JPS6114179Y2

JPS6114179Y2 -

Info

Publication number: JPS6114179Y2
Application number: JP104880U
Authority: JP
Priority date: 1980-01-09
Filing date: 1980-01-09
Publication date: 1986-05-02
Also published as: JPS56104225U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、コンデンサ要素とインダクタンス素
子とを結合して構成された集中定数型遅延素子に
関する。

従来のこの種の集中定数型遅延素子は、第１図
に例示すように、ドラム型コア１にコイル２を巻
回して構成されたインダクタンス素子を複数個備
えこれを直列に接続して、そのインダクタンス素
子の接続中点にコンデンサ３を接続した構造とな
つていた。

しかしこのような構造であると、各インダクタ
ンス素子の形成や接続、さらにはコンデンサ３の
接続による結線作業に手間を要し、量産性に欠け
大型化する欠点を生じる。

このような欠点を除去するものとして、第２図
Ａに例示するように、複数個のコンデンサ要素を
有する板状の複合型コンデンサ４の各電極５に透
孔６を形成し、この透孔６にインダクタンス素子
７の中継端子８を挿入し、該中継端子８と電極５
とを半田等によつて電気的に結合した集中定数型
遅延素子が知られている。

しかし、この集中定数型遅延素子は、複合形コ
ンデンサ４の各電極５に透孔６を設ける必要があ
るため、割れを生じ易い。また透孔６内に電極５
に電気的に結合された中継端子８が貫通するた
め、第２図Ｂに示すように、電極５と対の電極を
構成する共通電極９を、透孔６の外側の領域に設
けなければならず、電極の重なり面積が小さく、
静電容量が大きくとれない。

本考案は上述する従来の欠点を除去し、機械的
強度、静電容量が大きくとれ、しかもコンデンサ
電極に対するインダクタンス素子の電気的接続が
容易で、コンデンサ電極相互間の電気的絶縁性の
高い高信頼度の集中定数型遅延素子を提供するこ
とを目的とする。

上記目的を達成するため、本考案は、誘電体磁
器基板の長さ方向に複数のコンデンサ要素を順次
配列した平板状の複合型コンデンサと、ドラム型
コアにコイルを巻回した複数個のインダクタンス
素子とを備えてなり、前記複合型コンデンサの前
記コンデンサ要素の各々は、前記誘電体磁器基板
の厚み方向に誘電体磁器層を介して対向する少な
くとも一対の電極を備えると共に、幅方向の両端
部に前記一対の電極のそれぞれ導通する一対の取
出電極を有してなり、隣接するコンデンサ要素
は、前記誘電体磁器基板の幅方向の両端縁に形成
された欠落部によつて取出電極相互が互いに隔て
られており、前記複数個のインダクタンス素子は
間隔をおいて一方向に配列すると共に電気的に直
列に接続し、前記複数個のインダクタンス素子の
上方に、前記誘電体磁器基板の長さ方向が前記複
数個のインダクタンス素子の配列方向に一致する
ようにして、前記複合型コンデンサを配置し、前
記誘電体磁器基板の幅方向の一端側の前記取出電
極に、前記インダクタンス素子から導かれた中継
線を接続してなることを特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内
容を具体的に説明する。

第３図は本考案に係る集中定数型遅延素子の断
面図である。図において、１０はインダクタンス
素子１１は複合型コンデンサ、１２は絶縁ケー
ス、１３は絶縁樹脂である。

前記インダクタンス素子１０は、複数個備えら
れ、絶縁ケース１２の底面１２ａ上に、接着剤ま
たは両面接着テープ等の接着材１４により接着し
てある。

複合型コンデンサ１１は板状に構成され、前記
インダクタンス素子１０の上端面に、接着などの
手段によつて装着してある。この複合型コンデン
サ１１は、第４図Ａ，Ｂ，Ｃに示すように、誘電
体磁器基板１５の長さ方向に沿つて、複数個のコ
ンデンサ要素１６を配列した構造となつている。
コンデンサ要素１６の各々は、誘電体磁器基板１
５の表面に電極１７を設けると共に、該電極１７
から約20〜40μ程度の誘電体磁器層１５Ａを介し
て内部電極１８を埋設し、この内部電極１８の背
後を、100μ程度の誘電体磁器層１５Ｂによつて
裏打ち補強した構造となつている。このような内
部電極構造であると、容量層となる誘電体磁器層
１５Ａの厚みを薄くして大容量化を図る一方、誘
電体磁器層１５Ａの薄形化による機械的強度の低
下分を、誘電体磁器層１５Ｂによつて補なうこと
ができるので、充分な機械的強度を確保しつつ、
コンデンサ要素１６の各々の取得容量を大幅に増
大させることができる。ただし、遅延時間の関係
で取得容量を増大させる必要がない場合は内部電
極１８を表面電極１７と対向する他面上に表面電
極として設けることもできる。

前記表面電極１７、内部電極１８は、誘電体磁
器基板１５の幅方向の両端に設けた取出電極１
９，２０に導通接続してある。この取出電極１
９，２０は、銀ペーストの筆塗り焼付け等の手段
で形成されるものであるが、隣接するコンデンサ
要素１６の取出電極１９また２０の相互間は、欠
落部２１，２２によつて互に電気的に絶縁され
る。このような欠落部２１，２２を設けると、各
コンデンサ要素１６が互に電気的に独立すると共
に、欠落部２１，２２を通つてインダクタンス素
子１０の中継線を取出電極１９または２０に巻回
し、半田付けすることができるので、各コンデン
サ要素１６に対するインダクタンス素子１０の結
線作業が非常に容易になる。また上述のような欠
落部２１，２２があると、第３図の組立状態にお
いて、欠落部２１，２２内に絶縁樹脂１３が充填
されるので隣接するコンデンサ要素１６の取出電
極１９または２０相互間の電気的絶縁が確実にな
り、信頼性が向上する。

また、コンデンサ要素１６の相互間には、誘電
体磁器基板１５の片面または両面において、欠落
部１９−２０間を結ぶ如く、凹溝Ｓ１を設けてあ
る。この凹溝S₁があると、これと沿つて各コンデ
ンサ要素１６を個々に割り出すことができるの
で、複合型コンデンサ１１のコンデンサ要素１６
の個数を、インダクタンス素子１０個数に簡単に
合わせることができる。ただし、コンデンサ要素
１６の個数が予め定まつている場合は、該凹溝S₁
は省略できる。なお、第４図において、２３は、
表面電極１７の表面に被着したガラス質などの保
護膜である。

以上述べた如く、本考案は、誘電体磁器基板の
長さ方向に複数のコンデンサ要素を順次配列した
平板状の複合型コンデンサと、ドラム型コアにコ
イルを巻回した複数個のインダクタンス素子とを
備えてなり、前記複合型コンデンサの前記コンデ
ンサ要素の各々は、前記誘電体磁器基板の厚み方
向に誘電体磁器層を介して対向する少なくとも一
対の電極を備えると共に、幅方向の両端部に前記
一対の電極のそれぞれに導通する一対の取出電極
を有してなり、隣接するコンデンサ要素は、前記
誘電体磁器基板の幅方向の両端縁に形成された欠
落部によつて取出電極相互が互いに隔てられてお
り、前記複数個のインダクタンス素子は間隔をお
いて一方向に配列すると共に電気的に直列に接続
し、前記複数個のインダクタンス素子の上方に、
前記誘電体磁器基板の長さ方向が前記複数個のイ
ンダクタンス素子の配例方向に一致するようにし
て、前記複合型コンデンサを配置し、前記誘電体
磁器基板の幅方向の一端側の前記取出電極に、前
記インダクタンス素子から導かれた中継線を接続
してなることを特徴とするから、次のような効果
がある。

(1) 複合型コンデンサとインダクタンス素子とを
結合する場合、取出電極にインダクタンス素子
の中継線を結合すればよく、従来のような透
孔、中継端子を必要としない。したがつて、 (イ) 機械的強度が大きくなる。

(ロ) 電極有効面積が大きくなり、静電容量が増
大する。

(ハ) コンデンサ要素に対するインダクタンス素
子の結線が容易である。

(ニ) インダクタンス素子の上に複合型コンデン
サを接着等の手段によつて取付ければ良く、
中継端子取付構造に比べて、構造が簡単にな
り、小形かつ薄形になる。

(2) 隣接するコンデンサ要素の取出電極間に欠落
部を設けてあるから、 (イ) この欠落部を通つて取出電極にインダクタ
ンス素子の中継線を結合することができ、中
継線の結合業が容量になる。

(ロ) 全体を絶縁樹脂で被覆した場合、絶縁樹脂
が欠落部にも充填されるので、取出電極相互
間の電気絶縁性が高くなり、信頼性が向上す
る。

(3) 実施例に示したように、内部電極構造とする
ことにより、機械的強度を低下させることなく
コンデンサ要素の各々の静電容量を増大させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の集中定数型遅延素子の一例を示
す正面図、第２図Ａは従来の集中定数型遅延素子
の斜視図、第２図Ｂはその複合型コンデンサの部
分欠損平面図、第３図は本考案に係る集中定数型
遅延素子の正面断面図、第４図Ａは同じくその複
合型コンデンサの平面図、第４図Ｂ，Ｃはそれぞ
れ第４図ＡのB₁−B₁線、B₂−B₂線上における各
断面図である。１０……インダクタンス素子、１１……複合型
コンデンサ、１５……誘電体磁器基板、１６……
コンデンサ要素、１９，２０……取出電極、２
１，２２……欠落部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

誘電体磁器基板の長さ方向に複数のコンデンサ
要素を順次配列した平板状の複合型コンデンサ
と、ドラム型コアにコイルを巻回した複数個のイ
ンダクタンス素子とを備えてなり、前記複合型コ
ンデンサの前記コンデンサ要素の各々は、前記誘
電体磁器基板の厚み方向に誘電体磁器層を介して
対向する少なくとも一対の電極を備えると共に、
幅方向の両端部に前記一対の電極のそれぞれに導
通する一対の取出電極を有してなり、隣接するコ
ンデンサ要素は、前記誘電体磁器基板の幅方向の
両端縁に形成された欠落部によつて取出電極相互
が互いに隔てられており、前記複数個のインダク
タンス素子は間隔をおいて一方向に配列すると共
に電気的に直列に接続し、前記複数個のインダク
タンス素子の上方に、前記誘電体磁器基板の長さ
方向が前記複数個のインダクタンス素子の配列方
向に一致するようにして、前記複合型コンデンサ
を配置し、前記誘電体磁器基板の幅方向の一端側
の前記取出電極に、前記インダクタンス素子から
導かれた中継線を接続してなることを特徴とする
集中定数型遅延素子。