JPS6010434Y2 - シ−トリクライニング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌、航空機、船舶などに用いられる乗物用シ
ートのリクライニング装置に関する。

シートのリクライニング位置を記憶させるメモリー機構
として従来実開昭５５−１２９０５３号公報に示すよう
にメモリーホイールを用いて記憶させる手段がある。

しかし、シートバックの傾斜を記憶させるのに、メモリ
ーホイールに形成された陥凹部の両端にマイクロスイッ
チのスイッチボタンを接触させ、シートバックの回転に
ともなって陥凹部のいずれか一方の端部がマイクロスイ
ッチのスイッチボタンを０Ｎ−ＯＦＦさせて、傾斜方向
が検知できるように構成していたので、僅かなずれがマ
イクロスイッチのスイッチボタンとメモリーホイールの
陥凹部端部とにあると、正しく作動しないことになる。

このため、マイクロスイッチの作動ストロークとメモリ
ーホイールの陥凹部端の位置調節に精度を必要とした。

本考案はかかる従来の実状を鑑みなされたもので、その
目的とするところは、調整が簡単で位置のずれや、スイ
ッチの破損をなくすことのできるリクライニング装置を
提供することにある。

以下、図面に示す実施例により本考案を説明する。

第１図は一実施例の正面説明図、第２図は第１図の■−
■線に沿う断面矢視説明図である。

図中１はシャフトで、第２図に示すようにこのシャフト
１にはシャフト１の軸心ａと寸法ｅだけ偏心する軸心す
の偏心軸部２を有し、左端側からそれぞれ軸受を有する
左端部ブツシュ３、偏心部ブツシュ４、右端部ブツシュ
５が回動自在に嵌合されている。

そして、これらのブツシュ３，４゜５には左端から右端
に亘ってシートクッションプレート６、リクライニング
アーム７、補助板８、アームブラケット９、メモリーホ
イール１０が回動自在に軸支されている。

前記シートクッションプレート６はシャフト１に左端部
ブツシュ３を介して軸支され、左端部ブツシュ３の左端
に形成された鍔部３ａで引っ掛け、左端方向には脱落し
ないようになっている。

リクライニングアーム７は偏心軸部２にブツシュ４を介
して軸支されている。

また、補助板８、アームブラケット９およびメモリーホ
イール１０は右端部ブツシュ５に軸支されている。

また、メモリーホイール１０の右側に並んで右端部ブツ
シュ５にはスナップリング１２が取り付けられ、各ブツ
シュ３，４，５の軸支物８，９，１０の脱落を防止して
いる。

また、右端部ブツシュ５の右端側に突出したシャフト１
の周縁一部は切り欠かれ、この切欠部１ａにウオームホ
イール１３がシャフト１に対して回転しないように嵌合
されている。

このウオームホイール１３はシャフト１右端にねじ等で
固定される押板１４によってシャフト１から抜けないよ
うになっている。

また、ウオームホイール１３は図示しないモータによっ
て正逆回転するウオーム１５に噛み合っている。

前記補助板８は上部がリクライニングアーム７に近接し
てリクライニングアーム７の捩れを防止するように設け
られ、下部周縁でシートクッションプレート６に固定さ
れている。

一方、前記メモリーホイール１０は一体的に形成したリ
セットカム１６を有し、上部周縁にギヤ部（噛合部）１
７を有する円板からなり、中心をシャフト１で回転自在
に軸支されている。

また、メモリーホイール１０の裏面には、接点板１９お
よび２０が埋設されている。

接点板１９には、リクライニングアーム７を後傾させる
スイッチ２１の接点２１ａ、２１ｂが、接点板２０には
リクライニングアーム７を前傾させるためのスイッチ２
２の接点２２ａ、２２ｂが接触している。

前記スイッチ２１．２２はシートクッションプレート６
および補助板８に固定される。

また、２５は補助板８に突設されたシャフト２６に回動
自在に軸支されたリセットレバーで、該リセットレバー
２５はリセットカム１６の周面を押圧する押圧面２５ａ
を一端部に形成し、該押圧面２５ａをリセットカム１６
の周面に常に押圧するように他端部２５ｄの貫通孔２５
ｃに係止したスプリング２７の他端部をシートクッショ
ンプレート６のピン６ａに張設している。

尚、２５ｄはリセットレバー２５がシャフト２６から抜
けないように押さえるスナップリングである。

他方、メモリーホイール１０のギヤ部１７方向に延ひる
アームブラケット９には支軸２８が植設され、この支軸
２８には細長の係止部材たるストッパー２９がその中央
部で回動自在に取り付けられている。

このストッパー２９は、支軸２８にＥリング３０を用い
て挿嵌され一端をストッパー２９の側縁に引っ掛は他端
をアームブラケット９の側縁に引っ掛けたコイル状のス
プリング３１によって、下端の爪３２をメモリーホイー
ル１０のギヤ部１７に噛み合うように付勢している。

また、ストッパー２９の上端部には操作端３３を形成し
ている。

また、アームブラケット９はリクライニングアーム７に
植設した係合ピン３４に係合孔３５を介して係合し、リ
クライニングアーム７と一緒にシャフト１を中心に回動
する。

また、前記シートクッションプレート６のリクライニン
グアーム７と対抗する面側には内歯３６が設けられ、こ
の内歯３６に対応する外歯３７がリクライニングアーム
７に設けられている。

この外歯３７は前記内歯３６よりも少なくとも一歯だけ
少なくかつ歯高性だけ小さく形成されている。

シャフト１は内歯３６を有するシートクッションプレー
ト６に軸支されているから、該シャフト１をたとえば第
１図の時計方向に回転させると、シャフト１の軸心ａと
偏心軸部２の軸心すとの差ｅでもって内、外歯３６，３
７が噛み合い位置を次々に変えていくので、リクライニ
ングアーム７はシャフト１と逆の方向、即ち反時計方向
に減速されて回転する。

シャフト１を反時計方向に回転すると、上記説明によっ
て明らかなようにリクライニングアーム７は時計方向に
回転する。

次に第３図乃至第５図を参照しながらリクライニング動
作について説明する。

第４図の回路図はメモリーホイール１０が基準状態（第
１図）にある状態を示す。

この状態でスイッチ２１．２２は共にＯＦＦ動作となっ
ている。

したがって、リターンスイッチ３８をＯＮにしても回路
は形成されず、モーターＭは回転しない。

次に乗員がシートに着座し、図示しない回路系を押釦操
作して、シャフト１を回動させ、リクライニングアーム
７を第３図に示すように後傾させる。

この傾き位置を記憶させておきたい場合には、ストッパ
ー２９の操作端３３をスプリング３１に抗して時計方向
に押して支軸２８を中心に回動させ、メモリーホイール
１０のギヤ部１７に噛み合っている爪３２を外す。

メモリーホイール１０は前記リクライニングアーム７の
回動操作時にリクライニングアーム７と共に回動してい
るため、スプリング２７の力で押圧しているリセットレ
バー２５の押圧面２５ａによってリセットカム１６はシ
ャフト１を回転軸として回転し、押圧面２５ａにリセッ
トカム１６の局面が２点接触するまで回転して停止する
。

この位置で両スイッチ２１．２２がＯＦＦ動作となる。

そこで、操作端３３に加えていた外力を除き、再びメモ
リーホイール１０のギヤ部１７に爪３２を噛み合せるこ
とにより、リクライニングアーム７の傾き位置が記憶さ
れる。

その後、図示しない前記回路系を押釦操作してシャフト
１を回動させてリクライニングアーム７の傾きを自由に
変えることにより正転用スイッチ２１又は逆転用スイッ
チ２２がＯＮすることになる。

今ここでメモリーしたリクライニングアーム７の位置を
第１図の位置とし、第３図の位置から第１図の位置に戻
したい場合には、第５図で示すメモリー回路のリターン
スイッチ３８をＯＮにすると、アーム７を前傾させるた
めの逆転用スイッチ２２がＯＮ状態にあるので、リレー
５２のコイルに通電される。

するとリレー５２の接点が移動し、リレー５１を通って
アースに導通し、モーターＭが逆転し、アーム７が前傾
を始める。

アーム７が第１図の状態まで来ると、スイッチ２２がＯ
ＦＦとなり第４図に示す回路となり、リターンスイッチ
３８を操作してもモーターＭは回転せず復元が完了する
。

以上説明してきたように、この考案によれば、調整が簡
単で、位置のずれや、スイッチの破損などをなくすこと
ができるという効果が得られる。

又、この実施例ではリクライニング位置をメモリーする
際操作する操作レバー（ストッパー２９）は、一端の操
作端３３を押すだけで簡単に他端の爪３２はメモリーホ
イール１０から外れるので、メモリー操作は簡単である
。

又、本考案のシートリクライニング装置は、操作性能が
優れかつ安価で汎用性にも富む。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のシートリクライニング装置の一実施例
を示す正面説明図、第２図は第１図の■−ｎ線に沿う断
面図、第３図は第１図相当の作動説明図、第４図は不作
動状態のメモリー回路図、第５図は作動状態のメモリー
回路図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクッションプレートにリクライニング位置ｌ、お
   よびメモリーホイールが回動自在に軸支され、該メモリ
   ーホイールをリクライニングアームと同一方向に回転さ
   せるようリクライニングアームに設けられた係止部材を
   メモリーホイールに係合し、前記メモリーホイールに接
   点板を設け、該接点板に接触させて、リクライニングア
   ームの傾き方向を検知するよう検知スイッチをシートク
   ッションプレートに設け、前記メモリーホイールに一体
   的に形成したリセットカムを押圧することにより前記メ
   モリーホイールを回転させて、前記検知スイッチをＯＦ
   Ｆに復元させるリセットレバーをシートクッションプレ
   ートに備えたことを特徴とするリクライニング装置。