JPS608761Y2 - シ−トリクライニング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌、航空機、船舶などに用いられる乗物用シ
ートのリクライニング装置に関する。

シートのリクライニング位置を記憶させるメモリー機構
として実願昭５３−１３８７６峰で提案じたようにメモ
リーホイールを用いて記憶させる手段がある。

しかし、このメモリーホイールを回転させる場合、メモ
リーホイールに設けられたセットカムにリセットレバー
を押しつけることによって回転させる必要があるが、押
しつけて回転させるには大きな操作力を必要とする。

本考案は上記の欠点に鑑みなされたもので、その目的と
するところは、軽いリセット操作力で確実に位置記憶を
行なうことのできるリクライニング装置を提供すること
にある。

以下、図面に示す実施例により本考案を説明する。

第１図は実施例の断面説明図、第２図は第１図の■−■
線に沿う断面矢視説明図である。

第１図にはシャフト１が示されている。

このシャフト１にはシャフト１の軸心ａとｅだけ偏心す
る軸心すを有する偏心軸部２を有し、左端側からそれぞ
れ軸受を有する左端部ブツシュ３、偏心部ブツシュ４、
右端部ブツシュ５が回動自在に嵌合されている。

そして、これらのブツシュ３，４．５には左端から右端
に亘ってシートクッションプレート６、リクライニング
アーム７、補助板８、アームブラケット９、メモリホイ
ール１０が回動自在に軸支されている。

前記シートクッションプレート６はシャフト１に左端部
ブツシュ３を介して軸支され、左端部ブツシュ３の左端
に形成された鍔部で引っ掛り、左端方向には脱落しない
ようになっている。

リクライニングアーム７は偏心軸部２にブツシュ４を介
して軸支されている。

また、補助板８およびアームブラケット９は右端部ブツ
シュ５に軸支され、メモリホイール１０は直接右端部ブ
ツシュ５に軸支されている。

また、メモリホイール１０の右側に並んで右端部ブツシ
ュ５にはスナップリング１２が取り付けられ、各ブツシ
ュの軸支物の脱落を防止している。

また、右端部ブツシュ５の右端側に突出したシャフト部
分の周縁一部は切り欠かれ、この切欠部にウオームホイ
ール１３がシャフト１に対して回転しないように嵌合さ
れている。

このウオームホイール１３はシャフト１右端にねじ等で
固定される押板１４によってシャフト１から抜けないよ
うになっている。

また、ウオームホイール１３は図示しないモータによっ
て正逆回転するウオーム１５に噛み合っている。

前記補助板８は上部がリクライニングアーム７に近接し
てリクライニングアーム７の捩れを防止するように設け
られ、下部周縁でシートクッションプレート６に固定さ
れている。

一方、前記メモリーホイール１０は一体的に形成したリ
セットカム１６を有し、上部周縁にギヤ部（噛合部）１
７を有し、下部周縁に陥凹部１８を有する円板からなり
、中心をシャフト１で回動自在に軸支されている。

陥凹部１８の変換部１９．２０は緩かな曲面となってい
る。

そして、この陥凹部１８にはリクライニングアーム７の
傾き方向を検知してウオーム１５を正転、逆転させるた
めの信号を発する正転用スイッチ２１、逆転用スイッチ
２２の検出子２１ａ、２２ａが接触し、検出子２１ａ又
は２２ａが陥凹部１８から脱するとＯＮとなり信号を発
するようになっている。

前記両スイッチ２１．２２はシートクッションプレート
６および又は補助板８にビス止された２つのブラケット
２３．２４によって固定されている。

また、２５は補助板８に突設されたシャフト２６に回動
自在に軸支されたリセットレバーで、該リセットレバー
２５はリセットカム１６の周面を押圧する押圧面２５ａ
を一端部に形成し、該押圧面２５ａをリセットカム１６
の周面に常に押圧するように他端部２５ｂに係止したス
プリング２７の他端部をシートクッションプレート６の
ピン６ａに張設している。

尚、２５ｂはリセットレバー２５がシャフト２６から抜
けないように押さえるスナップリングである。

第２図に示すメモリーホイール１０の状態では、両スイ
ッチ２１．２２の検出子２１ａおよび２２ａはカム面の
変換部１９゜２０に接し、スイッチ２１．２２ともＯＦ
Ｆとなる。

この正転用スイッチ２１がＯＮになるとウオーム１５、
ウオームホイール１３、シャフト１を介してメモリーホ
イール１０を正転、すなわち第２図で右回転させ、逆転
用スイッチ２２がＯＮになるとメモリーホイール１０を
逆転（左回転）させる。

他方、メモリーホイール１０のギヤ部１７方向に延びる
アームブラケット９には支軸２８が植設され、この支軸
２８には細長の係止部材たるストッパー２９がその中央
部に回動自在に取り付けらでいる。

このストッパー２９は、支軸２８にＥリング３０を用い
て挿嵌され一端をストッパー２９の側縁に引っ掛は他端
をアームブラケット９の側縁に引っ掛けたコイル状のス
プリング３１によって、下端の爪３２をメモリーホイー
ル１０のギヤ部１７に噛み合うように付勢している。

また、ストッパ２９の爪３２にはギヤを形成し、上端部
には操作部３３を形成している。

また、アームブラケット９はリクライニングアーム７に
植設した係合ピン３４と係合孔３５を介して係合し、リ
クライニングアーム７と一諸にシャフト１を中心に回動
する。

又、爪３２にはギヤを形成せず、ギヤ部１７に係合する
突起でもよい。

また、前記シートクッションプレート６のリクライニン
グアーム７と対抗する面側には内歯３６が設けられ、こ
の内歯３６に対応する外歯３７がリクライニングアーム
７に設けられている。

この外歯３７は前記内歯３６よりも少なくとも一歯だけ
少なくかつ歯高骨だけ小さく形成されている。

シャフト１は内歯３６を有するシートクッションプレー
ト６に軸支されているから、該シャフト１をたとえば第
２図の右方向に回転させると、シャフト１の軸心ａと偏
心軸部２の軸心すとの差ｅでもって内、外歯３６，３７
が噛み合い位置を次々に変えていくので、外歯３７およ
び外歯３７を有するリクライニングアーム７はシャフト
１と逆の方向、即ち左方向に減速されて回転する。

シャフト１を左方向に回転すると、上記説明によって明
らかなようにリクライニングアーム７は右方向に回転す
る。

次に第３図のメモリー回路を参照しながらリクライニン
グ動作について説明する。

回路図はメモリーホイール１０が基準状態にある状態を
示す。

この状態でスイッチ２１．２２は共にＯＦＦ動作となっ
ていて、Ｂ接点に接している。

したがって、リターンスイッチ３８を押しても回路は形
成されず、モータＭは回転しない。

次に乗員がシートに着座し、図示しない回路系を押釦操
作して、シャフト１を回動させ、リクライニングアーム
７を前傾又は後傾させる。

この傾き位置を記憶させておきたい場合には、ストッパ
２９の操作部３３をスプリング３１に抗して押して支軸
２Ｂを中心に回動させ、メモリーホイール１０のギヤ部
１７に噛み合っている爪３２を外す。

メモリーホイール１０は前記リクライニングアーム７の
回動操作時にリクライニングアーム７と共に回動してい
るため、スプリング２７の力で押圧しているリセットレ
バー２５の押圧面２５ａによってリセットカム１６はシ
ャフト１を回転軸として回転し、押圧面２５ａにリセッ
トカム１６の周面が２点接触するまで回転して停止する
。

この位置で両スイッチ２１．２２がＯＦＦ動作する。

そこで、操作部３３に加えていた外力を除き、再びメモ
リーホイール１０のギヤ部１７に爪３２を噛み合せるこ
とにより、リクライニングアーム７の傾き位置が記憶さ
れる。

その後、図示しない前記回路系を押釦操作してシャフト
１を回動させてリクライニングアーム７の傾きを自由に
変えることにより陥凹部１８が正転用スイッチ２１又は
逆転用スイッチ２２を接点Ｂから接点Ａに切り換える。

ここで再びメモリーしたリクライニングアーム７の位置
に戻したい場合には、第３図で示すメモリー回路のリタ
ーンスイッチ３８を押す。

すると、たとえば、正転用スイッチ２１がＯＮ動作即ち
、接点がＡ側に接していれば電気は電源■→逆転用スイ
ッチ２２のＢ接点→リターンスイッチ３８→モータＭ→
正転用スイッチ２１のＡ接点→アースを流れ、モータＭ
を正転させ、シャフト１を右回転させてリクライニング
アーム７をシートクッション側に前傾（左回転方向）さ
せる。

モータＭはメモリーホイール１０が基準姿勢になるまで
回り続け、正転用スイッチ２１の接点が陥凹部１８によ
ってＡからＢに戻ることによって、モータＭには電気が
流れないので最終的にはリクライニングアーム７を先に
メモリーした状態に戻す。

このような実施例によれば、簡単な機構でもリクライニ
ング位置をメモリーすることができるので、装置全体の
コストの軽減化が図れる。

さらに、この実施例ではリクライニング位置をメモリー
する際操作する操作レバー（ストッパ２９）は、一端の
操作端３３を押すだけで簡単に他端の爪３２はメモリー
ホイール１０から外れるので、メモリー操作は簡単であ
る。

以上のように、本考案のシートリクライニング装置は、
操作性能が優れかつ安価で汎用性にも富む。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のシートリクライニング装置の一実施例
を示す断面図、第２図は第１図の■−■線に沿う断面図
、第３図はメモリー回路図である。 １・・・・・・シャフト、２・・・・・・偏心軸部、６
・・・・・・シートクッションプレート、７・・・・・
・リクライニングアーム、９・・・・・・アームブラケ
ット、１０・・・・・・メモリーホイール、１３・・・
・・・ウオームホイール、１５・・・・・・ウオーム、
１６・・・・・・リセットカム、１７・・・・・・ギヤ
部、１８・・・・・・陥凹部、２１・・・・・・正転用
スイッチ、２２・・・・・・逆転用スイッチ、２５・・
・・・・リセットレバー、２５ａ・・・・・・押圧面、
２７・・・・・・スプリング、２８・・・・・・支軸、
２９・・・・・・係止部材たるストッパ、３１・・・・
・・スプリング、３３・・・・・・操作端、３６・・・
・・・内歯、３７・・・・・・外歯、３８・・・・・・
リターンスイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクッションプレートにリクライニングアームおよ
   びメモリーホイールが回動自在に軸支され、前記メモリ
   ーホイールに接触してリクライニングアームの傾き方向
   を検知する検知スイッチを備え、前記メモリーホイール
   をリクライニングアームと同一方向に回転させるように
   メモリーホイールに係合した係止部材を有し、前記メモ
   リーホイールに一体的に形成したリセットカムを押圧す
   ることにより前記メモリーホイールを回動させて復元さ
   せるリセットレバーを備えたシートリクライニング装置
   において、リセットレバーに該レバーが前記セットカム
   を常時押圧するように付勢するスプリングを設けたこと
   を特徴とするシートリクライニング装置。