ通
る流体の蒸発について何ら示唆されていない。下
記発明においては、基本的考えは熱交換器は蒸発
器／濃縮器として使用されるべきであるというこ
とである。

本発明の目的はこの熱交換器をベースとする蒸
発により液体を濃縮する装置及び方法を提供する
ことであり、特に熱交換器をこの目的に適合させ
ることである。

本発明に従う装置においては、立ち管が排出す
る上部室は蒸気集収手段及び排出手段、たとえば
蒸気出口を有する蒸気タンクを備え、立ち管は上
部室へ及び好ましくは下部室へも延びている。少
なくとも１つの降水管又は液体及び粒状物質のた
めの戻り導管は、それぞれ、上部室及び下部室の
立ち管の開口より低いその入口及び出口を備えて
いる。処理の前後には液体の入口及び出口接続部
は両方共上部室の立ち管の開口より低い高さに位
置している。

蒸気集収室及び上部室は種々の方法で具体化す
ることができる。それらは別々であつてもよく又
は相互に隣り合つていてもよく、そして蒸気集収
室は上部室としても機能するべきであることすら
可能である。

更に、本発明は立ち管を通る熱移動速度が、該
管が濃縮される液体のため上昇フイルム蒸発器
（rising film evaporators）として機能するよう
高く設定されている上記本発明の装置を使用する
液体の蒸発濃縮方法を提供する。上昇フイルム蒸
発器としての管の使用は化学工業及びプロセス工
業においておなじみであるのでいかに立ち管に対
する熱負荷がそれらの液体内容物が上昇するフイ
ルム蒸発器として機能し始めるように上昇されな
ければならないかについて当業者には更に説明す
る必要はない。

一般に上昇フイルム蒸発器は、濃縮される液体
に依存してひどい汚れ付着（fouling）を受ける
という問題を有する。これは、液体の局部過飽和
の結果である。本発明の装置の使用においては、
粒状物質は、液体が沸騰により蒸発しているとき
ですら管の表面の液体フイルム中に残存すると思
われる。結果として粒状物が管壁に対するこすり
磨き（scouring）及びクリーニング作用を有す
る。液体の沸騰により形成された蒸気は液体フイ
ルムに対して上向き引きずり力（upward
dragging force）を及ぼし、その結果このフイル
ムは上向きモーメントを得、これは立ち管に供給
される液体中に既に存在していることがあり得る
上向きの速度を助長し、そして流動化を維持す
る。

形成された蒸気は蒸気集収手段及び排出手段を
経由して逃げることができ、そして蒸気の自由な
逃散はもし立ち管が上部タンクへと延びているな
らば容易になされる。粒状物質がその中に同伴さ
れている液体フイルムは立ち管の縁を越えて流
れ、次いで戻し導管及び液体の排出接続部を経由
して逃げる。この排出接続部及び戻し導管は上部
タンクの立ち管の出口より低い点で開いているの
でこれは循環を生ぜしめる。

本発明の装置の１つの形態においては、戻し導
管は立ち管のまわりのケーシング又はハウジング
の外側に位置している。このケーシングは立ち管
のまわりの相対的に高温のガス又は液体を導く機
能を有する。もし戻し導管がこのケーシングの外
側にあるならば、熱はそれに供給されず、その結
果沸騰はそれにおいては起こり得ない。

操作条件に依存してたとえば液体の粘度に依存
して、戻し導管にポンプを設けることが必要な場
合がある。液体中の粒状物の存在によつてポンプ
が傷つけられることがあるので戻し導管は液体か
ら粒状物質を分離するためのサイクロンを備え、
サイクロンからの両排出口は下部室に接続され、
好ましくは戻し配管として一体に接続されている
ことが好ましい。粒状物を含まない処理された液
体の排出接続部はサイクロンの液体出口にも接続
される。排出接続部を経由してシステムから除去
されない戻し導管中の液体のその部分は、サイク
ロンから下部室へのペレツトを洗浄するのに役立
つことができる。

該装置の他の形態においては、戻し導管は立ち
管の間又は立ち管に沿つて走る。この場合に、戻
し導管への熱移動はそれにおいて沸騰が起こるこ
とがないように小さくすることは重要である。そ
うしなければ液体粒状物混合物の不完全な循環が
起こるであろう。これは立ち管より大きい直径を
戻し導管に与えることによつて、又はその壁を、
単位表面積当りの熱移動係数が立ち管におけるよ
りも小さいような厚さ又は材料でつくることによ
つて達成され得る。そうすれば該装置は立ち管に
対する熱負荷の結果として、液体−粒状物混合物
の自然の循環が起こるように操作することができ
る。しかしながら、処理中の液体に圧力ヘツドを
与えることによつて強制循環を得ることも可能で
ある。

すべての場合に、種々の立ち管に対して処理さ
れる液体の良好な分配があるように注意を払うこ
とは重要である。これに対して種々の提案がなさ
れており、中でも本発明装置に対しては、下部室
における水平開口つき分配プレートが好ましい。
分配管が分配プレートの開口に取付けられ、そし
て分配プレートの上下で両側に突き出している場
合に特に有利であり得る。分配プレートの使用は
処理されるべき液体に対する供給入口及び／又は
戻し導管の端部が下部タンクにおいて、上記プレ
ートの下に位置している場合に特に重要である。

しかしながら、処理されるべき液体の供給入口
は、他の場合には、たとえば、上部室又は下部室
の側壁に位置することができる。

該装置からの処理される液体の排出は戻し導管
を経由して起こり得ることは既に示唆されてい
る。しかしながら、これに替わるものとして上部
室の底部に又は下部室の側壁に処理される液体の
ための別々の排出接続部を存在させることができ
る。この場合に、この排出接続部が管の下部開口
の高さの近傍及び上に位置していると有利であ
る。分配管を有する分配プレートが使用される場
合には、液体のための供給及び排出接続部が分配
プレートの下にそして分配管の下部開口の上に下
部タンクの壁に位置することが好ましい。

本発明の好ましい態様を添付図面を参照して本
発明を限定するものではない例として説明する。

種々の態様における対応する構成部品は３つの
図の同じ参照番号により示される。

各図に示された装置はケーシング１並びに上部
及び下部管ヘツダプレート３及び４により結合さ
れた中央熱交換器を有する。処理される液体（た
とえば水性である）の上向き流れのための複数の
（又は束の）平行な鉛直方向立ち管２はケーシン
グ１内の空間を追つて延びそしてヘツダプレート
３及び４に取付けられている。管２は上部プレー
ト３の上に及び下部プレート４の下に突き出し、
そしてそれらの上端及び下端で開口している。ケ
ーシング１内の且つ管２のまわりの空間は使用の
際は、接続部５を経由して入りそして接続部６を
経由して逃げる流れている熱伝達媒体、たとえば
スチームを含有する。管２の液体より熱い熱伝達
媒体は液体の加熱を行なつて管壁を通る熱移動に
よりそれを蒸発させる。

管２は上部タンク７及び下部タンク８において
終つている。下部タンク８の基部９は水平方向の
開口つき流れ分配プレート１０により下部タンク
の残余部から分離される。処理されるべき液体は
基部接続部１１中を流れそしてここで邪魔板１２
が初期流れ分配器として働く。

該装置は、処理される液体の上向き流れにより
少なくとも管２を占めるように流動化される粒状
物質を含有する。既にその使用が知られているこ
の粒状物質の機能は上に説明されている。実際に
は、粒状物質は管２を通り上部タンクと上記流体
によつて移送される。その戻しについては以下に
説明する。

上部タンクの上には、蒸気排出部１４を有する
蒸気集収タンク１３がある。立ち管２から放出さ
れる（emitted）スチームは邪魔板１５によつて
予め乾燥される（pre−dried）。

第１図は管２の間に位置しそして各立ち管２の
直径より大きい直径を有する中央下向き戻し配管
１６を示す。この効果は立ち管２におけるよりも
それを流れ通る流体の単位当り低い熱移動であ
り、これは戻し導管１６における沸騰を抑制す
る。戻し導管１６の機能は処理される液体及びそ
れにより同伴される粒状物質を再循環のため上部
タンク７から下部タンク８へ通過させることであ
る。粒状物質を再循環することは必要であり、そ
して液体の再循環の量は問題のプロセスに依存す
る。

処理されるべき液体のための種々の可能な供給
位置１１，１７，１９及び排出位置１８，２０は
第１図に示されている。これらはすべて管２の上
端２１の下にある。

位置１７又は１９における供給入口は位置１１
における供給入口を不必要とし、従つて分配プレ
ート１２の使用も不必要とする。位置２０におけ
る排出は、濃縮された液体が同伴された粒状物か
ら分離される必要はないように粒状物が存在しな
い高さにおいてそれが起こるという特に利点を有
する。上部タンクの立ち管の開口２１は、戻し管
１６の入口開口２２の位置、排出接続部１８の高
さ及び上部タンク７の流動化された粒状物質の高
さより上にあることが第１図にはつきりと示され
ている。同様に下部タンク８の立ち管２の入口開
口２３は可能な入口接続部１９及び可能な出口接
続部２０より低いところに位置するが戻し管１６
のの出口２４より高いところに位置している。蒸
気が管から噴霧されていることが略示で示されて
いる。この結果は立ち管において形成された蒸気
は管２の内表面に対して液体の立ち上がりフイル
ムを形成し、粒状物はこのフイルム内に位置する
ということである。蒸発しない液体及び粒状物は
プレート３により形成された上部タンクの基部へ
と立ち管の上縁２１を越えて流れる。

第２図は、濃縮されるべき液体の基部９への流
入が起こらない第１図の装置の修正された形態を
示す。下部タンク８の流れ分離プレートはこの場
合は分配管２６がそれに取付けられそしてその上
下に突き出しているところのプレート２５として
具体化されている。液体及び粒状物は管２６を通
つて流れる。戻し管１６は分配プレート２５の下
を空にする。この手段によつて、ヘツダープレー
ト４のすぐ下の及び分配プレート２５のすぐ下の
空間は粒状物を含まない。そうすると位置１９へ
の濃縮されるべき液体の供給及び位置２７におけ
る濃縮された液体の排出は好ましい操作プロセス
をもたらすことができる。

第３図は、立ち管２の間に戻し配管がない本発
明に従う装置の態様を示す。この場合に、戻し配
管２９は、上部タンクの排出接続部１８に接続さ
れている。配管２９を経由して除去される液体中
に存在する粒状物はサイクロン３０において分離
され、そして粒状物を含まない液体は配管３３及
びポンプ３４を経由してポンプで送られる。ここ
の液体は一部は濃縮された液体として排出配管３
５を経由してシステムから除去され、一部は配管
３２を通つてサイクロン３０において分離された
粒状物を吸引するエジエクタ３１へ弁３６及び配
管３７を経由して運ばれる。次いで配管３７の液
体は粒状物を下部タンク８に洗い込み、戻し通路
を完成する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の態様の略鉛直断面図。
第２図は、戻し導管が立ち管束の外側にある第２
の態様を示す図。第３図は本発明の更に他の態様
の下端を拡大スケールで示す図、である。 図において、１……ケーシング、２……立ち
管、３，４……ヘツダプレート、７……上部タン
ク、８……下部タンク、１０……分配プレート、
１１……供給開口、１２……邪魔板、１３……蒸
気集収タンク、１４……蒸気排出部、１６……戻
し管、１７……供給開口、１８……排出開口、１
９……供給開口、２０……排出開口、３０……サ
イクロンである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 処理される液体が流れるための複数の上向き
   に延びる立ち管２を有し、該管２は使用に際して
   は処理される液体への熱移動のため相対的に高温
   の媒体と接触し、該立ち管２はそれぞれその上端
   及び下端において上部及び下部室７，８へと開口
   し、処理される液体の流れにより使用中少なくと
   も該立ち管を占めるように流動化され得る粒状物
   質を存在せしめた熱交換器を具備して成る蒸発に
   より液体を濃縮する装置において、 該上部室からの蒸気集収及び排出のための手段
   １３，１４を設け、立ち管２は上部室７の基部３
   より上に延びており、処理される液体及び粒状物
   質を上部室７から下部室８へ通過させるための少
   なくとも１つの戻し導管１６を設け、該戻し導管
   １６はそれぞれの室への上記立ち管の開口より低
   い高さ２２，２４において該上部室及び下部室に
   接続されており、処理される液体のための供給及
   び排出接続部１１，１８が該上部室への該立ち管
   の開口２１より低い高さに位置していることを特
   徴とする装置。 ２ 該戻し導管１６が該立ち管２を取囲むハウジ
   ング１の外側に位置している特許請求の範囲第１
   項記載の装置。 ３ 該戻し導管１６は処理される液体から粒状物
   質を分離するためのサイクロン３０を具備し、該
   サイクロン３０は両方共下部室８に接続されてい
   るそれぞれ粒状物質及び液体のための出口を有
   し、そして配管３５が該粒状物質を含まない該シ
   ステムからの処理された液体を排出するための該
   サイクロンの液体出口３３に接続されている特許
   請求の範囲第２項記載の装置。 ４ 該戻し導管１６は立ち管２の間に走つている
   特許請求の範囲第１項記載の装置。 ５ 該戻し導管１６は各立ち管より大きい直径の
   管である特許請求の範囲第４項記載の装置。 ６ 該戻し導管１６は該立ち管より低い単位面積
   当り熱伝導度の壁を有する管である特許請求の範
   囲第４又は５項記載の装置。 ７ 該立ち管２の開口の下に該下部室８に水平な
   開口つき液体流分配プレート１０がある特許請求
   の範囲第１〜６項の何れかに記載の装置。 ８ 分配管２６を経由してプレート１０を通して
   液体を流すため分配管２６が分配プレート１０の
   開口に取付けられており、各分配管２６はプレー
   ト１０の上及び下の両方にのびている特許請求の
   範囲第７項記載の装置。 ９ 処理される液体のための該供給接続部及び排
   出接続部２７の少なくとも１つが分配プレート１
   ０より下及び分配管２６の下端より上の高さに下
   部室８に位置している特許請求の範囲第８項記載
   の装置。 １０ 該立ち管２が下部室８へと下向きに延びそ
   してその頂部より下に開口２３を有し、そして処
   理される液体の該供給接続部１９及び排出接続部
   ２０の少なくとも１つは下部室の立ち管の該開口
   ２３より上の高さにおいて下部室８に位置してい
   る特許請求の範囲第１〜９項の何れかに記載の装
   置。