JPS6115370Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は灯油等の液体燃料を回転霧化し、この
霧化燃料を気化して青火燃焼させる縦型ロータリ
ーガス化バーナ装置に関する。

従来の此種縦型ロータリーガス化バーナ装置
は、第４図で示すようにモータにより回転される
回転軸イに略逆円錐台状の燃料誘導体ロを装着す
ると共に、該誘導体ロの上端部をバーナ底部の通
気口ハより気化室ニ内に臨ませ、更に気化室ニ外
に位置する誘導体ロの下端部周面適所に燃料供給
管ホの流出側端部ホが指向せしめてあり、この燃
料供給管ホから流出した燃料を回転中の誘導体ロ
の遠心力によつて気化室ニ内の飛散板ヘに誘導し
ている。そして気化室ニ内で気化させた燃料は撹
拌羽根トによつて送風筐チ上面の送風口リから送
風された燃焼空気と混合され、青火燃焼する混合
ガスとなる。しかし、上述の装置は燃料供給管ホ
の流出側端部ホ′を誘導体ロの周面に向けて折曲
せしめてあるので、送風口リからの燃焼空気の流
れは、第５図で示すように、燃料供給管ホの流出
側端部ホ′の直上で渦流が生じて圧力が降下し、
従つて燃料供給管ホの流出側端部ホ′から流出し
た燃料の一部が圧力の低い燃料供給管ホの流出側
端部上面に引かれて付着し、この付着した燃料が
燃料供給管ホを伝つて気化室ニ外部に漏れ、異常
燃焼の原因となつていた。

本考案は以上のような従来装置の欠点を簡単な
手段によつて解決したものであり、以下その実施
例を第１図〜第３図で示す図面に基づいて説明す
る。図中１は吸気筒２を有する下体３と上面略中
央部に送風口４を有する逆皿状の上体５とを連結
して成る中空円筒の送風筐で、前記送風口４は上
方に少許突設した環状突縁４ａにて形成されてい
る。６は前記送風筐１の上体５上面に断熱材７を
介して取付けた円空円筒状のバーナで、その上端
開口部には多数のスリツト状炎口８，８…を設け
たバーナヘツド９が装着され、且つ中央を開口し
た仕切壁１０下方は加熱ヒータ１１にて加熱され
る気化室１２が形成され、更に該気化室１２の底
壁略中央部には前記送風口４と気化室１２とを連
通させる通気口１３が開設してある。１４は前記
送風筐１内に装備せるモータで、該モータ１４の
回転軸１４′の途中適所には送風筐１内でターボ
型送風フアン１５が軸着され、更にこの回転軸１
４′の先端部は通気口１３を貫通して気化室１２
内に突入せしめられ、且つ下方より略逆円錐台状
の燃料誘導体１６、飛散体１７、撹拌羽根１８等
が順次装着してある。又、前記誘導体１６は上端
を前記気化室１２内の臨ませると共に下端部を気
化室１２外に露呈せしめて、前記送風筐１の送風
口４部分に位置させてある。１９は外部より上体
５の側壁を貫通して送風筐１内に突入せしめた燃
料供給管で、前記回転軸１４′の近傍で上方に向
けて折曲れ、且つその先端部は前記誘導体１６の
気化室外に露呈せしめた下端部周面適所に少許の
間隔を存して対向する如く誘導体１６に向けて折
曲してある。

２０は前記気化室１２の底壁より下方で且前記
通気口１３と送風口４との間に設けた円形逆皿状
の絞り孔形成板で、送風口４の環状突縁４ａ上面
に載置して断熱材７にて固定して気化室１２とは
非接触状態にしてある。

該絞り孔形成板２０の略中央部は前記送風口４
からの送風を絞るように送風口４よりも小径の絞
り孔２１が開設してあり、この絞り孔２１は前記
燃料供給管１９の先端部開口と対応せしめてあ
り、そして絞り口２１の周縁には該絞り孔２１と
連続して燃料供給管１９との当りを逃げるための
切欠部２２が形設してあり、該切欠部２２には前
記燃料供給管１９の先端部開口に近接した部分が
介挿してある。

本考案の構成は以上の如くであり次に動作につ
いて説明する。電磁ポンプ等の適宜な送油手段に
よつて送られた灯油等の燃料は、燃料供給管１９
の先端開口より回転中の誘導体１６下端部周面に
流出され飛散板１７を通じて気化室１２内壁に飛
散される。気化室１２は加熱ヒータ１１にて気化
可能温度に加熱されているので飛散燃料は瞬時に
ガス化される。一方送風フアン１５により送風筐
１から燃焼空気が気化室１２内に導入されている
ので、撹拌羽根１８の作用によりガス化燃料と燃
焼空気が混合し、その混合気は炎口８から噴出し
着炎燃焼される。

ところで、従来装置では前記したように燃料供
給管１９から流出する燃料の一部が、燃料供給管
１９の流出側端部の上面側に引かれて燃料供給管
１９に付着したのち、この燃料供給管１９を伝つ
て気化室１２外に漏れる欠点があつたが、本考案
では送風口４からの送風を絞る絞り孔２１を、燃
料供給管１９の流出側端部に対応して設けたの
で、絞り孔２１による燃焼空気流の吸引作用が手
伝つて燃料供給管１９の流出側端部上面に引かれ
ようとする一部の燃料も気化室１２内に飛散させ
ることができる。従つて、燃料供給管１９から流
出する燃料は誘導体１６の遠心力を絞り孔２１に
よる燃焼空気流の吸引作用との相剰効果にて確実
に気化室１２内に飛散されることになる。

又、絞り孔２１を開設した絞り孔形成板２０を
通気口１３と送風口４との間で且気化室と非接触
状態で設けているので、高温となる気化室１２の
熱影響により絞り孔形成板２０が熱変形を起こし
て絞り孔２１を通る燃焼空気流に乱れを生じさせ
るようなことも未然に防ぐことができる。

更に、絞り孔形成板２０の絞り孔２１周縁には
燃料供給管１９の流出側端部を介挿する切欠部２
２を形設したので、その流出側端部に沿つて上昇
する空気流を絞り孔形成板２０によつて抑制で
き、従つて、従来のように燃料供給管１９の流出
側端部の直上で渦流が生じて燃料の一部が流出側
端部上面に引かれて付着するようなこともない。

本考案による縦型ロータリーガス化バーナ装置
は以上の如く構成したので、下記の如き効果を奏
する。

絞り孔形成板の略中央部に開設した絞り孔
を、燃料供給管の流出側端部に対応させるよう
にしたので、絞り孔による燃焼空気流の吸引作
用と誘導体の遠心力との相剰効果により、燃料
供給管から流出する燃料を確実に気化室内に飛
散させることができ、簡単な手段で従来装置の
欠点を解消できる。

絞り孔を開設した絞り孔形成板を通気口と送
風口との間で且気化室と非接触状態に設けたの
で絞り孔形成板が熱変形を起して絞り孔を通る
燃焼空気流に乱れを生じさせるようなことも未
然に防止できる。

絞り孔形成板の絞り孔周縁には燃料供給管の
流出側端部を介挿する切欠部を形成したので、
流出側端部に沿つて上昇する空気流を絞り孔形
成板によつて抑制でき、燃料の一部が流出側端
部上面に引かれて付着するのを確実に防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の要部断面図、第２図は
同要部拡大図、第３図はノズル孔形成体単体の平
面図、第４図は従来例、第５図は第４図における
説明図である。 １……送風筐、４……送風口、６……バーナ、
１２……気化室、１３……通気口、１４′……回
転軸、１６……誘導体、１９……燃料供給管、２
１……絞り孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面に送風口を有する送風筐と、該送風筐上面
   に断熱材を介して取付け、底壁に開設せる通気口
   を前記送風口に連通させた気化室を有するバーナ
   と、モータの回転軸に装着され且つその上端部を
   前記気化室内の臨ませると共に下端を気化室外に
   霧呈せしめた略逆円錐台状の燃料誘導体と、流出
   側端部を前記誘導体の下端部周面適所に指向せし
   めた燃料供給管と、を備えたものに於て、略中央
   部に前記送風口よりも小径の絞り孔を開設せる絞
   り孔形成板を前記通気口と送風口との間で且前記
   気化室と非接触状態で設け、前記絞り孔形成板
   は、その絞り孔を前記燃料供給管の流出側端部に
   対応させると共に、該流出側端部を介挿する切欠
   部を前記絞り孔の周縁に形設したことを特徴とす
   る縦型ロータリーガス化バーナ装置。