JPS6045677B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は多色性染料を液晶に添加混合（溶解）させた液
晶材料層を備えた液晶表示装置の改良に関する。

多色性染料を液晶材料に添加混合した液晶層を備えた液
晶表示装置は、電圧印加によりカラース０ＮＨ！、−Ｙ
』、 ± 良好・、−ｊ一イ″ ’ ／゛Ｙ’ゞ＞ １−、ｙ、１リ ュ乍］ Ｎ斤ＮＨＯ ／ イツチングできることが知られている。

この種のカラー表示において用いられる多色性染料につ
いては、液晶分子との相溶性および秩序度が良好でしか
も光に対して安定であることが必要である。従来、この
秩序度を表わす指標として、オーダーパラメータが知ら
れており、（Ｊ０ｕｒｎａ１０ｆＡｐｐ１１ｅｄＰｈｙ
ｓｉｃｓり０１４５｜Ｎ０．１１｜Ｐ、４７１８〜４７
２３（１９７８））カラー液晶表示装置においては、か
かる’オーダーパラメータ値が高い程、電圧印加時と無
印加時の着色コントラストが大きく視認性にすぐれてい
る。ところで、かかる多色性染料の色相は、赤色、青色
等に限られており、多色性染料を単一で用いた場合液晶
装置の色相の多様性の要求、すなわち緑色、黄色、黒色
等の要求には応じられず、この様な場合には異なる吸収
極大波長を有する２種以上の染料を混合して用いること
が行なわれている。

従来、液晶に用いうる多色性染料としては、各種のオー
ダーパラメータ値、吸収特性を有するアゾ系、アントラ
キノン系、メロシアニン系等の染料が知られている。

ところで、かかる多色性染料を用いた液晶には、それぞ
れ次のような問題があり、実用的ではなかつた。すなわ
ち、アゾ系染料においては、長波長側に吸収極大を持つ
染料、すなわち青色相の染料は、耐光性が悪く寿命が短
かい。また、アントラキノン系染料は、耐光性は良好て
あるものの、短波長側に吸収極大を持つ染料なわち赤色
相の染料は、オーダーパラメータが低いため電圧印加に
よるカラースイッチングにおいて、充分な色コントラス
トが得られない。またメロシアニン系染料は全く耐光性
が不良で実用に供し得ない。本発明は従来の多色性染料
含有液晶表示装置の欠点を改善すべくなされたものであ
つて、色相が多様で、コントラストが高く、光に対して
も安定て所要の表示機能を長期間に互つて維持、発揮す
る液晶表示装置を提供しようとするものである。

即ち本発明は多色性染料を添加含有する液晶材料層を備
えて成る液晶表示装置において、多色性染料として、波
長３４０〜５５０ｒ１ｍに吸収極大を有する発色団とし
てアゾ基を有する染料のうちの少なくとも１種および一
般式、（式中Ｘ，Ｙ，Ｚは−Ｒ，−０Ｒ，Ｃ１，−ＮＨ
Ｒ，一ＮＲ２であり、Ｒ１１Ｈ１アルキル基、フェニル
基）で示される波長５５０〜７４０ｎｍに吸収極大を有
するアントラキノン系染料のうちの少なくとも１種の混
合物を用いたことを特徴とする液晶表示装置である。

以下、本発明を更に詳細に説明する。

本発明の液晶表示装置は、例えば第１図に示すように、
一対のパターニングされた透明電極３を形成した透明基
板２を封止部材４を介して対向配置し、その空間内に液
晶材料１を封入したものである。

該透明電極からはリード線が引出され、外部の駆動電源
に接続できるようになつている。かかる液晶表示装置自
体の構造は周知のものであり、本発明は特に液晶表示セ
ル中に封入される液−晶材料に添加される多色性染料の
組成に関するものである。本発明で用いることのできる
アゾ系染料としては、波長３４０〜５５０ｒ１ｍに吸収
極大を示す色団を有するアゾ系染料はいずれも使用可能
であり、かかるアゾ系染料は一般に周知のものである。

その一例を第１表に示すが、本発明はこれに限定される
ものではない。本発明において、アゾ系染料として吸収
極大の波長３４０〜５５０ｒ１ｍのものに限定したのは
、波長５５０ｒ１ｍ以上の長波長側に吸収極大を有する
アゾ系染料は、光に対する安定性が悪く、紫外線が照射
される環境下で速かに退色してしまい、実用的ではない
からであり、一方波長３４０ｎｍ以下の短波長側に吸収
極大を有するアゾ系染料は、可視光波長領域に吸収を示
さないため、かかるアゾ系染料を添加しても色相に変化
をもたらさず、無意味だからである。

次に、本発明で用いられることのできるアントラキノン
系染料としては、一般式（式中Ｘ，Ｙ，Ｚは−Ｒ，−０
Ｒ，−Ｃｌ，−ＮＨＲ，−ＮＲ２を、また、−ＲはＨ１
アルキル基、フェニル基を表わす）て表わされる化合物
て、波長５５０〜７４０ｎｍに吸収極大を有する染料は
いずれも使用可能であり、かかる染料は従来周知のもの
である。

その一例を第２表に示すが、本発明はこれに限定される
ものはない。本発明においてアントラキノン系染料とし
て、吸収極大の波長５５０〜７４０ｎｍのものに限定し
たのは、かかる波長が５５０ｎｍ以下の短波長側に吸収
極大を有するアントラキノン系染料は、オーダーパラメ
ータが小さいため、これを用いる液晶表示素子か電圧印
加時と無印加時の色相変化が小さく色コントラストが悪
いからであり、一方該波長が７４０ｎｍを超える長波長
側に吸収極大を有する該染料は、可視光領域に吸収を示
さないため、かかるアントラキノン系染料を添加しても
色相変化をもたらさず無意味だからである。

本発明においては、上記アゾ系染料とアントラキノン系
染料とを適宜組み合わせて用いることにより、所望色調
を有する液晶素子が得られ、その配合割台は任意であり
、用いる染料の吸収極大波長と所望の色調との関連によ
つてのみ決定される。

また液晶材料については、従来公知の材料はいずれも使
用可能てあり、特に限定されない。

以下本発明を実施例によつて説明する。先す第３表に示
す分子構造および物性値を有するアゾ系およびアントラ
キノン系の染料５種を用意した。

次いでこれらの５種の染料を第４表に示すように組合せ
、所定量をそれぞれビフェニル系混合液晶Ｅ−８（商品
名．英国ＢＤＨ社）に添加混合（溶解）させ比較例を含
め５種の液晶材料を調製した。一方蒸着法により酸化イ
ンジウム電極を形成しさらに液晶が平行配列するよう酸
化ケイ素を斜め蒸着し配向処理しガラス基板を用意した
。

このガラス基板２枚の間に上記調製した液晶材料をそれ
ぞれ挿置して、常套手段によつて第１図および第２図に
示す液晶表示装置をそれぞれ構成した。上記構成した液
晶表示装置については電圧非印加部Ｂ及ひ５Ｖ印加部Ａ
における液晶材料層の色相、さらに電力３．５Ｗの紫外
線灯ＦＬ２ＯＳＢＬＢ（商品名東芝）を線源として紫外
線を照射して電圧印加部の色相変化を調べた結果を第４
表に併せて示した。なお、かかる色相については、目視
によりこれを判定した。

第４表から明らかのように吸収極大が波長５５０ｎｍ未
満の領域にある液晶材料層と吸収極大が波長５５０ｎｍ
以上の領にあるアントラキノン系染料との混合系多色性
染料を用いて成る液晶表示装置（実施例１，２）の場合
には、電圧非印加部Ｂは緑ないし暗い紫に着色している
のに対して電圧印加部Ａは白色となつており、色コント
ラストが極めて良好で視認性に優れている。

また、紫外線照射によつて２００時間以上退色もなく、
色相が安定している。しかるにアゾ系染料の混合系を用
いた場合（比較例１）には色コントラストは良いが安定
性が劣り、アントラキノン系染料の混合系を用いた場合
”（比較例２）には安定性自体は良いが色コントラスト
が悪く、また本発明の場合とは逆の組合せに係る混合系
染料を用いた場合（比較例３）には色コントラスト、安
定性とも劣つていた。

このように本発明に係る液晶表示装置は良好な色コント
ラスト乃至表示能を示すうえすぐれた安定性も備えてい
るばかりでなく、一種の染料のみでは達成できない黒色
表示も可能で、安定な黒白表示を達成できるなどの利点
もある。尚、上記実施例では液晶としてネマチツク液晶
を用いた場合を示したが、コレステリツク液晶やカイラ
ルネマチツク物質を混合したネマチツ系液晶またはスメ
クチツク液晶を用いた場合も同様の効果が認められた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の液晶装置の概略断面図、第２図はパタ
ーニングした液晶装置の平面図である。 １・・・液晶材料、２・・・透明基板、３・・・透明電
極、４・・・封止部材、Ａ・・・電圧印加部、Ｂ・・・
電圧非印加部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多色性染料を添加含有する液晶材料層を備えて成る
   液晶表示装置において、多色性染料として波長３４０〜
   ５５０ｎｍに吸収極大を有する発色団としてアゾ基を有
   する染料のうちの少なくとも１種、および一般式▲数式
   、化学式、表等があります▼ （但し式中Ｘ、Ｙ、Ｚは−Ｒ、−ＯＲ、Ｃｌ、−ＮＨＲ
   、−ＮＲ＿２であり、ＲはＨ、アルキル基、フェニル基
   ）で示される波長５５０〜７４０ｎｍに吸収極大を有す
   るアントラキノン系染料のうちの少なくとも１種の混合
   物を用いたことを特徴とする液晶表示装置。