JP3369997B2 - 表面処理アルミニウム材、塗装アルミニウム材及びこれらの製造方法 - Google Patents
表面処理アルミニウム材、塗装アルミニウム材及びこれらの製造方法Info
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Description
ウム材、水性塗料塗装アルミニウム材及びこれらの製造
方法に関する。
材は、強度、成形性に優れているため、缶蓋、缶胴等の
缶用材料、建築材料、家庭用品等に広く用いられてお
り、最終的に塗装処理された塗装アルミニウム材として
使用される場合が多い。塗装アルミニウム材は、アルミ
ニウム材の表面に塗膜を形成して得られるものであり、
具体的な製造方法としてはコイルコーティング法が知ら
れている。コイルコーティング法は、まず圧延したアル
ミニウム材の表面に化成皮膜処理(塗装下地処理ともい
う)を施して化成皮膜を形成し、次いでこの化成皮膜の
表面に塗料を塗布した後焼き付け等で塗料を乾燥させて
塗膜を形成する方法である。このコイルコーティング法
によれば、上記工程を一つのラインで行うこともできる
ので、効率よく短時間で塗装アルミニウム材を製造する
ことができる。
料としては、従来は有機溶剤を溶媒とした有機溶剤系塗
料が用いられていた。しかしながら、近年の環境問題へ
の対策等の観点から、有機溶剤系塗料から水を溶媒とし
た水性塗料への使用の転換が図られている。ところが、
Mgを含有するアルミニウム材の表面をリン酸クロメー
ト処理により塗装下地処理して化成皮膜を形成し、この
化成皮膜上に水性塗料を塗布することによって塗装アル
ミニウム材を製造すると、水性塗料を焼付け等で乾燥さ
せて塗膜を形成する際に塗膜が膨れて、外観異常や耐食
性の低下等の塗膜性能の不良が生じることが、特に、M
g2〜6重量%を含有する缶蓋用塗装アルミニウム材に
おいて経験されている。このような塗膜の膨れは、特
に、塗膜重量が100mg/dm2以上のように大きい場合、
あるいは焼付け時間が短い場合等に発生し易くなってお
り、高性能の塗膜を形成したり、塗膜を効率よく形成し
たりする場合に障害となっている。
焼付け等で乾燥される時に塗膜内部の溶媒である水が沸
騰することによって生じる場合があり、その対策として
水性塗料そのものの性状を沸騰し難くするように改善す
る種々の対策がなされてきた。しかしながら、水性塗料
の性状を改善しても塗膜の膨れ現象が十分に改善されな
い場合があり、大きな問題となっていた。
らは、Mgを含有するアルミニウム材に通常のリン酸ク
ロメートによる化成皮膜を形成し、その上に水性塗料を
塗布した場合にも、塗膜の膨れが生じないような化成皮
膜性状を得ることを目的として、塗膜に膨れを生じたと
きの化成皮膜の構造解析を行った結果、化成皮膜中の金
属成分、特にMgが塗膜の膨れに関係していることを見
出した。
に基づいて、合金成分としてMgを含有するアルミニウ
ム材に水性塗料を塗布する場合における上記従来の問題
点を解消するために、塗膜の膨れ現象と、塗膜の下地で
ある化成皮膜中の金属成分との関連性について更に実
験、検討を重ねた結果としてなされたものであり、その
目的は、水性塗料の塗膜成形時の塗膜の膨れを防ぎ、平
滑性に優れた塗膜を形成することができる表面処理アル
ミニウム材、塗装アルミニウム材及びこれらの製造方法
を提供することにある。
項1によれば、Mgを含有するアルミニウム材の表面に
塗装下地として化成皮膜が形成された表面処理アルミニ
ウム材であって、該化成皮膜を形成する主要金属成分の
該化成皮膜中(アルミニウム素材と化成皮膜の界面から
化成皮膜表面までをいう。以下同じ)のピーク原子濃度
(A)に対する該化成皮膜中のMgのピーク原子濃度
(B)の比(B/A)が1以下であることを特徴とする
水性塗料による塗膜形成時に塗膜が膨れない表面処理ア
ルミニウム材が提供される。
1において前記化成皮膜がリン酸クロメート皮膜であ
り、前記主要金属成分がCrであることを特徴とする水
性塗料の塗膜形成時に塗膜が膨れない表面処理アルミニ
ウム材が提供される。
1または2において前記表面処理アルミニウム材がMg
0.5〜6%を含有する缶用表面処理アルミニウム材で
あることを特徴とする水性塗料の塗膜形成時に塗膜が膨
れない表面処理アルミニウム材が提供される。
1〜3のいずれか1項記載の表面処理アルミニウム材に
おいて、前記化成皮膜の表面に水性塗料による塗膜が形
成されたことを特徴とする水性塗料の塗膜形成時に塗膜
が膨れない塗装アルミニウム材が提供される。
含有するアルミニウム材の表面に、塗装下地として化成
皮膜を形成する表面処理アルミニウム材の製造方法にお
いて、該アルミニウム材の表面をエッチング処理した
後、化成皮膜処理を施すことによって、該化成皮膜を形
成する主要金属成分の該化成皮膜中のピーク原子濃度
(A)に対する該化成皮膜中のMgのピーク原子濃度
(B)の比(B/A)を1以下とすることを特徴とする
水性塗料による塗膜形成時に塗膜が膨れない表面処理ア
ルミニウム材の製造方法が提供される。
5において前記化成皮膜がリン酸クロメート皮膜であ
り、前記主要金属成分がCrであることを特徴とする水
性塗料の塗膜形成時に塗膜が膨れない表面処理アルミニ
ウム材の製造方法が提供される。
5または6において前記表面処理アルミニウム材がMg
0.5〜6%を含有する缶用表面処理アルミニウム材で
あることを特徴とする水性塗料の塗膜形成時に塗膜が膨
れない表面処理アルミニウム材の製造方法が提供され
る。
含有するアルミニウム材の表面に、塗装下地として化成
皮膜を形成し、該化成皮膜の表面に水性塗料による塗膜
を形成する塗装アルミニウム材の製造方法において、該
アルミニウム材の表面をエッチング処理した後、化成皮
膜処理を施すことによって、該化成皮膜を形成する主要
金属成分の該化成皮膜中のピーク原子濃度(A)に対す
る該化成皮膜中のMgのピーク原子濃度(B)の比(B
/A)を1以下とし、該化成皮膜の表面に水性塗料によ
る塗膜を形成することを特徴とする水性塗料による塗膜
形成時に塗膜が膨れない塗装アルミニウム材の製造方法
が提供される。
8において前記化成皮膜がリン酸クロメート皮膜であ
り、前記主要金属成分がCrであることを特徴とする水
性塗料の塗膜形成時に塗膜が膨れない塗装アルミニウム
材の製造方法が提供される。
項8または9において前記塗装アルミニウム材が、Mg
0.5〜6%を含有する缶用塗装アルミニウム材である
ことを特徴とする水性塗料の塗膜形成時に塗膜が膨れな
い塗装アルミニウム材の製造方法が提供される。
塗膜が膨れない表面処理アルミニウム材は、Mgを含有
するアルミニウム材の表面に化成皮膜が形成された表面
処理アルミニウム材であって、該化成皮膜を形成する主
要金属成分の該化成皮膜中のピーク原子濃度(A)に対
する該化成皮膜中のMgのピーク原子濃度(B)の比
(B/A)が1以下である。
金成分としてMgを含有しているアルミニウム合金材料
であり、Mg以外の金属成分を含んでいてもよい。該ア
ルミニウム材中のMgの含有量は、特に限定されるもの
ではないが、通常0.5〜6%である。なお、該アルミ
ニウム材が缶用に用いられる場合は缶蓋用と缶胴用とで
は通常Mgの含有量が異なっていることが多く、缶蓋用
は通常2〜6%(5052合金、5182合金等)、缶
胴用は通常0.5〜2%(3004合金等)であるが、
これらいずれの用途においてもMg含有量が上記範囲内
であるために使用することができる。なお、本発明では
後述するようにアルミニウム材中のMgの含有量が多い
と水性塗料の塗膜の膨れが発生し易いことがわかってい
るため、従来塗膜の膨れが発生し易かったMg含有量が
高い缶蓋用のアルミニウム材に特に好ましく用いられ
る。Mgを含有するアルミニウム材を熱間圧延すると、
アルミニウム材の表面近傍にMgが濃縮されるが、本発
明のアルミニウム材はこのようなものであってもよい。
該アルミニウム材の形状は、特に限定されない。製造方
法としてコイルコーティング法を用いる場合は、コイル
状に巻かれた板材として用いられる。
装下地処理としての化成皮膜形成に先立って、必要によ
り表面に存在するMgを除去する。特に、アルミニウム
材中のMgの含有量が高い場合、具体的にはMgの含有
量が2%以上の場合はアルミニウム材表面に存在するM
gを除去することが好ましい。このように化成皮膜を形
成する前にアルミニウム材表面のMgを除去することに
より、化成皮膜中にMgが残留し水性塗料の塗膜が塗膜
形成時に膨れることを防止することができる。
在するMgを除去する方法としては、エッチング処理が
採用される。エッチングとしては、アルカリエッチン
グ、酸性エッチングのいずれでもよい。しかし、コイル
コーティング法のように高速で処理ラインを操業する場
合には、エッチングの前処理工程として通常行われる脱
脂工程が酸性脱脂であるよりもアルカリ脱脂である方が
高速で処理できるため、脱脂工程に続くエッチングも液
性が同じであるアルカリエッチングが好ましく用いられ
る。上記アルミニウム材のエッチング量は、アルミニウ
ム材のMg含有量や厚さによって変わってくるが、例え
ばアルミニウム材が缶用のものであれば、好ましくは7
0mg/m2 以上であり、より好ましくは100〜300mg
/m2 である。エッチング量が上記範囲内にあるとアルミ
ニウム材の表面に存在するMgを十分に除去できるの
で、アルミニウム材の表面に後述する化成皮膜を形成し
ても、化成皮膜中にMgが高濃度で含有されて水性塗膜
が膨れることがない。
されたアルミニウム材は、その表面に化成皮膜が形成さ
れて表面処理アルミニウム材を形成する。
に化成処理によって形成される皮膜であり、アルミニウ
ム材に高度の耐食性を付与したり、化成皮膜の表面に形
成される塗膜とアルミニウム材との密着性を向上させる
ものである。化成皮膜としては、例えば、リン酸クロメ
ート皮膜、リン酸ジルコニウム皮膜、リン酸チタニウム
皮膜等が挙げられるが、このうちリン酸クロメート皮膜
が好適に用いられる。
記化成皮膜を形成する成分のうちの最もピーク原子濃度
が高い金属成分である。例えば、化成皮膜がリン酸クロ
メート皮膜の場合、皮膜の組成はCr2 O3 ・XH
2 O、CrPO4 ・4H2 O等からなるものであるか
ら、主要金属成分はCrである。また、化成皮膜がリン
酸ジルコニウム皮膜であれば、主要金属成分はZrとな
る。なお、化成皮膜が複数の金属成分を含む場合は、そ
のうちの最もピーク原子濃度の高い金属成分が主要金属
成分となる。
金属成分の該化成皮膜中のピーク原子濃度(A)に対す
る該化成皮膜中のMgのピーク原子濃度(B)の比(B
/A)が1以下であることを特徴とする。ピーク原子濃
度の比(B/A)をこの範囲内とすることによって、化
成皮膜の表面の水性塗料の塗膜を形成しても膨れを生じ
ることはない。ここで、化成皮膜中の主要金属成分のピ
ーク原子濃度(A)及び化成皮膜中のMgのピーク原子
濃度(B)の比(B/A)は、まず、アルミニウム材表
面の化成皮膜をAES分析(オージェ電子分光分析)し
て、化成皮膜中の主要金属成分のピーク原子濃度(A)
及び化成皮膜中のMgのピーク原子濃度(B)を測定
し、次いで、ピーク原子濃度(B)の値をピーク原子濃
度(A)の値で除して算出される。
合の、ピーク原子濃度(A)とピーク原子濃度(B)と
の関係を示すAES分析結果の一例である。図1〜4に
おいて、原子濃度は縦軸の高さ(Atomic Concentratio
n)で表されており、ピーク高さが高いほどピーク原子
濃度が高いことを示す。また、横軸はSputtering Time
であり、化成皮膜を表面から厚み方向にSputteringした
時間を示す。すなわち、Sputtering Time が大きいほ
ど、化成皮膜の深い部分の分析値であることを示す。図
1は主要金属成分Crのピーク原子濃度(A)がMgの
ピーク原子濃度(B)よりも高い場合を示しており、ピ
ーク原子濃度の比(B/A)は1未満である。図2は主
要金属成分Crのピーク原子濃度(A)とMgのピーク
原子濃度(B)が同程度の場合を示しており、ピーク原
子濃度の比(B/A)は約1である。図3及び図4は主
要金属成分Crのピーク原子濃度(A)がMgのピーク
原子濃度(B)よりも低い場合を示しており、ピーク原
子濃度の比(B/A)は1を越える。なお、図4は化成
皮膜中の厚み方向の分析位置によってはCrの原子濃度
がMgの原子濃度よりも高い場合があるが、ピーク原子
濃度に関してはMgの方が高くなっている。
/A)が1以下であると、水性塗料の塗膜形成時の塗膜
の膨れが防止される。図1〜4の例においては、図1は
ピーク原子濃度の比(B/A)は1未満であるため、水
性塗料の塗膜形成時に塗膜が膨れない。図2は(B/
A)が略1であるため、塗膜形成時に塗膜が膨れない臨
界点である。図3及び図4は(B/A)が1を越えるた
め、塗膜形成時に塗膜が膨れる。
場合に、水性塗料の塗膜形成時に塗膜が膨れない理由
は、以下のようであると考えられる。すなわち、Mgを
含有するアルミニウム材を熱間圧延すると、含まれてい
るMg分が表面近傍に移動してアルミニウム材の表面近
傍にMgが濃縮される。このアルミニウム材の表面に化
成皮膜が形成されると、化成皮膜形成の際にアルミニウ
ム材の表面近傍に高濃度に存在するMgが化成皮膜中に
残留し、化成皮膜中にもMgが高濃度に存在するように
なる。このようにMgを多く含んだ化成皮膜は、その表
面に水性塗料が塗布され焼付けられると、焼付け等の加
熱処理によって化成皮膜中のMgと化成皮膜中に微量に
残留する化成処理液に由来する酸とが反応して水素を発
生し、化成皮膜と水性塗料の塗膜との界面が剥離して塗
膜が膨らむようになると考えられる。
面にさらに水性塗料の塗膜を形成することにより塗装ア
ルミニウム材となる。水性塗料としては、例えば、エポ
キシ樹脂系水性塗料等が挙げられる。水性塗料の塗布量
は、表面処理アルミニウム材の用途によって異なるが、
表面処理アルミニウム材が例えば缶用材料の場合は、通
常20〜150mg/dm2の範囲で塗布される。本発明の表
面処理アルミニウム材あるいは塗装アルミニウム材にお
いては、水性塗料の塗膜が膨れ難いので、塗布量を多く
することができる。水性塗料は、焼付け等公知の方法で
処理されて塗膜を形成する。
ウム材は、缶蓋、缶胴等の缶用材料、建築材料、家庭用
品等に広く使用することができる。
なお、これらの実施例は、本発明の好ましい一実施態様
を説明するためのものであり、これによって本発明が制
限されるものではない。
%、Cr:0.03%、Zn:0.02%、Ti:0.
02%、Si:0.11%、Fe:0.24%、Al
bal.からなるアルミニウム板材(JIS A518
2)の表面をエッチング量を調整してアルカリエッチン
グ処理をした後、リン酸クロメート処理(日本ペイント
株式会社製アルサーフ401/45を使用)して、Mg
の含有率8%、Crの含有率12%のリン酸クロメート
皮膜を形成した。なお、リン酸クロメート皮膜のMg及
びCrのピーク原子濃度は、PERKIN ELMER PHI社製mode
l560でAES分析によりdepth profile を測定して求め
た。AES分析は、加速電圧5.0kV、ビーム電流5.
0μA 、3.0kVのAr+ イオンで試料表面の6.25
mm2 の領域をエッチングすることにより行った。
にエポキシ樹脂系水性塗料(東洋インキ株式会社製、E
870−4)を140mg/dm2塗布し、平均昇温速度1
7.5℃/秒(PMT=200℃)の条件で焼付けて塗
膜を形成し塗装アルミニウム板材を得た。得られた塗装
アルミニウム板材の塗膜外観を目視にて観察し、膨れの
有無について調べた。塗膜外観の評価は、膨れが見られ
ない場合を○、膨れが見られる場合を×で示した。結果
を表1に示す。
有率12%の皮膜とした以外は、実施例1と同様にして
塗装アルミニウム板材を得た。得られた塗装アルミニウ
ム板材の膨れの有無について実施例1と同様に調べた。
結果を表1に示す。
3%、Cu:0.02%、Cr:0.21%、Zn:
0.02%、Ti:0.01%、Si:0.11%、F
e:0.28%、Al bal.からなるアルミニウム
板材(JIS A5052)とし、リン酸クロメート皮
膜をMgの含有率8%、Crの含有率10%の皮膜とし
た以外は、実施例1と同様にして塗装アルミニウム板材
を得た。得られた塗装アルミニウム板材の膨れの有無に
ついて実施例1と同様に調べた。結果を表1に示す。
5%、Cu:0.22%、Cr:0.01%、Zn:
0.06%、Ti:0.01%、Si:0.25%、F
e:0.35%、Al bal.からなるアルミニウム
板材(JIS A3004)とし、リン酸クロメート皮
膜をMgの含有率4%、Crの含有率8%の皮膜とした
以外は、実施例1と同様にして塗装アルミニウム板材を
得た。得られた塗装アルミニウム板材の膨れの有無につ
いて実施例1と同様に調べた。結果を表1に示す。
有率8%の皮膜とした以外は、実施例1と同様にして塗
装アルミニウム板材を得た。得られた塗装アルミニウム
板材の膨れの有無について実施例1と同様に調べた。結
果を表1に示す。
有率8%の皮膜とした以外は、実施例3と同様にして塗
装アルミニウム板材を得た。得られた塗装アルミニウム
板材の膨れの有無について実施例1と同様に調べた。結
果を表1に示す。
4%、Cu:0.10%、Cr:0.03%、Zn:
0.02%、Ti:0.02%、Si:0.11%、F
e:0.24%、Al bal.からなるアルミニウム
板材(JIS A5182)とし、リン酸クロメート皮
膜をMgの含有率6%、Crの含有率12%の皮膜と
し、エポキシ樹脂系水性塗料の塗布量を130mg/dm2塗
布して、平均昇温速度11℃/秒(PMT=250℃)
の条件で焼付けた以外は、実施例1と同様にして塗装ア
ルミニウム板材を得た。得られた塗装アルミニウム板材
の膨れの有無について実施例1と同様に調べた。結果を
表2に示す。
3%、Cu:0.22%、Cr:0.01%、Zn:
0.03%、Ti:0.01%、Si:0.27%、F
e:0.39%、Al bal.からなるアルミニウム
板材(JIS A3004)とし、リン酸クロメート皮
膜をMgの含有率6%、Crの含有率11%の皮膜と
し、エポキシ樹脂系水性塗料の塗布量を147mg/dm2塗
布した以外は、実施例5と同様にして塗装アルミニウム
板材を得た。得られた塗装アルミニウム板材の膨れの有
無について実施例1と同様に調べた。結果を表2に示
す。
有率10%の皮膜とし、エポキシ樹脂系水性塗料の塗布
量を135mg/dm2塗布した以外は、実施例1と同様にし
て塗装アルミニウム板材を得た。得られた塗装アルミニ
ウム板材の膨れの有無について実施例1と同様に調べ
た。結果を表2に示す。
有率10%の皮膜とし、エポキシ樹脂系水性塗料の塗布
量を145mg/dm2塗布した以外は、実施例3と同様にし
て塗装アルミニウム板材を得た。得られた塗装アルミニ
ウム板材の膨れの有無について実施例1と同様に調べ
た。結果を表2に示す。
ミニウム材及び塗装アルミニウム材において、化成皮膜
を形成する主要金属成分の該化成皮膜中のピーク原子濃
度(A)に対する該化成皮膜中のMgのピーク原子濃度
(B)の比(B/A)が1以下であるため、塗膜に膨れ
のない水性塗料塗装アルミニウム材を得ることができ
る。
成皮膜中の主要金属成分Crのピーク原子濃度とMgの
ピーク原子濃度との関係がMg<Crの場合の例を示す
図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 Mgを含有するアルミニウム材の表面に
塗装下地として化成皮膜が形成された表面処理アルミニ
ウム材であって、該化成皮膜を形成する主要金属成分の
該化成皮膜中のピーク原子濃度(A)に対する該化成皮
膜中のMgのピーク原子濃度(B)の比(B/A)が1
以下であることを特徴とする水性塗料による塗膜形成時
に塗膜が膨れない表面処理アルミニウム材。 - 【請求項2】 前記化成皮膜がリン酸クロメート皮膜で
あり、前記主要金属成分がCrであることを特徴とする
請求項1記載の表面処理アルミニウム材。 - 【請求項3】 前記表面処理アルミニウム材が、Mg
0.5〜6%(重量%、以下同じ)を含有する缶用表面
処理アルミニウム材であることを特徴とする請求項1ま
たは2記載の表面処理アルミニウム材。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の表面
処理アルミニウム材の前記化成皮膜の表面に水性塗料に
よる塗膜が形成されたことを特徴とする塗装アルミニウ
ム材。 - 【請求項5】 Mgを含有するアルミニウム材の表面
に、塗装下地として化成皮膜を形成する表面処理アルミ
ニウム材の製造方法において、該アルミニウム材の表面
をエッチング処理した後、化成皮膜処理を施すことによ
って、該化成皮膜を形成する主要金属成分の該化成皮膜
中のピーク原子濃度(A)に対する該化成皮膜中のMg
のピーク原子濃度(B)の比(B/A)を1以下とする
ことを特徴とする水性塗料による塗膜形成時に塗膜が膨
れない表面処理アルミニウム材の製造方法。 - 【請求項6】 前記化成皮膜がリン酸クロメート皮膜で
あり、前記主要金属成分がCrであることを特徴とする
請求項5記載の表面処理アルミニウム材の製造方法。 - 【請求項7】 前記表面処理アルミニウム材が、Mg
0.5〜6%を含有する缶用表面処理アルミニウム材で
あることを特徴とする請求項5または6記載の表面処理
アルミニウム材の製造方法。 - 【請求項8】 Mgを含有するアルミニウム材の表面
に、塗装下地として化成皮膜を形成し、さらに該化成皮
膜の表面に水性塗料による塗膜を形成する塗装アルミニ
ウム材の製造方法において、該アルミニウム材の表面を
エッチング処理した後、化成皮膜処理を施すことによっ
て、該化成皮膜を形成する主要金属成分の該化成皮膜中
のピーク原子濃度(A)に対する該化成皮膜中のMgの
ピーク原子濃度(B)の比(B/A)を1以下とし、該
化成皮膜の表面に水性塗料による塗膜を形成することを
特徴とする水性塗料による塗膜形成時に塗膜が膨れない
塗装アルミニウム材の製造方法。 - 【請求項9】 前記化成皮膜がリン酸クロメート皮膜で
あり、前記主要金属成分がCrであることを特徴とする
請求項8記載の塗装アルミニウム材の製造方法。 - 【請求項10】 前記塗装アルミニウム材が、Mg0.
5〜6%を含有する缶用塗装アルミニウム材であること
を特徴とする請求項8または9記載の塗装アルミニウム
材の製造方法。
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JP2015092011A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-05-14 | 株式会社Uacj | 水性塗料塗装用のアルミニウム材 |
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JP2000226674A (ja) | 2000-08-15 |
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