JPS6051867B2 - 塗料色替え方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、多色塗装用静電塗装機を高速で色替え洗浄し
、更に、塗装ライン上に載置された前後の被塗物への前
色の色飛びを確実に防止し得る静・電塗装機の塗料色替
え方法に関するものである。

ここにいう前色とは、先行した被塗物に塗装した塗料の
ある色であり、また、次色とは後続する被塗物に塗装す
る別の塗料の色をいう。従来、静電塗装機では複数色の
塗料の塗装を行うにあたつては、前色の塗装終了後、回
転型霧化頭や塗料供給系路等を洗浄しなければならない
。

洗浄を行わないときには、前色と次色とが混合して、塗
装品質に大きな悪影響を及ぼすからである。しかしなが
ら、従来の洗浄工程においては、洗浄時間が多く必要で
あると共に、次色の塗料で被塗物の塗装を行うにあたつ
ては、塗装準備にも多くの時間が必要で、迅速な色替え
洗浄を行い得る方法が望まれている。

一方、塗装ライン中の被塗物に静電塗装を行うにあたり
、塗装完了をした前色の被塗物の後部に、後続する被塗
物の次色の塗料が飛散したり、また、先行した被塗物の
前色の塗料が、次色を塗装すべき後続の被塗物の前部に
飛散したりする、所謂、゜゜色飛び゛が発生するという
欠点が生じている。

このような゜゜色飛び゛が発生すれば、前色をもつて塗
装された被塗物の塗装品質が低下すること、明らかであ
る。

本発明の目的は、上記した従来技術の諸欠点を除去し、
短時間で洗浄が完了し得ると共に、゜゜色飛びを確実に
防止し得る、塗料色替え方法を提供することにある。

以下、本発明の一実施例を図に基づいて説明する。

第１図は、本発明に係る塗料色替え方法を実施するため
の静電塗装装置の要部構成を表わし、回転型霧化頭１は
エアモータ２の回転軸２ａに取り付けられている。

２ｂは、エアモータ２を駆動す，るための作動エアの流
入通路、２ｃは作動エアの排気通路をそれぞれ表わす。

エアモータ２上にはバルブ組３が固定され、バルブ組３
は、２つのダンプバルブ４，５と２つのトリガ−バルブ
６，７とを組み合せて構成されて．いる。バルブ組３の
詳細な構造は第３図に示されている。すなわち、ダンプ
バルブ４，５はそれぞれ流入口４ａ，５ａを有し、流入
口４ａ，５ａはそれぞれ通路４ｂ，５ｂに連通している
。通路４ｂ，５ｂはまた、通路４ｃ，５ｃを介してトリ
ガ−バルブ６，７と連通し、通路４ｂ，４ｃの間及び通
路５ｂ，５ｃの間にはそれぞれダンプバルブ４，５の弁
座４ｄ，５ｄが配されている。一方、通路４ｃ，５ｃの
先端部には、トリガ−バルブ６，７の弁座６ａ，７ａが
配され、弁座４ｄ，５ｄにはそれぞれダンプバルブ４，
５の弁棒４ｅ，５ｅが係合し、また、弁座６ａ，７ａに
はトリガ−バルブ６，７の弁棒６ｂ，７ｂが係合する。
そして、弁座４ｄと弁座５ｄとの間には排出口４ｆが配
され、また、弁座６ａと弁座７ａとの間には排出口６ｃ
が配されている。流入口４ａには絶縁ホース８が接続さ
れ、絶縁ホース８の端部は塗料色替バルブ９が、接続さ
れ）ている。

また、流入口５ａには絶縁ホース１０が接続され、絶縁
ホース１０の端部は塗料色替バルブ１１に接続されてい
る。塗料色替バルブ９，１１はそれぞれ洗浄用エアのオ
ン・オフバルブ９ａ，１１ａを有すると共に、洗浄用シ
ンナーのオン・オフバルブ９ｂ，１１ｂを有する。一方
、バルブ組３の排出口４ｆには排液ホース１２が連結さ
れ、排液ホース１２の他端には排液バルブ１３が連結さ
れている。

排液バルブ１３は三方弁から成り、１つの流入口には排
液ホース１４が、また排出口には排液ホース１５がそれ
ぞれ連結されている。排液ホース１４の端部はシユラウ
ド１６内に連結され、シユラウド１６は、第１図中、Ａ
−Ｎ方向に往復動自在である。また、排液ホース１５の
端部は工セクタ１７の吸引口に連結され、工セクタ１７
はＢ→Ｃ方向へ流れる作動エアにより、排液ホース１５
内に吸引力を発生させる。以下、作用を説明する。

前色の塗装中は、シユラウド１６はＡ″方向に変位し、
回転型霧化頭１はシユラウド１６の開口１６ａから外方
へ露出している。

先ず、前色の塗装終了前、一定時間のところで、回転型
霧化頭１に印加されていた高電圧ａ（例えば−９万■）
は降圧され、それにより低い高電圧ａ″（例えば−６万
Ｖ）が印加される。

これぱ゜色飛び゛防止のためであり、高電圧ａ″は洗浄
開始前に遮断される。高電圧ａ″が遮断されると同時に
、シェービングエアｂも遮断され、ここから一定時間経
過後に洗浄が開始される。洗浄開始時間になると、シユ
ラウド１６がＡ方向に変位し、工セクタ１７に作動エア
が流入して工セクタ１７が作動を開始する。

排液バルブ１３は、常時（非作動時）には、排液ホース
１２と排液ホース１５とを連通させているから、工セク
タ１７の発生する負圧力は排液ホース１２，１５で構成
される排液系路３０内に作用することとなる。一方、洗
浄開始と同時に、エアモータ２はその回転数を塗装レベ
ルＭから洗浄レベルｍに切換え、これにより、回転型霧
化頭１は低速回転する。

そして、洗浄開始と同時に、ダンプバルブ４が開放する
から、絶縁ホース８によつて構成される塗料供給系路３
１は排液系路３０と連通する。ここで、塗料色替バルブ
９に取り付けられた洗浄用のエアバルブ９ａ１シンナー
バルブ９ｂを交互に開閉し、塗料供給系路３１の洗浄を
行う。塗料供給系路３１を洗浄した排液は排液系路３０
内に吸引され、工セクタ１７からＣ方向に排出される。
これが第１洗浄工程であり、この第１洗浄工程における
洗浄用エアは高圧力Ｐであり、また、洗浄用シンナーの
流量は大流量Ｑである。したがつて、この第１洗浄工程
は、短時間で終了する。次に、排液バルブ１３を切換え
て排液ホース１４と排液ホース１５とを連通し、更に、
トリガ−バルブ６を開放する。この状態で、洗浄用のエ
アバルブ９ａ１シンナーバルブ９ｂを交互に開閉し、洗
浄用のエアとシンナーとを塗料供給系路３１内に供給す
る。塗料供給系路３１内に流入した洗浄用のエア及びシ
ンナーは、流入口４ａ１通路４ｂ、通路４ｃ、流出口６
ｃを経て、塗料供給系路３「に至り、ここから回転型霧
化頭１に流入して、通路４ｂ，４ｃ及び塗料供給系路３
「、そして、回転型霧化頭１の洗浄を行う。これが、第
２洗浄工程であり、この第２洗浄工程における洗浄用の
エア圧は低圧力ｐであり、また、洗浄用のシンナーの流
量は小流量ｑである。このようにした理由は、回転型霧
化頭１の洗浄後の排液が、回転型霧化頭１及びシユラウ
ド１６から飛散しないようにするためである。回転型霧
化頭１を洗浄した後の排液は、シユラウド１６内に落下
し、排液ホース１４、排液バルブ１３、排液ホース１５
を通つて工セクタ１７に吸引され、Ｃ方向に排出される
。上記第１及び第２洗浄工程が終了すれば、前色の塗装
時に使用した塗料供給系路３１，３「、ダンプバルブ４
、トリガ−バルブ６、回転型霧化頭１は、全て洗浄され
たことになる。

次に、次色の塗装準備工程を説明する。

先ず、第１の塗装準備工程は、ダンプバルブ５を開放す
ると共に、塗料色替バルブ１１の次色に相当するバルブ
（図示せず）を開放する。

すると、次色ｄは大流量Ｑ″で、絶縁ホース１０により
構成される塗料供給系路３２を満たし、残余分は排液系
路３０を通つて工セクタ１７によりＣ方向へ排出される
。次に、第２の塗装準備工程として、トリガ−バルブ７
を開放すると共に、塗料色替バルブ１１から次色ｄを低
流量ｑ″で供給し、トリガ−バルブ７内の通路５ｃ、塗
料供給系路３「、回転型霧化頭１に次色の塗料を供給す
る。

このとき、排液バルブ１３は切り換えられ、これにより
、排液ホース１４と排液ホース１５とが連通しているか
ら、回転型霧化頭１からシユラウド１６内に落下した次
色塗料は、工セクタ１７に吸引されてＣ方向に排出され
る。第２の塗装準備工程において、次色ｄ″を低流量で
供給する理由は、回転型霧化頭１及びシユラウド１６か
ら次色塗料があふれないようにするためである。第２の
塗装準備工程が終了した後、ダンプバルブ４を開放し、
塗料色替バルブ９から洗浄用のエア、シンナーをそれぞ
れ高圧力Ｐ″、高流量Ｑ″で供給する。

つまり、既に洗浄した塗料供給系路３１を介して排液系
路３０を洗浄する。そして、これを第３洗浄工程とする
。

第３洗浄工程の終了前に、回転型霧化頭１の回転数を塗
装レベルＭまで上昇させ、更に、第３洗浄工程の終了後
、塗装開始前に回転型霧化頭１に）低レベルの高電圧ａ
″を印加する。

そして、次色の塗装が開始された後一定時間を経過した
ときに、この高電圧ａ″を塗装レベルａまで上昇させ、
次色の塗装を行うのである。

以上、説明したように、本発明の塗料色替え方７法によ
れば、塗装開始時及び終了時の“゜色飛び゛が確実に防
止され得ると共に、極めて短時間で塗料の色替えが行い
得るという効果を生ずる。

また、前色と次色との混合が確実に防止され得るから、
塗装品質の向上に多大の効果を生ずる。なお、本発明に
おいては、ソリッド塗料、メタリック塗料相互間の洗浄
時も全て排液系路３０の洗浄を行う。これは、メタリッ
ク粉の排液ホース１５内の残留を防止するためである。
また、ソリッド塗料相互間の洗浄時にも、これを行う理
由は、ソリッド塗料が排液ホース１５内に固着して、次
の洗浄時に短時間洗浄が困難となるためである。また、
工セクタの代りに、真空タンク等で排液吸引を行うこと
も可能であり、更に、短時間洗浄を行うためには、塗料
ホース、排液ホースは全てテフロンで構成することが望
ましい。

最後に付言すれば、第１図はサイドベル用の塗装装置を
示し、４，５，６，７，１３は高電圧部、９，１１，１
７はアース部である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施するための静電塗装装置の要部側
面図、第２図は本発明の各工程を表わすタイムチャート
、第３図はバルブ組の断面図である。 １・・・・・・回転型霧化頭、２・・・・・・エアモー
タ、３・・・０゛゜バルブ組）４９５゛゜゜゛゜゜ダン
プバルブ〜６９７３゜゛・・・トリガ−バルブ、３１，
３「・・・・・・塗料供給系路、３２，３「・・・・・
・他の塗料供給系路、９，１０・・・・・・塗料色替バ
ルブ、１３・・・・・排液バルブ、３０・・・・・・排
液系路、１６・・・・・シユラウド、１７・工セクタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 前色の塗装終了前に回転型霧化頭に印加された高電
   圧を一定レベルまで低下させ、更に、洗浄工程の開始前
   に低下させた前記高電圧を遮断する工程と、前記洗浄工
   程の開始前又は開始時に前記回転型霧化頭の回転数を一
   定レベルまで低下させる工程と、前色を塗料色替バルブ
   を介して前記回転型霧化頭に供給した−の塗料供給系路
   の一部と該塗料供給系路の中途部の分岐部から分岐した
   排液系路とに、高圧力の洗浄用エアと大流量の洗浄用シ
   ンナーとを交互に供給して高速洗浄を行う第１洗浄工程
   と、前記第１洗浄工程の終了後、前記塗料供給系路の前
   記分岐部から前記回転型霧化頭までの部分と前記回転型
   霧化頭とに、低圧力の洗浄用エアと小流量の洗浄用シン
   ナーとを交互に供給して低速洗浄を行う第２洗浄工程と
   、中途部に前記排液系路を分岐させて有する他の塗料供
   給系路に他の塗料色替バルブを介して次色の塗料を大流
   量で供給し、該他の塗料供給系路の前記分岐部までの部
   分を高速で満たす第１の塗装準備工程と、前記他の塗料
   供給系路の前記分岐部から前記回転型霧化頭までの部分
   とに小流量で次色の塗料を供給する第２の塗装準備工程
   と、前記第２洗浄工程を終了した前記塗料供給系路を介
   して前記排液系路に大流量の洗浄用シンナーと高圧力の
   洗浄用エアとを交互に供給し、前記排液系路の洗浄を行
   う第３洗浄工程と、前記第３洗浄工程の終了前に前記回
   転型霧化頭の回転数を塗装レベルまで上昇させる第３の
   塗装準備工程と、前記第３洗浄工程の終了後塗装開始前
   に前記回転型霧化頭に一定レベルの高電圧を印加し、更
   に、塗装開始後一定時間を経過したとき該高電圧を塗装
   レベルまで上昇させる工程と、を有することを特徴とす
   る、塗料色替え方法。