JPS6045912B2 - たばこ用香喫味改良剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はブルメノールＣよりなるたばこ用香喫味改良剤
に関するものである。

近年たばこの嗜好は多様化の傾向を示しているが、特に
喫味が軽く香気の豊かな製品にその嗜好は移りつつある
。

これに伴い製品たばこに配合される原料葉たばこは喫味
が軽快でニコチン及びタール含量の少い緩和なものが多
く使用されるようになつてきた。又脱ニコチン処理を施
して製造された再生たばこ、葉たばこ以外の植物あるい
は各種の無機成分や有機成分等からなるいわゆる人工た
ばこ（以下人工たばこという）等を使用されるようにな
つてきている。しかしこのようなたばこ原料は一般に香
気が乏しく、剌激を有することが多く、旨味にも欠ける
為、更に何等かの物質を添加し香喫味を向上させる必要
がある。本発明はかかる観点から、特に香気が乏しく刺
激を有し旨味に欠ける葉たばこ、再生たはこ、人工たば
こ等を原料とするたばこの香喫味を向上させる化合物を
提供することを目的とするものである。

従来、たばこの香喫味改良に有好な物質としては数多く
の化合物が知られており、葉たばこの中にもともと含ま
れているカロチノイド分解産物もその一つの化合物群で
ある。

本発明者等はカロチノイド系化合物であればたばこの香
気とよく調和し効果的であろうとの予測に基づき鋭意研
究を重ねてきた結果、バーレー種葉たばこの中からブル
メノールＣを単離することに成功するとともに、本化合
物がたばこの香喫味改良剤として極めて有効であること
を見出し本発明をなすに至つた。すなわち本発明は（Ｉ
）式で表わされるカロチノイド系化合物ブルメノールＣ
（以下本化合物という）からなるたばこ用香喫味改良剤
である。′ （Ｉ） ５本化合物は既に公知の化合物であり、タバコの精油成
分（アクタ、ケミカ・スカンジナビカ誌、１９７作、２
８５頁）、ポドカルプスの葉の精油成分（ジャーナル◆
オブ●ザ●ケミカル●ソサイアテイー・ケミカル・コミ
ュニケーション誌、１９ｎ年１１３頁）として記載があ
り、又化学合成法も知られている（ヘルベチカ・キミカ
・アクタ誌、１９７４年５７巻２０８頂）。

しかしたばこの香喫味改良剤として優れた効果を発揮す
るということについては現在まで全く知られていない。

本化合物はバーレー種に属するタバコをジクロルメタン
て抽出した後、その抽出液を水蒸気蒸留し、常法により
揮発性中性部を得、その揮発性中性部につきシリカゲル
カラムクロマトグラフィー、次いで分取ガスクロマトグ
ラフィーを行うことにより単離することができる。その
単離例を述べると以下の通りである。すなわちバーレー
種葉たばこの再乾燥品を１？刻幅（水分４．４重量％）
に細刻したもの３７０ｋ９をジクロルメタン１，５００
ｋ９で北時間室温にて浸漬抽出し、抽出後は沖過後常圧
下８５℃以下で濃縮する。

ジクロルメタンは回収し、その回収ジクロルメタンを用
い繰返し同様の抽出操作を作つた。この段階での抽出物
の総量は８３．０ｋ９、収量は２２．４％（以下、本明
細書中に記載の％の表示は特記しない限り重量％を表わ
す）であつた。抽出物に含まれるジクロルメタンを除く
為、精留管を用い温度７０゜Ｃ以下で濃縮を行い、減圧
水蒸気蒸留用の濃縮液とした。この濃縮液を６０Ｔｓｎ
Ｈｑの減圧下で水蒸気蒸留に供し、濃縮液１００ｙ当り
１５′の留出液（留出速度１９ｅ／Ｈｒ）を採取した。
留出液は食塩で飽和後エーテルで５回抽出し、そのエー
テル液を５％硫酸水溶液で洗浄後水洗した。ついで５％
炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水洗の後、無水硫酸ナ
トリム上て脱水し、温度７０゜Ｃ以下で濃縮した。以上
の操作により最終的に揮発性中性部３２０ｙを得た。（
収率０．０８９％）この揮発性中性部を０．００２Ｔ！
ＲｌｎＨｙ下で減圧蒸留を行い、２９〜９６℃の分画２
４９ｆを得た。

この分画は３等分しそれぞれを１．５５０ｙのケイ酸（
米国マリンクロツト社製）を充填剤としてヘキサン・エ
ーテル混合溶媒でカラムクロマトグラフィーを行つた（
カラムの直径１０Ｃ７７り。最初ヘキサン２ｅを通し、
次にヘキサンニエーテル９８：２（ｗ／ｗ１以下混合比
についても同様）混液２ｅ１同９０：Ｗ混液４ｅ１同８
０：加混液４′、同５０：５幌液４′、更にエーテル４
ｅ１メタノール２ｅを順次通過させ１ｅづつ分取した。

本化合物は上記のエーテル溶出分画中に存在するので
、これを純粋に得る為にこの分画を濃縮７し、無極性液
相であるシリコンＳＥ−３０，１０％のカラムを用いて
ガスクロマトグラフィーを行い、本化合物を無色油状純
品として計２０ｍ９を得た。 本化合物は次のようなス
ペクトルを示す。 質量分析スペクトル（７０ｅＶ）：
ｍ／ｚ（％）ク ２１０（Ｍ＋，４１），１５０
（４８），１３５（７６），１２３（４７），１０９（
７０），１０８（８６），９５（６２），９３（５９）
，６９（５５），５５（５１），４５（４９），４３（
１００），４１（８８） 赤外線吸収スペクトル（液膜
）：ＣｒｆＬ−１７３４２０，１６６０核磁気共鳴スペ
クトル（ＣＤＣｌ３）：δ（Ｐｐｍ） １．０２（３
Ｈ，ｓ），１．０７（３Ｈ，ｓ），１．２０（３Ｈ，ｄ
，Ｊ＝６Ｈｚ），２．００（３１４，ｄ，Ｊ＝ ２Ｈ
ｚ）２．０１，２．４０（？，ＡＢ−Ｓｙｓｔｅｍ，Ｊ
＝こ １７Ｈｚ），２．７５（０Ｈ），３．７６（１Ｈ
，ｍ），５．８３（１Ｈ，ｍ） 本化合物は甘い花様香
気を有する無色の油状物質であり、たばこの香喫味改良
剤として望ましい適性を有する。

すなわち香喫味に欠け刺激を有する種々のたば こ
原料に本化合物を添加し、これらの香喫味について評価
試験を行つたところ、本化合物はたはに本来の香りとよ
く調和し、香りに丸味を持たせ、たばこらしさを強調さ
せ、刺激を抑え、更にこれ らの効果に持続性のあるこ
となど多くの優れた効果を有することが判明した。

本化合物をたばこ原料に添加する時期及び手段は特に
限定さるものではなく、他の通常使用され る香料と同
様にエタノール等の有機溶剤に溶かしｃ た後、たば
こ刻みに添加して使用でき、その他紙巻たばこ製造用の
材料品例えば巻紙、糊或いはフ イルター等に含有させ
ることによつても香喫味改良の効果をあげることができ
る。

本化合物を適用しうるたばこの種類についても４
特に制限はなく、通常の葉たばこを原料として製造さ
れる再生たばこ、天然の繊維或いは植物の組織培養物を
用い製造される合成たばこ等に対して もこれらの製造
工程中又は製品化された後、本化合物を添加することに
より、これらの香喫味を著しく改良することができる。

本化合物の添加量は極く微量で良く、たばこ又はたばこ
製造用材料品に対し、０．００００１〜０．０１重量％
望ましは０．０００１〜０．００１重量％の添加で充分
な効果が得られるので経済的にも大きな利点がある。実
施例１ 巻き上げ直前の日本専売公社商品名１チエリーョ用のた
ばこ刻み５０ｙに対して前述の方法で単離した本化合物
の０．０１重量％エタノール溶液を、たばこ刻みに対す
る本化合物の量が０．０００１重量％になるよう噴霧し
て添加したのち紙巻し、本化合物無添加の上記たばこ刻
みの巻上品を対照品として、これらを喫煙した時の匂い
、味について二点識別法により比較した。

特に訓練された専門パネル２０人の評価は第１表に示す
通りであつた，表中の数字は良いと評価した人数を示す
。※印は危険率５％で有意差があることを示す。

上表から本化合物は製品たばこの匂い及び味を著しく改
良する効果を有することが分つた。実施例２屑たはこを
１００゜Ｃの熱水で抽出し、水溶性部と水不溶性部とに
分けた後水不溶性部を叩解し、これにその乾物重量の１
５％にあたる針葉樹のクラフトバルブを加えた混合物を
薄紙状に成型し、この薄紙に上記の水溶性部をもどして
作つたシート状再生たばこ６０ｙに対し、前述の方法で
単離した本化合物を、実施例１と同様にしてその添加量
が０．０００５重量％になるよう噴霧して添加した後、
裁刻して巻き上げ、本化合物無添加の上記シート状再生
たばこの裁刻巻き上げ品を対照品として二点識別法によ
り喫味を比較した。

特に訓練された専門パネル２０人による評価は第２表に
示す通りであつた。表中の数字は良いと評価した人数を
示す。

※印は危険率５％で有意差があることを示す。

この結果本化合物を添加したものは匂い及び味が著しく
改善さると共に刺激の抑制効果も顕著てあることが分つ
た。実施例３ たばこ刻みの紙巻用糊てあるＣ．Ｍ．Ｃ．（カルボキシ
メチルセルロース）糊液に本化合物を０．００１重量％
になるよう混合したものを用いて実施例２で製造したシ
ート状再生たばこの裁刻巻き上げ品を作り、別途本化合
物無添加の糊液を用いた巻き上げ品を対照品として、二
点識別法によりこれらの喫味を比較した。

特に訓練された専門パネル２０人による評価は第３表に
示す通りであつた。表中の数字は良いと評価した人数を
示す。ノ ※印は危険率５％で有意差があることを示す
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ （ I ）式で表わされる化合物ブルメノールＣより
   なるたばこ用香喫味改良剤。 ▲数式、化学式、表等があります▼（ I ）