JPS6047939B2 - 空気式紡績装置における糸端案内方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はドラフト部およびその後段に設けた空気噴射
ノズルによつて糸を紡出する空気式紡績装置における、
先端の案内方法に関する。

ドラフト部によつて牽伸せしめたスライバーを空気噴射
ノズルに導入して紡糸せしめ、紡糸した糸をガイドロー
ラ等を経てパッケージに捲付る紡績装置においては、通
常糸継用の装置が付設されており、糸切時には該糸継装
置が作動して、空気噴射ノズル側の先端とパッケージ側
の先端とを夫々サクションパイプによつて該糸継装置上
へ案内してきて、糸継するようになつている。

この発明は、上記のような糸継時における、空気噴射ノ
ズル側、つまり紡出側の先端の案内方法に関し、サクシ
ョンパイプによる先端の吸引ミスを軽減せしめることを
目的とする。

すなわち、空気噴射ノズルの噴出口近傍には通常、該噴
射ノズルから発生する風綿、ゴミ等の吸引ダストボック
スを付設してあつて、該吸引ダストボックス内の吸引気
流によつて風綿、ゴミ等を吸引せしめているので、糸切
あるいは糸切断があつて糸継装置のサクションパイプを
噴射ノズルの出口付近に作用させても、噴射ノズルから
紡出さ・れて出てきた先端が風綿等と共に直ちに前記吸
引ダストボックスの奥へと吸込まれてしまい、前記サク
ションパイプは噴射ノズル出口から吸引ダストボックス
の奥へと亘る一本の線に伸ばされた糸Ｙ（第２図２点鎖
線）に対して作用することによフリ、吸引ミスの起こる
確率が高かつた。

そこでこの発明は、紡出開始時に空気噴射ノズルのノズ
ル出口近傍の空気流を弱化し、該ノズルから噴出される
糸端を、ノズルにより付与された各繊維保有のトルクに
よつて糸自身で絡まり合つた小塊状に成さしめ、この小
塊状糸端を特に、糸継装置のサクションバイブに吸引せ
しめることを提案するものである。

以下、図面について、本発明方法を実施する紡積装置を
詳細に説明する。

第１図において、１は左右方向つまり図面における紙面
に垂直な方向に長く延びた本実施例紡積装置のフレーム
で、上部に空気紡積ユニット２，前面にはスラブキヤツ
チヤ３及び捲取部４を夫々設け、内部にガイドレール５
，６によつて、フレーム１に沿つて移動可能になした糸
継装置７を設けてある。

空気紡積ユニット２は、バックローラ８，工フロン９，
フロントローラ１０よりなるドラフト部１１，その後段
の空気噴射ノズル１２，デリベリローラ１３とニップロ
ーラ１４，および前記空気噴射ノズル１２に付設したダ
ストボックス１５からなる。

捲取り部４は軸２０に旋回自在に支持されたクレードル
２１によつてパッケージ２２をフリクションローラ２３
に圧接せしめるように構成してある。

糸継装置７には空気噴射ノズル側、つまり紡出側糸端吸
引用のサクションバイブ２４，パッケージ側、つまり捲
取側糸端吸引用のサクションバイブ２５，上記夫々のサ
クションバイブ２４，２５に吸引空気流を発生させるプ
ロア２６およびノツタ２７を設けてある。

上記サクションバイブ２４，２５は共に鉛直平面内で旋
回自在になつている。

ケンス２８から引出されたスライバー７は上記空気紡績
ユニット２によつて紡糸され、デリベリローラ１３，ニ
ップローラ１４を経てパッケージ５２２へ捲取られるか
、スラブキヤツチヤ３によつてスラブが検出されると、
ダストボックス１５内に設けたカッター３０が作動して
糸Ｙを切断し、切断された紡出側の糸端はダストボック
ス１５に接続した吸引管３１につて吸引され、スラブキ
ヤ４ツチヤ３からの信号によつて空気紡積ユニット２の
作動が停止し新たな糸の紡出も停止されているので、一
定長の糸端が吸引管３１に吸引されおわるとダストボッ
クス１５内には何も残らないようになつている。

捲取側の糸端はデリベリローラ１３，ニップローラ１４
につてそのままパッケージ２２へと送られる。そして、
次に糸継装置７によつて糸継をする際７には、空気紡積
ユニット２の作動を再関して空気噴射ノズル１２から新
たに糸を紡出せしめた上、前記サクションバイブ２４を
第１，２図１点鎖線位置へと旋回してその先端のサクシ
ョンマウス２４ａで、上述のようにして新たに紡出され
て出てクきた糸端を吸引せしめるのであるが、この実施
例の場合は、ダストボックス１５の構造が次のようにな
つて、ノズル出口１２ａ近傍の空気流が極く弱いものに
なされていて、糸端がダストボックス１５に接続した吸
引管３１に直接吸引されず、空７気噴射ノズル１２のノ
ズル出口１２ａ付近でチリチリ状の絡まりあつた小塊と
なるようになつている。

すなわち、このダストボックス１５は、当該ダストボッ
クス１５への吸引管３１の連結部３２ノを、ダストボッ
クス底部のノズル出口１２ａから可及的に遠く離れた位
置に配すると共に前記吸引管３１のダストボックス１２
への連結角度を糸走行径路３３に直交する軸線に対して
空気噴射ノズル１２側へと偏した鋭角θに設定してある
。

ダストボックス１５の構造を特に上記のようにすること
によつて、吸引管３１による吸引空気流が前記連結部３
２で鋭くう回され、しかも連結部３２と空気噴射ノズル
１２ａとが遠く離されているので、ノズル出口１２ａが
付近に及ぼす吸引空気流は、たとえ吸引管３１内ての吸
引圧が大であつても、当該ノズル出口１２ａ付近では可
及的に弱められ、空気噴射ノズル１２から出てきた、チ
リチリ状に絡まり合つた糸端３４は吸引管３１へと吸引
されず、チリチリ状態の小塊のままノズル出口１２ａ付
近にとどまる。したがつて、前記サクションバイブ２４
が１点鎖線位置に旋回してきたときに、そのサクション
マウス２４ａがノズル出口１２ａに接近するようになし
ておけば（第２図）サクションバイブ２４は前記チリチ
リ状に絡まり合つた糸端３４を確実に吸引するのてある
。

なお、上記の実施例ではダストボックス１５の構造を特
徴あるものになしていたが、その場合、ダストボックス
１５に接続した吸引管３１の吸引圧は何ら変える必要が
なく、常時風綿を吸込む程度の大きな吸引圧であつても
よいといつた利点がある。

他の実施例では、ダストボックス１５の構造を通常のも
のとして、吸引管３１の吸引圧を前記空気紡績ユニット
２の作動に同調せしめ、空気紡績ユニット２がスラブキ
ヤツチヤ３からの信号によつて一旦停止したのち、再び
紡出作動を開始する時点て吸引管３１の吸引圧を一時的
に減少せしめ、ダストボックス１５内の吸引気流を紡出
開始後若干の時間だけ極く弱いものとなし、もつて、空
気噴射ノズル１２か放出される糸端３４をチリチリ状の
ままノズル出口１２ａ付近にとどまるようにしてもよい
。

いずれにしても、以上の説明で明らかなように、この発
明にしたがつた方法によれば、サクションバイブにより
、特にチリチリ状の小塊になつた糸端を吸引せしめるの
で、サクションバイブの吸引圧が弱くても確実に糸端を
吸引せしめることができ、吸引ミスが皆無になる。

また、ノズルから出た糸端は空気噴射ノズルにより付与
された各繊維保有のトルクにより、糸自身て絡まり合う
のでチリチリ状の小塊を生成せしめるためには、少くと
も紡出開始時にノズル出口近傍の空気を弱化してやれば
よく、当該ノズル出口付近に小塊生成のための特別な装
置を設ける必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明方法を実施する空気式紡績装置の全
体を表わした概略側面図、第２図は空気噴射ノズル、ダ
ストボックス付近の拡大断面図、第３図は同じく斜視図
である。 １１・・・・・・ドラフト部、１２・・・・・・空気噴
射ノズ１ル、１２ａ・・・ノズル出口、１５・・・・・
・ダストボックス、２４・・・・・サクションバイブ、
３１・・・・・・吸引管、３４・・・・・・略小球状に
絡まり合つた糸端。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ドラフト部およびその後段の空気噴射ノズルによつ
   て糸を紡出する空気式紡績装置において、少なくとも紡
   出開始時に、空気噴射ノズルのノズル出口近傍のダスト
   吸引空気流を弱化して該空気噴射ノズルから噴出される
   糸端を、該ノズルにより付与された各繊維保有のトルク
   によつて糸端自身で絡まり合つた略小球状の塊に成さし
   め、この略小球状に絡まり合つた糸端をサクションパイ
   プで吸引し、該サクションパイプの運動によつて、前記
   空気噴射ノズルより後段の装置部分へと糸端を案内せし
   めることを特徴とする空気式紡績装置における糸端案内
   方法。