JPS6110742Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は空気中の水分を捕捉して潮解した潮解
液の漏液を防止し且つ除湿効果を持続し得るよう
にした漏液防止膜付除湿器に関する。

タンス、ロツカー、押入、食器棚、流し台の
下、便所、室内等に静置して空気中の湿気を捕捉
する除湿器においては、吸湿剤として塩化カルシ
ウム等のような吸湿性及び潮解性をもつたものを
使用しているが、該吸湿剤は空気中の湿気の吸収
により潮解して液状となつて除湿器の容器内に除
湿作用が終るまで貯蔵される。

この潮解液は、通常50％以上の飽和又は過飽和
の粘稠な高濃度塩の溶液であり、除湿器の転倒又
は振動時に飛散、漏液すると衣類、布団、家具、
金属類を汚染し、簡単に拭き取ることが困難であ
る。

そのため、除湿器の液漏れ防止に工夫がなされ
てきたがこのような欠点を完全になくすることは
困難であつた。

本考案はこのような問題点を解決するために為
したものであり、空気や湿気を選択的に透過させ
る半透膜により吸湿面を覆うことによつて、吸湿
して潮解した液の漏出を防止し且つ吸湿剤を充填
した内容器の底部に排液器を設けて潮解した液を
速やかに分離することのできる漏液防止膜付除湿
器にかかるものである。

以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図及び第２図は本考案の第１実施例であ
り、フランジ１を有する略円筒状の内容器２の底
部中央に円形の孔３を設け、該孔３の径と略同一
径の開口された底面と前記内容器２の深さと略同
等の高さを有し且つ頂部より放射状に小幅のスリ
ツト４を適数設けた円錐状の排液器５を前記内容
器２の孔３を覆うように内容器２の底部に立設
し、更に前記内容器２の底部に小孔６を適数穿設
してある。

該内容器２をリング状のパツキン７を介して円
筒状の外容器８内に収納し、塩化カルシウム等の
吸湿剤９を前記内容器２内に充填し、更にリング
状のパツキン１０を介して円板状の半透膜１１を
前記内容器２のフランジ１上に載置し、リング状
のパツキン１２を介してリング状のおさえ枠１３
を前記外容器８の開口部外周に設けた雄ネジ部１
４と螺合せしめて前記内容器２及び半透膜１１を
外容器に密着固定してある。

ここにおいて、前記半透膜１１は空気中の湿気
の除湿器内への透過を妨げることなく、且つ該除
湿器内からの潮解液の漏出を防止し得る材質のも
のであれば良く、例えばセロハン膜、コロジオン
膜、脱硝コロジオン膜、ゲルセロハン膜、パーチ
メント膜、ポリビニールアルコール膜、バクテリ
アセルロース膜、脂肪膜、シリコーン膜、ゴム
膜、ポリブタジエン膜、エチルセルロース膜、エ
チレン酢酸ビニール共重合体膜、PEG−ビスフ
エノールＡ共重合体膜、低密度ポリエチレン膜、
ポリスチレン膜、ニトロセルロース膜、ポリカー
ボネート膜、ポリプロピレン膜、トリアセチルセ
ルロース膜、架橋ポリスチレン膜、ジアセチルセ
ルロース膜、ポリ酢酸ビニル膜、塩酸ゴム膜、ナ
イロン膜、テフロン（商標名）膜、ポリアクリル
ニトリル膜、ポリ塩化ビニリデン膜、酢酸セルロ
ース膜、酢酸プロピオン酸セルロース膜、酢酸酪
酸セルロース膜等が使用可能である。

又、内容器２、外容器８、おさえ枠１３の材質
としては金属、プラスチツク、紙、木等成型可能
なものでよく、紙、布、木等の場合は防水加工す
ることが好ましい。

更に、パツキン１２を省略して半透膜１１とお
さえ枠１３とを直接に接着剤で固定した構成とし
てもよい。

本考案の漏液防止膜付除湿器をタンス等の除湿
を必要とする場所に静置すると、湿気を含む空気
は半透膜１１を通過し、吸湿剤９として用いた塩
化カルシウムの表面に接触し、水分が吸湿、捕捉
され、吸湿剤９は潮解して液状となる。該潮解液
は内容器２の中央に位置する円錐状の排液器５の
スリツト４内に流入し、該排液器５を伝つて下端
開口部より落下するか、或は内容器２の底部の小
孔６より落下して外容器８内に貯溜される。

該漏液防止膜付除湿器を誤つて転倒した場合、
前記おさえ枠１３により半透膜１１はパツキン１
０，１２を介して内容器２に密着され、該内容器
２はパツキン７を介して外容器８に密着されてい
るので分解することがなく、更に半透膜１１は選
択透過性を有するため湿気を自由に透過させるが
粉体や液体は通過させないので、半透膜１１によ
り内容器２中の吸湿剤９の飛散が防止されると共
に外容器８内に貯留された潮解液が排液器５のス
リツト４から流出して漏液するのも防止される。

更に、前記排液器５が円錐状に成形されている
ので潮解液は壁面に長い間付着することなく流下
するためスリツト４がつまりにくく、潮解液の排
出が円滑に行なわれる。従つて、空気中の水分を
吸湿、捕捉して潮解した表面の吸湿剤９は直ちに
外容器８に移行するので、吸湿剤９表面は吸湿能
力の低い低粘性潮解液で覆われることなく、常に
吸湿能力の高い高粘性の吸湿剤としておくことが
できる。

除湿目的が終了したら外容器８内に貯溜した潮
解液を排出し、新らしく塩化カルシウム等の吸湿
剤を内容器２内に充填すれば反復して使用するこ
とができる。

このように、半透膜１１は潮解液が付着しなけ
れば反復して使用することができるが、万一潮解
液が半透膜１１に付着した場合でも半透膜１１を
水で洗つて乾燥させれば再使用可能となる。

第３図は本考案の第２実施例であり、前記第１
実施例と略同様の構成において、内容器２に小孔
６を穿設せず排液器５のみを取付けたものを使用
する例である。図中、第１図及び第２図の符号と
同一の符号は同一のものを示す。

本第２実施例の場合も、前記第１実施例と同様
であり、潮解液は排液器５のスリツト４を通つて
分離され外容器８に移行される。

なお、本考案の漏液防止膜付除湿器は上述の実
施例に限定されるものではなく、外容器、内容
器、おさえ枠等の形状は所望の形状と為し得るこ
と等本考案の要旨を逸脱しない範囲内において
種々変更を加え得ることは勿論である。

以上述べたように本考案の漏液防止膜付除湿器
によれば空気中の湿気を選択的に透過させる半透
膜により吸湿面を覆うので、転倒或は振動による
吸湿して潮解した液の漏出を防止することがで
き、又安全に使用することができるため使用範囲
を拡大することができ、又内容器の底部の排液器
等から吸湿により生じた低粘性潮解液が直ちに分
離、移行されるため吸湿剤表面は常に吸湿能力の
高い状態に最後まで維持され、吸湿効率がよい等
の種々の優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の除湿器の第１実施
例であつて第１図は分解図、第２図は断面図、第
３図は本考案の除湿器の第２実施例の部分説明図
である。 図中、２は内容器、５は排液器、６は小孔、８
は外容器、９は除湿器、１１は半透膜、１３はお
さえ枠を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 吸湿剤を充填した容器の開口部を、湿気は自
   由に通過させるが、吸湿剤の潮解液の外部への
   流出を阻止することのできる半透膜により覆
   い、且つ該容器の底部に小幅のスリツトを複数
   有する錐体状の排液器を設けてなる内容器と、
   該内容器を収容し且つ潮解液を貯溜するための
   外容器とから構成したことを特徴とする漏液防
   止膜付除湿器。 ２ 内容器が底部略中央に設けた小幅のスリツト
   を複数有する錐体状の排液器を備え、該排液器
   の周囲の底部に小孔を多数穿設してある内容器
   である実用新案登録請求の範囲第１項記載の漏
   液防止膜付除湿器。