JPS6047589B2 - 熱可塑性材料から成る像を紙に定着させる装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱可塑性材料から成る像を紙上に定着させる装
置に係り、この装置では像材料が加熱により軟化された
状態で紙と共にベルトと接触しつつ圧力帯域を通つて搬
送され、且つ圧力帯域を通過後ベルトを紙から遠去ける
ことによつて紙とべルトとを分離する。

この種の方法は公知であり西ドイツ特許公開公報第２０
４９２９３号及び２４６０６９６号で明白な如く電子写
真コピーの製造に於いて適用されている。

これらの公知の方法では、通常合成樹脂を含有する像材
料はこの材料が圧力帯域を通過する以前又は通過中に加
熱によつて軟化される。

これにより材料の粘度が変化する。更に圧力帯域中でベ
ルトによつて加えられる圧力の影響により材料は像通り
の粘着層を形成し、この層が少くとも部分的に紙表面中
に浸透する。このようにして冷却後像は恒久的に且つ堅
固に紙に付着され、従つて定着される。これらの方法に
於いて像の損傷及び／又は圧力ベルトの汚染を防止する
為に、ベルトと紙とが互いに分離されるとき像は完全に
紙上に粘着し続けなければならない。

この目的の為、紙と像材料との間の粘着力がベルトと像
材料との間の粘着力よりも強く、更に像材料中の凝集力
が、ベルトと紙との分離中に像が分裂することを防止し
得る強さでなければならない。このような状態は、像材
料に対してわすかに粘着性を有する材料でベルトを製造
し、更にある一定の処理温度を選択することによつて実
現される。

上記一定の処理温度とは一方では像材料が比較的低圧て
変形し且つ紙上に押し付けられ得るまて軟化され、他方
ては又像の分離を防止すべくかなりの粘着性が維持され
る温度である。このようにして全体的な処理が可能てあ
る。しかし乍ら、ベルト表面の構造に於ける（老化又は
摩耗等による）わすかな変化又は（周囲温度の上昇等に
よる）処理温度に於けるわずかな変化によつて生起され
る粘着力及び凝集力の相互関係に影響が与えられすでに
問題が起つているので、実際に適用し得る程度の安定性
がないように思われる。（西ドイツ特許公開公報第２０
４９２９３号に見られる如く）処理状態は、シリコン油
等の分離手段を用いて圧力ベルトを加湿することにより
かなり改良され得る。

油層を適用することにより圧力ベルトの側ての粘着力は
複写紙の側ての粘着力を確実に下廻る範囲に迄減少する
。この処理により像材料のベルトに対する好ましくない
付着が予防される。しかし供給液体を常に正確に投与す
るために特別の手段が必要でありまた液体の供給又は更
に付加する際にこぼす等の為適用された装置の容易なら
ぬ汚染の危険性がかなり高いことから、前記の如き処理
は実施に当つて不利である。更に適用された油の一部が
複写紙に転移され、この為この複写紙は液体をはじき、
この為製造されたコピー上に普通のインキで書くことは
不可能又は極めて困難であるという実施に際して障害と
なる作用を及ぼすことも避けらない。更に、紙とベルト
とが圧力帯域を通過後にも、紙とベルトとのより長時間
の相互接触状態を維持することにより状態を改良し得る
ことも公知である（西ドイツ特許公開公報第２４６０６
９６号参照）。

この間に、接触状態の紙とベルトとが可成冷却され、そ
の結果、像材料全体又はその１部が再び初期のガラス状
に戻る。紙と紙上に部分的に押し付けられた像材料との
間の粘着力及び像材料の凝集力は大であり、ベルトと像
材料との間に生じる粘着力より確実に大きい。しかし乍
ら、所要の冷却路及びこの冷却路に沿つて配置され得る
冷却手段の故に、この方法を実施するための装置は大型
で複雑になり、好ましくない。本発明の目的は、簡単な
手段を使用して、公知方法の欠点を除去した方法を実施
する装置を提供することである。

すなわち本発明の目的は、移送される第１のベルトを案
内する弾性変形の大きい第１のローラと、熱可塑性材料
から成る像を前記第１のベルト上の紙に定着すべく前記
像とともに移送される無端の第２ベルトを前記第１のロ
ーラへ押圧する弾性変形の小さい第２のローラと、前記
第２のベルトを加熱する装置と、前記第１のベルトが前
記第１のローラから離れる第１の位置と、前記第１のベ
ルトの移送方向に沿うとともに前記第１の位置の下流て
あつて前記第１の位置の前記第１のローラの外表面にお
ける接線方向に位置する第２の位置との間で、前記第１
のベルトの平面と直交する方向に前記第２のベルトを湾
曲させて前記第１のベルト上の紙を前記第２のベルトか
ら離れさせるように、前記第１の位置と第２の位置との
間であつて前記第１のベルトの近傍に配置された案内部
材とからなる熱可塑性材料から成る像を紙に定着させる
装置によつて達成される。本発明の好ましい具体例ては
前記の装置において、ベルトと紙が分離される場所で、
ベルトの湾曲半径（Ｒｍ）とベルトの厚み（Ｄｍ）と移
動速 Ｄ．Ｖ度（Ｖｍ／秒）との関係
がＴ＞０．０５となるように構成される。

このようにして、公知方法と異なり、広い範囲に亘つて
圧力帯域の温度変化及び／又はベルト表面の構成の変化
に左右されない方法が達成されると考えられる。

本発明による良好な結果の理由は下記の如く説明されよ
う。即ち本発明による処理では、ベルトが比較的強く湾
曲し、これによりベルトの紙と接する表面の面速度と紙
の移動速度との間に速度差が生じ、この速度差はベルト
の厚みが厚く、湾曲半径が小さい程大きい。その結果ベ
ルトの紙と接する表面と紙との間に剪断応力が生起され
、ベルト上の像材料はベルトから剥離されて紙へ定着す
る。この剪断応力は極めて大でありベルトと像材料との
間の粘着力より遥かに大きい。しかし乍らこれらの力の
出現は極めて短時間てあり従つて像材料の粘度が変化し
て像の分裂が生じることはない。このようにしてベルト
と紙との間に速度差を生じさせて、ベルト上の像材料を
ベルトから更に容易に剥離させ、より確実に紙に定着さ
せるための適正な剪断応力が得られるようにベルトの厚
みと移動速度と湾曲半径との関係を求めるため種々の
Ｄ．Ｖ実験をおこなつた結果、前
述の］灘＞０．０５となるようにベルトの厚み、移動速
度及び湾曲半径を構成すればベルト上の像をベルトから
更に容易に剥離しより確実に紙へ定着し得る剪断応力が
得られることが明らかになつた。

本発明の装置に於いて像材料を加熱するために必要なエ
ネルギは、種々のしかし乍ら一般に公知の方法により供
給され得る。

従つて紙が圧力帯域に入る前に紙を十分に加熱して像材
料を軟化し得るだけの含熱量を紙に与えることが可能で
ある。この場合の欠点は、使用加熱装置を、使用複写紙
の種類に適合するように毎回調整しなければならないこ
とである。本発明装置の好ましい具体例では処理条件に
変更を加える必要なしに種々の種類及ひ厚みの紙を使用
し得る。この具体例ては、像・材料を加熱するためのエ
ネルギがベルトから供給される。このためにベルトは常
に温度１２０〜１７００Ｃに維持されており、紙の表面
部分が圧力帯域に入る瞬間と同じ表面部分がベルトから
離れる瞬間との間に経過する時間は、最大で０．１秒で
ある。本発明の装置を使用している定着装置を備える複
写装置を概略的に図示する添付図面を用いて本発明を下
記に詳細に説明する。第１図は、多数のガイドローラ２
の上を一定速度で矢印の方向に核動する光導電性無端ベ
ルトを示す。

移動中、先ずコロナ装置３によりベルトに静電気帯電が
行われ、次に、対物レンズ５とミラー６とを用いてガラ
スプレート４上の原本の光像』をベルト上に投影するこ
とによつてベルトが像通りに放電される。このために原
本は図示しないフラッシュランプにより公知の方法で露
光される。次に、例えばオランダ特許出願第７５０９８
７吋に記載の型の磁気ブラシ装置７を用いて露光により
形成された像通りの帯電パターンが現像され、これによ
り粉像に転換される。現像ベルト１が圧力ローラ９を備
える駆動ローラ８を通過し次にローラ１０を通過する。
ローラ１０は、ベルト１を圧力ベルト１１と接触させる
（又は接触させない）ために図示しない方法で上下方向
に移動し得る。前記ベルト１と圧力ベルト１１との接触
により、ベルト１上に存在する粉像がベルト１から圧力
ベルト１１に転写される。このような方法はすべてオラ
ンダ特許出願第７５０２８７４号に記載されている。像
転写ベルト１は不活性表面１２に沿つて移動する。該表
面によりベルトはオランダ特許出願第７１１４７２５号
に記載の方法て調節される。最後にベルト１は洗浄装置
１３を通過する。該装置は、ベルト１が新たなサイクル
を開始する前に、残存する粉像の残余分を完全に除去す
る。圧力ベルト１１は、ガイドローラ１５，１６及び調
節装置１７上を通つている進路に沿つてローラ１４によ
ソー定速度て駆動される。該装置１７は、前出のオラン
ダ特許出願第７１１４７２５号に記載の型てあつてもよ
い。ベルト１１は加熱装置１８により加熱される。加熱
装置は例えば、加熱部材と組合せられた金属プレートか
ら成り、該部材上をベルトが走行する。図示しない検知
器がベルトの温度を検知し、これにより、ベルト温度が
常に或る範囲内に在るように装置１８に対するエネルギ
供給を調節する。この範囲は、使用される像粉の組成に
基く大きさとレベルとを有しており、１２０〜１７０℃
の間てある。従つて、オランタ特許出願第７２０３５２
３号の実施例１に記載の像材料を使用する場合、温度は
１２５〜１６０℃まで上昇しなければならず、オランダ
特許出願第７５０８０５６号の実施例３に記載の型の像
材料を使用する場合、温度は１３０〜１５０像Ｃであつ
てもよい。装置１８に代るか又は装置１８に加えて、別
の加熱手段を使用し得ることは言う迄もない。従つて、
ローラ１５，１６を中空ローラとして形成し、これらの
内部に加熱部材を配置することも可能である。エネルギ
損失及び／又はベルト１１の不均等な冷却を最小限に抑
制するために、例えば公知の絶縁材から製造され得る壁
１９を用い、ベルト１１の移動スペースを可能な限り周
囲から絶縁するのか好ましい。ベルト１からベルト１１
に転写された像は、極めて短時間でベルト１１と同温に
なる。勿論ベルト１１の温度として像材料を可成の程度
まて軟化させるような温度が選択される。引続き、プレ
ートとローラとから成るガイド２１を介してシートトレ
ー２０から紙シートＡが供給される（第２図も併せて参
照せよ）。

該シートは、搬送ローラ２２及ひ搬送ベルト２３との作
用でベルト１１及び該ベルト上に存在する像Ｂと接触す
る。一方でローラ１５及びベルト１１と他方でローラ２
２及びベルト２３との間に形成されるニップにより形成
される圧力帯域中で像Ｂの材料が圧縮されこれによりシ
ートＡの表面に押し付けられる。ローラ１５を通過した
ベルト１１はロッド又はパー２４上を誘導される。該ロ
ッドはやや面取りされている。この面取り部分でベルト
１１は紙シートから引き離される。部材２４の半径（Ｒ
ｍ）とベルトの厚み 、Ｄ・■（Ｄｍ
）とベルト速度（Ｖｍ／秒）との関係が］「＼０．０５
となるように部材２４の面取りが行なわれる。

従つて第２図の装置ては、ベルト１１を速度０．２６ｒ
Ｔ１／秒て駆動するときに良好な結果が得られる。

ベルト１１は厚み０．５？の無端ポリエステル繊維から
成り、厚み０．５７ＴｒＩｎのシリコンゴム（例えばＥ
ｍｅｒｓＯｎ＆Ｃｕｍｉｎｇ社の２ＣＮ型）層で被覆さ
れている。部材２４の面取り半径は５ｗｎてある。搬送
速度が遅いときは、例えば０．１５ｎ１／秒のときは、
面取り半径を３藺にすると同様の結果が得られる。

搬送速度が早いとき、例えば０．３ｒｎ／秒のとき又は
ベルトが厚いとき、例えば２顧のときは面取り半径は７
薗である。このように、ベルトの移動速度又は厚みを変
更する場合には、部材２４の面取半径Ｒは前述の式Ｄ．
ＶＤ．ＶＴ＞．０．０５を構成する値、すなわち了面＼
Ｒとなるように設定すればよい。

図示の具体例では、ローラ２２が、例えばシヨア硬度６
００のゴムから成る圧縮性の層で被覆されており、搬送
ベルト２３はシリコンゴムから成る。

ローラ１５をローラ２２の方向に押圧する力を増減する
ことにより像材料が紙に押し付けられる圧力を調節し得
る。紙シートＡとベルト１１とが相互に接触する帯域は
、この圧力に依存するのみでなく、特に部材２４の場所
及び／又はローラ１５，２２の場所又は直径に依存する
。これらのパラメータの調整により前記帯域を長さ２〜
２．５Ｇにすると、前記速度０．２６ｎ１／秒に於いて
シートＡの表面部分当りの滞在時間が０．１秒未満であ
り、これにより少くとも実際的な条件下ては装置の作動
シートＡの種類に左右されない。記載の装置では、いか
なる装置の連結をも必要とすることなく、重量４０〜１
２０ｇＩ７Ｔ１の種々の種類及び種種の組成の紙を任意
に使用し得る。前述の如く、圧力帯域で軟化粉像を紙シ
ートに押し付ける。これにより粉像は恒久的に紙に粘着
し、従つて定着される。圧力帯域を出たシートは、搬送
ベルト２３とガイドプレート２５とにより形成される路
を通り、最後にローラ２６，２７によりトレー２８にノ
放出される。転写中像材料が複写シート外て搬送ベルト
２３と接触し、搬送ベルトが汚染されることがあるかも
知れない。

このような汚染はそれ自体公知の簡単な方法て阻止し得
る。即ち図示の如く、約１００・℃に加熱された金属ロ
ーラ２９（このローラは、例えばその内部に配置されて
いる部材３０により加熱される）をこのベルトと接触し
て回転させる。前記の記載では、像材料がベルトから複
写紙に）転写される装置を使用して本発明を説明してい
る。

しかし乍ら、圧力帯域以前に像材料がベルト上に存在し
ても又は紙上に存在しても、差異はないことが明らかで
あろう。従つて、例えば前記の西ドイツ特許公開公報第
２０４９２９３号により知られている原理を有する装置
にも本発明を適用し得る。更に、本発明による処理中、
ベルト上に存在している像を紙上に存在している像と結
合させることも可能てある。本発明になる熱可塑性材料
から成る像を紙に定着させる装置では、前述の如く、弾
性変形の大きいローラと、このローラよりも弾性変形の
小さいローラとの間でベルト上の像と紙とを押圧するの
が故に、弾性変形の小さいローラを弾性変形の大きｉ−
和一ラの方向に押圧する力を増減することによりベルト
上の像を紙に押しつける圧力を調節し得、ベルト上の像
を紙に押圧して後、紙の移動方向と直交する方向にベル
トを）弯曲させてベルトと紙とを離れさせる案内部材を
有する故にベルトが紙の移動方向に対し直交する方向に
湾曲され、これによりベルトと紙との間に速度差が生じ
て剪断応力が生起されベルト上の像がベルトから剥離さ
れ確実に紙に定着し得る。

尚、実施例のように、案内部材の湾曲半径（Ｒｍ）とベ
ルトの厚み（Ｄｍ）とベルトの移動速度（Ｖｍ／秒）と
の関係Ｄ・■がＴ−＼０．０５となるように構成すると
、ベルト上の像がベルトから更に容易に剥離されより確
実に紙に定着し得る適正なる剪断応力をベルトと紙との
間に生起し得る。

加えて、紙の一部位が押圧された瞬間から紙がベルトと
離れる瞬間との間に経過する時間を最大０．１秒に設定
すると、少くとも実際的な条件下では装置の作動が紙の
種類に左右されず、種々の種類及び組成の紙を任意に使
用し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の縮尺概略断面図、第２図は定着装
置の拡大概略断面図てある。 １・・・ベルト、２・・・ガイドローラ、３・・・コロ
ナ装置、４・・・ガラスプレート、５・・・対物レンズ
、６・・・ミラー、８，９，１０・・・ローラ、１１・
・・ベルト、２０・・・シートトレー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 移送される第１のベルトを案内する弾性変形の大き
   い第１のローラと、熱可塑性材料からなる像を前記第１
   のベルト上の紙に定着すべく前記像と共に移送される無
   端の第２のベルトを前記第１のローラへ押圧する弾性変
   形の小さい第２のローラと、前記第２のベルトを加熱す
   る装置と、前記第１のベルトが前記第１のローラから離
   れる第１の位置と、前記第１のベルトの移送方向に沿う
   とともに前記第１の位置の下流であつて前記第１の位置
   の前記第１のローラの外表面における接線方向に位置す
   る第２の位置との間で、前記第１のベルトの平面と直交
   する方向に前記第２のベルトを湾曲させて前記第１のベ
   ルト上の紙を前記第２のベルトから離れさせるように、
   前記第１の位置と第２の位置との間であつて前記第１の
   ベルトの近傍に配置された案内部材とからなる熱可塑性
   材料から成る像を紙に定着させる装置。 ２ 前記案内部材は、前記第２のベルトと摺動的に接触
   する湾曲部を備えており、この湾曲部の湾曲半径（Ｒｍ
   ）と前記第２のベルトの厚み（Ｄｍ）と前記第２のベル
   トの移動速度（Ｖｍ／秒）との関係がＤ・Ｖ／Ｒ≧０．
   ０５となるように構成されている特許請求の範囲第１項
   に記載の装置。 ３ 前記案内部材の湾曲半径が１〜１０ｍｍである特許
   請求の範囲第１項又は第２項に記載の装置。 ４ 紙の一部位が前記第１のローラと第２のローラに押
   圧された瞬間から、前記部位が前記第２のベルトから離
   れる瞬間との間に経過する時間が最大０．１秒である特
   許請求の範囲第１項から第３項のいずれかに記載の装置
   。