JPS6113670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、横引き障子と竪回転障子とを一つ
の枠内に面一にして納め、方立、付属部材等を不
要としたサツシに関するものである。

一般に異種のサツシを並列に設置する場合に
は、夫々のサツシを単体で組立てて連結したり、
枠部材を共通としたとしても、境界に方立を設け
ると共に、何れか一方の枠内には、サツシの種類
に適合させるべく補助部材を取付けて断面形状を
変化させていたので、多くの組立工数を必要とす
るのみならず、換気幅が枠部材の間口幅に支配さ
れる。外観を簡素に仕上げるのが難しい。閉鎖時
の気密性能が劣るなど幾多の問題点があつた。

然るにこの考案は、方立や付属部材を用いるこ
となく、一つの枠内に、横引き障子と竪回転障子
とを納めることにより、組立工数の増大を回避す
ると共に、換気幅を自由に選定でき、かつ外観が
美しく、気密性にも優れたサツシを提供すること
に成功したのである。

即ちこの考案を実施例について説明すれば、上
枠１、下枠２および竪枠３，３で方形の枠を構成
し、上枠１の下面へ長手方向に沿つてほゞ全長に
亘つて形成したレール４および下枠２の上面へ、
長手方向に沿つてほゞ全長に亘つて形成したレー
ル５を介して１枚の横引き障子６を摺動可能に装
着すると共に、上枠１および下枠２の一端部で、
前記レール４，５の室外側へリンク装置７，７を
設置し、該リンク装置７，７を介して、方形枠の
一側へ前記横引き障子６と協同して、方形の枠で
形成された開口部を塞ぐ竪辷り出し障子（竪回転
障子）８を回動可能に設置してこの考案に係るサ
ツシを構成したものである。上記サツシの閉鎖時
には前記横引き障子６と竪辷り出し障子８は、
夫々の室外側面が図示の如くほぼ面一となるよう
になつている。前記リンク装置７は第４図に示し
たように、一側縁に溝９を形成した型材１０と、
前記溝９と竪辷り出し障子８の下框１１（上部装
置では上框）の端部を連結する摺動リンク片１２
および型材１０の一端部と下框１１（上部装置で
は上框）の中央部を連結する回動リンク片１３と
から成り、竪辷り出し障子８の回動に際しては全
体が室外側に移動しながら回導するようになつて
いる。又、この竪辷り出し障子８の下框１１およ
び上框１４は、横引き障子６の下框１５および上
框１６の断面形状と異り、閉鎖時にレール４，５
で閉鎖を妨害されないようにしてある。図中１７
は各障子に装着した障子板、１８は気密材装着
溝、１９は気密材、２０は把手兼用掛止具であ
る。

上記実施例のサツシにおいて、竪辷り出し障子
８を開放するには、把手兼用掛止具２０を回し
て、横引き障子６との掛止を外すと共に、該部を
室外側へ押し出せば良く、第４図の如く開放する
ことができる。竪辷り出し障子８を開放させた状
態では、この障子８は枠部材の室外側へ移動して
おり、従つて横引き障子６は枠部材の全幅に亘つ
て自由に摺動させることができる。

然してこのサツシにおける換気幅は竪辷り出し
障子８の幅で決まるので、この幅の決定により自
由に換気幅を選定することができる。前記リンク
装置７において、回動リンク片１３を型材１０の
一端部と、竪辷り出し障子８の上下框１１，１４
の中央部との間に連結した為に、竪辷り出し障子
８を開放した際には、横引き障子６側へ全体が移
動する結果、室内より障子板１７両面の清掃も可
能である。又、横引き障子の外面の清掃も、該横
引き障子が竪辷り出し障子側へ移動できる為、室
内側より可能である。

以上の通り、この考案によれば、一つの枠内に
方立、付属部材等を用いることなく、横引き障子
と竪回転障子を装着したので、異種のサツシを並
列しているにも拘らず外観の美しいサツシを少い
工数で組立て得る効果がある。前記横引き障子と
竪回転障子は、面一にしてかつ方立を用いること
なく装着した構造であるので、換気幅は竪回転障
子の幅を選定して自由に決定することができる。
又、気密材も同一面上に連続して設置できるの
で、気密性並びに水密性も向上させることができ
る。更に横引き障子と堅回転障子は閉鎖時に室外
側面をほぼ面一としたので、閉鎖時の外観を嵌殺
し窓の如くにできる効果もある。

方形枠を構成する上下枠の長手方向に沿つて、
ほぼ全長にレールを敷設し、該レールの外側へ竪
辷り出し障子支承用のリンク装置を設置したの
で、方形枠を通常の窓枠用型材で構成できると共
に、竪辷り出し障子および横引き障子の内外面の
清掃が容易になり、かつ横引き障子の位置を前記
レール上の任意の位置に調節して所望の開口位置
を選定できるなどの諸効果がある。次に横引き障
子摺動用のレールを方形枠の中心側より室外側に
形成すれば、障子面を室外側に偏移させて、壁面
との凹凸を少くできる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の一部を破切した横
断面図、第２図は同じく実施例の横引き障子の部
分における一部を破切した縦断面図、第３図は同
じく実施例の竪辷り出し障子の部分における一部
を破切した縦断面図、第４図は同じく実施例の室
外側から視た一部斜視図である。 １……上枠、２……下枠、３……竪枠、４，５
……レール、６……横引き障子、７……リンク装
置、８……竪辷り出し障子、９……溝、１０……
型材、１１，１５……下框、１２……摺動リンク
片、１３……回動リンク片、１４，１６……上
框、１７……硝子板、１８……気密材装着溝、１
９……気密材、２０……把手兼用掛止具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 方形枠を構成する上下枠の長手方向に沿つ
   て、ほぼ全長に亘つてレールが敷設されて、方
   形枠の一側へ架設した横引き障子が方形枠の全
   幅に亘つて摺動可能に装着してあり、前記方形
   枠の他側には、前記横引き障子と協同して方形
   枠の開口部を塞ぐ堅回転障子が、前記横引き障
   子の摺動を妨げないように方形枠の室外側へ回
   動可能にリンク装置を介して設置してあり、前
   記竪回転障子の閉鎖位置では、該障子の室外側
   面と横引き障子の室外側面がほぼ面一としてあ
   ることを特徴とするサツシ。 ２ 横引き障子摺動用のレールは方形枠の中心よ
   り室外側に形成してある実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のサツシ。