JPS6113367Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、三角窓のない自動車における前席ド
アの窓枠の上縁に沿つて取り付けられるバイザー
本体の前端から前記窓枠の前下がりに傾斜した前
縁に沿つて取り付けられる補助バイザーを延設し
た自動車用サイドバイザーに関し、より詳細に説
明すると、補助バイザーの固定手段の改良に関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の自動車用サイドバイザーの窓枠
に対する固定は、バイザー本体の差込縁部や補助
バイザーの差込縁部に固着した係止金具を、窓枠
のガラス板挿込溝内の緩衝材（これは、フエルト
やゴムによつて断面略Ｃ字状に形成されてい
る。）の内側に挿入して行うように構成されてい
た。

つまり、バイザー本体の差込縁部や補助バイザ
ーの差込縁部を緩衝材の内側に差し込むと共に、
係止金具の先端を緩衝材の内面に係止させるよう
に構成されていた。

また補助バイザーを有するサイドバイザーでは
ないが、弾性変形可能な係止金具の先端側に窓枠
のガラス板挿込溝の一縁部に形成した折曲縁部と
係合する係合部と、それに連続する垂片とを形成
し、係止金具を弾性変形させて緩衝材の内側に挿
入し、その弾性復元力により前記係合部を前記折
曲縁部に弾性変形させ、サイドバイザーを取り外
す際には、前記垂片を指先で押して前記係合部に
よる弾性係合を解くように構成したサイドバイザ
ーの固定手段が、実公昭38−18820号公報によつ
て知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

補助バイザーを持たないサイドバイザーにおい
ては、係止金具を緩衝材に係止させても、また上
記公報のように窓枠のガラス板挿込溝の一縁部に
形成した折曲縁部に弾性係合させても、あまり問
題にはならないが、補助バイザーを有するサイド
バイザーの場合、補助バイザーが前下がりに傾斜
しており、走行時に大きな風圧を受けるため、補
助バイザーの取付け状態が非常に不安定になると
いう問題点があつた。

即ち、係止金具を緩衝材に係止させただけでは
補助バイザーの前面に大きな風圧を受けたとき、
係止金具が緩衝材ごと窓枠のガラス板挿込溝から
抜け出すことがあつた。

また、上記公報に記載の固定手段を補助バイザ
ー付きサイドバイザーに応用したとしても、補助
バイザーが係止金具の弾性復元力以上の風圧を受
けたとき、前記係合部と前記折曲縁部との弾性係
合が離脱する可能性は極めて大きく、補助バイザ
ーの固定手段としての信頼性が乏しかつた。しか
も、この固定手段は、窓枠のガラス板挿込溝の一
縁部に折曲縁部が形成されていることを前提とし
ており、断面形状の異なる、つまり折曲縁部のな
い窓枠には適用が不可能であつた。

本考案の目的は、従来例の上記問題点を解決す
ると共に、窓枠の塗装膜の傷付き、錆発生等を防
止して美麗な外観を保ち得るようにすることにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために本考案は、前席
ドアの窓枠の上縁に沿つて取り付けられるバイザ
ー本体の前端から前記窓枠の前下がりに傾斜した
前縁に沿つて取り付けられる補助バイザーを延設
した自動車用サイドバイザーにおいて、前記補助
バイザーの差込縁部に、金属片を軟質合成樹脂で
被覆してなる塑性変形可能な取付片の一端を固着
し、この取付片の自由端側を前記窓枠の外周に巻
き付けるべく構成したのである。

〔作用〕

上記の構成によれば、取付片が塑性変形するた
め、窓枠の断面形状に関係なく窓枠の外周に取付
片の自由端側を巻き付けることができる。

しかも取付片の自由端側を窓枠の外周に巻き付
けるので、ドアを閉めた状態においては、取付片
が窓枠と車体（ボデイ）との間に挟み込まれるこ
とになる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図面は、三角窓のない自動車における前席のド
アの窓枠３の上縁に沿つて取り付けけられる略水
平なバイザー本体１と、該バイザー本体１の前端
から、前記窓枠３の前下がりに傾斜した前縁に沿
うべく前方下方へ斜めに延設された補助バイザー
２とからなるプラスチツク製の自動車用サイドバ
イザーを示す。バイザー本体１及び補助バイザー
２は、ひさし板部１ａ，２ａと差込縁部１ｂ，２
ｂとを有し、これらの差込縁部１ｂ，２ｂを窓枠
３のガラス板挿込溝内の緩衝材３ａの内側に差し
込むように構成してある。差込縁部１ｂ，２ｂに
は、所々に前記緩衝材３ａに係止する周知構造の
係止金具Ａが取り付けられている。

上記の自動車用サイドバイザーにおける補助バ
イザー２の先端近くで、且つ、その差込縁部２ｂ
には、細長い金属片４ａを軟質合成樹脂４ｂで被
覆してなる塑性変形可能な直線状の取付片Ｂの一
端がハトメ、リベツト等で固着され、この取付片
Ｂの自由端側を、第３図に示すように、前記窓枠
３の外周に巻き付けるべく構成されている。

〔考案の効果〕

本考案は、上述した構成よりなるため、次の効
果を奏し得るのである。

取付片の自由端側を窓枠の断面形状に合わせ
た形状に塑性変形させて窓枠の外周に巻き付け
るので、取付片が窓枠に直接かつ機械的に係合
し、しかも、自動車のドアを閉めた状態では、
取付片がドアの窓枠と車体（ボデイ）との間に
挟み込まれることになり、自動車の走行中、補
助バイザーの前面に大きな風圧を受けても、補
助バイザーの固定状態が不安定になつたり、窓
枠から外れることがない。

取付片は塑性変形可能で、窓枠の断面形状に
合わせて変形させることができるため、窓枠の
断面形状に関係なく適用でき、経済的である。

取付片の金属片が樹脂被覆されているため、
これを窓枠外周に巻き付ける際に、窓枠の塗装
膜（外面）を傷付けることがなく、窓枠や金属
片の錆発生によつて外観が見苦しくなることが
ない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は正面
図、第２図は要部の断面図、第３図はサイドバイ
ザー着用状態における要部の断面図である。 １……バイザー本体、２……補助バイザー、２
ｂ……差込縁部、３……窓枠、４ａ……金属片、
４ｂ……軟質合成樹脂、Ｂ……取付片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前席ドアの窓枠の上縁に沿つて取り付けられる
   バイザー本体の前端から前記窓枠の前下がりに傾
   斜した前縁に沿つて取り付けられる補助バイザー
   を延設した自動車用サイドバイザーにおいて、前
   記補助バイザーの差込縁部に、金属片を軟質合成
   樹脂で被覆してなる塑性変形可能な取付片の一端
   を固着し、この取付片の自由端側を前記窓枠の外
   周に巻き付けるべく構成してあることを特徴とす
   る自動車用サイドバザー。