JPS6112644Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は継電器、電磁接触器等に組み込まれる
電磁コイルに係り、特に巻線コイル上に配置する
コイルターミナルに関する。

従来の電磁コイルの例を第１図〜第２図で説明
する。

第１図において、コイルボビン１の周囲にマグ
ネツトワイヤーを復数回巻き付けてコイル巻線２
を形成し、コイル巻線２の巻き始めおよび巻き終
り部はコイルターミナル３に接続される。

ここでコイルターミナル３は、コイル巻線２の
外周に配置し、両者間の電気的絶縁を要するため
に絶縁座４を挿入した状態で外装５が施してあ
る。

コイルターミナル３の固定方法を第２図をもつ
て詳述すると、コイルターミナル３の底部である
ターミナルベース３ａ部は二つ折り状の絶縁座４
に包合され、コイルターミナル３は角穴４ａを貫
通して絶縁座４の表面に出る。この状態のままコ
イル巻線上の所定位置におき、麻糸６あるいは粘
着性絶縁テープ７をもつて、前述のコイル巻線２
上に固定しておき、その外周にテープ状外装材を
巻き付けて前述の外装５を形成する。

しかし実使用に当つては、コイルターミナル３
への配線接続を端子ネジ８によつて行うため、締
め付け、取り外し時のトルクが外力としてコイル
ターミナルに作用し、ターミナルベース３ａ部分
が上下、左右方向にずれを生じる不具合を有す
る。とりわけずれの発生に伴い、コイル巻線接続
部分に無理がかかり断線を惹起する欠点があつ
た。

本考案の目的は、外力の作用に対するコイルタ
ーミナルの位置ずれを簡単な構成により防止した
電磁コイルを提供することにある。

すなわち本考案は、コイルターミナルのターミ
ナルベース部分を包合する絶縁座を三つ折りにす
ると共に、折り重ね部分にコイルターミナルのタ
ーミナルベースを係合する押え穴とコイルターミ
ナルの口出接続部の動きを押える押え部を形成
し、またコイルターミナルのターミナルベースを
口出接続部より巾広く形成し、外力作用時のずれ
に対する反力を生じさせんとするものである。

以下第３図〜第４図をもつて実施例を説明す
る。第３図は本考案による絶縁座の展開状態をし
めすもので、一般にはフアイバーシート等を使用
する。当然ではあるが絶縁座４の外形寸法は、対
応する電磁コイル、コイルターミナルの形状、寸
法に応じて変化する。絶縁座４は三つ折りに形成
され、中央部４Ａと、その下方の押え部４Ｂと、
上方の口出部４Ｃとよりなる。押え部４Ａには折
り返えしたときにコイルターミナル３のターミナ
ルベース３ａを係合するようにターミナルベース
の外形に合せて打抜かれた押え穴４ｂを有し、ま
た口出部４Ｃには折り返えしたときにコイルター
ミナル３の口出接続部３ｂを貫通し、左右の位置
ずれを抑制する角穴４ａを有する。

こここでターミナル押え穴４ｂは、前述ターミ
ナルベースの外形に合わせてあり、寸法的にはコ
イルターミナルの許容されるずれ量と、組込み作
業時の作業性を配慮したものとしている。なおお
中央部Ａ−Ａ線、Ｂ−Ｂ線は組込み時の絶縁座４
を折り返えす位置をしめすものである。

第４図は、本考案による絶縁座４とターミナル
ベース３ａとの位置関係をしめすもので、ターミ
ナル押え穴４ｂ中にターミナルベース３ａは収納
され、Ｂ−Ｂ線での口出部４ｃの折り返し部分が
蓋の役割を受け持つ。以上の状態でＡ−Ａ線、Ｂ
−Ｂ線の完全な折り返しを行う事によつてターミ
ナルベース３ａは上下左右方向のずれが規制を受
ける事になる。

ところで、コイルターミナル３は第４図に示す
ようにターミナルベース３ａは口出接続部３ｂよ
りも巾広に形成されている。

第２図で説明したと同様に、麻糸、化繊テープ
等でコイル巻線対する位置決めを行い、その後シ
ート状テープによる外装を行い、電磁コイルを形
成する。

以上のように構成したので、コイルターミナル
３のターミナルベース３ａは、上下、左右、前後
を絶縁座４で被われると共に、口出接続部３ｂも
左右の動きを押えられているので、口出接続部３
ｂのねじ穴３ｃに配線のねじ締めを行つても、コ
イルターミナル３が動くようなことはなくなる。

以上、本考案により電磁コイルのコイルターミ
ナルへの外力印加に対して、ターミナルベース部
での上下左右方向の位置ずれを簡単な構造で大幅
に規制する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術による電磁コイルの側断面
図、第２図は第１図内ターミナルベース固定方法
説明のための斜視図、第３図は本考案による絶縁
座の展開図、第４図は第３図の絶縁座とターミナ
ルベースとの位置関係をしめす斜視図である。 １……コイルボビン、２……コイル巻線、３…
…コイルターミナル、３ａ……ターミナルベー
ス、４……絶縁座、４ａ……角穴、５……外装、
６……麻糸、７……化繊テープ、８……端子ネ
ジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コイルボビンの周囲にマグネツトワイヤーを複
   数回巻き付けて形成したコイル巻線と、このコイ
   ル巻線の巻端に接続されるコイルターミナルと、
   このコイルターミナルのターミナルベースの表裏
   を被つて前記コイル巻線上に配置される絶縁座
   と、この絶縁座と前記コイル巻線とを固定する外
   装材とを備えた電磁コイルにおいて、前記コイル
   ターミナルは口出接続部と口出接続部より巾広の
   前記ターミナルベースとを有し、かつ、前記絶縁
   座は前記コイル巻線に接すると共に前記ターミナ
   ルベースの裏面に接する中央部と、該中央部に折
   りたたまれ前記ターミナルベースを係合する押え
   穴を有する押え部上に折りたたまれ、前記コイル
   ターミナルの口出接続部を貫通して左右の動きを
   押える角穴を有する口出部とより形成したことを
   特徴とする電磁コイル。