JPS604753B2 - 高耐蝕性d&i缶の製造法 - Google Patents

高耐蝕性d&i缶の製造法

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JPS604753B2
JPS604753B2 JP15508278A JP15508278A JPS604753B2 JP S604753 B2 JPS604753 B2 JP S604753B2 JP 15508278 A JP15508278 A JP 15508278A JP 15508278 A JP15508278 A JP 15508278A JP S604753 B2 JPS604753 B2 JP S604753B2
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秀次郎 朝野
達郎 小尾
理 松村
輝雄 小山
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、各種内容物、特に食品、ビールそして炭酸飲
料用容器に用いられる、耐倉虫性密着性に優れたD&1
(Drawn & Ironed)缶の製造法に関する
ものである。
D&1缶は従来ブリキあるいはアルミニウム板を素材と
して使用し、これをカッピング、しごき加工後、缶内外
面を防食あるいは、装飾塗装印刷し、内容物を充填、夫
蓋をつけて市販使用されている。
これらは従来のブリキ3ピース缶に比べて安価、高性能
、美麗というとで市場の評価も高く、生産が著増するす
う勢にある。併しながら、近年の省資源、省エネルギー
、リサイクル化等の社会的要求から更に高度の省資源、
省エネルギー対策が必要とされており、その技術開発が
望まれている状況にある。本発明は、こうして世界的、
国家的資源にか)わる要求に対処するもので、従来のブ
リキ、アルミニウム板を素材としたD&1缶に変えて、
金属クロムとクロメート皮膜とからなるT.F.S(テ
インフリースチール)にプレコートした各種内容物充填
用高耐員虫性D&1缶の製造法に関するものである。
既にプレコートD&1缶に関して公表されたものとして
は、米国べツレヘムスチール社のP.J.Vander
VeenらのModem Metals (1977)
Jan.P60〜64に記載された報告がある。
そして又米国ACC社に於て公表された特関昭51一6
3787がある。べッレヘムスチール社のものは、缶用
塗料のェポキシフェノールに脂肪酸ェステルの成分を加
えた塗料を袷延鋼板に塗装し部分硬化の状態に焼付を行
うものでD&1加工が可能であるとする内容のものであ
る。ACC社のものも部分硬化樹脂タイプでD&1加工
が可能であることを主張している。本発明はこれらの従
釆技術で主張されている技術内容とは異なるものである
。本発明による高耐蝕性D&1缶はそのD&1加工工程
に於いて非常に優れた特性を発揮するばかりでなく、特
に鋼板表面に被覆されている金属クロムメッキ層及び水
和酸化クロム層からなる表面皮膜と、予め塗装された塗
膜の総合効果によりD&1加工後の缶体の耐軸性、密着
性が従来のものに比べ格段に優れていることである。
従って本発明の高耐倉虫性D&1缶の場合には、従来の
ブリキを素材としたD&1缶で必要とした成形後2回の
後塗装工程が1回だけの後塗装工程で各種内容物に対し
て十分な耐蝕性を保持することが可能となる。このこと
は、省資源、省エネルギ−と云った社会的要求に対して
も十分に応えたものであり、本発明の主たる目的はここ
にある。更に別の目的は、現在のブリキ、アルミニウム
板を素材としたD&1缶に代わる高耐貧虫性D&1缶を
得ることである。
特にアルミニウムD&1缶に代替する為には、D&1缶
に成形された後の後塗装工程1回で充分な耐蝕性を保持
することが必要条件である。本発明の高耐蝕性D&1缶
は、その卓越した耐蝕性がD&1加工後に於ても失われ
ることなくアルミニウムD&1缶との代替を可能とした
ものである。次に本発明の詳細について説明するに当っ
て、先ずD&1加工の条件について説明する。
発明者等の行った高耐蝕性D&1缶の製造法は板厚0.
32〜0.34伽のアルミニウムキルド鋼板の両面に金
属クロム〆ッキ及水和酸化クロムメッキの2層よりなる
クロムメッキを施したテインフリースチール(以下TF
Sと称す)を用い、このTFSにェポキシ基、水酸基、
カルボキシル基等の官能基を含有するェポキシ樹脂を主
成分とする缶用塗料を両面に乾燥膜厚で5〜15仏のの
範囲で夫々塗装し、部分的硬化する程度の焼付を行って
D&1缶用塗装鋼板を得る。本発明で云う部分的硬化と
は焼付塗膜中の不落解部分がメチルエチルケトン溶媒抽
出法で1〜80%の範囲にある硬化を云う。次にD&1
加工を行う。その模式図を第1図に示した。先ずクラン
クプレスにて86.9仇肋◇、高さ35側のカップに抜
き絞り、5トン油圧プレスを用いてD&1加工を行った
。D&1加工のプロセスを以下に説明する。D&1加工
は1のポンチを用いて、予め成形されたカップ6を2の
二次絞りダィを経てカップ7に加工し缶径を86.90
側◇から65.4比炊ぐ‘こ縦少させる。次にカップ7
を3,4,5のしごきダィにてカップ側壁部を強延伸し
缶体8を得るプロセスである。缶体8をポンチより取り
外す工程、即ちストリップアウトは通常しごき加工終了
後ポンチが後退する時に缶上端の円周に爪を引掛けてス
トリップアウトを行う。加工時に於ける荷重測定は機器
に取り付けられたロードセルにより計測し、二次絞り、
一次〜三次しごき荷重及ストリップアウト荷重を求める
ものである。
D&1加工条件は、成形速度20の/minで、二次絞
りダィ径66.1仇帆◇、一次〜三次しごきダィ径はそ
れぞれ65.90 65.7う 65.6仇仰ぐでポン
チ径は65.4仇仰ぐ、ストロークは35仇ゆで行なっ
た。そしてこの条件で得られるD&1缶は米国空缶規格
211×413(缶内径2叢インチ(654肋)X缶高
さ4袴インチ(122柳))の缶体である。その時の一
次、二次及三次しごき荷重とストリップアウト荷重を測
定することによりD&1加工時の加工の容易さが判定出
来るようにしてある。この段階迄に於て最も重要なこと
は、上記したD&1加工の工程特にしごさ加工工程に於
て、鋼板に塗装された塗膜が剥離しないことである。も
し塗膜が剥離してしごきダィやしごきポンチに付着する
と、部分的に「かじり」の現象が起ったり、ストリップ
アウト性が不良となるばかりでなく、D&1加工が不能
となり、最も悪い場合缶体は破断してしまう。即ち本発
明の最大の特徴である高耐蝕性を保持した缶体を得るこ
とは不可能となる。以上説明した如く、鋼板に塗装され
た塗膜が成形された後も缶内外全面を均一に被膜してい
ることが次に説明する耐蝕性を保持する上で非常に重要
なことである。次に本発明の特徴である、高耐官虫性D
&1缶体について説明する。
○&1加工された缶体表面に被覆されている塗腹は通常
加工前に比べ、特に素地との密着性、耐蝕性が、素地、
樹脂種類の組合わせで程度の差こそあれ低下する煩向に
ある。しかし本発明の場合は鋼板として塗料密着性及耐
蝕性に非常に優れたT.F.Sを用いたこと)、密着性
、耐軸性に非常に優れたェポキシ樹脂を主成分とする塗
料樹脂を選んだことによりD&1加工時に於ける密着性
、耐蝕性の低下が極めて僅かでD&功ロ工工程を終了す
ることが出来るのが本発明を成功させた一つの大きな理
由である。更にもう一つの大きな理由は塗膜の暁付硬化
を○&1加工前は部分硬化に留めたことによる。つまり
D&1加工後、通常行なわれる後塗装塗料の塗装競付工
程に於いて予め塗装されている部分硬化状態の塗膜を、
や)リフローし後塗装塗料との馴染を良くし、旦後塗装
塗料と共に再硬化し、完全硬化させる際にTFS下地被
膜との強固な結合を完結させ、非常に優れた耐蝕性を発
揮し得る缶体とする点にある。即ち、D&1後塗装塗料
の膝付硬化工程を通過することにより、塗膜の硬化が進
行し且つ下地被覆との相乗効果により耐員虫性が更に向
上し得るように予め塗腰を部分硬化に留めておくことが
本発明を成功させたもう一つの大きな理由である。そし
てここで重要なことは後塗装塗料の塗装焼付工程は1回
だけで済むということである。本発明の如き耐蝕性、密
着性の優れた、素材のTFSと塗料はェポキシ樹脂を主
成分とした缶用塗料の組合わせにより始めて成功したも
のである。この後塗装塗料の塗装暁付工程が1回で十分
な耐蝕性を保持する缶体が鋼板を素材として用いた場合
でも得られる−ようになったということは正に革新的な
技術である。即ち世界全てのアルミニウム、ブリキを素
材としたD&1缶から、本発明の高耐蝕性D&1缶の製
造法によって得られた高耐蝕性D&1缶に代替する可能
性を意味しているからである。次に本発明の詳細につい
て鋼板、塗料樹脂、蟻付硬化の条件等の順序に従って述
べる。
本発明で使用する鋼板は、第2図で示すような表面構造
を有するTFS鋼板である。
更にメッキ層の構造は第3図に示す構造となっている。
この水和酸化クロム層中に存在するOH基が塗料樹脂と
の密着性に非常に重要な働きをしている。そして、それ
がD&1加工時の塗膜の潤滑性を良好に保持し、塗膜剥
離や剥離に至る塗膜欠陥の発生をも防ぐ効果として働い
ている。次に金属クロムメッキ層であるが、この層は主
として耐蝕性に効果があり、特に缶体成形後の鉄溶出を
押え、且つ糸状錆(FFC)の発生をも押える。以上の
ような皮膜構成により次のようなTFSの特徴が生まれ
ている。【11 極めて薄い皮膜であるにもかかわらず
耐員虫性が優れている。
{2’塗料密着性が優れている。{3’塗膜下の腐蝕に
対する抵抗性が強い。以上の様に数々の優れた特性を持
つTFSである為3ピース缶用素材としては大量に使用
されているが、D&1缶用素材としては実用されてない
。その理由は表面に被覆されている金属クロムメッキ層
がD&1加工を不可能としているからである。即ち金属
クロムメッキ層は非常に硬い層であり、D&1加工を開
始した途端にしごきダィとの間に競付、カジリを生じて
しまう為である。そこで発明者等はそのままではD&1
缶用素材としては実用不可能であるこのTFSの表面に
、更に塗料をプレコートすることによりD&1加工時の
カジリ発生をなくし、0&1缶用素材として用いること
を考え、後述する塗料樹脂及蟻付硬化条件を決定するこ
とによりTFSのD&1缶用素材としての適用を可能と
した。ここでTFS皮膜の皮膜量について説明する。先
ず水和酸化クロム層はCrとして5〜50の9′力の範
囲の量を鋼板表面に有するものが塗装密着性を後塗装塗
料の焼付時に於ても向上、保持させる効果がある。
付着量が5雌に満たない場合には特に後塗装塗料の競付
時に「プレコート塗膜の密着性を向上、保持する効果が
低下してしまう。又、付着量が50の9′従を越える量
の水和酸化クロム層を生成させると塗料焼付時に皮膜中
の水和成分が脱水し、皮膜に亀裂を発生するため耐蝕性
を保つ上で不適当である。次に金属クロムメッキ層は、
5〜200の9′での範囲の量が好ましい。
5の9/〆未満の金属クロムメッキ量は缶体となってか
らの十分な耐員虫性を保持することが簸かしい。
又200の9′府を越える金属クタロムメッキ量は十分
な耐蝕性を保持するという点から必要以上の量であるば
かりでなくメッキ時の通電量が増え省資源、省エネルギ
ーという観点からも好ましくなく、コスト高にもつなが
る。更に重要なことはD&1加工時の塗膜の潤滑性に対
し0ての負担を多くして、却って密着性をも阻害するよ
うになり好ましくない。金属クロムメッキ量の耐倉虫性
効果、特にD&1缶体としての鉄溶出抑制効果から考え
ると最も好ましい範囲は、10〜100のo/めである
。次に本発明で使用する塗料樹脂組成について説明する
本発明の如き非常に苛酷なD&1加工に適用され、しか
も加工後の塗膜の耐蝕性、密着性に高い性能を要求され
る塗料は、かなり限定されて来る。本発明に於て適用可
能な塗装樹脂はェポキシ樹脂を主成分とする塗装樹脂で
あることが重要な要素である。このェポキシ樹脂中に含
まれるェポキシ基、水酸基等が塗膜の素地への強固な密
着性に関与している。使用するェポキシ樹脂は、平均分
子量450〜3700、ェポキシ当量が230〜400
0、水酸基当量が115〜225のものが対象となるが
、望ましいものは平均分子量が900〜3000、ヱポ
キシ当量が450〜2000、水酸基当量が115〜2
00であるビスフェノールA型ェポキシ樹脂である。こ
れらの官能基の作用効果は、鋼板表面に水和酸化クロム
層が形成されている本発明のようなTFSを用いた場合
には格段に優れた効果作用を示すこととなる。他の樹脂
成分として用いられるものはフェノール系樹脂、アクリ
ル系樹脂、尿素系樹脂内部可塑化ポリエステル系樹脂ア
ルキッド系樹脂等であるが、これらはビスフェノールA
型ェポキシ樹脂の変性剤として用いられる。変性剤であ
る樹脂中の官能基、例えば水酸基、カルボキシル基等も
鋼板表面の水和酸化クロム層に対して非常に有効な作用
を示す。ビスフェノールA型ェポキシ樹脂と変性剤であ
るフェノール系樹脂、アクリル系樹脂、尿素系樹脂等と
の配合は60〜90:40〜1の重量%の割合で示す範
囲が好ましい。これは塗料樹脂の可とう性を付与する為
の変性樹脂の混入割合の適正量である。又、後述する部
分硬化状態に焼付を留めた際にD&1加工時に塗膜剥離
を生じない程度の塗膜の可とう性、密着性を保持する為
には、ビスフヱノールA型ェポキシ樹脂の配合量を樹脂
全体の60重量%以上にすることが好ましい。又このェ
ポキシ樹脂を9の重量%を越えるような場合にはD&1
加工性が劣り、好ましくなくなる。更にこのビスフェノ
ールA型ェポキシ樹脂と変性剤の樹脂は、その縮重合過
程に於て線状高分子を形成する構造のものが塗料樹脂の
可とう性を向上させる意味からも好ましいものである。
次に塗料樹脂の乾燥塗膜厚が5〜15仏のの範囲で塗装
されることが好ましい。更に好ましくは8〜12仏のの
範囲である。塗膜は素材と共にD&1加工を受けるとそ
の塗膜厚はほゞ始めの1/3程度に薄くなる。D&1加
工後も塗膜が良好な耐蝕性、連続性を保持する為には、
D&1加工前の塗膜厚は少なくとも5〃の以上あること
が必要である。又塗膜厚が15仏仇以上を越える場合に
はD&1加工しごきダイへの塗膜のビルドアップが生じ
てしまい、連続でのD&1加工を不能とする為好ましく
ない。又、塗料樹脂に対してD&1加工時の潤滑性を向
上させる目的で有機系潤滑剤を添加することは好ましい
本発明の場合には塗料樹脂を予め部分硬イQ伏態に留め
てD&1加工する為、塗膜の塑性変形時の流展性は良好
である。しかし塗料樹脂組成部分硬化状態が高い不溶解
部分を塗膜中に占める場合等潤滑剤の併用は効果的であ
る。塗料樹脂中に添加する潤滑剤として塗料樹脂との相
溶性、分散性、馴染みの点で、飽和及び不飽和脂肪酸ェ
ステル類、飽和及不飽和ワックス類、高分子化合物(ポ
リエチレン、アセタールなど)等の有機系潤滑剤が好ま
しい。これら有機潤滑剤は多量に塗料樹脂中に添加する
と塗膜の密着性を劣化させる。その密着性劣化に及ぼす
影響は塗膜の硬化状態が部分硬化であればある程顕著に
なる傾向を示す。従って有機系潤滑剤の添加量は少ない
方が好ましい。塗料樹脂に対して良好な潤滑性を付与す
ることが出来る添加範囲は1〜10%であり、更に好ま
しくは1〜5%である。10%を越える添加量は塗料樹
脂の密着性を低下させること)塗料樹脂を増粘させ、塗
装性を損う為好ましくない。
又1%未満の添加量では潤滑性向上効果が期待出来ない
。次に塗料樹脂の硬化条件について説明する。
本発明に於ける硬化条件の特徴は塗装塗膜を二段階で硬
化を進行させることである。つまり塗膜は先ずD&1加
工前の段階で、D&1加工時に塗膜の剥離や、しごきダ
ィにビルドアッブを生じなく且その後の缶体の脱脂、洗
浄乾燥工程に於いても加工歪みを受けた缶体側面の塗膜
が剥離やスリ傷を生じない程度の密着性、硬度を有する
程度に部分暁付硬化を行なう。次にD&1缶は後塗装工
程にて缶内外面を塗装されるが、この後塗装塗料の暁付
硬化時にブレコート塗膜の再硬化を行ない、完全硬化し
、加工歪みをなくし、密着性、耐蝕性の優れた塗膜とし
、後塗装工程一回で十分な内容物適性を保持したD&1
缶体とする。ここで重要なことは本発明で用いるTFS
鋼板表面層の水和酸化クロム層の水酸基と用いるビスフ
ェノールA型ェポキシ樹脂中のェポキシ基、水酸基、又
変性剤として用いる塗料樹脂中のカルボキシル基等の官
能基間の結合力が、通常の冷延鋼板や、ブリキ等に比べ
非常に強固なものとなることである。従って本発明のよ
うに塗装塗膜を部分硬化状態に焼付けてもD&1加工と
いう苛酷な加工にも十分耐え得る密着性、潤滑性が確保
され、且つD&1加工後の脱脂洗浄乾燥工程でも塗膜剥
離を生じないD&1缶が得られるのである。そして更に
次の後塗装塗料の焼付硬化工程に於ける、再硬化でプレ
コート塗膜は完全硬化し素地の水和酸化クロム層と強固
な結合となり、又金属クロムメッキ層の耐蝕性効果と相
挨つて後塗装焼付工程一回丈で十分な密着性、耐蝕性を
保持するD&1缶体を得ることが可能なるのである。こ
こで本発明での部分硬化状態及完全硬化の状態について
説明する。
先ず部分硬化状態の定義及び本発明での硬化範囲を説明
する。部分硬化状態の定義は塗膜間の粘着性がなく、D
&1加工に於て塗膜剥離を生ぜず、D&1工程及びその
後の脱脂、洗浄、乾燥工程を良好な塗膜連続性及密着性
を保持して通過し得る程度の硬化状態を云う。上記の性
能を満足し得る本発明での部分硬化の範囲はメチルエチ
ルケトン溶媒抽出法(20q02時間浸漬)で、焼付塗
膜中の不溶部分の量が1〜80%の範囲であり、更に好
ましくは30〜60%の範囲である。次に完全硬化状態
の定義及び本発明での硬化範囲を説明する。
完全硬化状態の定義は塗装された塗料樹脂が最も良好な
密着性及び耐蝕性を示す硬化状態を云う。更に本発明の
如くプレコート膜がD&1加工を受けた後の完全硬化状
態とは、加工により受けた歪み、密着性、耐蝕性のわず
かに低下した塗膜の加工歪みを取り除き、プレコート塗
膜が本来発揮し得る密着性、耐蝕性にまで塗膜性能を回
復向上させた硬化状態を云う。上記の性能を満足し得る
本発明での完全硬化の範囲はメチルエチルケトン溶媒抽
出法(200○2時間浸糟)で嫌付塗膜中の不溶部分が
65%以上の範囲であり、更に好ましくは、80%以上
の範囲である。部分硬化及び完全硬化の良好な範囲につ
いて説明したが、それらの良好範囲を逸脱した場合の状
態について説明を加える。部分硬化の範囲に於て不溶部
分が1%未満である場合には、D&1加工時に於いて、
部分的又は全面的に缶外面の膜剥離が生じてしまい好ま
しくない。又不落部分が80%を越える硬化の場合には
、D&1加工時の成形荷重が増加し、塗膜の密着性、耐
蝕性の低下が大きくなり、好ましくなく、更に後塗装塗
料の焼付硬化時に於けるプレコート膜の密着性、耐蝕性
向上効果が期待できなくなる。
次に再焼付時のプレコート膜の完全硬化の範囲に於て不
溶部分が65%未満ではプレコート膜の密着性、耐員虫
性向上効果が殆どなく、好ましくない。次にこの塗膜の
焼付硬化工程での大きな効果として用いるTFS鋼板の
材質特性改善が出来ることである。つまりTFS鋼板表
面の金属クロムメッキ、水和酸化クロム層を電解メッキ
する際に該鋼板中に大量の水素が吸蔵される。この吸蔵
された水素は、鋼板の降伏応力を低下させ、更に割れを
生じやすくする等鋼板に対して悪影響を与えることが良
く知られている。この吸蔵された水素の除去法として、
素材を加熱して除去する方法がある。本発明の如き、水
素吸蔵量の多いTFS鋼板をD&1缶用素材として用い
る場合には、出釆るだけ吸蔵水素を除去することがD&
1缶製造プロセス全体から考えると非常に好ましい。本
発明に於ける塗膜の焼付硬化工程は、鋼板中に吸蔵され
た水素を除去する効果がある。即ちTFS鋼板のD&1
加工ネックドイン及びフランジ出し加工での成形性を向
上させる作用がある。こうして得られた高耐倉虫性D&
1缶は、従来の常識を全く打破つたD&1缶の内側、外
側の必要耐蝕性を完全に満たし、且つプロセス的にも従
来のD&1加工缶のコストと比較にならぬ経済性をもっ
ている画期的な製品である。
次に本発明の実施例を示す。
実施例 1 板厚が0.34肌、表面組度Ra(平均組さ)0.85
山川の鋼板両面に金属クロムメッキ量がloo収′〆、
水和酸化クロム量が15の9/〆のクロムメッキ、クロ
メート層を亀着したTFS(ティンフリースチール)を
使用し、ビスフェノールA型ェポキシ樹脂(ェピコート
1007)75部とメタクレゾール35部とパラクレゾ
ール65部をホルムアルデヒドとアルカリ触媒下で縮合
させて得られるメチロールフェノール樹脂25部を重縮
合して得られる塗料樹脂をTFSの両面に乾燥膜厚で各
々7.0ム凧になる様に塗装し箱型オーブンを用いて、
16000一10分間の部分硬化焼付を行なった。
この焼付塗膜中の不溶解部分はメチルエチルケトン溶媒
抽出法で30%であった。この材料を用いてD&1加工
を行った。D&1加工は前述のように211×413缶
サイズの加工である。結果はD&1加工が連続して可能
であり1次〜3次のしごき荷重及びストリップアウト荷
重は、それぞれ2.3、2.0、1.90.22トン/
缶で良好であった。D&1加工後市販のアルカリ脱脂剤
の水溶液(10夕/そ、6030、pH=9)を缶体に
2k9/従、6の砂、間スプレーしてクーラント液を除
去した後、水洗乾燥した。この脱脂工程に於て塗膜の溶
解剥離は起らなかった。次に缶内面にはェポキシ尿素系
塗料、外面にはポリエステル系塗料を6.5仏肌の厚さ
に塗装し、19000一心分間の競付を行った。プレコ
ート塗腹中の不落鱗部分はメチルエチルケトン溶媒抽出
法で85%であった。耐蝕性試験を行う為に、缶を4分
の1に切断し、試験片の缶内面に素地に達するクロスカ
ット傷をダイヤモンド針で入れ、ミツロウノパラフィン
=1/1(重量比)でエッヂ、裏面をシールした後、炭
酸ガスを一昼夜吹き込んだクエン酸1.5%塩化ナトリ
ウム1.5%の水溶液中に浸潰した。試験中炭酸ガスの
吹き込みを続けた。9筋時間浸簿後試験片を取り出し、
水洗後、圧縮空気で水分を除去し、スコッチテープ#6
10でクロスカット部をテープ剥離した。
(以下U.C.C.(アンダーカッティングコロージョ
ン試験)値とする。)U.C.C.値は塗膜の剥離中(
単位肌)を測定して求める。1.P.V.(アイアンピ
ックアップバリュー、溶出鉄量)試験はU.C.C.試
験と同様の条件で傷を入れずに96時間浸濃後、溶出し
た鉄量を分析し、1.P.V.値(単位ムタ/の)とす
る。
又缶外面に対してはフィリフオーム試験(以下F.F.
C.試験と略す)を行った。FFC試験の条件は試験片
外面にダイヤモンド針で傷を入れ、塩水頃霧試験(JI
S・Z・2371)を4時間試験した後、たゞちに、3
0℃相対湿度85%の陣温恒湿槽中に1週間暴露した後
FF.C.の発生状況を観察した。評価は、1:発生な
し、〜5:全面に密に発生の5段階とした。この試験は
ASTMD−2803に規定されている方法に準じて行
った。耐蝕性試験結果はU.C.C.値0.い1.P.
V.値<1、F.F.C.値1であった。尚、T.F.
S.でなく袷延鋼板(メッキ原板)の場合についてT.
F.S.と同様の処理工程でD&1缶を成形し、耐蝕性
試験を行なった所、U.C.C.値10、1.P.V.
値liF.F.C.値5であった。実施例 2 板厚が0.34側、表面粕度Rao.85仏肌の鋼板両
面に金属クロムメッキ量が10〜200の9′れ水和酸
化クロム量が10〜50の9/あの範囲にクロムメッキ
、クロメート層を亀着したTFSを使用し、実施例1と
同様の塗料樹脂を用い、かつ手順に従いD&1加工し、
耐蝕性試験を行った。
試験の結果を第1表に示した。第1表 *S.○:ストリップアウト力 実施例 3 板厚が0.34側、表面粗度Rao.85仏仇の鋼板両
面に金属クロムメッキ量が100の9/枕、水和酸化ク
ロム量が40の9/あのクロムメッキ、クロメート層を
竜着したTFSを使用しビスフェノールA型ェポキシ樹
脂(ェピコート1007)7碇都と尿素樹脂をホルムア
ルデヒドとアルカリ触媒下で付加重合させて得られるメ
チロール尿素3館部を重縮合して得られる塗料樹脂をT
FSの両面に乾燥膜厚で各々8.0〆仇になる様に塗装
し、箱型オーブンを用いて1650o−1び分間の部分
硬化競付を行なった。
この暁付塗膜中の不溶解部分はメチルエチルケトン溶媒
抽出法で50%であった。この材料を用いてD&1加工
を行なった。D&1加工は前述のように211×413
缶サイズの加工である。結果はD&1加工が連続して可
能であり1次〜3次のしごき荷重及びストリップアウト
荷重は、2.4、2.1、2.0、0.24トン/缶で
良好であった。実施例1に従いD&1缶を脱脂、水洗乾
燥し、缶内外面に再塗装暁付を行った。プレコート塗膜
中の不溶解部分はメチルエチルケトン溶媒抽出法で85
%であった。次に実施例1の手順に従い耐蝕性試験を行
なった。結果はU.C.C.値0.0、1.P.V.値
<1、F.F.C.値1であった。実施例 4 板厚が0.34帆、表面粗度Rao.85山肌の鋼板両
面に金属クロムメッキ量が50の9′力、水和酸化クロ
ム量が25雌/めのクロムメッキ、クロメート層を露着
したTFSを使用し、ビスフェノールA型ェポキシ樹脂
(ェピコート1007)7の部とスチレン30部、アク
リル酸プチル62部、アクリル酸8部よりなるアクリル
共重合体3疎部を重合して得られる塗料樹脂を、T.F
.S.の両面に乾燥膜厚で各々8.0仏のになる様に塗
装し165q0一1び分間の部分硬化暁付を行なった。
この焼付塗膜中の不落解部分はメチルエチルケトン溶媒
抽出法で45%であった。この材料を用いてD&1加工
を行なった。D&1加工は前述のように211×413
缶サイズの加工である。結果はD&1加工が連続して可
能であり1次〜3次のしごき荷重及びストリップアウト
荷重は、2.3 2.0、1.9 0.24トン/缶で
良好であった。実施例1に従いD&1缶を脱脂、水洗、
乾燥し、缶内外面に再塗装嬢付を行った。プレコート塗
膜中の不落藤部分はメチルエチルケトン溶媒抽出法で8
0%であった。次に実施例1の手順に従い耐蝕性試験を
行なった。結果はU.C.C.値0.0、1.P.V.
値<1、F.F.C.値1であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、D&1加工プロセスの模式図Y第2図はTF
S(ティンフリースチール)の構造図、第3図はクロム
メッキ及びクロメート皮膜の構造図を示す。 州図 外2図 外3図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属クロムメツキ量5〜200mg/m^2、水和
    酸化クロム量(Crとして)5〜50mg/m^2の金
    属クロム及び水和酸化クロムの2層を鋼板表面に有する
    クロムメツキ鋼板の両面にエポキシ基、水酸基、カルボ
    キシル基の官能基の1種又は2種以上を含有する缶用塗
    料を乾燥膜厚で5〜15μm塗装し、該塗膜中の不溶解
    部分が、溶媒抽出法で1〜80%となる範囲に焼付硬化
    し、該塗装鋼板をD&I缶に加工後、1回の後塗装焼付
    工程を経、完全硬化させることを特徴とする高耐蝕性D
    &I缶の製造法。 2 前記缶用塗料樹脂成分に対して有機系潤滑剤として
    脂肪酸エステル類、ワツクス類、高分子化合物(ポリエ
    チレン、アセタールなど)などの一種又は二種以上に混
    合物を1〜10%の範囲添加した缶用塗料を使用するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の高耐蝕性D
    &I缶の製造法。
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