JPH062809Y2 - 自動車用バイザーの取り付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ産業上の利用分野 本考案は自動車の窓枠に取り付ける自動車用バイザー
（以下単にバイザーという）の考案であって、詳しく
は、内側のみに側壁を有するガラス挿入溝を備えたタイ
プの窓枠の、上端外側縁に装着される自動車用バイザー
の、取り付け構造に関するものである。

ロ従来技術 従来、自動車へバイザーを取り付けるための構造として
は、例えば、屋根に付設された樋に金具でバイザーを挟
持固定させるための構造や、バイザーの庇体の上縁に設
けた鍔部を、それに取り付けられたコ字状金具と共に、
窓枠の断面コ状のガラス挿入溝に嵌め込むための構造が
知られている。

又実開昭６３−１５号には、片側が粘着テープで窓枠へ
貼着されＵ字型の止め部材によって窓枠の外側板と挟着
された取付杆を用いて、バイザーを嵌込むための構造が
開示されている。

近年、窓枠とガラスとを面一にするため、外側壁を取り
去った窓枠を有する自動車が出現したが、このタイプの
窓枠に上記の技術を応用する試みは成されていなかっ
た。

ハ考案が解決しようとする課題 従来のバイザーを取り付けるための構造は、屋根の部分
に樋を有する窓枠や、窓ガラスの両側に側壁を有する窓
枠に用いるものであり、そのままでは、内側にのみ側壁
を有する窓枠に、適用できるものはなかった。

実開昭６３−１５号の方法も、窓ガラスの両側に側壁を
有する窓枠に用いるものであり、本件発明のように内側
にのみ側壁を有する窓枠に、無理に適用しようとする
と、止め部材を長くせざるを得ず、そうすると固着力が
弱くなるばかりか、粘着テープの接着力がなくなったと
きに捩れて、バイザーの位置がずれたり、がたついたり
するという欠点があった。又これを防止するために止め
部材の幅を拡げると、ガラスランを多く剥す必要が生
じ、面倒であった。

ニ課題を解決するための手段 本発明は、上記問題点を解消したものであって、その構
成は、庇部の上縁に沿って少なくともその一部を庇部の
内面側に折り返して形成された当て板部の窓枠当接面
に、両面接着テープを貼着すると共に、当て板部に嵌合
穴を形成したバイザー本体と、前記ガラス挿入溝の形状
に対応して折り曲げられた帯状金属板の片端を１８０度
折り返して係止部を形成すると共に、他端に二本の切り
込みを設け、その切り込みに挟まれた一片を内側に屈曲
せしめて圧接部を形成した止着金具とから成り、前記当
て板部を両面接着テープで窓枠外面に接着する一方、そ
の当て板部に対して止着金具の圧接部における前記切り
込みに挟まれた一片を両面テープ貼着側と反対の面から
嵌合穴に嵌合させると共に、係止部でガラス挿入溝の側
壁を挟着させることにある。

ヘ作用 バイザー本体は、庇部の内面側へ折り返して形成された
当て板部を両面接着テープで窓枠外側面へ接着し、仮り
止めできる。

そして、圧接部で当て板部を窓枠外側面へ押え付けると
共に、止着金具の係止部を窓枠の側壁に嵌着すれば、当
て板部が車体側へ強固に固定される。

このとき、止着金具はガラス挿入溝の形状に対応して折
り曲げられており、又圧接部の中央舌片は、当て板部の
嵌合穴に嵌められ、その状態で両横の２片が当て板部を
窓枠外側面に押し付けているので、捩れに対して非常に
強い構造となっており、両面接着テープの接着力がなく
なっても、バイザーは取り付け位置がずれたり、がたつ
いたりはしない。

ト実施例 本考案に係るバイザーの取り付け構造を、図面に基いて
説明する。

図面は４ドアタイプの乗用車に装着すべく形成された運
転席側のバイザーを例示したもので、１はバイザーの庇
部であり、上端縁には窓枠２の外側面２ａに密着する当
接面３ａを有した当て板部３が、庇部に対して断面を略
Ｔ状とし、長手方向に沿って後端縁まで周り込むよう設
けられ、その当接面３ａには両面接着テープ３ｂが貼着
されている。窓枠２の上フレームには内面側に側壁４が
突出しており、その側壁４とフレーム内周面とでガラス
挿入溝５となる段部が形成される。６は止着金具であ
り、全体がバネ性を有し、中央部は前記ガラス挿入溝５
の内面形状に合致した逆Ｌ状で、片端は１８０度折り返
されて前記側壁４を挟み込むようその側壁４へ嵌着する
係止部７となっている。又他端は上方へ略直角に折り曲
げ、その折り曲げ部分に二本の切り込みを入れ、中央の
舌片に窓枠２の外側面２ａ側へ付勢力を与えることによ
り圧接部８が形成されている。前記バイザーの当て板部
３には、先端から後端に至る要所（３箇所）に、圧接部
８の中央舌片が嵌まり込む嵌合穴９、９・が穿設されて
いると共に、後端縁の当て板部３には嵌め込み凹部１０
が形成され、その嵌め込み凹部１０中央には突起１０ａ
が設けられている。そしてその嵌め込み凹部１０には、
コ字状金具１１が、そのコ字状金具１１の透孔に前記突
起１０ａを挿通して嵌め込み、取り付けられる。前記嵌
合穴９、９・が穿設された当て板部３は、本実施例では
庇部１に対して断面略Ｔ状としているが、少なくとも庇
部１の内面側へ折り曲げ状に突き出るように設ければよ
く、たとえば当て板部３の断面形状を下向きＬ状に設け
たり、嵌合穴９、９・の部分にのみ当て板部３を設けて
もよい。

このように形成されたバイザーは、先ずガラス挿入溝内
に嵌着されているゴム製のガラスラン１２を、バイザー
取り付け部のみ剥ぎ取り、バイザー取り付け面の汚れを
拭き取ってバイザーの当て板部３を両面接着テープ３ｂ
で窓枠外側面へ接着すると共に、止着金具６の係止部７
を、窓枠２の側壁４へ嵌着し、圧接部８を嵌合穴９へ嵌
め込んで当て板部３を窓枠側へ押え付け、ガラスラン１
２を元通りにガラス挿入溝内へ嵌着させる。

又後端部は、コ字状金具１１を窓枠の側縁に嵌着させ
る。

このようにすれば、バイザーは窓枠上部外側面へ強固に
固定され、止着金具は嵌合穴に嵌め込まれているのでズ
レることがなく、体裁も良い。

尚本実施例は運転席側について説明したが、助手席側も
同様であり、後端のコ字状金具は省略しても差し支えな
いし、止着金具の形状は、ガラス挿入溝内へ嵌め込み可
能で、片端に係止部を、他端に圧接部を有し当て板部を
窓枠側へ押し付けて固定できるものであれば、実施例に
限定されるものではない。また、本考案は両面接着テー
プを利用してバイザーを窓枠に接着させるものである
が、両面接着テープに替えて、当て板部の当接面にゴム
磁石を貼着しても同様の効果を得ることができる。

ト効果 本考案によれば、バイザーが両面接着テープの接着力と
止着金具の圧接力によって固定されるので、自動車に取
り付け穴を穿設したり、見苦しい金具が露出することな
く、止着金具はガラス挿入溝とガラスランとに挟まれて
ガラスと直接接触しないので、ガラスが傷付く虞れもな
い。

又止着金具は、その圧接部の中央舌片が当て板部の嵌合
穴に嵌められた状態で係止部が窓枠の側壁を強固に挟着
しているので、両面接着テープの接着力がなくなった場
合でも、バイザーの位置をずらしたり、がたつかせたり
することなく、強固な固定を保持できる。

而も止着金具は、幅が狭くても強固にバイザーを固定で
きるため、取り付けの際ガラスランを多く剥す必要がな
く、手間がかからない。

更に窓枠とガラスとが面一となる自動車の基本デザイン
はそのまま維持され、不自然さはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例であるバイザー取り付け要領を
示す断面図、第２図は同バイザーの取り付け断面図、第
３図は本考案の実施例であるバイザー及び止着金具の斜
視図、第４図は本考案の実施例であるバイザー後端部の
取り付け断面図 １……バイザーの庇部、２……窓枠、２ａ……外側面、
３……当て板部、３ａ……当接面、３ｂ……両面接着テ
ープ、４……側壁、５……ガラス挿入溝、６……止着金
具、７……係止部、８……圧接部、９、９……嵌合穴、
１０……嵌め込み凹部、１０ａ……突起、１１……コ字
状金具、１２……ガラスラン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内側のみに側壁を有するガラス挿入溝を備
   えた窓枠へ装着するバイザーの取り付け構造において、
   庇部の上縁に沿って少なくともその一部を庇部の内面側
   に折り返して形成された当て板部の窓枠当接面に、両面
   接着テープを貼着すると共に、板部に嵌合穴を形成した
   バイザー本体と、前記ガラス挿入溝の形状に対応して折
   り曲げられた帯状金属板の片端を１８０度折り返して係
   止部を形成すると共に、他端に二本の切り込みを設け、
   その切り込みに挟まれた一片を内側に屈曲せしめて圧接
   部を形成した止着金具とから成り、前記板部を両面接着
   テープで窓枠外面に接着する一方、その当て板部に対し
   て止着金具の圧接部における前記切り込みに挟まれた一
   片を両面テープ貼着側と反対の面から嵌合穴に嵌合させ
   ると共に、係止部でガラス挿入溝の側壁を挟着させるこ
   と特徴とした自動車用バイザーの取り付け構造。