JPS6041631Y2 - 温度ヒユ−ズ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は周囲温度が特定の温度まで上昇すると溶断す
る可溶合金を用いた温度ヒユーズに関するものである。

周囲温度が異常に上昇して特定の温度（動作温度）以上
になると電気回路を遮断して、それ以上の温度上昇を防
止すると共に、上昇した周囲温度が動作温度以下に下降
しても電気回路の遮断を続ける非復帰型の温度ヒユーズ
は大別すると可溶合金を用いたものと、絶縁性化学物質
の粉末を圧綿成形した感温ペレットを用いたものに分け
られる。

前者可溶合金タイプのものは後者感温ペレットタイプの
ものに比べて小型、構造簡単、製造容易、安価という利
点を有している。

上記可溶合金タイプの温度ヒユーズは軸状可溶合金の両
端面に同軸状に２本のストレートなリード線を半田付け
し、可溶合金の囲りを円筒状ガラスケースで外装したア
キシャルリード形の構造が一般的である。

しかし乍ら、このアキシャルリード形温度ヒユーズは後
述の樹脂外装自立形温度ヒユーズに比較して構造が複雑
で小型化や製造が難しく、高価である。

一方、前述の樹脂外装自立形温度ヒユーズは例えば第１
図に示すように２本の平行なストレートのリード線１，
２の先端部に軸状可溶合金３の両端部を直交させて電気
的且つ機械的に接続固定して、可溶合金３の周面にフラ
ックス４を塗着し、更にフラックス４上に硬質の外装樹
脂材５をコーティングしたものが提案されている。

尚、リード線１，２と可溶合金３の接続は半田付け（可
溶合金自体）やかしめ等の手段で行われる。

またフラックス４は可溶合金３の酸化防止や、溶けた可
溶合金３とリード線１，２との濡れ性を良くし、外装樹
脂材５内に可溶合金３の溶断スペースを形成して可溶合
金３の溶断を確実且つスピーディに行わせる等の目的で
使用される。

このフラックス４や外装樹脂材５は浸漬法によって簡単
に形成てきるので、量産化が可能で製造単価が安くてき
、而も小型化が可能であるメリットを有する。

ところで、電気機器の温度過昇防止装置として使用され
る温度ヒユーズは製品として出荷する前に高温保管試験
が義務付けられている。

また温度ヒユーズを電気機器に設置した後、機器側のス
イッチの開閉の繰り返して温度ヒユーズの周囲温度が上
昇と下降を繰り返す。

このように動作温度未満で周囲温度が上昇したり下降し
たりすると、可溶合金３が膨張したり収縮したりして軸
方向に伸び縮みする。

すると、第１図の温度ヒユーズの硬質の外装樹脂材５に
固定されたストレートなリード線１，２の先端に可溶合
金３を固定した構造のため、可溶合金３の伸び縮みによ
って可溶合金３とり“−ド線１，２の結合部分や、リー
ド線１，２と外装樹脂材５の結合部分に大きなストレス
が加わり、リード線１，２から可溶合金３が外れたり、
外装樹脂材５のリード線封止部にクラックが入って耐湿
性劣下を招くことがあった。

本考案はかかる問題点に鑑みてなされたもので、可溶合
金の膨張・収縮による変形を吸収する部分を積極的に設
けた樹脂外装自立形温度ヒユーズを提供する。

以下、本考案の構成を各実施例でもって説明する。

第２図において、６及び７は２本の平行なリード線、８
は各リード線６，７の先端部に両端部を電気的且つ機械
的に接続固定した軸状可溶合金、９は可溶合金８の周面
に塗布したペースト状のフラックス、１０はフラックス
９上に被着させた弾性部材、１１は弾性部材１０上に被
着して内部を密閉する硬質の外装樹脂材である。

この温度ヒユーズの特徴は可溶合金８と外装樹脂材１１
の間にあるリード線６，７の先端部近傍を可溶合金８の
軸方向に湾曲させることと、この湾曲部１２，１３の一
部を弾性部材１０内に埋設することである。

尚、弾性部材１０はシリコンゴムやスポンジ、或は発泡
スチロールなどが使用される。

またフラックス９や弾性部材１０、外装樹脂材１１は順
次に浸漬法で形成される。

この第２図の温度ヒユーズの可溶合金８は周囲温度が動
作温度未満で上昇及び下降すると膨張及び収縮を行い、
軸方向に伸び縮みするが、この伸び縮みの方向にリード
線６，７の湾曲部１２，１３が湾曲しているので、可溶
合金８の伸び縮みに追従して湾曲部１２．１３が第３図
の鎖線で示すように容易に変形する。

また、この湾曲部１２゜１３の変形を弾性部材１０が容
易にする。

従って、可溶合金８の膨張・収縮が繰り返し行われても
、その変形により生じる応力の大部分を湾曲部１２．１
３と弾性部材１０が吸収して、リード線６．７と可溶合
金８の結合部分やリード線６，７と外装樹脂材１１の結
合部分に加わるストレスが大幅に減少する。

次に本考案の各種変形例を説明する。

第４図は可溶合金８の両端面にリード線６，７の先端部
を固定したものであり、第５図は可溶合金８の両端面に
チップ状の中間金属１４．１５を予め半田付けしておい
て、この中間金属１４．１５にリード線６，７の先端部
を溶接したものである。

この第４図や特に第５図の場合は可溶合金８に加わるス
トレスが少なくなり、より安全である。

また、第６図及び第７図はリード線６，７の湾曲部１２
’、１３’を平偏加工して、より屈曲しやすくした一例
を示す。

以上説明したように、本考案によれば可溶合金が周囲温
度の変化で膨張・収縮を繰り返しても、その変形をリー
ド線の湾曲部や弾性部材が吸収するから、リード線から
可溶合金が外れたり、外装樹脂材にクラックが入って耐
湿性が劣下したりするトラブルの発生が皆無となり、安
定した動作を行う信頼性の高い温度ヒユーズが提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の前提となる温度ヒユーズの断面図、第
２図は本考案の一実施例を示す断面図、第３図は第２図
の一部の拡大図、第４図及び第５図は可溶合金とリード
線の結合変形二個を示す要部正面図、第６図及び第７図
はリード線の変形例を示す要部正面図及び側面図である
。 ６．７・・・・・・リード線、８・・・・・・可溶合金
、１０・・・・・・弾性部材、１１・・・・・・外装樹
脂材、ｉ２．１３・・・・・・湾曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端部近傍に湾曲部を形成した２本の平行なリード線と
   、この各リード線の先端部に両端部を電気的且つ機械的
   に固定した軸状可溶合金と、前記リード線の湾曲部を含
   んで可溶合金の囲りを予備外装する弾性部材と、この弾
   性部材上に被着形成した硬質の外装樹脂材とで構成した
   ことを特徴とする温度ヒユーズ。