JPS6111424Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は建屋に開設した窓開口部に装着する
出窓に関し、その目的は出窓本体と屋根体との連
結施工が容易で強固に連結することのできる出窓
を提供することにある。

次に、本考案の一実施例を図にしたがつて説明
すると、図中１は窓開口部Ｗの屋外側に張出状に
装着された出窓の全体であつて、同出窓１は出窓
本体２とその上部に載置状に連結される屋根体１
７とより構成されている。

この出窓本体２は屋外側の引戸障子枠３と左右
の側壁部９と床板７とより構成されている。

３は上記した引戸障子枠であつて、上枠４、下
枠５および左右縦枠６とにより方形状に枠組みさ
れている。

４は上記した上枠であつて、その断面におい
て、４Ａは摺動ウエブであつて水平状に設けら
れ、その下面には仕切片４Ｂ，４Ｃ，４Ｄがその
長手方向に沿つて垂設されるとともに屋外側の仕
切片４Ｄの一部には屋外側へ向つて断面略かぎ形
状の突片４Ｅが突設されて、摺動ウエブ４Ａの下
面側には障子溝４Ｆ，４Ｇおよび網戸溝４Ｈが形
成されている。また、摺動ウエブ４Ａの屋外側に
は上方に向つて断面略かぎ形状の突片４Ｊが突設
され、また、同ウエブ４Ａの屋内側には突片４Ｊ
と対応して上方に向つて突片４Ｋが突設されると
ともに、同突片４Ｋの上端には屋外側へ水平状に
突出する取付片４Ｌが形成されている。なお、４
Ｍは上枠４の長手方向に沿つて形成されたビス受
けである。

５は上記した下枠５であつて、その断面におい
て、５Ａは摺動ウエブであつて、鉛直状に設けら
れた屋内片５Ｂの一部より屋外側へ下降する階段
状に障子ウエブ５Ｃ，５Ｄおよび網戸ウエブ５Ｅ
が形成され、各ウエブ５Ｃ，５Ｄ，５Ｅにはそれ
ぞれレール５Ｆが条設されている。また、網戸ウ
エブ５Ｅの下面には前縁５Ｇが垂設され、同前縁
５Ｇと屋内片５Ｂとの間には下縁５Ｈが水平状に
設けられて、下枠５には中空部５Ｊが一体に形成
されている。また、屋内片５Ｂの上端には屋内側
へ向つて水平状に張出す取付片５Ｋが形成される
とともにその下方には屋内側へ突出する突片５Ｌ
が形成されている。なお、５Ｍは下枠５の長手方
向に沿つて形成されたビス受けである。

６は引戸障子枠３の左右の縦枠であつて、両縦
枠６は対称形状に形成されているので図示右側の
縦枠６について説明すると、その断面において、
戸当ウエブ６Ａと補強ウエブ６Ｂとが平行状に設
けられ、両ウエブ６Ａ，６Ｂの先端部には断面略
かぎ形状の突片６Ｃ，６Ｄが対応して形成され、
突片６Ｃ，６Ｄ間には前縁６Ｅが形成されてい
る。また、両ウエブ６Ａ，６Ｂの屋内端間には内
縁６Ｆが形成されて中空部６Ｇが一体に形成され
ている。また、戸当ウエブ６Ａには図示左方向へ
仕切片６Ｈ，６Ｊ，６Ｋが突設されて戸当溝６
Ｌ，６Ｍが形成されている。また、戸当ウエブ６
Ａは屋内側へ延設されて取付片６Ｎが形成され、
また、内縁６Ｆの図示右端部寄りには図示断面略
かぎ形状の取付片６Ｐが形成されるとともに同取
付片６Ｐの図示外側面には溝部６Ｒが形成されて
いる。

このように形成された上枠４、下枠５および左
右の縦枠６はその両端部が相互にビス受け４Ｍ，
５Ｍを介して結合されて方形状の引戸障子枠３が
形成され、この障子枠３の下枠５の屋内側には床
板７が取付けられ、また、左右の縦枠６の屋内側
には側壁部９が形成されている。

この床板７にはステンレス鋼板８が張着される
とともにその屋外側は下枠５の取付片５Ｋと突片
５Ｌとの間に挿入されて取付ボルト２５Ｃにより
取付けられ、また、同床板７は図示のように屋内
側へ若干張出す長さに形成されている。

９は上記した左右の側壁部であつて、対称形状
に形成されているので、図示右側の側壁部９につ
いて説明する。この側壁部９は側板１０とカバー
部材１４とより形成され、この側板１０の内側面
にはステンレス鋼板８が張着され、所定の張出幅
を有し出窓本体２の側壁を形成する方形状に形成
され、その屋外端は障子枠３の縦枠６の取付片６
Ｎにねじ等により止着され、また、側板１０の屋
内端は窓開口部Ｗの縦柱２９の屋外面に当接して
取付けるため図示屋内端内面の長手方向には取付
片１１Ａを有する縁部材１１が止着されている。
また、側板１０の内面上下端縁には縁部材１２が
その長手方向に沿つて止着され（第３，４図参
照）、同板１０の下端部は床板７の上面に当接さ
れている（第４図参照）。

１４は上記したカバー部材であつて、鉄鋼材あ
るいはステンレス鋼板等からなる板材を折曲成形
してなるもので、その断面において、屋外ウエブ
１４Ａと屋内ウエブ１４Ｂとが段差する断面略Ｚ
形状に形成されて屋外ウエブ１４Ａは側板１０と
所定の距離を隔てて設けられ、その屋外側には段
差状に縦枠６の取付片６Ｐに重合状に取付けられ
る取付片１４Ｃが形成されてねじ等により止着さ
れ、また、屋内ウエブ１４Ｂは側板１０に当接さ
れてねじ等により止着されるとともに同屋内ウエ
ブ１４Ｂの屋内端には縦柱２９の屋外面に沿う取
付片１４Ｄが形成されて、カバー部材１４の屋内
側には図示のように外装材３０を嵌込み可能な凹
部１４Ｅが形成されている。また、屋外ウエブ１
４Ａの下端部は第４図に示すように折曲されて縁
片１４Ｆが形成されている。

このように形成された出窓本体２の床板７の下
面側の図示のように敷居２８との隅角部となる長
手方向に沿つて水切部材１５が取付けられてい
る。この水切部材１５は水平状の取付片１５Ａと
同片１５Ａの両端縁には水切片１５Ｂと屋内片１
５Ｃとが垂設されて断面略逆Ｕ字形状に形成され
て外装材３０を嵌込み可能な溝部１５Ｄが形成さ
れ、また、水切部材１５の左右端には溝部１５Ｄ
を閉鎖に側片１５Ｅが形成されている。このよう
に形成された水切部材１５は床板７の下面所定位
置に沿つてねじ等により止着されるとともに側片
１５Ｅ側はカバー部材１４の屋内ウエブ側よりね
じにより止着されている。このようにして形成さ
れた出窓本体２にはその上部側を閉鎖状に屋根体
１７が取付けられている。

１７は上記した屋根体であつて、屋根板１８、
内板１９、スペーサ２０、側縁板２１および垂直
壁板２２と天井板２３とより構成されている。

１８は上記した屋根板であつて、鉄鋼材あるい
はステンレス鋼材等の板材を折曲成形してなるも
ので、その断面において、１８Ａはウエブであつ
て、屋外側へやや下傾して出窓本体２の位置より
さらに屋外側へ庇状に張出し、その外端は下方へ
折曲され前縁１８Ｂが形成されるとともに、その
下端部は屋内側へ若干水平状に張出しさらに屋内
側上斜状に折曲成形されて取付片１８Ｃが形成さ
れている。また、ウエブ１８Ａの屋内端には上方
へ立上る取付片１８Ｄが形成されている。また、
ウエブ１８Ａは第３図に示すように出窓本体２の
側壁部９よりさらに側方へ延設されるともに下方
へ折曲されて側縁１８Ｅが形成れ、その下端部は
断面略かぎ形状に内側方向へ折返されて取付片１
８Ｆが形成されている。

１９は上記した内板（屋外側内板ともいう）で
あつて、鉄鋼材あるいはステンレス鋼材等の板材
より成形され、出窓本体２の障子枠３の上枠４の
上面側長手方向に沿つて取付けられるもので、そ
の断面において、１９Ａはウエブであつて、上枠
４の突片４Ｊおよび取付片４Ｌに当接して水平状
に設けられ、その屋外端は上枠４の前面に沿つて
下方へ折曲されて係合片１９Ｂが形成され、その
下端部は屋外側へ所定の張出幅で水平状に張出す
張出しウエブ１９Ｃが形成されるとともにその外
端には屋根板１８の取付片１８Ｃと図示のように
重合状に取付けられる取付片１９Ｄが形成されて
いる。また、ウエブ１９Ａの長手方向には所定の
間隔でスペーサ２０と嵌合する複数個の孔（本例
では方形状の孔）１９Ｅが貫設されている。

２０は上記したスペーサであつて、鉄鋼材ある
いはステンレス鋼材等の板材からなり内板１９の
孔１９Ｅに嵌合されて内板１９と屋根板１８とを
所定の間隔で連結保持し、かつ上枠４側に連結さ
れるもので、このスペーサ２０は屋外片２０Ａ、
底片２０Ｂおよび屋内片２０Ｃとが図示のように
内板１９に貫通した孔１９Ｅに内嵌するる略Ｕ字
形状に形成され、屋外片２０Ａは第５図に示つよ
うに縦方向へ２つ割りされて、その一方の片は所
定の位置より屋外側へ折曲されて内板１９のウエ
ブ１９Ａに重合状に当接する取付片２０Ｄが形成
され、また、他方の片は上方へ延設されるととも
に屋外側へ図示のように折曲された屋根板１８の
ウエブ１８Ａの下面に沿つて重合当接する取付片
２０Ｅが形成されている。また、屋内片２０Ｃは
上方へ延設されるとともに屋内側へ図示のように
折曲されて屋根板１８のウエブ１８Ａの下面に沿
つて重合当接する取付片２０Ｆが形成され、同片
２０Ｆの先端部には上枠４の突片４Ｋと対向状に
垂下し、かつ屋内側へ上枠４の取付片４Ｌと所定
の間隔を隔てて屋内側へ水平状に張出す断面略Ｌ
型状の取付片２０Ｇが形成されている。このよう
に形成されたスペーサ２０を内板１９の孔１９Ｅ
に嵌合状に取付けると底片２０Ｂ側は内板１９の
ウエブ１９Ａより図示下方へ突出されて上枠４の
ビス受け４Ｍ間で摺動ウエブ４Ａ上面に当接する
取付部２０Ｈが形成されている。

２１は上記した側縁板であつて、鉄鋼材あるい
はステンレス鋼材等の板材からなるもので、天井
板２３の側縁と屋根板１８の側縁１８Ｅ間に取付
けられるもので、その断面において、２１Ａはウ
エブであつて、同ウエブ２１Ａの図示右端部（内
側となる端部）には上方へ立上りかつ内側へ水平
状に張出して天井板２３の下面へ取付けられる断
面略かぎ形状の取付片２１Ｂが形成され、また、
同ウエブ２１Ａの図示左端部（外側となる端部）
には屋根板１８の側縁１８Ｅの端部に形成した断
面略かぎ形状の取付１８Ｆの内側面に重合状に当
接係合する断面略かぎ形状の取付片２１Ｃが形成
されている。

２２は上記した垂直壁板であつて、鉄鋼材ある
いはステンレス鋼材等の板材を折曲成形してなる
もので、窓開口部Ｗの鴨居２７の屋外面に沿つて
取付けられるとともに内板１９と側縁板２１とに
より天井板２３を取付けるもので、その断面にお
いて、２２Ａは窓開口部Ｗの鴨居２７の屋外面に
沿つて延設する取付壁板であつて、同壁板２２Ａ
の下端部は上方へ所定の長さ折返えされて二重の
下部取付部２２Ｂが形成されるとともに、さらに
屋外側上方に向つて断面略コ字形状に折曲されか
つその端部が取付壁板２２Ａに当接されて中空部
２２Ｄを有する天井板２３の取付部２２Ｃが形成
されている。

このように形成された樫根板１８、内板１９、
スペーサ２０、側縁板２１および垂直壁板２２と
は、まず、複数個のスペーサ２０の取付部２０Ｈ
が内板１９に貫設した複数個の孔１９Ｅに嵌合さ
れてその取付片２０Ｄとウエブ１９Ａとが重合当
接されてそれぞれ同部位は点溶接Ｐ１され、ま
た、内板１９の取付片１９Ｄは屋根板１８の取付
片１８Ｃと重合当接されるとともにスペーサ２０
の取付片２０Ｅ，２０Ｆは屋根板１８のウエブ１
８Ａ下面へ重合当接されてそれぞれ点溶接Ｐ２，
Ｐ３，Ｐ４されている。また、屋根板１８の下面
に溶着したスペーサ２０の取付片２０Ｇと内板１
９のウエブ１９Ａの屋内縁との間には下面にステ
ンレス鋼板８を張着した天井板（屋内側内板とも
いう）２３がねじ２４Ａ，２４Ｂにより取付けら
れ、また、天井板１８の屋内側に形成した取付片
１８Ｄには垂直壁板２２の取付壁板２２Ａの上部
側が図示のように重合当接されるとともに点溶接
Ｐ５，Ｐ６されて屋根体１７の上部取付部１７Ａ
が形成され、この垂直壁板２２の取付部２２Ｃに
は天井板２３の屋内縁が載置されてねじ２４Ｃに
より止着されている。また、屋根板１８の側縁１
８Ｅの下端部に形成された取付片１８Ｆには図示
のように側縁板２１の取付片２１Ｃが重合状に当
接係合されて点溶接Ｐ７されるとともに同側縁板
２１の内側となる取付片２１Ｂは天井板２３の側
縁にねじ２４Ｄにより止着されて屋根体１７が形
成されている。

このようにして形成された屋根体１７は内板１
９の係合片１９Ｂが上枠４の前面に係合させてウ
エブ１９Ａを上枠４上に載置するとウエブ１９Ａ
の孔１９Ｅより突出したスペーサ２０の取付部２
０Ｅは上枠４のビス受け４Ｍ間に挿入されるとと
もにその底片２０Ｂは上枠４の摺動ウエブ４Ａの
上面に当接されて取付用ねじ２５Ａにより螺着さ
れて屋根体１７と引戸障子枠３とは連結され、さ
らに上枠４の取付片４Ｌはスペーサ２０の屋内側
の取付片２０Ｇに対し取付片ねじ２５Ｂにより螺
着されている（第６図参照）。また、屋根体１７
の屋内側は第３図に示すように断面略Ｌ形状の連
結部材２６を介して溶着手段等により止着されて
垂直壁板２２の取付壁板２２Ａと側壁部９とが連
結され、屋根体１７は出窓本体２の上部側を閉蓋
状に取付けられて出窓１が形成されている。

このように形成された出窓１はその床板７が図
示のように窓開口部Ｗの敷居２８の上面に載置さ
れて取付部材１６を介して取付けられるととも
に、窓開口部Ｗの周縁枠の屋外面に対し取付部１
７Ａ，２２Ｂおよび取付片１１Ａ，１４Ｄを介し
て釘等により止着されて出窓１は窓開口部Ｗの屋
外側へ張出状に装着されている。

なお、図中３１は引戸障子枠３に建付けたガラ
ス障子、３２は同じく網戸、３３は縦枠６の下端
部に被冠したキヤツプである。

次に、上記のように構成された本実施例の作用
および効果について説明する。

さて、本例出窓１は出窓本体２に屋根体１７を
連結してなるもので、出窓本体２の屋外側には上
枠４、下枠５および左右の縦枠６とからなる引戸
障子枠３が形成されるとともに、屋根体１７は屋
根板１８と同屋根板１８の下面側に取付けられる
内板１９とを主体とし、同屋根体１７の引戸障子
枠３と連結する位置には屋根板１８と内板１９と
の間にスペーサ２０を介装し、かつ同スペーサ２
０の一部を内板１９より下方へ突出せしめて引戸
障子枠３との取付部２０Ｈを設けて屋根体１７と
引戸障子枠３とを連結する構成としたものであ
る。したがつて、屋根体１７は、その屋根板１８
と内板１９とがスペーサ２０を介して連結される
とともに、同スペーサ２０の一部を内板１９より
下方へ突設して取付部２０Ｈを形成したので、屋
根体１７と出窓本体３との連結は、従来のように
別設の連結部材による連結構造に比し極めて単純
構成に拘らず極めて強固に連結することができる
とともに、スペーサ２０に取付部２０Ｈを一体に
形成したものであるから、その連結施工を極めて
省力的に行うことができる。また、スペーサ２０
は図示のように板材を折曲成形して取付部２０Ｈ
を一体に形成したのでその製作が容易で別設の連
結部材が不要となる経済的利点がある。

なお、上記実施例において、引戸障子枠に使用
した各枠材はアルミニウム等の軽合金材を押出成
形した型材により形成されている。

さて、本考案は出窓本体に屋根体を連結してな
る出窓であつて、前記出窓本体の屋外側には上
枠、下枠および左右の縦枠とからなる引戸障子枠
が形成されるとともに、前記屋根体は屋根板と同
屋根板の下面側に取付けられる内板とを有し、同
屋根体の前記引戸障子と連結する位置には前記屋
根板と内板との間にスペーサを介装し、かつ同ス
ペーサの一部を前記内板より下方へ突出せしめて
前記引戸障子枠との取付部を設けて前記屋山体と
引戸障子枠とを連結する構成としたことにより屋
根体と引戸障子枠とを極めて強固に連結すること
ができるとともにその連結施工を省力的に行うこ
とができる。また、スペーサは取付部を一体に形
成する構造形状としたのでその製作が容易で、別
設の連結部材が不要となる経済的利点があるので
出窓として極めて実用性に優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は水平断
面図、第２図は縦断面図、第３図は第２図の−
線断面図、第４図は第２図の−線断面図、
第５図はスペーサの斜視図、第６図は第２図のＰ
部の拡大断面図である。 １……出窓、２……出窓本体、３……引戸障
子、４……上枠、５……下枠、６……縦枠、１７
……屋根体、１８……屋根板、１９……内板、２
０……スペーサ、２０Ｈ……取付部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 出窓本体に屋根体を連結してなる出窓であつ
   て、前記出本体の屋外側には上枠、下枠および左
   右の縦枠とからなる引戸障子枠が形成されるとと
   もに、前記屋根体は屋根板と同屋根板の下面に取
   付けられる内板とを有し、同屋根体の前記引戸障
   子と連結する位置には前記屋根板と内板との間に
   スペーサを介装し、かつ同スペーサの一部を前記
   内板より下方へ突出せしめて前記引戸障子枠との
   取付部を設けて前記屋根体と引戸障子枠とを連結
   する構成としたことを特徴とする出窓。