JPS6114695Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパワーシフト変速機用油圧制御装置、
ホイールローダ、フオークリフト、クローラタン
バ、ブルトーザ等に応用できる変速クラツチ切換
弁に関するものである。

一般に変速クラツチと方向クラツチを有し、イ
ンプツト側に前進Ｆ、後進Ｒクラツチ及びギヤ、
アウトプツト側に変速ギヤを配置したパワーシフ
ト変速機において、第１図に示すＵ字形状変速操
作にてチエンジレバーを図の矢印方向に操作する
場合、変速クラツチ切換弁が中立位置で方向クラ
ツチ切換弁のみ切換操作させるパルブでは、方向
クラツチ切換弁を前進Ｆ又は後進Ｒに切換える
と、前進Ｆ又は後進Ｒのクラツチが接続し、変速
機内の前進Ｆ又は後進Ｒのギヤが遊転しだす時に
打音を発生するため、この打音を防止する必要が
ある。

変速クラツチ切換弁の中立位置で、方向クラツ
チ切換弁を前進Ｆ、後進Ｒに切換操作時に打音が
発生しないようにするためには、方向クラツチ切
換弁の油路をドレインしておく必要がある。従来
のものは第２図に示すように変速クラツチバルブ
ボデイ部ｂに方向クラツチ切換弁ｋの油路を断接
するための専用ポートｅ，ｇを設け、変速クラツ
チ切換弁のスプールｃにこの専用ポートを開閉す
るためのランド部c₁を設けていたため、変速クラ
ツチバルブボデイｂ、変速クラツチ切換弁ａのス
プールｃが本機能追加分長大になる欠点があつ
た。なお、図中ｄは入力ポート、ｆは方向クラツ
チ切換弁へ接続するポート、ｇはドレーンポー
ト、ｈ，ｉ，ｊは各変速段クラツチに接続するポ
ート、ｌは前進クラツチ、ｍは後進クラツチであ
る。

本考案は前記従来の欠点を解消するために提案
されるもので、方向クラツチと変速クラツチを有
するパワーシフト変速機用の油圧制御装置の変速
クラツチ切換弁において、油圧源に接続する第１
ポート、方向クラツチ切換弁に接続する第２ポー
ト、各変速クラツチに接続する第３、第４、第
５、第６ポートと、及び第１、第２、ドレーンポ
ートからなるバルブボデイと、前記第１ポートを
開閉する第１ランド部部、前記第１ドレーンポー
トを開閉する第２ランド部、前記第３〜第６ポー
トの何れかと対向可能な第３ランド部の各ランド
部と、前記第２ランド部の近傍で前記第１ランド
部側に設けた第１の孔と、前記第３ランド部に設
けられた第２の孔と、同第１、第２の孔を連通さ
せる孔とからなるスプールと、前記バルブボデイ
の第２のポートと第１ドレーンポートとの間及び
同スプールの第１、第２ランド部の間に設けた位
置決め機構とを備え、中立位置において第２ポー
トは第１ランド部の第２ランド部側に近傍して設
けられ、第１ドレーンポートは第２ランド部の第
１ランド部側に近接して設けられ、中立状態にお
いては第１ポートは第１ランド部によつて遮断さ
れるとともに、第２ポートは第１ドレーンポート
と連通し、変速状態においては第１ポートは第２
ポートと連通し、第１ドレーンポートは第２ラン
ド部によつて第２ポートから遮断されるものであ
り、変速クラツチ切換弁を本来の機能である変速
クラツチ切換弁に必要な最小スペースとし、かつ
変速クラツチ切換弁スプールについても最短の長
さに押えた上で、前記の変速クラツチ切換弁のス
プールを中立位置で方向クラツチ切換弁の位置に
関係なく方向クラツチ切換弁を解放する機能を付
加する変速クラツチ切換弁を提供せんとするもの
である。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、第３図は本考案の１実施例を示す変速セレク
タ切換弁の縦断面図、第４図は作動状態を示す油
圧回路図である。

さて図中１は変速クラツチ切換弁、２はバルブ
ボデイ、３はスプール、４は油圧源に接続する入
力ポート、５は方向クラツチ切換弁２１へ接続す
るポート、６，７，８，９は各変速段クラツチに
接続するポート、１０，１１，１２はドレーンポ
ート、１３，１４，１５はスプール３のランド
部、１６，１７，１８はスプール３に設けた油
路、１９は室、２０はスプールの変速位置決め機
構、２２は前進クラツチ、２３は後進クラツチ、
２４，２５，２６，２７は１〜４速クラツチ、Ａ
はスプールの最大移動置（変速位置決めのための
切欠き部長さ）、Ｂは機能を満足するために必要
とするランド部１３，１４間の最小長さである。

次に作用を説明すると、先ず変速クラツチ切換
弁１が中立位置（第３図）のとき、各変速段クラ
ツチ２４〜２７に接続するポート６〜９は、ドレ
ーンポート１１と連通しており、各変速段クラツ
チ２４〜２７は解放されている。

また入力ポート４は、スプール３のランド部１
３によつて方向クラツチ切換弁２１に接続するポ
ート５と遮断される。ポート５はドレーンポート
１０と連通する。なお、前記の状態では、前進ク
ラツチ２２および後進クラツチ２３は、方向クラ
ツチ切換弁２１からドレーンされ、方向クラツチ
は解放されている。

ここで方向クラツチ切換弁２１は前進方向又は
後進方向に切換え（第４図は前進方向を示す）、
次いで変速クラツチ切換弁１を１速位置に切換え
ると、ポンプ３１から吐出され、レギユレータバ
ルブ３２によつて常に一定の圧力に保持されて入
力ポート４に供給された圧油は、ポート５から方
向クラツチ切換弁２１を通り、前進クラツチ２２
に送られ、前進クラツチ２２は接続する。さらに
入力ポート４からの圧油は、室１９からスプール
３の油路１６，１７，１８を経てポート６に送ら
れ、１速クラツチ２４は接続する。また後進の場
合および２〜４速の場合も同様である。

以上詳細に説明した如く本考案は構成されてい
るため、変速クラツチ切換弁が中立位置では、方
向クラツチ切換弁を前進又は後進に切換えても変
速ギヤは遊転しないので、ギヤの打音又はシヨツ
クが発生せず、操作フイーリングが良い。また変
速クラツチ切換弁の中立位置で、方向クラツチ切
換弁を解放する機能をもたせるために、第２ポー
ト及び第１ドレーンポートを第１、第２ランド部
間の長さＢの範囲内に配設しているので、本機能
付加のための余剰スペースを必要とせず、コンパ
クト化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のＵ字形状変速操作機構の説明
図、第２図は従来の変速クラツチ切換弁の１例を
示す縦断面図、第３図は本考案の実施例を示す変
速クラツチ切換弁の縦断面図、第４図は第１図に
おける切換弁の作動状態を示す油圧回路図であ
る。 図の主要部分の説明、１……変速クラツチ切換
弁、２……バルブボデイ、３……スプール、４…
…油圧源に接続するポート（第１ポート）、５…
…切換弁へ接続するポート（第２ポート）、６…
…第３ポート、７……第４ポート、８……第５ポ
ート、９……第６ポート、１０……第１ドレーン
ポート、１１……第２ドレーンポート、１３……
第１ランド部、１４……第２ランド部、１５……
第３ランド部、１６……第１の孔、１７……孔、
１８……第２の孔、１９……室、２０……位置決
め機構、２１……方向クラツチ切換弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方向クラツチと変速クラツチを有するパワーシ
   フト変速機用の油圧制御装置の変速クラツチ切換
   弁において、油圧源に接続する第１ポート、方向
   クラツチ切換弁に接続する第２ポート、各変速ク
   ラツチに接続する第３、第４、第５、第６ポー
   ト、及び第１、第２、ドレーンポートからなるバ
   ルブボデイと、前記第１ポートを開閉する第１ラ
   ンド部、前記第１ドレーンポートを開閉する第２
   ランド部、前記第３〜第６ポートの何れかと対向
   可能な第３ランド部の各ランド部と、前記第２ラ
   ンド部の近傍で前記第１ランド部側に設けた第１
   の孔と、前記第３ランド部に設けられた第２の孔
   と、同第１、第２の孔を連通させる孔とからなる
   スプールと、前記バルブボデイの第２のポートと
   第１ドレーンポートとの間及び同スプールの第
   １、第２ランド部の間に設けた位置決め機構とを
   備え、中立位置において第２ポートは第１ランド
   部の第２ランド部側に近傍して設けられ、第１ド
   レーンポートは第２ランド部の第１ランド部側に
   近接して設けられ、中立状態においては第１ポー
   トは第１ランド部によつて遮断されるとともに、
   第２ポートは第１ドレーンポートと連通し、変速
   状態においては第１ポートは第２ポートと連通
   し、第１ドレーンポートは第２ランド部によつて
   第２ポートから遮断されることを特徴とする変速
   クラツチ切換弁。